熱気バサラ
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熱気 バサラ(ねっき バサラ、2024年[1]8月15日-)は、テレビアニメ『マクロス7』および関連作品に登場する架空の人物。声の出演は林延年(現・神奈延年)歌唱は福山芳樹が担当した。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
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[編集] 人物
ロックバンド「FIRE BOMBER」のボーカル兼ギター担当。21歳(2045年時点)。キーボード担当のレイ・ラブロック、ベース担当でミリア市長の娘ミレーヌ・ジーナス、ドラムス担当の寡黙なメルトランディビヒーダ・フィーズと共にバンドを構成する。逆立った髪と旅先で拾った丸縁のサングラスが特徴で、ステージ衣装は宇宙服としても利用できる素材で作られている。普段はタンクトップとジーンズを着用していることが多い。
出自は一切不明で、幼少の頃よりギターを担いで各地を放浪していた。7歳の頃は自分の歌で山を動かせると信じ、毎日山に向かって歌っていた。2045年においては超長距離移民船「マクロス7」に付属する「アクショ」に住み、バンド活動を行っている。アクショ自体が公的には存在しないブロックのため、そこに住むバサラは市民登録をしていない。
性格は自由奔放で、規則や命令に縛られること、他人の意思に従って歌うことを嫌っており、自分の歌いたい時に歌うのが信条。他人には理解されない自分のスタイルを決して崩そうとしないため、ミレーヌ以前に加入していたバンドのメンバーは、バサラとの口論が原因で何人も辞めている。ミレーヌとも口論が絶えないが、それまでのメンバーと違い歌となると非常に息が合い、ボーカリストとして互いを認め合っている。ただし恋愛には疎く、ミレーヌや暴走族の女性レックスの想いにも気づかない。傍目にはバンドのカラーと合わないと思われる相手であっても、歌を望む人間には相手を問わず全力で歌う姿勢を取る。また、子供や老人に対しては相応の盛り上げ方を見せる場面もある。
後述するように卓越した可変戦闘機の操縦技術を持ち、正規軍のエースパイロットであるガムリン木崎を上回り、天才と呼ばれるマクシミリアン・ジーナスに一目を置かれるほどに高い。またバイクの操縦にも長けており幅広い才能を見せるが、それらの技術をいつ、どこで習得したのかは語られない。
[編集] 戦場における行動
彼はいかなる時でも、いかなる相手にも自分の歌を聞いてもらいたいと思っており、相手が異星人でも動物でも、すべてのものは歌を通して分かり合えると信じている。2045年、突如マクロス7船団を襲った謎の敵バロータ軍に対しても可変戦闘機VF-19改ファイアーバルキリーを駆り、戦場に乱入して歌を披露する。このファイアーバルキリーは統合軍から「FIRE BOMBER」のリーダーで元軍人のレイ・ラブロックを通じて極秘に提供されたもので、最新鋭機VF-19をベースに、コントロールシステムをエレキギター状に変更するなどバサラ専用にカスタマイズされている。ファイアーバルキリーに装備されたガンポッドには弾丸ではなく、敵兵にも歌を聞かせるためのスピーカーポッドが装填されており、初期にはこれを敵ポッドに打ち込んだ上で歌を聞かせている。
なお機体には最低限の護身用にミサイルが装備されているが、バサラ自身が兵器を軽蔑しているため非常時にしか使わず、作中で使用した際には、ミサイルを使わせた事に対し相手へ強い怒りの感情を見せる。また、障害物排除にピンポイントバリアパンチを使用するなど、機体性能に関しては熟知している。
当初はその行動を異端視されたが、敵兵士に施されていたマインドコントロールを歌で解除したことや、敵生命体プロトデビルンを歌で撃退したことなどが認められ、統合軍の民間協力部隊サウンドフォースの一員となる。その歌の力は後に、プロトカルチャーの時代にプロトデビルンを封印した神秘の力「アニマスピリチア」に由来することが判明する。
しかし、本人はあくまで歌を「伝えたい」だけであり、歌で敵を倒すことや戦いを終わらせることを望んでいたわけではなかった。そのため、歌を一種の音波兵器として利用しようとする軍の姿勢には反抗的な態度をとり続ける。未開拓惑星ラクス不時着時には、自分の歌が敵を撃退する結果にしかならないことや、自分と接触してスピリチアを失い眠りについたプロトデビルン・シビルを歌で目覚めさせることが出来なかったことで思い悩み、自分の歌う意味を探して放浪の旅に出る。旅の果てに、プロトカルチャーの遺跡に捕らわれていたシビルを歌で目覚めさせ、彼女と共に宇宙を飛び回り銀河を巡る体験を経た事で、自らの歌への想いと在り方を悟る。以降歌うことへの迷いは消え、その歌はやがてプロトデビルンとの戦争を終結させる鍵となる。
[編集] その後
『マクロス ダイナマイト7』(2047年)では再びミレーヌらを置いて放浪の旅に出る。たどり着いた先の惑星ゾラでは、宇宙を回遊してくる謎の存在「銀河クジラ」に歌を聞かせようとする。この作品にはファイアーバルキリーは登場しないが、バサラは惑星ゾラに配備されていた正規軍の機体を、ギターを抱えながら操縦桿を倒す事で動かしている。
[編集] データ
- 血液型はB型、サイズは身長184cm、体重75kg。
- 趣味は宇宙遊泳、昼寝、「オレの歌を聞かせること」、特技は「寝言で歌を歌える」こと。趣味についてはいずれも劇中で確認することができる。
- 好きな食べ物は激辛カレー、キムチ、トムヤムクン。劇中ではこれらを食べる場面はなく、ハンバーガーやホットドッグなどを食している場面が多い。
- 好きなアーティストは「オレ(もしくは、オレが本気で歌えた時)」。ただし当人は自分と他人の歌に優劣をつけることに興味はなく、心が籠っていれば誰の歌であろうと認める傾向にある。
- 生年月日以外の過去の経歴は一切不明で、出身地に関してはバサラ本人も全く覚えていない。このため劇中ではその出自についてさまざまな憶測を呼び、「一条輝の息子」「リン・ミンメイの隠し子」などといった説がスポーツ新聞を通じて出回るが、多くは売り上げの向上を目的とした虚報であり、真相は定かでない。
[編集] 持ち歌
マクロス7
- Planet Dance (熱気バサラ ソロversion)
- Planet Dance (with ミレーヌ・ジーナス version)
- 突撃ラブハート (熱気バサラ ソロversion)
- 突撃ラブハート (with ミレーヌ・ジーナス version)
- Seventh Moon (熱気バサラ ソロversion)
マクロスダイナマイト7
- Parade (熱気バサラ ソロversion)
[編集] 搭乗機
- VF-19改 ファイアーバルキリー
- VT-1C バルキリー(惑星ゾラ来訪時。『マクロス ダイナマイト7』第1話)
- VF-19P 小型スピーカーシステム搭載機(惑星ゾラ来訪時。『マクロス ダイナマイト7』第3話および第4話)