グフイグナイテッド
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グフイグナイテッド (Gouf Ignited) は、テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する架空の兵器(モビルスーツ・MS)。(型式番号:ZGMF-X2000、量産機はZGMF-2000)
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] 機体解説
グフイグナイテッド | |
型式番号 | ZGMF-2000(試作機:ZGMF-X2000) |
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所属 | ザフト軍 |
生産形態 | 量産機 |
全高 | 19.20m |
重量 | 72.13t |
武装 | MMI-558 テンペスト ビームソード MA-M757 スレイヤーウィップ×2 M181SE ドラウプニル4連装ビームガン×2 対ビームシールド |
主な搭乗者 | ハイネ・ヴェステンフルス(試作機) アスラン・ザラ イザーク・ジュール ルドルフ・ヴィトゲンシュタイン 他 |
[編集] 機体解説
グフイグナイテッドはザフトのニューミレニアムシリーズに属するMS。最大の特徴は背部に固定装備されたフライトユニットで、宇宙空間のみならず大気圏内においてもディンに匹敵する飛行能力を発揮する。また、装備武器は対MS戦闘を前提とした接近戦用のものを多数装備している。
数機の試作機による実戦での試験運用期間を経て制式に配備される運びとなったが、試作機と制式量産機に性能や武装面における差異は無い。制式量産機の基本カラーは青。
グフ(GOUF)は「Guardian Of Unity Forerunner=統一の守護たる先駆者」の意。
[編集] 開発・配備の経緯
元々グフイグナイテッドはザクウォーリアと同時期に開発が行われ、ザフト軍の次期主力MS策定コンペティションにおいて制式量産機の座を争った機体である。当時の本機は腕部や脚部を容易に換装出来る機体構造を持ち、多種多様な機能、武装を搭載した四肢を状況に応じて付け替える事であらゆる状況・用途に対応すると言う、ザクウォーリアのウィザードシステムと同じ思想の元に考案されたシステムを持っていた。この方式はウィザードシステム以上に戦況・戦場の変化にきめ細かく対応可能であると言う優位性があるが、コストと整備現場の負担増を招くという指摘から、ザクウォーリアが次期制式量産機に決まった。
しかし、四肢換装システムによるデメリットを除けば機体の完成度は高く、それを惜しんだ上層部の力添えで試験的に少数であるがロールアウトされる事になった。その様な経緯からグフイグナイテッドは「パーツの換装によって様々な戦況に対応する汎用機」から「高い機動性を持つ対MS格闘戦用機」と言うザクウォーリアとは異なるコンセプトの機体へ再設計され、ハイネ・ヴェステンフルスを始めとする最上級のエースパイロット(FAITHやザフトレッド)に優先的に配備が行われた。
その後、戦争の予想外の拡大により、開戦当初保有していたMSの数が想像以上に減少したため、ザフト軍は高性能MSの増産を余儀無くされ、ザク系統の生産体制が限界に達していた事や、主戦場が地球に移行していた事もあり、大気圏内での空戦能力を持つグフイグナイテッドが急遽大量に生産された。型式番号から試作機に付けられるXは外されたが、基本仕様はハイネが使用した先行試作型「ZGMF-X2000」と同様である。
[編集] 武装
- MMI-558 テンペスト ビームソード
- 大型のビーム発生デバイスから高出力のビーム刃を発生させるビームサーベル系装備。対艦刀と同型の兵器だが、両刃のビーム刃や片手で扱えるサイズ等対MS用に特化された仕様となっており、伸縮機構を備え携帯性にも優れている。
- MA-M757 スレイヤーウィップ
- 両腕部に収納されている格闘戦用の鞭。超弾性鋼で出来ており柔軟性に富み、叩きつける以外に敵機の一部や武器を絡め取る事も出来る。高周波パルス発生時は鞭全体が赤く発色し、接触した対象物に伝達し破壊する事が可能となっている。
- M181SE ドラウプニル 4連装ビームガン
- 両前腕の4連装ビーム砲。小型故射程距離は短いが、その分連射性と取り回しに優れ、近接戦闘ではビームライフル以上の有効性を持つ。固定火器の為、他の武装を携行したまま使用出来る。「ドラウプニル」は北欧神話に登場する戦の神オーディンの腕輪の名。
- 対ビームシールド
- 対ビームコーティング仕様の専用シールド。表面に打突用の衝角を備え、テンペストの鞘も兼ねる。
[編集] 劇中での活躍
地球連合軍から開放された都市ディオキアにおいて、ラクス・クラインに扮したミーア・キャンベルのライブ用にピンク色に塗装されたザクウォーリアにともない、ハイネ・ヴェステンフルス専用機のグフイグナイテッドがディンと共に地上へ降下した。
ダーダネルス海峡の戦闘では、地球連合軍のウィンダムやオーブ軍のムラサメを多数撃破し、ステラ・ルーシェのガイアを苦しめたが、戦闘に介入したキラ・ヤマトのフリーダムに右腕を切断され、なおもフリーダムに対峙しようとした際、背後からガイアに胴体を斬られて爆散した。
アスラン・ザラがメイリン・ホークと共にジブラルタル基地から脱走する際、量産機に搭乗した。デスティニーとレジェンドの追撃に遭いながらも、デスティニーのビームライフルを破壊するなど必死の抵抗を試みた。しかし、アスランの技量をもってしても最新鋭の2機には対抗しきれず、デスティニーに撃墜された。
量産体制が整ったためにエース級のパイロットから続々と配備され、その優れた機動性からザクと並ぶ主力MSとして戦った。イザーク・ジュールも白く塗られた専用機に搭乗し、多大な戦果をあげた。
その後、キラ・ヤマトのストライクフリーダムやアスランのインフィニットジャスティスと戦闘を行っている。
[編集] 専用機、パーソナルカラー
ハイネ・ヴェステンフルス機…パーソナルカラーはオレンジ。
イザーク・ジュール機…パーソナルカラーは白。
ルドルフ・ヴィトゲンシュタイン機…パーソナルカラーは金色
[編集] 備考
機体名は、ハイネ・ヴェステンフルスの声を担当した西川貴教が歌った『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の第1クールのオープニングテーマ曲「ignited -イグナイテッド-」から取られている。
[編集] グフクラッシャー
グフクラッシャー(Gouf Crusher)は『機動戦士ガンダムSEED DESTINY MSV』に於いて設定されたMS。(型式番号:ZGMF-X2000CQGB&S)
近接格闘・制圧戦仕様に開発された派生機。次期主力機コンペに出品された機体の1つで、グフの汎用性の高さをアピールする事を目的に試作された機体。
本機は 火器を用いず敵を征圧する独特の装備として、左腕にインパクトバイスとバックパックに破砕球を搭載した。右腕部は背部に装備した破砕球を使用した際の反動を吸収する為に強度、出力を向上させた大型タイプに換装。破砕球は右腕のスレイヤーウィップ先端に増設されたプラグに接続して使用する。球本部にロケットスラスターが内装されており、宇宙空間での使用も可能である。
ザフトの訓練用宇宙ステーション13-B02号内で実施したコンペティションで公開され、真紅のグフクラッシャーを駆るFAITHのパイロット、アンリ・ユージェニーにより、ジン、シグーを相手に模擬近接戦闘が行われ、良好な評価を得たと記録されている。前述の理由により制式採用は見送られたが、この機体は準即応状態の整備体制で、ザフト第5デポーに保管されることになった。
後にアンリ・ユージェニーが本機に搭乗してヘブンズベース攻略戦に参加、その性能を遺憾なく発揮した。
[編集] 武装
- インパクトバイス
- 左腕に装備された万力状の大型特殊装備。敵MSの機体を拘束し圧壊するためのもので、炸薬カートリッジの爆発力を利用して瞬間的に最大300万Gの圧搾力を発揮し、一般的な構造部材であれば一撃のもとに圧壊する(一説によればPS装甲材でもフルオート点火モードで、20~30発の連撃により粉砕が可能とされているが、その前にパイロットないし内部機構が耐えられない可能性がある)。炸薬カートリッジは点火と同時に排莢される使い捨てタイプである。通常は左腕の肘部分に装備されており、使用時は肘関節が逆方向に曲げられ(人間で言えば「ありえない方向」)、万力を前腕部分に移動させて使用する。
- 破砕球
- モーニングスターの様なトゲ突きの鉄球。普段はバックパックに搭載され、使用時にはスレイヤーウィップの先端に装着して投げ飛ばす。鉄球にはスラスターが搭載されており、投擲後の軌道コントロールが可能。その機能や特性などがレイダーのミョルニルに酷似しているが、関連性は不明。
[編集] 関連項目
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ガンダムシリーズの映像作品 | ||||||
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ガンダムシリーズの劇中項目 | ||||||
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