サラダ
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サラダとは、野菜などを塩、酢、油、香辛料などで和えて盛りつけた料理の総称。
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[編集] 概要
生のままの野菜や、ポテト、豆類などの煮たものを冷ましてから盛り合わせ、マヨネーズ、ドレッシング、塩等をかけて食べるものが一般的だが、野菜以外の材料を多く含む「卵サラダ」、「ツナサラダ」、「ハムサラダ」、「マカロニサラダ」などもサラダと称される。素材の選び方によってはビタミンC・食物繊維などを多く含む。
サラダのドレッシングに適した油のことをサラダ油という。また、サラダ油を使った煎餅やスナック菓子などで塩味のものを「サラダ味」と称することがある。英語では「新鮮でみずみずしい」というイメージから、「若くて駆け出しの頃、ほろ苦い青春時代」を「salad day」と呼ぶ。
[編集] 日本のサラダ伝来
江戸時代以前の日本では、瓜、スイカなどを果物として食べ、ネギなどを薬味にする以外に、野菜を生食する習慣はなかった。これは、近隣の中国でも同様ではなかった。
明治時代になって、日本に洋食が伝来すると、豚カツなどにキャベツの千切りなどが付け合わされた。
現在のような、単品の料理としてのサラダの歴史は、太平洋戦争以後、GHQの宿舎として接収された帝国ホテルで、1949年(昭和24年)12月24日のクリスマスイブパーティーにシーザーサラダが提供されたのが始まりである。当時、回虫、ギョウチュウなど寄生虫が蔓延していた日本に対し、GHQは化学肥料、堆肥の使用を徹底。その後も、厚生省から1955年(昭和30年)に清浄野菜の普及について指導されたことなどにより衛生面が改善され、安心して生で食べられるようになった結果、サラダも普及していった。
[編集] サラダの種類
[編集] 日本で一般的なサラダ
[編集] 各国の特色あるサラダ
[編集] 中国
- 老虎菜(ラオフーツァイ lǎohǔcài) - コリアンダー、キュウリ、ピーマンまたはトウガラシなどを塩と油で食べる東北地方の郷土料理
- 上海沙拉(シャンハイシャーラー Shànghǎi shālā) - 「上海サラダ」。ロシア風リンゴ入りポテトサラダ。名称の由来は、上海から中国各地に広まったため。
- 皮辣紅(ピーラーホン pílàhóng) -新疆ウイグル自治区の郷土料理。トウガラシ、タマネギ、トマトのサラダ。ケバブなどの肉を食べる時の副菜として好まれる。「皮」はウイグル語でタマネギを意味する「ピーヤーズ پىياز」の略。なお、北インド、中央アジア一帯にもよく似たサラダがある。
[編集] タイ
[編集] アングロアメリカ
- コブサラダ
- シーザーサラダ
- ツナサラダ(tuna salad)
- ハムサラダ(ham Salad)
- チキンサラダ(chicken salad)
- ジェローサラダ(Jello salad) - インスタントゼリーの素「ジェロー(Jell-O)」を使ったサラダ。野菜、果物、ナッツなどをジェローでよせたもの。
- コールスロー
- パスタサラダ
[編集] フランス
- リヨネーズ(salade Lyonnaise、リヨン風) - マスタード入りドレッシングで和えた葉野菜の上にベーコン、ポーチドエッグ、クルトンを乗せたサラダ。
- ニソワーズ(salade Niçoise、ニース風) - オリーブやマグロの缶詰を用いる。
- スュド・ウェスト(salade Sud-Ouest、南西風) - フランス南西部のペリゴールおよびラングドック地方の料理。砂肝サラダ。家禽類の砂肝を炒めたものおよび鴨の生ハムを葉野菜の上に彩る。半熟の目玉焼きを乗せる場合もある。
- マセドワーヌ(Macédoine)- 1cm角に切った野菜または果物のサラダ。野菜のマセドワーヌ(マセドワーヌ・ド・レギュム Macédoine de légumes)は温菜、冷菜どちらとしてもよい。
- タブール (taboule)- クスクスを調理して冷やし、トマトやキュウリなどの角切りやオリーブ、乾燥フルーツなどを混ぜたサラダ。クスクス粒による独特の食感がある。原型は東地中海地方の「タブーリ」(後述)。
- ムスクラン (mesclun)- 色々な種類の若菜を取り合わせた、南仏のサラダ。
[編集] イタリア
- インサラータ・カプレーゼ(Insalata Caprese) - 「カプリ風サラダ」。南部カンパニア州のモッツァレッラとトマト、バジリコを盛り合わせたサラダ
- マチェドニア(Macedonia) - フルーツサラダの一種
[編集] ギリシャ
[編集] トルコ
- ジャジュック(Cacık) - キュウリのヨーグルト合えサラダ
- ピヤズ(Piyaz) - 白インゲン豆のサラダ
- パトルジャンサラタス(Patlıcan salatası) - 焼きナスのペースト状サラダ
[編集] アラブ圏
- タブーリ (Tabouli)- 水でもどしたブルグール(Bulgur)、刻みトマト、刻み玉葱、刻み葱、刻みミント、たっぷりの刻みパセリをオリーブ油とレモン汁のドレッシングで和えたサラダ。タブーレ、タッブーリ、タッブーレとも発音される。キャベツやレタスの葉で包んで食べる。元々東地中海地方(マシュリク)に伝わるサラダであるが、パセリがたっぷり入った今日のタブーリが生まれたのは避暑地として有名なレバノンのベカーア県ザハレ(Beqaa、Zahle)である。フランスの「タブール」の原型。
アラブ人のサラダには一般的にヴィネグレットに似たサラダドレッシングが用いられるが、ヨーロッパのヴィネグレットよりも油に対する酢やレモン汁の比率が高い。
[編集] 使われる材料
- 葉野菜
- 根野菜
- 果野菜
- 豆類
- ナッツ
- 肉類、乳製品
- 魚介類
- その他
一般には生の野菜を使うとはされるが、一部には茹でた直後のまだ温かい物をサラダとする温サラダや、茹でた野菜が主体となる温野菜料理などがある。なお、日本ではブロッコリー、カリフラワー、ズッキーニ、マッシュルームなどを生野菜サラダにすることはまずないが、これは北米やヨーロッパでは決して珍しくない食習慣である。
[編集] サラダの注意点
サラダは美容に良いとされるが、気を付けなければならない事がある。それはドレッシングには大抵油が使われており、それだけでもカロリーが高く、油は酸化し易いのでサラダを食べる前に作るのが理想である(ただし、分解されにくい油があるので注意する事)。またドレッシングには塩分も多量に含む為、塩などを掛けると更に塩分を増やす事になり、水太りの原因になる。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
サラダ(サラダの歴史)