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競馬場 - Wikipedia

競馬場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

競馬場(けいばじょう)とは、競馬を行う施設である。

狭義の競馬場は競走馬による競走(レース)を行うための馬場(コース)そのものを意味するが、多くの場合、レース観戦のためのスタンドなど、コース周辺に設置されるさまざまな施設をも含めた総称を競馬場という。

目次

[編集] 競馬場の基本的な構造

競馬場には競馬の競走を行うに当たって必要な馬場や、競馬を円滑に行うための各設備のほか、観客が来場ならびに観戦に必要な設備がそなえつけられていることが多い。以下では各設備について詳細に説明を加えていく。

[編集] 馬場・コース・走路

競馬の競走を行うためのコースのこと。走路とも呼ばれる。材質、形態など様々であり、また本馬場内にも様々な設備が備えられている。

本馬場は1つ以上からなり、大きな競馬場となると平地競走用の馬場のほかに、障害競走用の馬場などが別途設けられる。さらに練習用の馬場が併設される場合もある。

なお記事中でも馬場と称したり、コースと称したり、走路と称したりするが、基本的に同一の設備を指す。

[編集] 馬場の材質

馬場に使われる素材としてはダート、砂、ウッドチップ、オールウェザーなどがあり、複数種類の馬場が設けられている競馬場もある。

日本の中央競馬の芝コースは競馬場によって野芝のコース、洋芝のコース、「オーバーシード」を施したコースとある。各競馬場の造園課により芝が養生され、ラチなどを組みあわせて開催時期にあった管理が行われている。

日本のダートコースは昔は砂馬場(現在、日本には砂馬場は存在しない)と呼ばれていたものを改良したものである。アメリカのダートコースを模範に導入したとされているが、アメリカと日本の気候の違いから、日本では日本の気候にあったダートコースが整備されており、アメリカのダートコースとは異なる。

ウッドチップコースは木の屑などを敷き詰めた馬場である。芝コースに比べて足への負担が軽いとされている。ウッドチップコースは調教用にのみ用いられ、実際の競走では用いられない。日本の競馬場では函館競馬場のみに設置されている(その他、トレーニングセンターや育成牧場に設置されている)。

近年はオールウェザーと呼ばれる人工素材を利用したコースが世界の複数の競馬場で導入されている。現在、日本の競馬場では人工素材のコースは存在していないが、競走馬の育成・調教施設には導入しているところもある。

[編集] 馬場の形態

コースレイアウトは、一般的にはトラック状が多いが、そうでないものも多い。トラック状であっても歪な形をしたコースや、直線を組み合わせたコースなどさまざまである。

日本においてはばんえい競馬を除き、トラック状のコースが採用されている。米国にはトラック状のコースが多い。ヨーロッパではもともとの自然の地形を利用して設計された競馬場が多いため、不定形な形状のものが多い。

なお、日本においては観客席からみて目の前の直線の最後に決勝線が設けられている。

[編集] スパイラルカーブ

スパイラルカーブとは、入口から出口にかけて半径が小さくなる複合曲線によって構成されるコーナーのこと。進入時(1コーナー、3コーナー)にゆるやかで、徐々に2コーナー、4コーナーになるにつれてきつくなるため、コーナー進入時はスピードを落とさずに進入でき、徐々にコーナーがきつくなるので外に膨らみやすく、最後の直線で馬群がばらけやすいといわれている。

中央競馬のローカル開催場、あるいは地方競馬場の多くのコーナーがスパイラルカーブを採用している。これらの競馬場は4大主場(東京競馬場中山競馬場京都競馬場阪神競馬場)に比べてコースの幅員が狭い上、最後の直線が短い。そのため、最後の直線でコースロスの少ない内側に馬が密集してしまうと、前の馬を裁くのに手間取り、差しや追い込みが決まりにくくなってしまう。進路妨害行為や落馬事故発生の可能性も充分考えられる。結果、多くの競走が逃げ、先行だけで決まってしまうという単調なものになってしまうため、競走をより多様なものにするのにスパイラルカーブが導入されている。これらの競馬場えは最後の直線が短いことから、3コーナー手前、早い場合には向こう正面から、後方にいた馬がコースの外側を回り、内側の馬を捲くっていく戦法も多く取られるが、これもコーナー進入時にスピードを落とさなくていいスパイラルカーブの特性が生かされている。なお、前述のようにスパイラルコーナーを採用した場合馬群がばらけやすいため、芝コースの馬場内側を保全する効果も得られるとされている。

[編集] 馬場の呼称

[編集] 日本の場合

日本の競馬場は多くの場合、長円形をしており、長い2本の直線と、90度に方向転換する4つのカーブで構成されている。日本ではこれらの4つのカーブに特定の名称が与えられている。

ゴールを過ぎて最初のカーブから順に、第1コーナー第2コーナー向こう正面の直線、第3コーナー第4コーナーと呼ぶ。再び手前の直線(最後の直線)に戻ってくる。通常は第4コーナーがその競走で最後のカーブとなり、特別に最終コーナーと呼ぶ。これはあくまでもゴールからの通過順をもとにした名称であり、向こう正面から競走がスタートした場合にははじめに通過するコーナーが第3コーナーである。

競馬は競走が行われる距離によってスタート地点が変わる。例えば東京優駿(日本ダービー)は、東京競馬場の2400メートルで行われ、手前の直線の半ばからスタートし、第1コーナー、第2コーナー、向こう正面の直線、第3コーナー、第4コーナー(最終コーナー)、最後の直線、ゴール、という順で、概ねコースを1周する。小さい競馬場では、同じ2400メートルでも1周では足りないので1周半になることがあり、向こう正面からスタート、第3コーナー、第4コーナー、手前の直線、第1コーナー、第2コーナー、向こう正面の直線、第3コーナー、第4コーナー(最終コーナー)、最後の直線、ゴール、となる。この場合当然、第3コーナーや第4コーナーは2回通過することになり、「1周目の第3コーナー」などと表現することもある。1回目の第4コーナーを「最終コーナー」とは呼ばない。

競馬に関する文章では表記を簡略化するため、「コーナー」を「角」と表記し、第1コーナーを「1角」、第2コーナーを「2角」などと表すことがある。ただし通常、第4コーナーは「4角」であって、「最終角」とは言わない。例えば第3コーナーで先頭にたってそのままゴールした場合に、「3角先頭」などと表現する。通常、口語ではこれらの表現は用いない。

なお、決勝線まで残り3ハロン(600m)の地点を競馬関係者らは「三分三厘」と呼ぶ。

[編集] 米国・ヨーロッパの場合

コースのカーブに「第1コーナー」などの名前がついておらず、順に"first turn"、"second turn"、"third turn"と呼ぶ。したがって日本のように、「第3コーナーからスタート」とか「第4コーナーを2回通過する」というようには表現しない。

最後の直線に入る手前のカーブを特別に「タッテナムコーナー(tattenham corner)」とか「タッテナム(tattenham)」と呼ぶことがある。元来のタッテナム(Tattenham)とは、英国ダービーが行われるエプソム競馬場の最後のカーブ地点近辺の地名であり、通常「タッテナムコーナー」とはこのエプソム競馬場の最後のコーナーのことであるが、転じて、他の競馬場でも「最後のカーブ」の意味で用いられることがある。エプソム競馬場の最寄り駅は「タッテナムコーナー駅」である。「タッテナムコーナー」は単に「最後のカーブである」という順番を表すだけでなく、「ここからが最後の勝負である」というような意味合いもあり、日本語の「天王山」に近いニュアンスを持っている。

[編集] 坂・丘

走路には自然的に、あるいは人工的に勾配が設けられ、「坂」と呼ばれる。坂は決勝線手前に設けられることが多い、それ以外の別の場所にも存在することがある。(登ったぶんどこかで降りなければいけない。)ただし、通常、最後の直線に設けられているもの以外を「坂」とは認識しないことが多い。例外的に京都競馬場は第3コーナー手前の上り坂を「坂」と言う。京都競馬場には最後の直線に坂がないためである。

障害競走やばんえい競走では平地競走の「坂」以上の100m前後(ばんえい競走の場合はもっと短い)の間に高低差が2メートル以上に及ぶ勾配が設置される。これを坂路またはバンケット(障害競走のみ)などと呼ぶ。日本の競馬場にある坂路のような、短い距離の間に急激な高低差のある勾配は日本のみにしか存在しない。中山競馬場の2号坂路は高低差5.3mに及ぶ。

ヨーロッパの競馬場によく見られる勾配は、もとの自然の地形を反映していることが多く、「丘(hill)」と表現される。

[編集]

第3コーナーから第1コーナーへ、もしくは第4コーナーから第2コーナーへというように、トラック状の走路をナナメに横切る走路が別に設置される。これを襷コースと呼ぶ。日本では障害競走用の走路に用いられる。かつては東京競馬場新潟競馬場にも存在したが、東京競馬場の襷コースは1998年2月の「東京障害特別(春)」を最後に廃止され、跡地には馬券売り場が設置された。また、新潟競馬場も2000年の走路全面改修工事(右回りから左回りに変更)の際に廃止された。 アメリカなどでは平地競走でも襷コースが使われることがある。一例としてはアメリカンオークスのハリウッドパーク競馬場の芝10fは襷コース上からの発走。

[編集] 内回り・外回り

一部の競馬場には同一の素材の走路を2本、もしくは走路の一部を二つ重ねるような走路が存在する。この場合、競馬番組では、内側にある走路を使用する競走では内回り、外側の走路を使用する競走では外回りと称して、使用する走路が分かるように明記する。どちらの走路を使用するかが分かればいいので、内回りには何にもつけず、外回りを使用する場合のみ外回りと明記するなどの明確な条件が定まっていれば良い(これは日本中央競馬会の競馬番組上でのルールである)。一部の長距離競走では1周目は外回りを使用し、2周目は内回りを使用するなどの複雑な使用をする場合もある。

中央競馬では中山競馬場京都競馬場阪神競馬場新潟競馬場が該当するが、阪神競馬場と新潟競馬場では内回りと外回りの距離差が1ハロン(200m)で割り切れる距離のため(阪神競馬場は400m、新潟競馬場は600m)、ハロン棒は内回り・外回りの両方の残り距離を表示できるものを使用している。

なお、競馬番組で明記された走路と異なる走路を走った場合には、1頭だけの場合には競走中止として扱われ、全馬が異なる走路を走った場合には、競走不成立(1944年の長距離特殊競走(菊花賞)が一例)とされる。

走路の一部が平面交差する競馬場はヨーロッパなどに存在するが、鈴鹿サーキットの様な立体交差するような走路は存在しない。

[編集] ポケット・シュート

トラック状の走路の直線部分、もしくはカーブ途中から一部直線状に一部飛び出す形で設けられる走路。カーブ地点からの発走は内枠と外枠の有利不利が顕著に現れるほか、接触事故などの危険防止の観点から、発走直後の走路をしばらく直線にして危険を回避するために設けられることが多い。このポケット(シュート)が設けられることによって競走の多様な距離設定が行えるようになっている。第2コーナーの奥に設けられる直線走路を第2コーナーのポケット、第4コーナーの奥に設けられる直線走路を第4コーナーのポケットなどと呼ぶ。競馬場によってはポケットと呼ばずにシュートと呼ぶ。新潟競馬場の第4コーナーから奥の芝の直線走路は決勝線まで1000m以上あり、直線1000mの競走も行われる。 盛岡競馬場には第2コーナーの奥に400mに渡るポケットが設けられており、マイルチャンピオンシップ南部杯などで用いられるダート1600mはこのポケットの最奥部からの発走である。

[編集] 走路内、走路脇の設備・装置

走路内や走路脇には競馬を行うために必要な設備や装置が存在する。この節ではそのような設備や装備について説明する。

[編集] ラチ

コースの内側および外側には柵(競馬関係者はラチ(埒)と呼ぶ)が設けられる。芝コースについては、コースの内側の移動式の柵(移動柵[1]を内外に移動させている。これはコースの特定の部分が集中的に痛むことを避けるために用いられる柵である。

[編集] ハロン棒

ゴールまでの距離を表示する目的で、コース内に設置されている標識をハロン棒という。 詳細についてはハロン棒を参照。

[編集] ゴール板
園田競馬場のゴール板
園田競馬場のゴール板

コース内、競馬競走における優勝劣敗を決する決勝線に設置されている。多くはスタンド前に設置される事が多い。スタンド内より撮影する判定写真を反対側からも撮影するために必要な縦長の鏡の板が設置されている事からゴール板と呼ばれる。

日本の中央競馬の様に芝とダートなど複数のコースがある場合は、それぞれに1箇所ずつ設置されている。ただし、障害専用コースには設置されず、障害競走の場合は基本的に最終のコーナーで外側のダートコースもしくは芝コースに進出して決勝線を目指す。

近年は各競馬場ごとにこのゴール板に装飾が施されており、競馬場の特色の一つにもなっている。

[編集] 発馬機

出走馬がスターターの合図で一斉にスタートを切ることができるように考案された装置。当初は旗を振り下ろす事で合図としていたが、後にバリヤー式発馬機が導入され、さらに現在ではゲート式のスタートで実施されている。(なお、1971年まで存在した繋駕速歩競走では、距離によるハンデだった為、スターターの振り下ろす赤旗がスタートの合図で、最後まで行われたほか、一時的にはモービルゲート方式が使用されていた事もある)

  • バリヤー式(濠州式バリヤー)
横に佇立させた出走馬の前に「スターティングバリヤー」と呼ばれる棕櫚縄のロープ(ネット)をフックを利用して張り、発馬担当者のレバー操作でフックを外すとそのロープが上方に跳ね上がり、これをスタートの合図とする。装置は簡便であるが、発走前の位置取りで騎手間の牽制があったり、突進や出遅れなどの問題が多く、現在のゲート式に切り換えられた。なお、バリヤー式には、軟式バリヤーと硬式バリヤーの2種類があった。
日本の競馬では1926年にこの方式が導入されたが、現在は使用されていない。
現在は競馬先進国ではほとんど用いられない方法であるが、欧州の障害競走では現在でも使用されており、30頭以上の多頭数が出走する英国のグランドナショナルなどで、このバリヤー式によるスタートを見る事が出来る。
  • ゲート式
現在、世界的に見ても主流のスタート方式である。多くは電磁石や金具などで開扉する機構を持つ可搬式のスターティングゲートを使用する。枠で仕切ったゲート内に出走馬を佇立させ、スターターの制御によるゲートの一斉開扉をもって競走のスタートとする。
バリヤー式スタートの欠点を解消したスタート方法であるが、馬には本質的に狭所を嫌う性質がある為、ゲートに入れる為にはトレーニングが必要な上、トレーニングにより可能となっても環境が異なる実際のレースでは難渋し、最悪の場合には発走除外の措置となったケースも存在する。また、気性の極めて激しい馬の場合には、このゲート入りがどうしてもクリアできずに、結果として競走馬失格となる場合も見受けられる。
日本で最初に導入したのは1953年大井競馬場を初めとする地方競馬の南関東地区である。これに用いられたのは「宮道式(みやじしき)」と呼ばれる電磁石の力だけで開閉を制御するものである。またこれは金具を使わず磁力のみによって閉扉状態を維持しているため、暴れた馬が突破してもゲートが開くだけで破損がおきにくく、メンテナンスが容易という利点を持つが、構造上出走頭数が制限されてしまう難点がある。
地方競馬では現在でもこの宮道式の改良型を使用している所が多い。他方、近年はJRA式を導入している地方競馬場も存在する。ゲートの牽引車が宮道式の場合はトレーラーヘッドであるのに対し、JRA式のものはトラクターによる牽引であるため、判別は容易である。
「宮道式」の名は開発者である宮道信雄の名に由来する。
中央競馬では1960年7月2日の小倉競馬場の3歳戦(※旧年齢表記)から導入された「ウッド式発馬機」が最初である。これは当時、ニュージーランドの競馬で用いられていたゲートを参考に中央競馬会が開発したものといわれ、当初のものは足元にパイプがあり馬が躓くなど問題のある構造であった。しかし、それ以降の幾次にも渡る改良により、現在使用されているゲートは世界的に見てももっとも安全な競馬用発馬機の一つと言われ、海外の競馬場にも輸出されるほどになっている。ちなみに発明したウッド氏は、水道技師だった。
現在のJRA式(日本スターティング・システム社製)と呼ばれるゲートは、金具と電磁石の併用による電動開扉をするシステムとなっている。その為、開扉タイミングの誤差は小さい。ただし、馬のゲート突破などによる金具の破損などの問題により、外枠発走などの競走結果にも関わる問題が生じる欠点が、地方競馬で主流の「宮道式」との比較などで指摘されている。

[編集] スターター台

発馬機内の馬を監視し、的確なゲートの制御を行うためにスターターが立つ台。現在使用されているものはほとんどが自走式になっており、車両の荷台部分に載せられたスターター台(ゴンドラ部分)が、昇降レバーで自在に昇降するシステムになっている。これと発馬機をケーブルで接続し、ゲートの開扉を制御している。自走式であるため、レースに応じてゲートと共にスタート地点に移動する。その為、スタンドカーと呼称される場合もある。

なお、現在主流の自走式のスターター台が普及する以前は、梯子で上る固定式のスターター台がコースの各スタート地点毎に設置されていた。この固定式のスターター台は現在でも川崎競馬場の1600m戦のスタート地点、高知競馬場などでは見ることができる。

[編集] パトロールタワー

競走馬の走路の各コーナーの外側に設けられた監視塔の事である。基本的に1つのコーナーに対し、その形状に応じて1~2箇所設置されている。

上部には小部屋が設置され、ここにはレース中には走路監視員が執務し、競走中にインターフェア(妨害)の有無や、騎手の騎乗中の挙動、競走馬の故障事故などについて監視する。また、パトロールタワーにはカメラが設置され、裁決委員が競走監視用として使用するパトロールビデオの撮影も行う。

[編集] 待機所

レースのスタート地点後方やコースの隅に作られた屋根付きの建物で内部には砂がひかれている。馬場入場後返し馬を行った後は発走までここで待機する。

[編集] 障害

障害競走で競走馬が飛越するもの。障害競走で用いる。日本では生垣・竹柵・土塁・水濠・人工竹柵(グリーンウォール)・飛び上がり飛び降り台(京都競馬場のみ)などが存在する。一部は可動式となっており、障害競走時のみ平地競走で用いられる走路に設置するものが存在する(新潟競馬場の障害競走はこの可動式の障害のみで障害競走が行われる)。この可動式障害は置障害とも呼ばれる(これに対して、非可動式の障害は固定障害とも呼ばれる)。可動式の障害は発馬機同様にトラクターで簡単に移動できるように設計されている。 ヨーロッパなどでは空濠(水濠の水の張ってないもので、日本でもかつては京都競馬場にあった)など、日本の障害競走以上よりも遥かに高度な飛越技術を要求される障害が競走馬を待ち構える。

[編集] スタンド

競馬の業務・運営を行う目的と関係者や観客が観戦をする目的を兼ね備えた施設。従って、スタンド内には観客が立ち入ることができるスペース。馬主などの関係者が立ち入ることが出来るスペース。運営スタッフのみが立ち入ることが出来るスペースが明確に区切られている。それぞれ自分に関係しないスペースへの立ち入りは堅く禁じられている。 日本では走路の決勝線のある側の外周に作られることが多い。 以下ではスタンド内に併設されている設備や装置を説明する。

[編集] 写真室

決勝線の延長線上に設けられており、写真判定に用いる写真をゴール板を利用して撮影する。中はレースが始まると真っ暗闇になり、決勝写真を撮り終えたらすぐさま手探りでフィルムを現像し、下の階の審判室にエレベーターで送られる。

この写真室は競馬運営上、絶対に必要な設備(このために競馬場には必ずスタンドが作られる)の為、この写真室を含むエリアがスタンド改築となった場合には、競馬開催を中止したり、別の場所に臨時に写真室を設けて、それにあわせてゴール板を移動するなどの措置がとられる(後者はL-Wing建築中の大井競馬場で取られた措置で、この間は10mの端数がでる競走が多かった)。

[編集] 投票所

勝馬投票券を販売ならびに払い戻しを行う設備。現在は人件費の削減の為に機械化されている窓口が多い。なお、一部は払い戻しも兼ねた兼用機になっている場合もある。 対面式の窓口もあるがマークシート使用による窓口となっている場合が多い。口頭による窓口販売はごく一部の窓口に限られている。

投票所の裏側(内側)は現金を扱うスペースや機械室などが設けられる為、必ず運営関係者限定のエリアとなる。

[編集] 馬主席など関係者席

馬主や調教師などが観戦する為の席。馬主や調教師など関係者のみが立ち入りすることができる (馬主でなくても、馬主の紹介があれば入る事が出来る場合がある)。 中央競馬での一口馬主は馬主の扱いではない(中央競馬の登録上は一口馬主を主催する会社が法人馬主となっている)為、馬主席に立ち入ることはできない。ただし近年は優勝馬の口取りに参加することができるが、そのための集合場所は一般の観客席エリアとなっている。

[編集] 実況席・放送スタジオ

競馬中継を行うためのスタジオである。競馬中継の進行を行うスタジオと実況席は別に設けられている。また、パドック脇にブースを構えてパドックからの中継も行えるようになっている。 ただし、グリーンチャンネルの競馬中継の進行は競馬場内のスタジオではなく、東京の浜町スタジオから行っている(パドックからの中継はある。映像はJRAの場内中継の映像を利用。実況はラジオNIKKEIの音声を利用)。また地方競馬の競馬中継でもスタジオを設けず進行を進める場合もある。 実況席はガラスによる光の反射により走路が見えなくならないように吹きさらしとなっているため、冬場は冷たい外気にさらされ、夏場は虫が来る。 また、向正面まで良く見えるようにスタンドの上部に設置されていることが多い。

[編集] 観客席

観客が座って観戦する為の座席。ただし、競走中に座って観戦する必要はなく、立って観戦している場合もある。観客席は吹きさらしになっている場所、階段状に設置されている場所、ガラス張りの部屋の中、テレビモニターが見えるスタンド内、その他様々な場所に座席がある。席も1つずつの椅子になっているもの、長ベンチ、コンクリートの打ちっぱなし(これを果たして座席と呼んでいいものかは不明だが、多くの観客が座っている場所もある)など様々。

後述する指定席以外は自由席な為、新聞やレーシングプログラムなどで席取りがしてある光景があちらこちらに見られる。席取りしてある席に座って、先に席取りをした観客が戻ってくるとトラブルになる場合がある。なお一部の競馬場では高齢者、障害者専用の観客席があり、それらの使用には証明するものが必要である。

近年は喫煙できる場所が限定されてきており、喫煙者には肩身が狭くなってきている。

[編集] 指定席

スタンド内には入場料のみで座ることのできる上記の観客席のほか、追加料金を支払うことで座ることのできる指定席がある。指定席のあるエリアへは追加料金を支払った観客のみが立ち入りできる競馬場が多い。指定席のあるエリア内には投票所、食堂、売店が一般の観客用とは別に設けられており、これらは追加料金を支払った観客のみが使用できる。指定席は当然、その日に追加料金を支払った観客のみが使用するため、席取りの必要はない。ただし指定席のほかに、自由に座れる座席が設けられているエリア定員制の競馬場もある。

なお、かつての公営競技ではこの指定席券の転売が暴力団ノミ屋などの資金源の一つにされてしまった事があった為、現在ではこれらを排除する対策の一環として指定席エリアの入場に際して指定席券の確認のほかに、指定席券の販売と同時に手の甲などにハンドスタンプを捺印し、これにより購入者本人であるか確認を取る場合がある。スタンプについては肉眼では可視できない紫外線反応形のインクを使用している場所もあり、この場合、指定席エリアへの入場チェックのポイントには確認用の機器が設置される事になる。

指定席の座席は通常、一般の観客席の座席よりもグレードが高い物が使われている。また自由に使えるモニターが設置されている座席もある(1人1つとは限らず、複数人で共用する場合もある)。

指定席も禁煙席と喫煙席がある。ただし、禁煙席でも近くに喫煙スペースが設けられている場合がある。

指定席は当日販売が中心であったが、中央競馬ではJRAカードによる、大井競馬ではCNプレイガイドによる予約販売も行われている。予約販売が行われていない頃には、有名な重賞競走ともなると指定席を買い求める為に、開門前、場合によっては早朝から長蛇の列となった。

一部の地方競馬場には年間指定席などが設置されていたり、逆に指定席が存在しない、または存在しても開放していない場合がある。

[編集] 食堂

たいていの競馬場では、様々な店舗が入っており、そこで食事をすることができる(指定席エリアに指定席客専用の食堂が存在する競馬場もある)。なお、食堂はスタンドの中の他にも、内馬場などにも設置されている。

多くはラーメンや丼物、ファーストフードを中心とした軽食を食券制やセルフサービスで提供しているが、一部では寿司やステーキ、会席膳などを出す店舗も見られる。また、テナントとして有名ホテルがレストランを出店している所もある。

競馬場の特徴あるメニューとしては、「勝つ」にかけて「カツ」料理を「勝丼」、「勝カレー」などと称して販売している店舗がよく見受けられる。そして、多くの競馬場にある種の「名物メニュー」が存在し、多くのファンの興味や人気を呼んでいる。

大井競馬場では観戦しながらバイキングを楽しむことができるダイヤモンドターンが設置されている。

2004年BSEによるアメリカ産牛肉の輸入禁止に伴う「牛丼が街中から消える」騒動が発生した際、競馬場にある「吉野家」の店舗では牛丼を食べることができたため、一時的に人気が急上昇したこともある。これには競馬場側との契約により、牛丼以外の主要メニューが提供できないため、という理由もあった。また、このように一般的な市街地にあるチェーン店などが入っているが契約上メニューを限定されている店舗もある。(例えば、競馬場内にある「モスバーガー」では、看板商品の一つである「モスバーガー」が販売されていない。)

[編集] 売店・広報施設

このほか、スタンド内外には弁当の販売所、新聞競馬新聞スポーツ新聞)の販売所、コンビニエンスストア、競馬グッズの販売所(中央競馬ではターフィーショップという名称)など様々な売店が設置されている。

このほか、競馬場のインフォメーションセンターを兼ねたPR施設などがある。

[編集] 厩舎

競走馬が滞在する為の施設。 競馬場が日常の調教を兼ねる競馬場の場合には、 また日常の調教を兼ねない競馬場の場合でも、トレーニングセンターから馬運車で運ばれてきた競走馬が競走が行われるまで待機する場所として馬房が設置される。

国際競走を行う競馬場の場合には、検疫の関係で、日本の競走馬と同じ馬房に入れることができない為、隔離できるような場所に検疫厩舎が設けられる。また、日本の競走馬でも外国から帰国して、次走の出走期間が短い場合(これは届出が必要)、着地検疫を検疫馬房で受けるために、競馬場の検疫馬房に入る場合がある。コスモバルクディープインパクトが入厩したことがある。

[編集] 装鞍所

検量した鞍を着ける場所。係員がいる場所でなければ競走馬に鞍をつけることが出来ない。

[編集] 下見所(パドック

下見所(したみじょ)とも呼ばれ、出走直前の競走馬が周回する場所。パドックとも呼ばれる。通常はトラック状に舗装された部分を、厩務員調教助手などに引かれて競走馬が周回する。馬券を購入する場合にはパドックが競走馬の体調を見極めるための場所となる。

競走馬は誰も騎乗していない状態で周回をはじめるが、途中で騎手が騎乗し、そのままの状態でコースへと向かう。

日本の競馬場の場合、多くはスタンド隣接地やコース外周部に隣接する場所に設置されているが、笠松競馬場はコース内側に設置されている。

[編集] 検量室・審判室

騎手の検量を行う検量室や、審議、着順の確定などを行う審判室は、いわば競馬運営の中枢である。 これらの部屋はスタンドと一体となっている競馬場と、なっていない競馬場が存在する。 当然、これらの施設は関係者しか立ち入ることが出来ない。

東京競馬場はスタンドと一体となっており、新スタンド1Fには一般の観客が検量室などをガラス越しにみることができるホースプレビューというスポットがある。

[編集] 調整ルーム

競馬の公正確保を目的として、外部の第三者との接触を防ぎ、騎手の体調管理を行う為、競馬騎乗予定の騎手が騎乗前日より入る事を義務づけられている施設。1965年の山岡事件をきっかけとして、全国の競馬場に設置された。ただし、地方競馬の場合、南関東地方競馬の様に連日開催が続く地域ではこれでは騎手がほとんど帰宅できなくなってしまう為、別途自宅待機の制度を定めている地区もある。

[編集] 内馬場

トラック状の馬場の内側を内馬場と呼ぶ。 内馬場もスタンド同様に一般の観客が立ち入ることが出来るエリアとし、投票所、食堂、売店を設けている競馬場が多いが、調教施設などを設置し観客が立ち入れない競馬場(新潟競馬場)や、駐車場に利用されている競馬場(川崎競馬場)、広大な池が設置されている競馬場(京都競馬場)、民間の所有地として田畑が広がる競馬場(笠松競馬場)など様々な用途に使われる。

[編集] オッズ板

トータボードとも呼ばれ、次に行われるレースに出走する競走馬の競走馬名や馬体重、背負わされる斤量、騎乗する騎手の名前、馬券のオッズ(倍率)などの情報を表示する掲示板。下見所(パドック)の側にある。古くは黒板にチョークで手書きされた掲示板であったが、後に電光掲示板となり、現在ではフルカラーLED仕様の掲示板が設置されてる競馬場もある。LED仕様の掲示板では映像を放映することも可能となっている。

[編集] 大型映像装置

主にスタンド前や馬場内地区、競馬場によってはパドック付近にいる来場者に情報を提供する為に設置される。レース映像や馬場入場の放映、払戻金の表示等を行なう。中央競馬では『ターフビジョン』と総称される。

日本で始めて大型映像装置が設置されたのは東京競馬場で、1984年9月のことである。大型映像装置が設置されるまでは向正面の攻防は双眼鏡を手にしながら見るしかなかったために、大型映像装置の設置によって競馬観戦のスタイルが一新された。大型映像装置が設置されて初めて行われたGIの第90回天皇賞ミスターシービーの走りが大型映像装置に映し出された時に場内から大歓声が沸きあがったという。

2006年秋季に東京競馬場に設置されたターフビジョンが面積660m²で世界最大の大型映像装置となった(2007年秋に京都競馬場にも同様の大型ビジョンを設置)。地方競馬では川崎競馬場にある『キングビジョン』が面積496m²、最大視認距離は250mで、設置当時は世界最大であった。また、ホッカイドウ競馬では経費削減の観点から大型映像装置を用いず、大型映像装置が設置してある競馬場でも可動式の映像装置を用いている。そのため門別競馬場には大型映像装置が存在しない(札幌競馬場旭川競馬場には設備として大型映像装置が存在する)

[編集] 着順掲示板

レース走行中は先行の3頭、入線後は上位5着までの着順が点滅しながら表示される。最近では着順掲示板が大型映像装置と一体となって設置されている場合が多い(東京競馬場船橋競馬場など)。中央競馬(東京競馬場と京都競馬場を除く)の場合、レースの着順が確定した時は「」の文字が表示され赤ランプが点灯し着順表示の点滅が止まる。審議が行われている時には「」の文字が表示され青ランプが点灯する。他には着差やレースのタイム、馬場状態等が掲示されている。東京競馬場及び京都競馬場では赤ランプ、青ランプは設置されず、「確定」、「審議」と表示される。なお審議により降着等があってレースが確定した場合に用いられていた上が赤で下が緑のランプは中央競馬全場で使用されないことになった。 地方競馬では点滅やランプ色、未確定時の表示方法などについては競馬場により異なる。また色ランプが無く文字のみの所が多く、未確定時には「」「通過」などの文字が表示される所もある。

[編集] 賞典台

レースで優勝した競走馬の関係者(調教師、厩務員、馬主、生産者など)を表彰するための場所。また各種イベントの際に使用される事もある。中央競馬の競馬場では「ウイナーズサークル」と呼称する。

[編集] 駐車場

大都市部以外の競馬場では数千台規模の駐車場を整備している所も珍しくなく、最大とされる佐賀競馬場は収容台数1万台という巨大駐車場を整備している。競馬場の馬場の内側にも来場者用の駐車場を設置している所も見られる。

[編集] バスターミナル

後述の送迎バスを運行している競馬場の多くでは入場門付近にターミナルが設置され、来場者の乗降が行われる。また大井競馬場などでは、このターミナルが非開催日にもバスターミナルとして使用されており、都営バスの一般路線(品93: 目黒駅~品川駅~大井競馬場)の折返場としても使用されている。

[編集] 競馬場へのアクセス方法

[編集] 自動車

自動車を利用して来場する場合には駐車場の確保が問題となる。前述のように敷地内に駐車場を整備している競馬場もあるほか、周囲や隣接地に駐車場が用意されている場合もある。ただしその規模は競馬場の立地条件によって大きく異なり、特に大都市圏の競馬場ではその規模や来場者数に対して駐車場の収容能力が全く不足しており、開催日には周辺地域に激しい渋滞を起こしている競馬場も見られる。その為、一般の来場者に対しては電車などの公共交通機関での来場をPRする場内放送を恒常的に流している競馬場も少なくない。また、多くの競馬場では至近の駐車場は関係者や馬主の専用駐車場として使用されている。他方、その一方で市街地に所在する競馬場では、駐車場用地の不足を補うために立体化したり、なお、競馬場が自前で用意している駐車場の他にも、周辺では民間の1日駐車場が多く見られるが、これらはほとんど全てが有料である。

[編集] バス

多くの競馬場では、開催日には最寄の鉄道駅との間を連絡する送迎バスを運行している。

[編集] 鉄道

競馬場へのアクセスを主目的として設置されている鉄道のおよび路線路面電車停留所が存在する。中には改札口などの駅構造に余裕を持たせて、メインレース後などの一時的な大量の乗客を確実に捌けるだけの設備が確保されている駅もある。

また、「競馬場」の名は駅名に冠していないが、開催日や場外発売日にのみ使用される改札口や、競馬場への専用通路が整備されている最寄駅も存在する(府中本町駅淀駅仁川駅など)。中には中山競馬場最寄の船橋法典駅の様に、競馬場への専用改札口から競馬場までの長さ1キロ弱の専用地下通路など、大量の来場者をスムーズに誘導する為の大規模な設備がなされている場所も見られる。

[編集] 日本の競馬場

競馬法施行令によると競馬場の最低限の大きさや必要な設備が記述されている。

  • 中央競馬の場合、外周コース1周1600メートル以上。幅員20メートル以上。
  • 地方競馬の場合、1周1000メートル以上。幅員16メートル以上。
  • ばんえい競走のみを行う場合、200メートル以上。

日本の場合には、最初に作られたトラック式の競馬場である横濱競馬場が右回りであることから、右回りの競馬場が多く、左回りの競馬場は東京競馬場新潟競馬場中京競馬場盛岡競馬場船橋競馬場浦和競馬場川崎競馬場の7箇所。

中央競馬の10の競馬場はいずれもコースがメインコースであり、その内側にダートコースが設けられている。

又、新潟・京都・阪神・中山の4ヶ所の競馬場では芝が内回りコースと外回りコースに分かれるシステムがある。

地方競馬の競馬場(中央競馬との併用の箇所を除く)はいずれもダートコースがメインであり、芝コースが設けられている競馬場は盛岡競馬場だけである。盛岡競馬場はアメリカ同様、ダートコースの内側に芝コースが設けられている。

新潟競馬場は2001年に改修を行い、日本初の直線のみの芝1000メートルのコースがある。

[編集] 日本の競馬場一覧

中央競馬
地方競馬
地方競馬(続き)


廃止・休止競馬場については日本の廃止・休止競馬場一覧を参照

[編集] アジアの競馬場

アジアでは日本以外には、韓国中国香港フィリピンマレーシアシンガポールタイインドUAEなどで競馬が開催されている。この内、韓国では日本産のサラブレッドも少なからず見られ、また日本からは種牡馬なども輸出されている。シンガポールでは日本人調教師が活動している。

2001年から北京特区で開催されている競馬場は香港資本によるものと言われており、ギャンブル自由化の暁には競走馬の供給地とするべく建設されていたものである。同競馬場は北京五輪の馬術競技の会場として利用される予定であったが、香港の沙田競馬場で開催することが決定している。

韓国済州島の済州競馬場で行われている競馬は、固有種であるチョランマル(済州ポニー)種の保存・維持もその大きな目的としている。

[編集] アジアの競馬場一覧

  • ソウル競馬場(韓国) - ダートコースのみ
  • 済州競馬場(韓国) - ポニー競馬
  • 釜山慶南競馬場(韓国) - ダートコースのみ
  • 北京通順競馬場(中国)
  • ハッピーバレー競馬場(香港)
  • 沙田(シャティン)競馬場(香港)
  • タイパ競馬場(マカオ)
  • サンラサロ競馬場(フィリピン)
  • サンタアナパーク競馬場(フィリピン)
  • イポー競馬場(マレーシア)
  • セランゴール競馬場(マレーシア)
  • ペナン競馬場(マレーシア)
  • クランジ競馬場(シンガポール)
  • ロイヤル・ターフクラブ競馬場(タイ)
  • ロイヤル・バンコク・スポーツクラブ競馬場(タイ)
  • カルカッタ競馬場(インド)
  • チェンナイ競馬場(インド)
  • ハイデラバード競馬場(インド)
  • マイソール競馬場(インド)
  • マハーラクシュミー競馬場(インド・ムンバイ)
  • デイラ競馬場(UAE・ドバイ)
  • アブダビ競馬場(UAE・アブダビ)
  • ガントゥート競馬場(UAE・アブダビ)
  • シャージャ競馬場(UAE・シャージャ)
  • ナド・アルシバ競馬場(UAE・ドバイ)
  • ジュベル・アリ競馬場(UAE・ドバイ)
  • メイダン競馬場(UAE・ドバイ)(2010年完成予定)
  • ヴェリエフェンディ競馬場(トルコ)

[編集] ヨーロッパの競馬場

ヨーロッパの競馬場は自然の地形に合わせてコースレイアウトされることが多いため、歪な形状のコースが多い。また直線が長く、直線のみの競馬を行う競馬場も多い。ダービーの舞台のエプソム競馬場はUの字をしたコースであるし、2000ギニーの舞台のニューマーケット競馬場は直線を2つ組み合わせただけのコースである。

メインのコースは芝コースであり、ダートコース(オールウェザーコース)は近年、いくつかの競馬場で設置されているが、数は少ない。

またスイスサン・モリッツ湖上で冬季に行われる「氷上競馬」(ホワイトターフ)や、アイルランドのレイタウンで年に1日だけ開催される「砂浜競馬」など、普段は競馬場としての形を成していない所もある。

[編集] ヨーロッパの主な競馬場一覧

[編集] アイルランド

[編集] イギリス

[編集] イタリア

[編集] ドイツ

[編集] フランス

[編集] 北米の競馬場

競馬場ごとにコースレイアウトが異なると、成績に違いが生じるなどのスポーツ性の観点から、1周1マイルの左回りの競馬場が大多数である。

メインのコースは天候に影響を受けにくいダートコースであり、芝コースはダートコースの内側にあることが多い。なお北米のダートコースは脚抜きがよく、一般的に日本のものよりも速い時計が記録される。

近年は安全性などの観点から、従来のダートに代わりオールウェザー馬場を導入する競馬場も増えている。

[編集] 北米の競馬場一覧(主な競馬場)

[編集] 中南米・カリブ地区の競馬場

アルゼンチンのサンイシドロ競馬場は、1999年に芝2400mの世界レコード(2分21秒98)が記録されるなど、特に早いタイムが出やすい「高速馬場」として知られている。(同国の競馬場で芝コースがあるのはサンイシドロのみ)また北米同様、左回りの競馬場が多い。

[編集] 中南米・カリブ地区の競馬場(主な競馬場)

[編集] オセアニアの競馬場

オセアニアではオーストラリアニュージーランドにあり、競馬の歴史は古い。コース形状はさまざまで、長円形の競馬場も歪な競馬場もある。

[編集] オセアニアの競馬場一覧(主な競馬場)

[編集] オーストラリア

[編集] ニュージーランド


[編集] 脚注

  1. ^ かつては、内側の本来の柵である本柵の外側に仮の柵を設置し「仮柵」と呼んでいたが、中央競馬では現在すべての競馬場で移動柵が採用されているため正確には「仮柵」ではない。

[編集] 関連項目

  • キルクス
  • ヒッポドローム


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