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陸戦型ザクII - Wikipedia

陸戦型ザクII

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

陸戦型ザクII(りくせんがたザクツー、GROUND TYPE ZAKU II)は、ガンダムシリーズのうち、宇宙世紀を舞台とするアニメなどに登場する、架空の兵器ジオン公国軍の陸戦用量産型モビルスーツ(略称、MS)である。地上用とも呼ばれるほか、型式番号からJ型とも呼ばれる。(型式番号:MS-06J)

目次

[編集] 機体解説

機体諸元
陸戦型ザクII(J型)
型式番号 MS-06J
所属 ジオン公国軍
建造 ジオニック社
頭頂高 17.5m
本体重量 56.2t
全備重量 74.5t
ジェネレーター出力 976kW
装甲材質 超硬スチール合金
武装 120mmザク・マシンガン
280mmザク・バズーカ
ヒート・ホーク
クラッカー
3連装ミサイルポッド
175mmマゼラトップ砲 他
主な搭乗者 トーマス・クルツ
キリー・ギャレット

本来ザクIザクIIは宇宙空間だけでなく、コロニー内部のような大気のある重力下での使用も考えられてはいたが、ジオン公国軍は地球侵攻作戦に向けて地上での運用を前提とした陸戦用MSの開発に着手した。しかしながらジオン本国のコロニー内では遠心力による擬似的な重力でしか発生できず、またMSの本格的な試験を行うにはあまりにも狭い空間であった。そのため十分なデータを収集することができず、シミュレーションを用いても純粋な局地戦用MSの開発をすることは難しいという結論に達した。そこでザクII F型の高い汎用性(実際に第一次降下作戦に参加したザクIIの殆どがF型であった)に着目し、陸戦型への仕様変更することで対処した機体が本機である。

開発はキャリフォルニアベースで行われ、第一次降下作戦にテストを兼ねて参加している。生産はキャリフォルニアベース、グラナダで行われたが、地球攻撃軍の工作部隊によってもF型からの現地改修が行われた(ノンオプションで地上でも運用可能と言われていたF型であったが、実際には重力下での運用や地形、気候の変化に十分対応できたとは言い難かった)。中期生産型であるF型をベースに推進剤の搭載量削減や宇宙用の装備を取り除き軽量化が図られている。また、ジェネレーターの冷却機構の空冷化、地上での防塵対策など手を加えられ、稼働時間や機動性が改善された。しかし本来の気密性は維持されており、短時間であれば水中や宇宙空間でも稼動することができる。(ただし、MS IGLOOでは宇宙空間ではまともに姿勢制御ができず溺れていた。)

本機は戦場が宇宙に移行した一年戦争末期にはコロニーや宇宙要塞の工場での量産の必要が無くなり、ズゴックゼーゴックに改造されたのと同様、融合炉や武装、モノアイなどのコンポーネントがモビルポッドオッゴに流用されることとなった。

[編集] 武装

基本的にF型などと同じであるが、クラッカー、3連装ミサイルポッド、マゼラトップ砲が新たに開発されている。

  • クラッカー
    MS用の手榴弾であり投擲後、6つの弾頭が分離して爆発し威力を増大させる。同様の武器は地球連邦軍側でも開発され、ガンキャノンやガンキャノン重装型に装備されている。
  • マゼラトップ砲
    口径175mmのマゼラアタックの主砲を取り外してザクに携帯させたものである。この砲は「ガンダムセンチュリー」などでは無反動砲とされているが、劇中それを表す描写は無く、また後述するようにAPFSDSを使用することから説得力に欠ける設定である。
    また、『第08MS小隊』の劇中の台詞により、使用する弾薬がHEATおよびAPFSDS弾(台詞ではペネトレーター弾)であることが確認できる。これは近距離ならガンダムのシールドを一撃で粉砕したり、陸戦型ガンダムの脚部を損傷できる程度の破壊力を持つ。

[編集] マイナーバージョン

「第08MS小隊」に登場した機体はバンダイの1/100 マスターグレード・ザクの設定が元になっており、このためTVシリーズのザクとは各部形状が異なる。さらに、1/100キットとはコクピット周りが異なり乗り込み方が変っており、またシールドにもスパイクが付き、後の1/144スケールキットやトイでは「JC型」と命名されている。また、「U. C. HARD GRAPH」シリーズ「1/35 ジオン公国軍 ランバ・ラル独立遊撃セット」に付属のザク頭部は、後期生産型の「Je型」と位置づけられている。全身の仕様詳細については判明していないが、地上での天候に対応すべく、モノアイシールドにワイパーを装備している事が明らかになっている。

[編集] 劇中での活躍

後述する設定の変遷によりTVシリーズおよび劇場版『機動戦士ガンダム』において、宇宙戦で登場するザクIIをF型、地上戦で登場するザクIIを陸戦型(全てとは限らないが)と解釈するのが一般的となっている。劇中ではランバ・ラル隊のザクがクラッカーを使用している。

OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』でJ型(資料によってはJC型)と設定された機体が登場し、陸戦型ジム相手におおむね互角に戦っている。ノリス・パッカード大佐も搭乗していた。

OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO』では連邦軍に捕獲使用されていたり、また宇宙への撤退時に自衛のため宇宙空間に出てきて「溺れて」しまい、ボールに一方的に屠られるという悲惨な描写もある。また、なぜか劇中に登場するJ型は皆デザートカラーである。

[編集] 設定の変遷

TVシリーズおよび劇場版『機動戦士ガンダム』の放映当時、ザクIIはシャア専用機以外には区別がなかった。放映後に出版されたムック「ガンダムセンチュリー」で初めてJ型が設定され、これはバンダイプラモデルの設定であるMSVにも引き継がれた。これを境に各資料でJ型の存在は述べられるものの、具体的な違いは映像で表現されておらず非公式な存在であった。その後、OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』でJ型(またはJC型)として、次いで『MS IGLOO』では「J型」と台詞で語られ、晴れて公式設定となった。

また、最初の『機動戦士ガンダム』に登場したクラッカー及び『MS IGLOO』でも登場した3連装ミサイルポッドは、劇中陸戦の場面でしか使用されず、MSVにおいて陸戦型ザクIIの武装であると設定されている。

なお、バンダイのプラモデル「1/100マスターグレード 量産型ザクII」では、組立の際にF型とJ型が選べるコンパーチブルモデルとなっており、初めて両タイプの違いを表現した。各部の姿勢制御サブスラスターや足裏のノズルの有無、ランドセルとバーニアの構造等が異なっている。2007年にはマスターグレードVer.2.0がリリースされたが、これはJ型が一番最初のバリエーション展開となった。またザクの広い拡張性を再現するために各部がユニット化され、J型に次いで発表されたS型はランドセルや各部ユニットを交換するだけで実現できた。

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[編集] バリエーション

  • MS-06J 陸戦用ザクII
    • MS-06J 湿地帯用ザクII
    • MS-06J 寒冷地用ザクII
    • MS-06JC 陸戦用ザクII(JC型)
    • MS-06Je 陸戦用ザクII後期生産型(Je型)
  • MS-06G 陸戦型ザクII改修型
  • MS-06D ザク・デザートタイプ
  • MS-06K(MS-06J-12) ザク・キャノン
    • MS-06K ザク・キャノン(ラビットタイプ)
  • MS-06L ミサイル装備型ザクII

※これ以外のバリエーションについては、ザクシリーズのバリエーションを参照。

[編集] ザク・デザートタイプ

ザク・デザートタイプ (ZAKU DEZART TYPE) は、アニメ『機動戦士ガンダム』に端を発したモビルスーツバリエーション (MSV) シリーズに登場する架空の兵器。ジオン公国軍の局地戦用モビルスーツ (MS) 。(型式番号:MS-06D)

[編集] 機体解説

機体諸元
ザク・デザートタイプ
型式番号 MS-06D
所属 ジオン公国軍
建造 ジオニック社
頭頂高 17.5m
本体重量 61.3t
全備重量 79.4t
ジェネレーター出力 976kW
スラスター総推力 42,900kg
装甲材質 超硬スチール合金
武装 120mmマシンガン
3連装ミサイルポッド
2連装ミサイルポッド
クラッカーポッド
G92組立式砲座
主な搭乗者 ロイ・グリンウッド
カーミック・ロム

一年戦争時、地球に侵攻したジオン軍はザクIIをベースに改良を加える事で、いくつかの局地対応機種を開発していった。主に固定武装を強化したMSはグフとして開発が進められており、地球侵攻部隊から最も要請が強かったアフリカ戦線用として熱帯・砂漠戦仕様に特化する形で本機は開発された。開発はキャリフォルニアベースにおいて陸戦型ザクIIをベースにこの実戦データを反映させて進められた。

機体の軽量化と出力の強化と一部装甲の強化と共に地上での冷却力の向上のためバックパックには大型の冷却装置が増設されている。また、広大なサバンナや砂漠地帯での移動力向上のため腰部と脚部に補助推進装置が設置されている。関節部には防塵用の処理が施されている。

頭部にはグフに先行する形で通信用アンテナが設置された。これには砂塵やスコールなどの環境での使用を考慮した三角錐状のマルチブレードアンテナ(シングルアンテナ)と、長短2種類(等長のタイプも確認されている)のロッドアンテナを側頭部に設置したもの(ダブルアンテナ)がある。

固定武装は左前腕部の増加装甲に装着されるラッツリバー3連装ミサイルポッド。また、作戦に応じて腰部両側のマウントラッチにラッツリバーP-3 2連装ミサイルポッド及び2基のクラッカーを内蔵するSA-712クラッカーポッドを装着することができる。更に頭部にはバルカン砲と思われれる開口部が2ヶ所確認できるがその詳細は明らかになっていない。携行武装として120mmマシンガン(型式番号:M-120AS)を用いる。これはザクII用に開発されたもの(型式番号:ZMC38III M-120A1)を改修したものでスコープを廃止し、バレルやストックが短いものとなっている。軽量化によって保持性が向上している。これらの武装はこれまでの実戦データが反映されており、陸戦型ザクIIのものより実戦向きなものとなっている。G92組立式砲座は分解することで4機で搬送し、目的地に於いて10分程度で組立が可能となっている。

実戦テストを兼ねてダブルタイプが第5地上機動歩兵師団第1MS大隊A小隊(通称カラカル部隊)に配備された。この部隊はロイ・グリンウッド少佐を隊長とし、リビア砂漠からスエズ運河西岸を作戦地域とする特務部隊であり、ゲリラ戦法を得意とする。なお、このカラカル部隊にのちに配備されるドム・トロピカルテストタイプの性能チェックをアリゾナで行なっていたのが、ダブルタイプを主力機としていたスカラベ部隊であり、彼らも中東地域に転戦している。また、ピンクパンサー部隊にはシングルタイプが配備され、サハラ砂漠からジブラルタル海峡までを制圧、ジオン公国軍のヨーロッパ侵攻に寄与している。このピンクパンサー隊の所属機には右肩シールド部分に蜂のキャラクターがエンブレムとして描かれており、これを由来とするキラービー隊という別名が存在する(ただし、このエンブレムを使用した機体あるいは個人の通称が「キラービー」だったという説もある)。同隊はD型ザクの他にEMS-05アッグを擁する部隊として知られたが、戦後にはなんらかの経緯で連邦軍に編入されている。ジオン時代より乗り継いだD型ザクに加え、新たに支給されたRGC-80ジムキャノンとの混成部隊で、ジャブロー防衛の任に就いている姿が確認されている。防衛部隊の中でもティターンズ相当の部隊として扱われていたともいわれているが、既に事実上放棄され空き家となった拠点に捨て駒として置き去りにされていたに過ぎず、グリプス戦役時に実行されたエゥーゴの侵攻作戦とそれに対する連邦自らの核兵器使用による焦土作戦の末、以降の彼らの存亡は不明となっている。その他、中東西部に侵攻したアラビアンのパーソナルマークを使用するカーミック・ロム大尉の乗機が知られている(後に遊撃隊スコルピオに編成)。

前期にはシングルタイプ、ダブルタイプそれぞれ43機ずつ、後期にはシングルタイプのみが28機、計114機が生産された。一年戦争中期頃から実戦配備が行われ、全機がアフリカ戦線に投入された。配備数の少なかったドムに代わり、主力機として活躍した。

[編集] 備考

初出はムック『劇場版 機動戦士ガンダム アニメグラフブック』に掲載されたイラストで、これを元にプラモデル企画「MSV」において詳しく設定された機体であり、アニメでの出番は無いが、ゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズ等には登場している。

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[編集] ディザート・ザク

機体諸元
ディザート・ザク
型式番号 MS-06D
所属 旧ジオン公国軍残党・ロンメル部隊
アフリカ解放戦線・青の部隊
建造 旧ジオン公国軍
生産形態 量産機
頭頂高 18.5m
本体重量 44.7t
全備重量 69.5t
ジェネレーター出力 1,440kW
スラスター総推力 18,400kg
センサー有効半径 8,800m
装甲材質 超硬スチール合金
武装 ロケットランチャー
改造ザクマシンガン
クラッカーポッド
両刃型ヒートホーク
ラッツリバー3連ミサイルポッド
主な搭乗者 ロンメル部隊兵士
青の部隊兵士

ディザート・ザクDESERT-ZAKU)は、アニメ『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場する、旧ジオン軍の量産型モビルスーツである。(型式番号:MS-06D)砂上走行用のジェットスキーの装着で、高速で滑走することができる。

  • 既成のプラモデルの金型を一部流用して新たなバリエーションを作るという、商品化前提で作られた機体の一つ。ロケットランチャーのラフデザインは中澤博之、ジェットスキーの案は鴇田光一、全体のラフはあさのまさひこ、クリーンUPは明貴美加による。

[編集] 機体解説

ジオン公国時代にザクIIのバリエーションのひとつとして開発されたザク・デザートタイプをベースに、地球連邦軍基地から奪った資材で改修した機体である。旧ジオン軍残党・ロンメル部隊やアフリカ解放戦線・青の部隊の主力である。

また、指揮官機としてザク・デザートタイプ[ダブルアンテナ]がある。当初、宇宙で作られたものが地球に降ろされる予定であったため、MS-06DではなくF型などから改造された設定になっていたが、プロットの変更に伴いD型ベースの現地改造に設定訂正された。

また、ロンメル部隊以外が使用する機体はレプリカという設定も存在する(「レプリカ」という設定か当時から曖昧なため、現在ではあまり語られない)。

ジェネレーター出力もUPされている為か劇中ではゲルググのビームライフルを装備している。

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[編集] 関連項目


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