軍人
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軍人(ぐんじん、英:soldier)とは軍隊に所属し、戦闘技術や戦術学などの軍事に関わる専門的な技能や知識を習得した人間を指す。またはかつて所属していた人を表す言葉。
しばしば文民や民間人の対義語として用いられる。軍人としての籍のことを兵籍・軍籍などといい、軍人としての履歴を軍歴という。軍属は原則として、文官(雇員・傭人等を含む。)であり軍人とは異なる。
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[編集] 歴史
近代以前においては(たとえば日本では同じ字で「いくさびと」と呼ぶように)戦闘を行う者を幅広く指していた。近代以前の「国家」誕生以前においては封建制の下、兵と住民、貴族、官僚と士官の区別は基本的になかった。しかしヨーロッパでは絶対王政成立以降、日本では明治維新以降、国家の権力が中央に集められてゆき、貴族と土地、住民の関係が分断されることによって、軍事のみに関わる貴族等が出現し王の軍隊として編成されていった。その後市民革命を経て、王の軍隊が国民の軍隊となり近代的軍人が成立したである。
[編集] 分類
軍人はその軍隊における階級によって大きく以下のように大別される。
- 兵卒(private):下士官の下に位置し、比較的に若い人材が2年程度の任期制で採用されることが多い。軍隊の末端にあたる。
- 下士官(non-commissioned officer):兵卒を取りまとめる位置にある。兵卒の上、将校の下。継続して勤務することが多いが、途中で退職する場合もある。
- 将校(officer):士官学校の教育を経て採用され、下士官の上で小隊の指揮官などを務める。士官とも言う。下から尉官、佐官、将官にさらに階級が分かれ、また専門分野も分化している。近代以降の職業軍において、軍事的な専門性の高さから、職業軍人と言う場合は特にこの将校を指す場合が多い。
[編集] 責任
軍人は戦争という国家の緊急事態において、場合によっては死の危険もある最前線に出て職務を遂行することが求められる。その業務の性質上、「無制限の責任」を負うことが求められる。ゆえに軍人は緊急事態において生存の危機を受容してでも職務に当たることが必要である。(この件については、警察官・消防官・海上保安官等の準軍事組織の要員についても同様である)交戦においても、その行動には交戦規定によって制約される。(交戦規定を参照)また平時においても、緊急事態に速やかに対応出来るように居住可能な地域を限定され、秘密保守や品位の維持などもその職業の性質上求められる重要な責任である。
[編集] 制度
軍人の制度として、国民にある一定期間軍隊に入る事を義務化する徴兵制と、募集を行ない志願者を募る志願制がある。国民国家の成立期や総力戦であった世界大戦の時代においては徴兵制が広く採用されていた。安全保障上、また軍事地理的に危険度の高い地理に位置する国家では現在でも徴兵制が行われている場合が多い。但し、徴兵制といえどもその内容は国によって千差万別であり、兵員削減中で志願者のみで定員を充足していたり、良心的兵役拒否が認められて、合法的な代替役務制度が確立されて実質的に志願兵制と変わらない国も多い(ドイツ、北欧諸国、中国など)。一方、国民皆兵に近い厳格な制度を採る国は現在では北朝鮮、韓国、イスラエル、トルコなど少数に留まる。また比較的に安全な地理的環境にあり、また軍事的な緊張が高まっていない国家では志願制が採られる傾向が認められる。
徴兵・志願いずれも、基準に満たない者は不採用となる。義務である徴兵制の場合は不平感の原因となり、しばしば免除者への非難につながる。
[編集] 教育訓練
軍人が受ける教育訓練は個人及び部隊の軍事的な能力を向上させるためのものであり、その内容は階級によって大きく異なる。現場で行動する兵卒や下士官が学ぶべき事項としては基本教練、銃器の分解結合、格闘や射撃などの戦闘技術、通信技術や野外衛生などが挙げられる。また部隊を指揮する士官の学ぶべき事項としては前述した基本教練などに加えて戦術学や戦史などの軍事学や、物理学や数学などの自然科学が挙げられる。
[編集] 関連項目
- 軍事指揮官の一覧
- 軍事的リーダーシップ
- 自衛官
- 傷痍軍人 - 退役軍人
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- 武士