ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079
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ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079 | |
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ゲーム | |
ゲームジャンル | リアルタイムストラテジー |
対応機種 | プレイステーション2 |
キャラクターデザイン | 菅野宏紀 |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 2001年9月6日 |
販売価格 | ¥7,140 |
ゲーム: GUNDAM THE BEST | |
発売日 | 2005年2月17日 |
販売価格 | ¥2,990 |
小説 | |
著者 | 林譲治 |
出版社 | 角川書店 |
レーベル | 角川スニーカー文庫 |
発売日 | 2001年 |
巻数 | 全2巻 |
■テンプレート使用方法 ■ノート |
『ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079』(ジオニックフロント きどうせんしガンダム ダブルオーセブンティナイン、ZEONIC FRONT MOBILE SUIT GUNDAM 0079) は、アニメ作品群「ガンダムシリーズ」の一つで、アニメ『機動戦士ガンダム』をはじめとする、宇宙世紀の一年戦争を舞台とするプレイステーション2用ゲームソフト。全13ミッションからなるリアルタイム戦術級シミュレーションゲーム。
バンダイから2001年09月06日に発売され、2005年2月17日には「ガンダム・ザ・ベスト」として廉価版も発売されている。
目次 |
[編集] 概要
プレイヤーはジオン軍の闇夜のフェンリル隊の指揮官となり、リアルタイムで変動する戦況に応じて隊員の乗ったモビルスーツの進軍ルートやフォーメーションを指示する事で、任務を遂行していく。アクションが主流の他のガンダムゲームに比べるとな派手さや爽快さには欠けるが、一年戦争を舞台にあくまでジオン側の視点で描かれたストーリーとチームの連携や索敵など細かな戦術が求められるゲーム性からファンの多い作品のひとつである。
敵役として、バンダイ発行の雑誌「SDクラブ」の連載企画『大河原邦男コレクション』 (M-MSV) で発表されたガンダム6号機をリデザインした「マドロック」が登場する点も話題となった。
また、林譲治により角川スニーカー文庫で小説化されている。
主な登場人物はオンラインゲーム『ガンダムネットワークオペレーション』シリーズにも登場していることからも人気が伺えるが、モビルスーツの設定は本作独自の解釈が多く(例えば、ドム・フュンフが08小隊版ドムになっていることなど)、疑問を呈する者もいる。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] ストーリー
各地を転戦する「闇夜のフェンリル隊」の活躍を通して、第2次降下作戦による地上制圧からオデッサ戦線、ジャブロー攻略作戦、ジオン公国軍主力の地上からの撤退、アフリカ戦線における残存勢力の抗戦など、一年戦争におけるジオン公国軍地上部隊の模様を描いている。
[編集] 主な任務
- ニューヤーク、キャリフォルニアベース攻略作戦参加。
- ゴビ砂漠にて物資集積基地防衛(作戦中、初めて連邦軍モビルスーツと交戦)。
- 森林地帯でホワイトベース隊の情報収集(作戦中、ガンダム、ガンキャノン、ガンタンクと交戦)。
- マ・クベ大佐の要請でオデッサに向かう。ダブデ級陸戦艇の護衛などに就く。
- 森林地帯にてオデッサより撤退する友軍の護衛(作戦中、エイガー少尉による迎撃を受けるが突破に成功)。
- ジャブロー攻略作戦に参加。ジャブロー地下基地に突入、ブランリヴァル、マドロック(ガンダム6号機)を攻撃(未完成型マドロックと交戦・撃破)。
- 撤退するHLVの護衛(作戦中、完成型マドロックと交戦、撃破)。
- アフリカ戦線にて孤立・包囲された友軍の救出。など
[編集] 作戦の遂行
このゲームでは、いかに効率良く、正確に任務を遂行するかが求められる。そのため、出撃前に作戦ルートやフォーメーションを設定することで作戦を効率よく進めることができる。これも、このゲームの醍醐味のひとつといえる。
また、作戦遂行自体は、スコアを気にせずプレイした場合比較的容易であるが、Sランクスコアを狙う場合は非常に難易度が高いミッションが多い。場合によってはレーダー妨害機器などを駆使して一度も敵に発見されることなくクリアする必要がある。
[編集] ルート作成
各ミッションごとには予めデフォルトのルートが設定されており、わざわざ自分でルートを作成する必要はないが、時にはデフォルトでは全体の効率が悪い場合がある。そのときは、出撃前にオリジナルのルート作成することができる。またルート中にポイントを置き、そのポイントにアドバンスを設定し、各チームに細かな作戦行動を指示できる。
各アドバンス
- >>>ATTACK ルート上を高速移動し、敵を発見した場合には攻撃を優先する。この時ルートからかなり離れる場合がある。
- >>>AVOID ルート上を高速移動し、敵を発見しても移動を優先し、積極的に攻撃は仕掛けない。
- >ATTACK ルート上を低速移動し、敵を発見した場合には攻撃を優先する。
- >AVOID ルート上を低速移動し、敵を発見しても移動を優先する。
[編集] 戦闘中のフォーメーション
各チーム(赤、青、緑)ごとに最大2機の僚機をつけることが出来、戦闘中にフォーメーションを指示することで連携攻撃ができる。
フォーメーション
- 前進フォーメーション 僚機に前進を指示する。指揮官機を敵から守る事ができる。また、僚機が戦う間に指揮官機が後方から射撃で敵を仕留める事などに有効。
- 後退フォーメーション 僚機に後退を指示する。指揮官機が格闘戦をしている間に僚機が後方から射撃するなどのスタイルに有効。
- 散開フォーメーション 僚機に散開を指示する。敵をかく乱させたり、囲みこんで攻撃することが出来る。
- 停止フォーメーション 僚機に停止を指示する。
[編集] 登場人物
[編集] ジオン公国軍・闇夜のフェンリル隊
本作の主役となるジオン公国軍特殊部隊(キシリア・ザビ少将指揮の突撃機動軍所属と思われる。)。モビルスーツのみで構成されており、攻撃任務をはじめ、偵察任務、防衛任務と多様な任務をこなす。ゲラート・シュマイザー少佐が設立し、隊長を務める。通称「フェンリル隊」。戦争末期、ジオン軍の地上部隊は続々と宇宙に脱出するのに対し、フェンリル隊はゲラートの意向により、地上戦線に残る友軍を救出するため地球に残ることを決断。アフリカ戦線で終戦を迎え、その後の経緯は不明である。
- ゲラート・シュマイザー (Garret Schmitzer)
- 声:石塚運昇
- フェンリル隊隊長。階級は少佐。宇宙世紀0044年生まれ、35歳。
- 彼は一年戦争以前のゲリラ戦時代からジオン公国軍に身を置いており、モビルスーツが正式採用されてからは、モビルスーツパイロットとして数多くの戦果を上げてきた。ところがブリティッシュ作戦時、地球連邦軍基地攻撃中にエイガー少尉の攻撃を受け、視神経を負傷しパイロットを引退する。
- しかし、彼のモビルスーツ運用の体験を元に設立したモビルスーツのみによる特殊部隊「闇夜のフェンリル隊」がキシリア・ザビ少将に認められ、一年戦争中は北アメリカ攻略作戦、オデッサ防衛戦、さらにはジャブロー攻略作戦に参加し、指揮官として数々の戦果を上げた。
- また、エイガー少尉には幾度か阻まれることもあったが、いずれも苦戦の末切り抜けた。小説版ではマドロックとの2回目の交戦の際、音響センサーを増設したザクIで自ら出撃した。遥かに性能で勝るガンダム6号機を撃破したことから、かなりの腕前を持つエースパイロットであると推察できる。また、バーナード・ワイズマン伍長に次いで、2人目の「ザクでガンダムを倒した」パイロット(時間軸上でいえば、初である)。ランバ・ラルとは深い絆で結ばれている。
- 主な搭乗機 ゲラート専用ザクI
- ル・ローア (Le Roar)
- 声:山路和弘
- フェンリル隊隊員。階級は少尉。宇宙世紀0054年生まれ、25歳。
- ジオン公国軍士官学校を首席で卒業し、「闇夜のフェンリル隊」に配属、冷静沈着に任務を遂行し、部隊では頼りになる存在。しかし、周囲と距離をおく性格であり、「闇夜のフェンリル隊」に配属されたことを不満に思っている。マット・オースティン軍曹とは士官学校卒業後に初配備された部隊から行動を共にしている。
- 主な搭乗機 ザクII(F型)、ザクII(J型)、ザクII(F2型)、先行量産型グフ、グフカスタム
- マット・オースティン (Mat Austin)
- 声:宇垣秀成
- フェンリル隊隊員。階級は軍曹。宇宙世紀0038年生まれ、41歳。
- ジオン国防軍時代から軍に身を置いている。ル・ローア少尉とは、ル・ローア少尉が士官学校卒業後に初めて配属された部隊で知り合い、「闇夜のフェンリル隊」に配属されてからも、共に戦ってきた。また、旧機であるザクIをこよなく愛し、後に配備されるザクIIやグフなどの新型機には決して乗らないというプライドを持っている。
- 主な搭乗機 ザクI(初期型)、ザクI(陸戦型)、ザクI(後期型)
- ニッキ・ロベルト (Nicki Robert)
- 声:石田彰
- フェンリル隊隊員。階級は少尉。宇宙世紀0058年生まれ、21歳。
- 士官学校卒業直後にゲラート・シュマイザー少佐の創設した特殊部隊「闇夜のフェンリル隊」に配属される。
- 小説版では初陣にてビッグトレーを撃破した。
- 主な搭乗機 ザクII(F型)、ザクII(J型)、ザクII(F2型)
- シャルロッテ・ヘープナー (Charlotte Hapener)
- 声:黒田由美
- フェンリル隊隊員。階級は少尉。サイド3出身。宇宙世紀0060年生まれ、19歳。
- 士官学校卒業直後にゲラート・シュマイザー少佐の創設した特殊部隊「闇夜のフェンリル隊」に配属される。その時まだ彼女のモビルスーツは配備されておらず、初期はオペレーターとして任務に就いた。プライドが高く、そのためか強がりな面もある。また、ニッキ・ロベルト少尉に強いライバル心を抱いている。
- 主な搭乗機 ザクII(F型)、ザクII(J型)
- リィ・スワガー (Leigh Svagr)
- 声:諸角憲一
- フェンリル隊隊員。階級は曹長。サイド1出身。宇宙世紀0052年生まれ、27歳。
- 軍に入隊するため、サイド1からサイド3に渡った。一週間戦争に参加し、その時曹長に昇進した。彼は「闇夜のフェンリル隊」が、マ・クベ大佐の要請でゴビ砂漠へ集積基地の支援に派遣される際に「闇夜のフェンリル隊」に配属される。与えられた任務は忠実にこなし、優れた戦闘技術と索敵能力で数々の任務で活躍する。また、顔のせいか実年齢より10歳近く年上に見られることがある。
- 主な搭乗機 ザクI(初期型)、ザクI(陸戦型)、ザクI(後期型)、ドム
- マニング (Maning)
- 声:幹本雄之
- フェンリル隊隊員。階級は軍曹。宇宙世紀0044年生まれ、35歳。
- マ・クベ揮下で、一時的にフェンリル隊と行動するはずだったが、本人の希望でフェンリル隊に正式編入される。レンチェフとは古くからの付き合い。
- 主な搭乗機 ザクI(J型)、ザクI(後期型)、グフ、グフカスタム
- レンチェフ (Renceh)
- 声:稲葉実
- フェンリル隊隊員。階級は少尉。宇宙世紀0050年生まれ、29歳。
- 部隊へはマニングと一緒に配属された。優秀なパイロットだが残忍な一面がある。グフを愛機とし、高い戦闘力で対モビルスーツ戦では無類の強さを見せつける。
- 主な搭乗機 グフ。
- ソフィ・フラン (Sophie Franc)
- 声:小宮和枝
- フェンリル隊隊員。階級は少尉。24歳。
- 一見落ち着いた感じの女性だが、戦場では主に前衛攻撃任務に就き、ドムで重攻撃を仕掛ける。
- 小説版では空手の達人であり、ドムのマニピュレーターでジムのコックピットを貫通させるという荒業を披露した。
- 主な搭乗機 ドム、ドム・フュンフ。
- サンドラ (Sandra)
- 声:紗ゆり
- フェンリル隊隊員。階級は少尉。宇宙世紀0051年生まれ、28歳: ジャブロー攻略作戦に参戦する直前に「闇夜のフェンリル隊」に配属される。女性ではあるが、制服の襟元を大きく開けたり、袖を捲ったり、時にはヘルメットすら装着せずに出撃するなど、かなりワイルドである。しかし任務は忠実にこなす優秀なパイロット。ちなみに、サンドラは部隊内で唯一試験型ビームライフルを運用できる。
- 主な搭乗機 ザクII(陸戦型)、ザクII(J型)、ドム・トローペン
- ミガキ (Migaki)
- 声:辻親八
- フェンリル隊整備班長。ゲーム版・小説版とでは容貌が大きく異なる。
- 小説版ではかつてジオン共和国のテクノクラートだったが、ザビ家に逆らったために部下を死に追いやってしまったことを伺わせる描写がある。
- メカニック (Mechanic)
- 声:落合弘治
- フェンリル隊のメカニック。
- 兵役を逃れようと個人情報を改ざんしたことがあるが結局失敗した。
- エースパイロット
- シャア・アズナブル
- ガルマ・ザビ
- ランバ・ラル
- 黒い三連星
[編集] 地球連邦軍
- エイガー (Eiger)
- 声:中井和哉
- 階級は少尉。
- ガンキャノンやマドロックなど中距離戦闘系モビルスーツに搭乗してフェンリル隊に立ちはだかるパイロット。戦いに熱くなりやすく、時になりふり構わず行動する。ジャブローでは、フェンリル隊を迎撃するため、未完成のマドロックに制止を振り切り搭乗、フェンリル隊に挑むが撃破され、その後にも完成型マドロックで再度フェンリル隊と交戦するが結局撃破される(小説版ではゲラート少佐専用の旧ザクの巧みな戦法に敗れる。ザクに敗れたガンダムのパイロットは、年代順を無視すれば、アレックスのクリスチーナ・マッケンジー中尉についで二人目)。砲戦の腕は一流であっても、モビルスーツのパイロットとしてはフェンリル隊に遠く及ばなかったということであろうか。また、ガンダムといえども熟練の敵には赤子同然と言う戦訓を残した点は連邦軍のガンダム信仰に影響を与えた(この例があるために連邦軍は一般パイロットにガンダムを与えないで、エースクラスのみに与えるようになったと言う説もある)。
- 小説版では、61式戦車でザクを倒す戦法を編み出したほどの、連邦軍でも類希な砲術のエキスパートとなっている。また、マドロック開発の中心人物ともされている。皮肉にも、マドロックを倒したシュマイザー少佐のザクIは彼の率いる戦車隊が倒した機体をミガキが回収、再生したものであった。小説版のラストではアフリカに渡ったフェンリル隊を追う。ただし、その拠点を突き止めた時点でア・バオア・クーが陥落し、終戦を迎えたため、説得の軍使としてジオン側に向かった。
- なお夏元雅人の漫画作品『GUNDAM LEGACY』では、ジャブローにて自分と同じガンダムタイプモビルスーツのパイロットであるフォルド・ロムフェロー、ルース・カッセルの二人と出会っている。その後は軍使として向かったエイガーの細かい描写についても描かれており、デラーズ紛争終結後にはティターンズに入隊、フォルド・ロムフェローと共にジオン残党軍の掃討作戦に参加し、そこでマット・ヒーリィ、メイ・カーウィンと対面している。
- 主な搭乗機 ガンキャノン、マドロック
- サカキ (Sakaki)
- 階級は軍曹。小説版ではレンチェフのグフの放ったザクマシンガンの直撃を受けて戦死する。
- ホワイトベース隊
- アムロ・レイ
- カイ・シデン
- ハヤト・コバヤシ
- ブライト・ノア
- セイラ・マス
[編集] 登場兵器
[編集] ジオン公国軍
- モビルスーツ
[編集] 地球連邦軍
- モビルスーツ
[編集] 他作品への登場
ニンテンドーゲームキューブ用ソフト「機動戦士ガンダム 戦士達の軌跡」の黒い三連星編では、ガンダムを破壊した後のオリジナルの展開が用意されており、その中で連邦のビッグトレーと交戦するフェンリル隊が登場する(レンチェフ、マニング、ニッキ、シャルロッテが登場)。その後はジャブロー攻略、さらにルナツー攻略まで三連星と行動を共にすることになる。また、ジャブロー攻略戦ではマドロック搭乗のエイガーも登場する。