ラクス・クライン
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ラクス・クライン(Lacus Clyne) は、アニメ『機動戦士ガンダムSEED』、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』などのフィクション作品に登場する架空の人物。(声:田中理恵)。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
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[編集] 概要
プラント最高評議会議長シーゲル・クラインの一人娘でありまた、美しい声を持つ歌姫としてプラント国民の間では絶大な人気を博している。その影響力もあってか、本人の意思とは別にユニウスセブン追悼慰霊団の代表を務めるなど公的行事にも度々参加していた。
プラント国防委員長パトリック・ザラの息子アスラン・ザラの元婚約者でもあるが、これは両者の意思ではなくプラントの婚姻統制と両者の親同士の政治的配慮によるものと思われる。アスランからプレゼントされたハロを今でも大切にしており、特に最初にもらったピンク色のハロがお気に入りのようである(ラクスはそのハロの事を『ピンクちゃん』と呼んでいる)。
[編集] 個人データ
矢印右はSEED DESTINY時のデータ。
- 人種:コーディネイター(二世代目)
- 生年月日:C.E.55年2月5日
- 星座:水瓶座
- 血液型:B型
- 年齢:16歳→18歳
- 身長:158㎝→160㎝
- 体重:53kg→46kg
- 髪色:桃
- 瞳:水色
- 髪飾り:2枚の三日月を合わせたようなピン留め
- 出身:プラント アプリリウス市
[編集] 衣装
作中人物の中では衣装のバリエーションが多く、陣羽織のような和風の衣装も着用する。 OP、EDではカガリと共にドレス着用が多く、二人ともボディラインが見えるほどの薄い物を着ている。
[編集] SEED
SEEDを持っており、TVシリーズで発動させているシーンもある。しかしTVシリーズではSEEDは戦闘以外に使われていないものであり、しかもラクスは艦の指揮をバルトフェルドに任せていた。そのうえ何の前振りもなく発動したため「ラクスのSEEDには何の意味や効果があるのか」といった疑問の声があがっている。
劇中ではSEEDがはじける場面は描かれていないが、スーパーロボット大戦シリーズでは描かれている。
[編集] 経歴
[編集] 機動戦士ガンダムSEED
ユニウスセブン追悼式典の準備のため視察に赴いていたところ地球連合軍に遭遇し、諍いから逃れる為緊急避難ポッドで脱出するも、物資補給のためユニウスセブンに寄っていたアークエンジェルに回収されキラ・ヤマトと出会う。その後ザフト軍との戦闘の最中、アークエンジェルの危機に際して人質として利用されるが、その仕打ちに不満を抱いたキラによって秘密裏に連れ出され、ザフト軍のアスラン・ザラに引き渡される。
その後、アスランとの死闘の末に重傷を負ったキラをマルキオ導師から託され、プラントの自邸に匿いながらキラに対して看護などを行なう。ザフト軍のオペレーション・スピットブレイク始動後、地球に戻ることを決意したキラにフリーダムを授けるが、その様子を監視カメラに捉えられてしまい、プラント最高評議会議長パトリック・ザラにより国家反逆の罪で指名手配犯にされる。クライン派の協力によって国民に反戦メッセージを送りつつ逃亡生活を続けるが、その途中父親シーゲル・クラインの訃報を受け取る。また、アスランと再会した際には真相を問い質してくる彼に対して逆に何を信じて戦うのかと反問、アスランのザフト離反の契機をなした。
その後アンドリュー・バルトフェルド、マーチン・ダコスタらクライン派と共に高速戦艦エターナルを奪取、父と訣別したアスランを救出しプラントを脱出する。ヤキン・ドゥーエ防衛軍に追撃され窮地に陥ったところをフリーダムを駆るキラに救われそのままアークエンジェル、クサナギと合流、プラントでも連合でもない第三勢力としてキラやアスランたちと共に戦争終結のため尽力した。この時結成された部隊に正式名称は存在しないが、俗称として三隻同盟という名称が存在する。
[編集] 機動戦士ガンダムSEED DESTINY
停戦後はオーブ近海のアカツキ島にあるマルキオの孤児院でキラと共に隠棲生活を送っていた。ユニウスセブン落下テロによって孤児院を失った後はオノゴロ島にあるアスハ首長家の別邸に移るが、謎のコーディネイターの暗殺部隊に襲撃される。[1]なんとか事なきを得たもののプラントで自らの身代わりを務めるミーア・キャンベルの存在や暗殺未遂の件などから次第にギルバート・デュランダルへの疑念を募らせ、アークエンジェルに搭乗しプラントでも連合でもない第三の立場から平和への道を模索する。
プラントの情勢や議長の真意を知るため宇宙へ上がった後は、前大戦後から秘匿していた高速戦艦エターナルを拠点とし、「ファクトリー」「ターミナル」といったクライン派関連組織の協力の元、MS(ストライクフリーダム、インフィニットジャスティス、ドムトルーパー)の開発やコロニー・メンデルでの調査活動を指揮し、メンデルの遺伝子科学研究所に残された古い記録からギルバート・デュランダルの真意を推知する。
インフィニットジャスティスに乗り宇宙からオーブへと大気圏を突き抜け降下、アークエンジェルに合流しオーブを支援する。その後、ラクスを演じるミーアによってカガリの演説が妨害された際、彼女の隣で自らが本物のラクス・クラインである事と、デュランダルとジブリールの考えに賛同していない事を表明する。
宇宙にてキラ、地球でアークエンジェルと合流した後は再び宇宙に上がり、ミーアとの邂逅そして別れを経験する[2]。デュランダルがアルザッヘル基地に向けてレクイエムを使用した事によりデュランダルと戦う事を決意、エターナルに乗艦しオーブ、ザフト・クライン派、地球連合による連合艦隊に協力し終戦までその指揮を執った。
[編集] 機動戦士ガンダムSEED DESTINY FINAL PLUS 〜選ばれた未来〜
オーブの慰霊碑前でキラとシンの会話を横で見守る。メサイア陥落後オーブ、プラント両国間の仲介をし、停戦協議合意後プラント最高評議会の招聘を受けてプラントに戻り、イザークらと共に最高評議会議長らしき服装で(映像中では役職は明確に示されてはいない)プラント最高評議会に臨む。
[編集] 逸話
物語上、一貫して「平和を訴え続ける歌姫」として描かれている。しかし、機動戦士ガンダムSEED DESTINYにおいてはフリーダムを修理する等の戦前からのクライン派武装組織の編成、核動力MSを初めとした武装の保持、連合、ザフト両陣営に対する数々の武力行使、劇中終盤におけるザフトへの敵対、傷ついたアスランを再び戦に駆り立てるなど、作中で定義されている「平和を訴え続ける歌姫」としての彼女とは逸脱していると判断できる描写が存在した。
これについて監督である福田己津央は、『DESTINY』放映終了後のインタビューで 「人類を救うためしなければならないと思ったことを実行して世界を丸く収めようとしたデュランダルを討ったキラ、ラクス側は若干正義から外れている」「デュランダルを悪役のように描いたのは演出上の問題であって自分自身はデュランダルを悪だと思っていない」「アスランはDESTINY終盤ラクス達と行動を共にしたが、彼女らの行いが本当に正しいかどうか常に疑念を抱いていた」といった、キラ、ラクス側が必ずしも絶対的な正義と呼べる存在ではないという旨の発言を行っている。
[編集] 各種ゲームにおける差異
ゲームに登場するラクス・クラインは角川小説版や『ジ・エッジ』、『コミックボンボン』版などのメディアミックス作品と同じく、作品独自の設定付けが多い。
[編集] 第3次スーパーロボット大戦α
- 戦争に心痛めるプラントの歌姫。テレビシリーズの設定のみが用いられており、ジャンク屋・クライン派などとの協力関係といった部分はこのゲームでは省略されている。また、エターナル、フリーダムの強奪はバルトフェルド他ごくわずかの仲間と共に起こした行動とされている。
- TVシリーズでは存在しなかった、「SEED」能力の発動カットインシーンが見られる。
- 「歌の力で戦争を止める」という点で、『マクロス7』の熱気バサラ・ミレーヌ・ジーナスらに敬意を覚えている。特に『超時空要塞マクロス』のリン・ミンメイの姿を見て「自分の進む道を見つけた」とも発言するシーンがある。
[編集] スーパーロボット大戦J
- 天真爛漫な性格がより強調されており、味方と合流した際にはナデシコの名前を「可愛らしい」と評し、ミスマル・ユリカとも意気投合している。
- エターナルの初期メインパイロットになっているが、今回はバルトフェルドと交代できる(その場合はサブパイロットとなる)。SEEDが発動すれば多くの能力がバルトフェルドよりも上回るが、防御が低めで「冷静(被弾するごとに気力が下がる)」タイプ故に「コーディネイター」技能の気力による能力上昇を活かしにくい。
[編集] スーパーロボット大戦W
- 今回は火星の後継者に付け狙われており、第二部後半で、フレイ・アルスターを守るために、ラウ・ル・クルーゼの攻撃からエターナルで庇い、その際の混乱で火星の後継者に誘拐されてしまう。演算ユニットに接続されたミスマル・ユリカを安定させるためにその歌を利用されそうになり、当初は拒否していたもののテレサ・テスタロッサ(以下テッサ)の勧めで最終的には歌う事になる。テッサの狙いはラクスの歌で火星の後継者達の戦意を揺さぶり、彼らの部隊の一部を投降させる事であり、それに成功する。その後、ノイ・ヴェルターに合流してエターナルで戦う。
- なお、該作はバルトフェルドとの乗り換えが出来ず、性格も変わっていないため、戦闘面ではやや使いづらい。
[編集] 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合vs.Z.A.F.T.II
- PS2用 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合vs.Z.A.F.T.IIでは、パイロットとして使用可能である。
[編集] 機動戦士ガンダムSEED DESTINY GENERATION of C.E.
C.E.73-Extraステージからエターナルに乗艦し戦闘に参加する。その結末は物語の進行によって大きく変化する。ただ、ラクス視点から見るとシナリオのほとんどがバッドエンドというシビアなものとなっている。
- Extra3c「歌姫達の声」
ミネルバとの戦闘でキラ・ヤマトを失い、キラの仇を討とうとする。ミーアの護衛任務中のミネルバ隊に戦闘を仕掛けるが、乗艦を撃破され死亡。
- Extra4a「蘇える光」
- 最終局面において、ジブリール亡き後のロゴス残党と、月面プトレマイオス基地に向けてネオジェネシスを撃とうとするデュランダル率いるザフトの争いを止めるために、オーブ軍と連合し、戦場に乱入する。しかし、乗艦を撃破されてしまい死亡した。
- Extra4b「重なる明日」
- ほぼアニメのストーリー通りに行動し、ミネルバと何度も交戦する。最終的に連合・ザフト両軍を止めるためオーブ軍と連合し、戦場に乱入する。このシナリオでは乗艦を撃破されても死亡せず、撤退する。ジブリール艦を撃沈した場合のみ、オーブと共に両軍を調停する。
[編集] 余談
- 同作の音楽を担当した佐橋俊彦は、「交響組曲 機動戦士ガンダムSEED」で映画「スター・ウォーズ」シリーズのレイア姫をイメージした人物と語っている。
- 作中では、ラクスはキラの恋人であるが、アニメでラクスを演じた声優の田中理恵は、自分はキラよりもアスランの方が好きだと語っている。