トヨタ・T型エンジン
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トヨタ・T型エンジン(トヨタ・Tがたエンジン)は、トヨタ自動車の水冷直列4気筒ガソリンエンジンの系列である。
目次 |
[編集] 概要
1970年10月、2代目カローラ/スプリンター(TE20型)に搭載され登場(1400ccの「T」型、「T-D」型)。OHVヘッド仕様に関しては、クライスラー・ヘミエンジンのコンセプトを用いている(V字型クロスフロー・センタープラグ・半球型燃焼室)。当初は「パッションエンジン」と呼ばれた。
本来は、後に登場する初代カリーナ(A10系)/セリカ(A20系)用に開発されていたエンジンである。カローラにも搭載されることになった理由の一つとして、同車のライバルである日産・サニーに対する優位性の維持が挙げられる。
1970年12月には、初代セリカが登場。最上級グレードの1600GT(TA22型)には、OHVの2T型エンジンをベースに、ヤマハ製DOHCシリンダーヘッドを組み合わせた「2T-G」型エンジンが搭載される。それまでトヨタのDOHCエンジンには、「3M」「9R」「10R」型があったが、この2T-G型以降、型式にDOHCであることを示す「G」の記号が付与されるようになった(8R型がベースの10R型は、翌1971年2月に「8R-G」型に型式変更された)。
[編集] 生産期間
[編集] 型式
[編集] T
- 生産期間
- 1970年10月 - 不明(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ シングルキャブレター
- 排気量:1.407L
- 内径×行程:80.0×70.0(mm)
- 圧縮比:8.5
- 出力:86ps/6,000rpm
- トルク:12.0kgm/3,800rpm
[編集] T-D
「T」の高圧縮比仕様
- 生産期間
- 1970年10月 - 不明(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ シングルキャブレター 高圧縮比
- 排気量:1.407L
- 内径×行程:80.0×70.0(mm)
- 圧縮比:9.6
- 出力:90ps/6,000rpm
- トルク:12.0kgm/3,800rpm
- 搭載車種(車両型式)
- (初)2代目カローラ/スプリンター1400SL(TE20)
[編集] T-B
- 生産期間
- 1971年4月 - 不明(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ ツインキャブレター ハイオクガソリン仕様
- 排気量:1.407L
- 内径×行程:80.0×70.0(mm)
- 圧縮比:9.6
- 出力:95ps/6,000rpm
- トルク:12.3kgm/4,000rpm
- 搭載車種(車両型式)
- (初)2代目カローラ/スプリンター1400SL(TE20)
- (初)2代目カローラ/スプリンター1400SR(TE20)
[編集] T-BR
「T-B」のレギュラーガソリン仕様
- 生産期間
- 1971年4月 - 不明(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ ツインキャブレター レギュラーガソリン仕様
- 排気量:1.407L
- 内径×行程:80.0×70.0(mm)
- 圧縮比:8.5
- 出力:91ps/6,000rpm
- トルク:12.0kgm/4,000rpm
- 搭載車種(車両型式)
- (初)2代目カローラ/スプリンター1400SL(TE20)
- (初)2代目カローラ/スプリンター1400SR(TE20)
- 3代目カローラ1400SL(TE30)/スプリンター1400SL(TE40)
[編集] T-U
[編集] 昭和50年規制適合型
- 生産期間
- 1975年11月 - 不明(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ シングルキャブレター 酸化触媒 TTC-C(トヨタ触媒方式)
- 排気量:1.407L
- 内径×行程:80.0×70.0(mm)
- 圧縮比:8.5
- 出力:78ps/6,000rpm
- トルク:11.2kgm/3,800rpm
- 搭載車種(車両型式)
- (初)3代目カローラ(TE30)/スプリンター(TE40)
[編集] 昭和51年規制適合型
昭和51年度排出ガス規制適合 (B)
- 生産期間
- 1977年1月 - 不明(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ シングルキャブレター 酸化触媒 TTC-C
- 排気量:1.407L
- 内径×行程:80.0×70.0(mm)
- 圧縮比:9.0
- 出力:82ps/5,800rpm
- トルク:11.6kgm/3,400rpm
- 搭載車種(車両型式)
- (初)3代目カローラ(TE50)/スプリンター(TE60)
[編集] T-J
- 生産期間
- 不明(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ シングルキャブレター
- 排気量:1.407L
- 内径×行程:80.0×70.0(mm)
- 搭載車種(車両型式)
- 不明
[編集] 2T
- 生産期間
- 1970年12月 - 不明(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ シングルキャブレター
- 排気量:1.588L
- 内径×行程:85.0×70.0(mm)
- 圧縮比:8.5
- 出力:100ps/6,000rpm
- トルク:13.7kgm/3,800rpm
- 搭載車種(車両型式)
- (初)初代カリーナ(TA12)/セリカ(TA22)
- 5代目コロナ(TT100)
- 3代目カローラ(TE31)/スプリンター(TE41)
[編集] 2T-B
- 生産期間
- 1970年12月 - 不明(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ ツインキャブレター ハイオクガソリン仕様
- 排気量:1.588L
- 内径×行程:85.0×70.0(mm)
- 圧縮比:9.4
- 出力:105ps/6,000rpm
- トルク:14.0kgm/4,200rpm
- 搭載車種(車両型式)
- (初)初代カリーナ(TA12)/セリカ(TA22)
- 初代カローラレビンJ/スプリンタートレノJ(TE27)
[編集] 2T-BR
「2T-B」のレギュラーガソリン仕様
- 生産期間
- 1970年12月 - 不明(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ ツインキャブレター レギュラーガソリン仕様
- 排気量:1.588L
- 内径×行程:85.0×70.0(mm)
- 圧縮比:8.5
- 出力:100ps/6,000rpm
- トルク:13.9kgm/4,200rpm
- 搭載車種(車両型式)
- (初)初代セリカ(TA22)
- 初代カリーナ(TA12)
- 初代カローラレビンJ/スプリンタートレノJ(TE27)
- 3代目カローラ1600GSL(TE31)/スプリンター1600GSL(TE41)
[編集] 2T-U
[編集] 昭和50年規制適合型
昭和50年度排出ガス規制適合 (A)
- 生産期間
- 1975年 - 不明(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ シングルキャブレター 酸化触媒 TTC-C
- 排気量:1.588L
- 内径×行程:85.0×70.0(mm)
- 圧縮比:9.0
- 出力:90ps/6,000rpm
- トルク:13.0kgm/3,800rpm
- 搭載車種(車両型式)
- 3代目カローラ(TE30)/スプリンター(TE40)
- 5代目コロナ(TT100)
[編集] 昭和51年規制適合型
昭和51年度排出ガス規制適合 (B)
- 生産期間
- 1976年 - 不明(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ シングルキャブレター 酸化触媒 TTC-C
- 排気量:1.588L
- 内径×行程:85.0×70.0(mm)
- 圧縮比:9.0
- 出力:90ps/6,000rpm
- トルク:13.0kgm/3,800rpm
- 搭載車種(車両型式)
- 3代目カローラ(TE51)/スプリンター(TE61)
- 5代目コロナ(TT120)
[編集] 2T-G
- 生産期間
- 1970年12月 - 1975年10月(国内向け)
- 種類:DOHC 8バルブ ソレックスツインキャブレター ハイオクガソリン仕様
- 排気量:1.588L
- 内径×行程:85.0×70.0(mm)
- 圧縮比:9.8
- 出力:115ps/6,400rpm
- トルク:14.5kgm/5,200rpm
- 備考
- 輸出仕様車は、「4A-G」と交代するまで上記のスペックで搭載され続けた。
- レース専用のシリンダーヘッドとして、標準車と同じく8バルブながらツインプラグ化された「100E」と呼ばれる物や、1気筒当たり4バルブ化された「151E」と呼ばれるシリンダーヘッドも存在したが一般には市販されず、主にトヨタのワークスチームでのみ使用された。
[編集] 2T-GR
「2T-G」のレギュラーガソリン仕様
- 生産期間
- 1970年12月 - 1975年10月(国内向け)
- 種類:DOHC 8バルブ ソレックスツインキャブレター レギュラーガソリン仕様
- 排気量:1.588L
- 内径×行程:85.0×70.0(mm)
- 圧縮比:8.8
- 出力:110ps/6,000rpm
- トルク:14.0kgm/4,800rpm
- 搭載車種(車両型式)
- (初)初代セリカ(TA22)
- 初代カリーナ(TA12)
- 初代カローラレビン/スプリンタートレノ(TE27)
- 2代目カローラレビン(TE37)/スプリンタートレノ(TE47)
[編集] 2T-GEU
[編集] 昭和51年規制適合型
昭和51年度排出ガス規制適合 (B)
- 生産期間
- 1977年1月 - 1978年4月(国内向け)
- 種類:DOHC 8バルブ EFI(電子制御式燃料噴射装置) 酸化触媒
- 排気量:1.588L
- 内径×行程:85.0×70.0(mm)
- 圧縮比:8.4
- 出力:110ps/6,000rpm
- トルク:14.5kgm/4,800rpm
- 搭載車種(車両型式)
- (初)2代目カローラレビン(TE51)/スプリンタートレノ(TE61)
- (初)3代目カローラリフトバックGT(TE51)/スプリンターリフトバックGT(TE61)
- 2代目カリーナ(TA40)
[編集] 昭和53年規制適合型
昭和53年度排出ガス規制適合 (E)
- 生産期間
- 1978年4月 - 1981年7月(国内向け)
- 種類:DOHC 8バルブ EFI 三元触媒
- 排気量:1.588L
- 内径×行程:85.0×70.0(mm)
- 圧縮比:8.4
- 出力:115ps/6,000rpm
- トルク:15.0kgm/4,800rpm
- 搭載車種(車両型式)
- (初)2代目カローラレビン(TE55)/スプリンタートレノ(TE65)
- (初)3代目カローラリフトバックGT(TE55)/スプリンターリフトバックGT(TE65)
- 2代目カリーナ(TA40系)
- 4代目カローラ/スプリンターGT(TE71前期)
- 3代目カローラレビン/スプリンタートレノ(TE71前期)
- 備考
- 1979年10月から、タペットカバーの「TOYOTA」ロゴの書体が新タイプの書体に変更されている。
[編集] 1981年燃焼室改良型
半球型燃焼室から多球型燃焼室に変更。事実上「2T-G」の最終型。後継は「4A-GEU」。
通称「レーザーエンジン」と言われているが、トヨタとしてはレーザーエンジンと発表した事もなく、カタログにも表記はない。
- 生産期間
- 1981年7月 - 1983年6月(国内向け)
- 種類:DOHC 8バルブ EFI 三元触媒
- 排気量:1.588L
- 内径×行程:85.0×70.0(mm)
- 圧縮比:9.0
- 出力:115ps/6,000rpm
- トルク:15.0kgm/4,800rpm
- 搭載車種(車両型式)
- (初)3代目セリカ(TA61)
- 4代目カローラ/スプリンターGT(TE71後期)
- 3代目カローラレビン/スプリンタートレノ(TE71後期)
- 3代目カリーナ(TA61)
[編集] 2T-J
- 生産期間
- 不明(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ シングルキャブレター
- 排気量:1.588L
- 内径×行程:85.0×70.0(mm)
- 搭載車種(車両型式)
- 不明
[編集] 3T-U
昭和51年度排出ガス規制適合 (B)
- 生産期間
- 不明(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ シングルキャブレター 酸化触媒 TTC-C
- 排気量:1.770L
- 内径×行程:85.0×78.0(mm)
- 搭載車種(車両型式)
- 5代目コロナ(TT121)
[編集] 3T-EU
昭和53年度排出ガス規制適合 (E)
- 生産期間
- 1980年7月 - 1983年9月(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ EFI 三元触媒
- 排気量:1.770L
- 内径×行程:85.0×78.0(mm)
- 圧縮比:9.0
- 出力:105ps/5,400rpm
- トルク:16.5kgm/3,600rpm
- 搭載車種(車両型式)
- 6代目コロナ1800SLツーリング(TT132)
- 初代セリカカムリ1800SX(TA57)
- 7代目コロナ(TT142)
[編集] 3T-GTEU
日本初のDOHCターボエンジン。1気筒あたり2本のプラグ(ツインプラグ)を用いる。
- 種類:DOHC 8バルブ ターボ EFI 三元触媒
- 排気量:1.770L
- 内径×行程:85.0×78.0(mm)
- 圧縮比:7.8
- 出力:160ps/6,000rpm
- トルク:21.0kgm/4,800rpm
- 搭載車種(車両型式)
- (初)3代目セリカ/カリーナ1800GT-T、GT-TR(TA63)
- (初)7代目コロナ1800GT-T、GT-TR(TT142)
[編集] 4T-GTEU
「3T-GTEU」の内径を0.5mm拡大したもの。3T-GTEU同様ツインプラグを用いる。
- 生産期間
- 1982年10月 - 限定生産(国内向け)
- 種類:DOHC 8バルブ ターボ EFI 三元触媒
- 排気量:1.791L
- 内径×行程:85.5×78.0(mm)
- 搭載車種(車両型式)
- 3代目セリカ1800GT-TS(TA64)※200台限定
[編集] 12T
昭和51年度排出ガス規制適合 (B)
- 生産期間
- 1976年1月 - 不明(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ シングルキャブレター TTC-L(トヨタ希薄燃焼方式)
- 排気量:1.588L
- 内径×行程:85.0×70.0(mm)
- 圧縮比:8.5
- 出力:85ps/5,400rpm
- トルク:12.5kgm/3,400rpm
- 搭載車種(車両型式)
- (初)3代目カローラ(TE52)/スプリンター(TE62)
[編集] 12T-U
昭和53年度排出ガス規制適合 (E)
- 生産期間
- 不明(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ シングルキャブレター 酸化触媒 TGP(乱流生成ポット)燃焼方式
- 排気量:1.588L
- 内径×行程:85.0×70.0(mm)
- 圧縮比:9.0
- 出力:88ps/5,600rpm
- トルク:13.3kgm/3,400rpm
- 搭載車種(車両型式)
- 3代目カローラ(TE56)/スプリンター(TE66)
- 5代目コロナ(TT125)
- 6代目コロナ(TT130)
- 初代セリカカムリ(TA41)
[編集] 12T-J
- 生産期間
- 不明(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ シングルキャブレター
- 排気量:1.588L
- 内径×行程:85.0×70.0(mm)
- 搭載車種(車両型式)
- 4代目カローラバン
[編集] 13T-U
昭和53年度排出ガス規制適合 (E)
- 生産期間
- 不明(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ シングルキャブレター 酸化触媒 TGP燃焼方式
- 排気量:1.770L
- 内径×行程:85.0×78.0(mm)
- 圧縮比:8.5
- 出力:95ps/5,400rpm
- トルク:15.0kgm/3,400rpm
- 搭載車種(車両型式)
- 5代目コロナ(TT126)
- 6代目コロナ(TT131)
- 4代目カローラ/スプリンター(TE70)
- 初代セリカカムリ(TA46)
[編集] 13T-J
- 生産期間
- 不明(国内向け)
- 種類:OHV 8バルブ シングルキャブレター
- 排気量:1.770L
- 内径×行程:85.0×78.0(mm)
- 搭載車種(車両型式)
- 4代目マークIIバン
[編集] 関連項目
- トヨタ・A型エンジン (2代目)
- トヨタ・S型エンジン (2代目)
- トヨタ・Y型エンジン
- トヨタのエンジン型式命名規則
- トヨタのエンジン系列名
- トヨタのエンジン型式一覧
- クライスラー・ヘミエンジン
- 自動車排出ガス規制
エンジン概要 |
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トヨタのエンジン型式命名規則 |
ガソリン系エンジン系列 |
A型(1) → B型(1) → C型(1) → S型(1) → F型 → R型 → P型 → U型 → V型 → M型 → K型 → G型(1) → T型 → A型(2) → G型(2) → S型(2) → Y型 → E型 → VZ型 → UZ型 → RZ型 → TZ型 → JZ型 → FZ型 → MZ型 → GZ型 → NZ型 → ZZ型 → SZ型 → AZ型 → GR型 → TR型 → KR型 → UR型 → ZR型 |
ガソリン系エンジン |
A - B(1) - C(1) - S - G - 4A-GE - 1G-GE - 3S-GE - 1JZ-GTE - 1GZ-FE - 1NZ-FE - 1ZZ-FE - 2ZZ-GE - 1KR-FE - R36V |
ディーゼル系エンジン系列 |
D型 → C型(2) → J型 → H型 → B型(2) → L型 → C型(3) → W型 → N型 → Z型 → HZ型 → HD型 → PZ型 → KZ型 → KD型 → CD型 → BZ型 → ND型 → AD型 → VD型 - DZ型 |
ディーゼル系エンジン |
C(2) - 1W - 1HZ - 1PZ - 1CD-FTV - 1ND-TV - 1VD-FTV |
エンジン一覧 |
トヨタのエンジン系列名(構成別) - トヨタのエンジン型式一覧(年代別) |
その他のエンジン |
トヨタのエンジン型式一覧を参照 |