デュエルガンダム
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デュエルガンダム (Duel Gundam) は、テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED場する架空の兵器(モビルスーツ・MS)。(型式番号:GAT-X102)本項では発展機であるブルデュエルの概要も記述する。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
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[編集] デュエルガンダム
デュエルガンダム | |
型式番号 | GAT-X102 |
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所属 | 地球連合軍→ザフト軍(クルーゼ隊) 地球連合軍第81独立機動群“ファントムペイン”(再製造機) |
製造 | モルゲンレーテ社 アクタイオン・インダストリー社(再製造機) |
生産形態 | 試作機 |
全高 | 17.50m |
重量 | 61.90t(アサルトシュラウド装備時:103.47t) |
装甲材質 | フェイズシフト装甲 |
武装 | 75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」×2 175mmグレネードランチャー装備57mm高エネルギービームライフル ビームサーベル×2 対ビームシールド 専用バズーカ (アサルトシュラウド武装) 115mmレールガン「シヴァ」 220mm径5連装ミサイルポッド |
主な搭乗者 | イザーク・ジュール ミューディー・ホルクロフト(再製造機) |
[編集] 機体解説
X102デュエルは後に開発される連合製主力MSの基本形として、MSとしての基本的性能、機動性、攻撃力を備えた汎用機というコンセプトで開発された。その為他のGAT-X系列機に比べて際立った特徴は少ないが、基本装備としてビームサーベルやビームライフル等の汎用装備を備えており、「次世代の汎用機の基本形」としての条件を充分に満たしている機体と言える。
機体名の「デュエル」は「決闘」を意味し、軽量な機体を背景にした運動性能とビームサーベルを駆使した白兵戦闘を基本戦術としている。しかし基本骨格に採用されたX100系フレームは、後発機であるX105ストライクに比べ外装、内装機材との相性があまり練り込まれておらず、想定していた本来の運動性能を十全に引き出しているとは言い難い。これは同じく系列機であるX103バスターも同様であったが、こちらは遠距離支援用の機体である為さほど問題視されてはいなかったようである。なお、GAT-Xシリーズは全機共通規格のマニピュレーターを採用しており、携行火器の共用化が容易な設計となっている。
[編集] 武装
- 75mm対空自動バルカン砲塔システム"イーゲルシュテルン"
- 頭部額部に2門装備されている近接防御機関砲(CIWS)。ミサイルの迎撃や接近してくる敵機への牽制、威嚇に用いられる。ストライク、及びGAT-X303イージスの側頭部や本来の運用母艦であったアークエンジェル、そして以降の連合製MS、艦艇等に広く装備されている。
- 劇中では、プロヴィデンスの攻撃で中破したバスターを救助中、接近してきたレイダーに対して、手持ちの火器を全て破壊された本機がこれの牽制のために使用した。
- 175mmグレネードランチャー装備57mm高エネルギービームライフル
- 主兵装の携帯ビーム兵器。基本構造、及び威力等はストライクのライフルと同等だが、銃身下部に小型マルチランチャーを搭載している。このランチャーは「点への破壊」であるビームライフルに対し、榴弾や散弾など「面への破壊」に適した武器を搭載する為の物であり、主に175mmグレネードランチャーを装着する。グレネードは5話においてフェイズシフトダウンを起こしたストライクに発射、49話においては連合の戦艦を破壊するのに使用されている。ビームと実弾を撃ち分けられるという性質から連合側のパイロットたちに評価され、一定数が生産された。C.E.73年、ストライクノワールが同型のビームライフルを二挺装備して出撃している。
- 専用バズーカ
- 公式外伝ASTRAYに登場。アストレイゴールドフレームがヘリオポリス脱出の際に持ち去った為、本機では結局運用されなかったという幻の装備。当然アニメでは未登場。
- ビームサーベル
- バックパックの左右マウントホルダーに搭載されているビームサーベル。ストライクの物と同等品。白兵用の本機の思想を体現する最重要装備である。本来装備される2本の内の1本は予備であり、エネルギー消費の関係上、同時に使用することは好ましくない。だが、鹵獲後の本機に搭乗したイザーク・ジュールは、元来接近戦を好む気質を持ち、度々2刀流での接近戦を敢行し優秀な戦果を挙げている。
- 対ビームシールド
- ビームの粒子を反射・拡散させる特性を持つ特殊塗料を施されたシールド。対艦攻撃用の高出力ビームや艦載型の大型ビーム砲を防ぎ切る程の防御力は無いが、バスター以外のG兵器に標準装備として搭載されたビームライフル、ビームサーベル程度に対してなら必要充分の防御力を発揮する。ストライクの携行する物と同一装備だが、機体色に合わせ青ベースのカラーリングとなっている。
- 50話では大破したバスターをアークエンジェルに収容した際に、補給を受けた本機がストライク用のシールドを装備してカタパルトに向かう姿が終盤1カット確認されている。また、ストライク用のビームライフルとシールドを装備してアークエンジェルの護衛についている姿も確認されている。
- ショートライフル&スナイパーライフル
- 「SEED」放送時に発売されたフィギュアシリーズ・「AMIA」のデュエルガンダムに付属したオリジナル装備。汎用機であるデュエルの設定を活かしたボーナスパーツだと思われ、公式には存在しない装備である。銃身のベース部は57mm高エネルギービームライフルと酷似している。
[編集] アサルトシュラウド
物語序盤の戦闘で損傷したデュエルに、ザフトが独自に追加した武装パーツ。ジンやゲイツ用のアサルトシュラウドを用いて作成されたものであるらしいが、ジン用のものとは形状も武装も余りにも違う為、未だ登場していないゲイツ用のものを転用したものか、コンセプトのみを受け継ぎ新造されたものと思われる。
装着後は総重100tを超える超重量機となるが、バックパック及び脚部に追加された高出力スラスターによって機動力を強引に確保している。しかしこの方策が通用するのも無重力空間に限っての話であり、重力下での戦闘においてはその重量が足枷となり、アフリカでの戦いにおいてレセップスの甲板から飛び出した本機がバスター共々砂に脚を捕られ埋まっていくシーンが見られた。
ASのコンセプトは火器や推進器を内蔵した複合装甲によってMSの火力・機動力・防御力を一度に強化するというものだが、元々PS装甲を持つデュエルにとっては追加装甲としてのASは無用の長物であり、あくまで火力と機動性向上による攻撃力の強化に重点を置いた装備と言える(ちなみに、『スーパーロボット大戦シリーズ』、一部を除いた『SDガンダム GGENERATIONシリーズ』、『機動戦士ガンダムALIVE』では他のGとの兼ね合いからかこの状態においてもPS装甲が装備されている)。
緊急時のパーツ排除は可能らしく、49話でフォビドゥンの攻撃を受ける寸前にパーツを強制排除、身軽になった本機が近接戦闘でこれを撃破したシーンがある。
なお、「シュラウド」は「埋葬する死体を包む布」の事で、「アサルトシュラウド」を直訳すると「強襲用屍衣」となるが、これは損傷したデュエル(屍)に増加装甲(衣)を施したという事で、皮肉も込めてこの名称がつけられたという説もある。
大戦後期には、地球連合がこの機体を参考に開発したGAT-01D ロングダガー、GAT-01D1 デュエルダガーにも、同コンセプトの強化装甲、フォルテストラが装備されている。
- 追加武装
- 115mmレールガン「シヴァ」
- AS右肩部装甲に設置されたレールガン。速射性に優れ、同時に多数の敵に攻撃を行なう。
- 実体弾武装である為PS装甲には通用しないが、それ以外の通常装甲に対してはインド神話における破壊神の名である「シヴァ」の名に恥じない破壊力を誇る。
- 220mm径5連装ミサイルポッド
- AS左肩部装甲内に格納されたミサイルポッド。
- これらアサルトシュラウドの追加武装であるレールガン、ミサイルポッドの組み合わせはバスターを参考にしたものと推測される。
[編集] 劇中での活躍
劇中では、ヘリオポリスを襲撃したザフト軍のクルーゼ隊によって奪われ、隊員の1人、イザーク・ジュールの愛機となった。そのままヘリオポリスを脱出したアークエンジェルを追撃したが、唯一強奪を免れたストライクの迎撃によって第5話において機体は損傷したが第6話において修復されており、設定の矛盾を感じさせる描写はあった。(しかしこれについては模型誌ホビージャパンにおいて強奪の際に予備パーツも確保していたことが記述されており、事実第6話において修復する描写が見られるため矛盾ではなく、また後付け設定ではない。)第11話での損傷からの修復の際に、ジンなどの追加装備を用いて新造されたASを装着した。同時に強奪された他の3機とともにたびたびアークエンジェルを追い詰めるが、キラ・ヤマトの駆るストライクの前に辛酸を舐めさせられることが少なくなかった。
低軌道会戦中偶然地球に降下した後は、再びアークエンジェルを追って北アフリカ、マーシャル諸島と転戦。オペレーション・スピットブレイク発動後は連合本部アラスカJOSH-A侵攻作戦、パナマ攻略戦にも参加した。
再び宇宙に上がった後は新設されたジュール隊の隊長機として第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦を戦い抜き、地球連合軍の新型GAT-X3機の内フォビドゥン、レイダーの2機を撃墜(スペシャルエディション3ではフォビドゥンのみ)。さらに地球連合軍の旗艦を撃墜し、プラント防衛に多大な貢献をした。レイダー撃墜後にPSダウンを起こしたが、中破したバスターをアークエンジェルに収容した際に補給を受けており、ストライク用のシールドを装備してアークエンジェルの近くを飛行しているシーンも見られた。
GAT-X機中唯一稼動状態で停戦を迎えている。停戦後の行方は不明だが、連合に返還されたとする説がある。
[編集] ブルデュエル
ブルデュエル(Blu Duel)は、『機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER』に登場するMS。(型式番号:GAT-X1022)
一部媒体では「ブルデュエルガンダム」と表記される事もあるが、当記事では公式サイトの記述に準じ「ブルデュエル」と表記する。
ブルデュエル | |
型式番号 | GAT-X1022 |
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所属 | 地球連合軍第81独立機動群“ファントムペイン” |
製造 | アクタイオン・インダストリー社 |
生産形態 | 強化改修機 |
全高 | 16.89m |
重量 | 84.24t |
装甲材質 | フェイズシフト装甲 |
武装 | M2M5 トーデスシュレッケン12.5mm自動近接防御火器×2 Mk315 スティレット投擲噴進対装甲貫入弾×3 M443 スコルピオン機動レールガン M7G2 リトラクタブルビームガン×2 ES05A ビームサーベル×2 対ビームシールド |
主な搭乗者 | ミューディー・ホルクロフト |
[編集] 機体解説
地球連合軍第81独立機動群“ファントムペイン”特殊戦MS小隊に所属する女性士官ミューディー・ホルクロフト少尉の搭乗機で、アクタイオン・インダストリー社を中心とした複数企業の技術協力を受け推進したエースパイロット用カスタマイズMS開発計画―通称「アクタイオン・プロジェクト」の成果の1つとして生み出された機体である。
再建造された初期GAT-Xシリーズの1機X102デュエルをベースとし、度重なる実働試験で得られたデータを基に強化改修を施した機体。初期GAT-Xシリーズ自体はC.E.73年代において既に旧世代機と化しているが、そのポテンシャルは現在もなお一線級の水準を維持していた。ブルデュエルは、僚機である汎用型のX105Eストライクノワール、砲戦型のX103APヴェルデバスターとの連携を想定し、近接白兵戦闘を重視したカスタマイズが施されている。
各部に配置された増加アーマーは、GAT-01Dロングダガー、GAT-01D1デュエルダガーのフォルテストラを再設計した複合兵装ユニットで、追加装備された強化スラスター及び各種火器によって機動力、攻撃力共に格段の向上が成されている。 更に、旧フォルテストラやザフトのアサルトシュラウドと違い外装にVPS装甲を全面的に採用しており、純粋な防御装甲としての機能が高められている。また、装甲を完全な固定式とし、余分な装甲、構造材を簡略化し軽量化を図る事で、追加ユニット共通の欠点であった運動性の低下を最小限に抑えている。
尚、機体名称の「blu」は、イタリア語で「青」を意味する。
[編集] 武装
- M2M5 トーデスシュレッケン12.5mm自動近接防御火器
- ダガーL以降の連合系量産MSが標準装備する対空防御機関砲。イーゲルシュテルンに替わり頭部に2門内蔵される。
- Mk315 スティレット投擲噴進対装甲貫入弾
- 左肩部増加アーマーのラック内に格納される自推式の投擲兵器。同じく連合系量産MSに広く装備される。ミューディーは使用時に3基を一度に引き抜き投擲する。
- M443 スコルピオン機動レールガン
- 右肩シールド裏に装備された旋回式電磁レール砲塔。
- AS装備型デュエルの「シヴァ」や、ロングダガー、デュエルダガーのリニアガンに準じた武装。その破壊力はサソリ(Scorpion)の毒針の如く一撃必殺を誇る。
- M7G2 リトラクタブルビームガン
- 両前腕アーマーに一体化されたビームハンドガン。
- 機体特性上敵味方入り乱れる乱戦状態下での使用を想定しており、出力や射程よりも即応性や連射能力を重視した設計としている。使用時は格納されたバレル部を旋回させ射撃体勢を取るが、通常の銃同様掌でグリップを保持する。
- ES05A ビームサーベル
- 両スネアーマー側部にマウントされた斬撃武装。
- ダガーLやウィンダムに標準装備であるES04Bを改良し、より信頼性や耐久性を向上させたモデル。バックパックにホルダーを持つベース機と異なり、よりマニピュレーターに近い位置に配置する事で抜刀モーションの短縮化が図られている。
- 対ビームシールド
- 対ビームコーティング仕様の防御用シールド。
- ベース機の物と同一の装備だが、両腕部ビームガンの固定化に伴い右肩アームバーに設置変更されている。
[編集] 劇中での活躍
本機は、ブレイク・ザ・ワールド事件後キルギスプラントを襲撃したザフト軍の殲滅任務を受けストライクノワール、ヴェルデバスターと共に現場に急行、これを鎮圧した。その後はデストロイを搭載し西ユーラシア地方を進撃中のハンニバル級陸上戦艦ボナパルトの防衛任務に就き、迫り来るザフトのMS部隊を駆逐していたが、背後よりバクゥの奇襲を受けビームサーベルで右腕、シールド、レールガンを切断され、更に左足を撃ち抜かれて行動不能となった直後に3機のケルベロスバクゥハウンドのビームファングでコクピットを滅多刺しにされて大破、パイロットのミューディーも戦死した。
[編集] 参考
[編集] 関連項目
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ガンダムシリーズの映像作品 | ||||||
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ガンダムシリーズの劇中項目 | ||||||
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