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ホクトベガ - Wikipedia

ホクトベガ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ホクトベガ
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品種: サラブレッド
性別:
毛色: 鹿毛
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生誕: 1990年3月26日
死没: 1997年4月3日(7歳没・旧8歳)
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父: ナグルスキー
母: タケノファルコン
母の父: フィリップオブスペイン
生国: 日本
北海道浦河郡浦河町
生産: 酒井牧場
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馬主: 金森森商事(株)
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調教師: 中野隆良美浦
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競走成績
生涯成績: 42戦16勝
中央競馬)32戦7勝
地方競馬)9戦9勝
(海外競馬)1戦0勝
獲得賞金: 8億8812万6000円
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ホクトベガ英語表記:Hokuto Vega)は日本競走馬

1996年JRA賞最優秀ダートホースNARグランプリ特別表彰馬。

目次

[編集] 生涯

馬齢は旧表記を用いる。

[編集] デビューからエリザベス女王杯優勝まで

1992年中央競馬(JRA)美浦トレーニングセンター中野隆良厩舎に入厩。当初は加藤和宏主戦騎手を務め、1993年1月5日新馬戦で楽に逃げ切る。この新馬戦と2勝目のカトレア賞(4歳500万円以下)はともにダート戦である。コースを初めて走った4戦目のフラワーカップで初重賞勝利を収めるが、クラシック桜花賞優駿牝馬ベガの前に5着、6着に敗れた。

秋のエリザベス女王杯では、牝馬三冠のかかるベガに対して、ホクトベガはトライアル競走クイーンステークスローズステークス)においてユキノビジンスターバレリーナに負けており、9番人気の評価であった。

ここで調教師の中野はある賭けに打って出る。「春シーズンと2つのトライアルの結果を見て、ある程度の勝負付けは済んだ[1]と思ったのです。距離も延長されて2400m、この馬にしてみればギリギリの距離です。でも京都の外回りは4コーナーでぽっかりと内側が空く、幸い枠順は幸運にも1枠・・・。ここはひとつ博打を打とうと」という中野のレースプランは、4コーナーまで中段よりやや後ろの馬群内側で我慢して足を溜めて、内側が空いた瞬間にラストスパートを掛ける。これはかつて中野が管理したグリーングラス菊花賞を制した際の作戦をほとんどそのまま踏襲したものであったが、実際のレースではこの作戦が見事にはまり、ホクトベガはレース終盤4コーナーで最内を強襲、そのまま伸びて勝利を収めた。2着は翌年のマイル女王[2]となるノースフライトであった。ベガは3着。

この競走で関西テレビ馬場鉄志アナウンサーが実況した「東の一等星北斗のベガ、ベガはベガでもホクトベガ」という名フレーズがある。生産者の酒井公平は「出走するだけで掲示板に載れればいい」と思っていて京都競馬場に行かなかったところ、ホクトベガが優勝した為「テレビの前でホクトベガに申し訳ない気持ちになった」と雑誌でコメントしている。

もっとも、エリザベス女王杯優勝の時点ではこのGI勝利をフロック視や展開に恵まれたと考える者も多く、後の「砂の女王」の姿を想像していた者はさすがにいなかった。

[編集] 古馬時代

5歳時(1994年)は札幌競馬場で札幌日経オープン、札幌記念と連勝するが、他のレースは苦しい競馬が続いた。一時はGI競走の優勝馬でありながら障害競走への転向も陣営は検討し、実際に障害飛越の練習も行われたほどであった。この時に行われた障害練習による足腰の強化が、後のダート路線での活躍につながったのではないかと考える者も少なくなく、さらにはこの2年前にメジロパーマーが史上初の「障害帰りのGI馬」となったことも手伝って、程度の差こそあるが、調教において障害練習を採り入れる厩舎が続出するきっかけとなった。現在においては、調子を落としレースに勝てなくなった馬に対して、レースのリズムを取り戻させる、有効な調教のひとつと考えられている。

この障害入り構想は6歳時(1995年)のアメリカジョッキークラブカップで、サクラチトセオーの2着に入った事でどうにか帳消しになったが、その後も歯がゆいレースが続いていた。

[編集] ダート路線で開花

転機は1995年6月13日にやってきた。この年から中央競馬と地方競馬の交流が盛んに行われる様になり、川崎競馬場では伝統の牝馬重賞エンプレス杯が当時は唯一の牝馬限定の中央地方全国交流競走として開催されることとなり、ここにホクトベガが出走した。田んぼの様な不良馬場で行われたレースでは、1頭だけ別次元のレースを繰り広げ、その年のダイオライト記念優勝馬であり牡馬も含めた当時の南関東最強の一角であるアクアライデン、当時の南関東最強牝馬と呼ばれたケーエフネプチュンなど[3]を全部まとめて子供扱いにする3.6秒(18馬身)差[4]という圧倒的としか言い様の無い大勝利を見せつけて地方競馬に大きな衝撃を与える。あまりの大差勝ちのため、主戦騎手横山典弘はゴール手前の100mから、思わず勝利のガッツポーズをしてしまった程である。砂の女王伝説はここに幕を開ける。

ちなみにこの時、川崎競馬の関係者は3度驚いた、と言う。

  1. 最初はホクトベガとヒシアマゾンが出走登録を行っていた(実は少なからぬ関係者がこの時点では冷やかしではないかと内心考えていた)。
  2. JRAのGI優勝馬ホクトベガが、本当に川崎競馬場の競走に出走してきた。
  3. 小回り急カーブで知られる川崎のコースや初ナイター競馬を全く苦にせず、2着に18馬身差の大差での勝利。

その後、6歳時は中央競馬の芝の競走を使ったがまたしても勝ちきれない競馬に終始する。7歳になり、陣営はエンプレス杯の再現を期待してエンプレス杯と同じ川崎競馬場の川崎記念(1996年1月24日)に出走させた。

下馬評では第1回ドバイワールドカップに出走する日本のダート最強馬ライブリマウントの壮行レースと考えられており、他の出走馬も『打倒ライブリマウント』を掲げてトーヨーリファール、アマゾンオペラを筆頭に当時のJRA・地方の全国ダート戦線の錚々たる精鋭たちが顔を揃えていた。にもかかわらず、いざレースになってみれば3コーナーひと捲くりで先頭に立ったホクトベガに他馬はまるで太刀打ちできず、2着馬ライフアサヒに1秒(5馬身)差をつける勝利を収めた。

これによりホクトベガ陣営はダート重賞に照準を定める。その後もフェブラリーステークスダイオライト記念群馬記念を勝利。帝王賞では南関東競馬の名物実況アナウンサーである及川暁に『この実況をお聞きの、大井の、そして地方競馬ファンの皆さん、私は何度でも言いましょう・・・ホクトベガ、やはりお前は強かった!!!』と、その強さに脱帽したと言わんばかりの実況をされた。次走のエンプレス杯で同レースの連覇を達成、秋の初戦となるマイルチャンピオンシップ南部杯では地元の岩手放送のテレビ実況のアナウンサーに『女王様とお呼び![5]と言われてしまう程の圧勝で7連勝。ホクトベガ陣営はもしもダート戦で敗れたらその時点で潔く引退させようと考えていたが、ほとんどのレースで3~4コーナーのひと捲くりだけで勝ってしまうという次元の違う圧勝で、負ける要素が何も見えない状態であった。

芝レースのエリザベス女王杯4着を挟んで、浦和記念に勝利。この浦和記念だけは他のレースと異なり2着キョウトシチーとの着差は3/4馬身差であったが、レース内容自体は完勝であり、むしろキョウトシチーの善戦が光るという内容であった。続いて出走した芝レースの有馬記念では9着と敗れるが、年が明けて出走した川崎記念を連覇し、ダート交流競走10連勝の金字塔を打ち立てた。また、彼女の行く所次々と地方競馬場の入場人員数の新記録が打ち立てられた。[6]そして、その待っている地元ファンの期待を一度として裏切らない強さであった。最後の川崎記念に至っては、当時はスタンド改築工事もあり実質3万人程度の収容能力であった川崎競馬場に、ホクトベガ見たさにその倍近い約5万9000人が来場した為、場内の混雑は通勤ラッシュさながらの実に凄まじいものになった。これは川崎競馬場にとっても、1990年の川崎記念(川崎の名牝ロジータの引退レース)すら超える未曾有の大混雑であった。

ダートグレード制導入以前であり、数字だけではGI競走1勝[7]の身ゆえに現在から見れば戦績に劣って見えるが、これらの実績を鑑みれば、彼女は1990年代でも最大級のスターホースの1頭であったことは紛れもない事実である。

[編集] ドバイ遠征と死

1997年、第2回ドバイワールドカップに招待され出走。このレースをもって競走からは引退、レース後はそのまま渡欧させ、ヨーロッパの一流種牡馬との交配が計画されていた。

しかし、当初の開催予定日(3月29日)に当地ドバイでは数十年に一度という猛烈なスコールとなり、順延となった。そしてレースとなった運命の4月3日、ホクトベガは4コーナーで前を行くルソー(Luso)に接触して転倒[8]、競走を中止。さらに後続のビジューダンド(Bijou d'Inde)が巻き込まれる形で追突、ホクトベガは左前腕節部複雑骨折により予後不良と診断され、安楽死処置を受けた。手綱をとった横山典弘はのちに、自らの強引な騎乗がアクシデントを引き起こしたと悔いた。

原因がいずれにあるかは別にしても、かなり不運な要素が重なった事故であったとも言われている。だが、その後しばらく、日本では競馬趣味誌の紙面や競馬予想関係のホームページのコラムなどで、競馬ライターたちがレースVTR程度の資料を根拠にして鞍上の横山に対する心ないセンセーショナルな批判記事を書き連ねる光景が繰り広げられた[9]。後に横山がマスコミ、特に競馬マスコミへの露出をしなくなったのは、これら記事によって競馬マスコミ関係者や競馬ライターたちに不信感を抱いた事が原因であるとも言われている。

なお、輸送(検疫)の関係上、ホクトベガの遺体は日本に帰ることができず、故郷の酒井牧場に建立された墓にはたてがみが遺髪として収められた。

コース4戦4勝、いまや伝説となった18馬身の圧勝劇を見せたエンプレス杯の行われる川崎競馬場では、1998年からダートグレード競走スパーキングレディーカップに「ホクトベガメモリアル」の冠をつけ、現在もその名が残されている。ドバイでもホクトベガの名を冠した競走が施行された。

ホクトベガを管理した調教師の中野は、ホクトベガの強さについて、この言葉を残している。
彼女はモナリザ、その強さは永遠の謎だよ

[編集] 競走成績

年月日 競馬場 競走名 人気 倍率 着順 距離 タイム 3F 騎手 斤量 勝ち馬/(2着馬)
1993 1. 5 中山 4歳新馬 2人 3.7 1着 ダ1200m(良) 1:12.5 (38.5) 加藤和宏 53 (イズミブルー)
1. 16 中山 朱竹賞 1人 1.5 2着 ダ1800m(不) 1:52.4 (39.8) 加藤和宏 53 サイキョウホウザン
2. 20 東京 カトレア賞 1人 1.9 1着 ダ1600m(良) 1:37.8 (37.4) 加藤和宏 53 (サンエイレコード)
3. 20 中山 フラワーC GIII 2人 2.9 1着 芝1800m(良) 1:49.7 (35.9) 加藤和宏 53 (タイジュリエット)
4. 11 阪神 桜花賞 GI 6人 16.2 5着 芝1600m(良) 1:37.7 加藤和宏 55 ベガ
5. 23 東京 優駿牝馬 GI 5人 10.2 6着 芝2400m(良) 2:28.2 (36.0) 加藤和宏 55 ベガ
10. 3 中山 クイーンS GIII 2人 3.3 2着 芝2000m(良) 2:02.6 (36.0) 加藤和宏 54 ユキノビジン
10. 24 京都 ローズS GII 3人 5.5 3着 芝2000m(良) 2:00.7 (34.9) 加藤和宏 55 スターバレリーナ
11. 24 京都 エリザベス女王杯 GI 9人 30.4 1着 芝2400m(良) 2:24.9 (35.3) 加藤和宏 55 ノースフライト
12. 10 中山 ターコイズS 2人 3.7 3着 芝1800m(良) 1:49.8 (34.6) 加藤和宏 56 ユキノビジン
1994 1. 15 阪神 平安S GIII 2人 5.3 10着 ダ1800m(良) 1:54.3 (40.1) 加藤和宏 54 トーヨーリファール
2. 27 中山 中山牝馬S GIII 2人 3.6 4着 芝1800m(良) 1:48.3 (36.5) 加藤和宏 56 ホッカイセレス
4. 23 東京 京王杯スプリングC GII 5人 12.1 5着 芝1400m(良) 1:21.4 (34.7) 加藤和宏 56 スキーパラダイス
6. 12 札幌 札幌日経オープン 1人 2.3 1着 芝1800m(良) R1:47.2 (35.2) 加藤和宏 55 (モガミサルノ)
7. 3 札幌 札幌記念 GIII 1人 2.0 1着 芝2000m(良) 2:00.9 (35.7) 加藤和宏 56 (エーピーグランプリ)
8. 21 札幌 函館記念 GIII 1人 2.9 3着 芝2000m(良) 2:02.1 (36.7) 加藤和宏 55 ワコーチカコ
10. 9 東京 毎日王冠 GII 11人 26.5 9着 芝1800m(良) 1:45.4 (35.3) 加藤和宏 57 ネーハイシーザー
11. 13 東京 富士S 2人 6.6 6着 芝1800m(良) 1:47.6 (34.8) 加藤和宏 55 サクラチトセオー
12. 18 阪神 阪神牝馬特別 GII 6人 16.3 5着 芝2000m(良) 2:01.2 (37.0) 加藤和宏 57 メモリージャスパー
1995 1. 22 中山 AJC杯 GII 6人 57.1 2着 芝2200m(良) 2:14.5 (34.6) 加藤和宏 56 サクラチトセオー
2. 26 中山 中山牝馬S GIII 1人 3.2 2着 芝1800m(稍) 1:49.5 (34.9) 加藤和宏 57.5 アルファキュート
3. 12 中山 中山記念 GII 2人 10.3 8着 芝1800m(稍) 1:50.8 (34.9) 加藤和宏 56 フジヤマケンザン
4. 22 東京 京王杯スプリングC GII 11人 25.6 3着 芝1400m(良) 1:21.5 (35.4) 横山典弘 57 ドゥマーニ
5. 14 東京 安田記念 GI 3人 10.1 5着 芝1600m(良) 1:33.5 (34.7) 横山典弘 55 ハートレイク
6. 13 川崎 エンプレス杯 G1 1人 1着 ダ2000m(不) 2:06.5 横山典弘 55 (アクアライデン)
8. 20 函館 函館記念 GIII 5人 8.5 11着 芝2000m(重) 2:03.5 (38.0) 的場均 56 インターマイウェイ
10. 8 東京 毎日王冠 GII 8人 21.6 7着 芝1800m(重) 1:49.2 (35.2) 大塚栄三郎 57 スガノオージ
10. 29 東京 天皇賞(秋) GI 15人 77.0 16着 芝2000m(良) 2:00.2 (36.9) 横山典弘 56 サクラチトセオー
11. 19 新潟 福島記念 GIII 8人 13.7 2着 芝2000m(良) 2:01.9 (35.4) 中舘英二 56 マイネルブリッジ
12. 17 阪神 阪神牝馬特別 GII 5人 12.8 5着 芝2000m(良) 2:00.8 (35.6) 中舘英二 57 サマニベッピン
1996 1. 24 川崎 川崎記念 G1 2人 1着 ダ2000m 2:07.5 横山典弘 53 (ライフアサヒ)
2. 17 東京 フェブラリーS GII 3人 4.6 1着 ダ1600m(良) 1:36.5 (37.0) 横山典弘 57 (アイオーユー)
3. 20 船橋 ダイオライト記念 G1 1人 1着 ダ2400m 2:31.3 横山典弘 53 (スペクタクル)
5. 5 高崎 群馬記念 1人 1着 ダ1500m R1:33.6 横山典弘 53 (ヒカリルーファス)
6. 19 大井 帝王賞 G1 1人 1着 ダ2000m 2:04.2 横山典弘 53 (アイオーユー)
7. 15 川崎 エンプレス杯 G2 1人 1着 ダ2000m 2:06.7 横山典弘 56 (スピードアイリス)
10. 10 盛岡 マイルCS南部杯 1人 1着 ダ1600m 1:38.3 的場均 54 (ヘイセイシルバー)
11. 10 京都 エリザベス女王杯 GI 4人 8.5 4着 芝2200m(良) 2:14.4 (33.7) 的場均 56 ダンスパートナー
12. 4 浦和 浦和記念 G2 1人 1着 ダ2000m 2:05.5 横山典弘 53 キョウトシチー
12. 22 中山 有馬記念 GI 9人 31.3 9着 芝2500m(良) 2:36.0 (38.5) 藤田伸二 54 サクラローレル
1997 2. 5 川崎 川崎記念 G1 1人 1着 ダ2000m 2:06.7 横山典弘 53 (キョウトシチー)
4. 3 UAE ドバイワールドC - - - ダ2000m 中止 横山典弘 55.5 Singspiel

※1 南関東競馬主催の重賞競走の格付けは、全て南関東グレードである。
※2 タイム欄のRはレコード勝ちを示す。

[編集] エピソード

[編集] ホクトベガの馬体

ホクトベガは牝馬ながら500kg近い雄大な馬体の持ち主であった。また、逞しく力強いが同時に牝馬らしい丸さに欠けるという見方も多かった。事実、その馬体は牡馬が周回するパドックに入った所で何ら見劣りするものではなく、むしろ他の牡馬たちを凌駕さえする見栄えの良さであった。

と球節は、カナダ産馬である父ナグルスキーの特徴をそのまま受け継いだ様に全体的に深い形をしていた。特に蹄は他の馬より倍近く深く、丁度お碗を逆さにした様な形で、藤井厩務員曰く「他の馬と違って、産まれ付きスパイクを穿いている感じだった」と語っている。

調教師の中野はホクトベガの馬体を見て「牝馬には繁殖に向いた馬と競走に向いた馬があるが、ホクトベガの馬体は明らかに競走型である」として、ベガユキノビジンなど同世代のクラシック路線を競った牝馬たちが次々に引退し、繁殖生活に入るのを横目に競走生活を続行させ、果たして5~6歳になってからダート路線で大活躍した事は有名である。

[編集] ホクトベガとヒシアマゾン

同じ中野厩舎所属の1世代後輩ヒシアマゾン(ともに誕生日も同じ3月26日生まれ)と合わせて語られることも多く、「ホクトベガとヒシアマゾン、2頭がレースしたらどちらが勝ったと思いますか」という質問に対して中野、藤井は異語同意でこう語っている。「芝でレースをしたら、(ホクト)ベガはアマゾンに100回挑戦しても勝てないでしょう。でもダートですとアマゾンが100回挑戦しても(ホクト)ベガには勝てなかったでしょう」

実際にこの2頭は1996年のエリザベス女王杯と有馬記念(どちらも芝のレース )で対戦しており、ヒシアマゾンが2度とも先に入線している。[10]

[編集] 血統表

ホクトベガ血統  ニジンスキー系/アウトブリード

*ナグルスキー
Nagurski カナダ
1981 鹿毛
Nijinsky
1967 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Flaming Page Bull Page
Flaring Top
Deceit
1968 黒鹿毛
Prince John Princequillo
Not Afraid
Double Agent Double Jay
Conniver

タケノファルコン
1982 黒鹿毛
*フィリップオブスペイン
Philip of Spain
1969 黒鹿毛
Tudor Melody Tudor Minstrel
Matelda
Lerida *マタドア
Zepherin
クールフェアー
1978 栗毛
*イエローゴッド Red God
Sllay Deans
*シャークスキン *シルバーシャーク
Artrevida F-No.9

[編集] 脚注

  1. ^ ベガも含めて、有力馬には現状かなわないという意。
  2. ^ マイル戦(正確には1600m)の安田記念マイルチャンピオンシップを優勝。
  3. ^ 他には、7連勝中で地元の期待を集めたマフィン、東海代表として笠松競馬場の名調教師荒川友司(故人)が当時は東海公営のエースであった安藤勝己を鞍上にして送り込んだクラシャトルなどもいた。
  4. ^ 公式には「大差」。着差を参照。
  5. ^ もっとも、この発言がその後局内で問題となり、実況を担当したアナウンサーは現場業務を外されたという。
  6. ^ ただし、施設に定員以上の人員を入場させることは消防法施行規則違反なので、中にはその後消防当局から厳重注意処分を受けた競馬場もあった。
  7. ^ ただし、勝利した重賞競走のうち、フェブラリーステークス・川崎記念・帝王賞・マイルチャンピオンシップ南部杯は現在、ダート競走格付け委員会により統一GI(JpnI)に格付けされている。
  8. ^ 進路妨害されたという説あり
  9. ^ 折しも当時は競馬雑誌が乱立して過当競争状態にあり、このようなセンセーショナルな記事が多く見られていた。
  10. ^ ただしエリザベス女王杯においてヒシアマゾンは2位入線から降着となっており、確定後の着順としてはホクトベガが上位となる。
先代:
ライブリマウント1995年
JRA賞最優秀ダートホース
1996年
次代:
ウイングアロー1998年
1997年は該当馬無し
先代:
タケノベルベット
エリザベス女王杯勝ち馬
1993年
次代:
ヒシアマゾン


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