中国東北部
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中国東北部(ちゅうごくとうほくぶ、中国語簡体字:中国东北)とは、狭義には中華人民共和国の遼寧省・吉林省・黒竜江省の東三省(現・東北三省)区域を指す。中華人民共和国における地域をブロックに分けた区分では「東北区」と呼んでいる。
広義には東三省と内蒙古の東北部(すなわち現在のホロンバイル市、ヒンガン盟、通遼市、赤峰市)を合わせて指す。19世紀中ごろの不平等条約でも清朝のもとに残された、いわゆる内満州地域である。
※なお中国においては満州の語は民族を指し、地域を指す名称ではない。
この項目では、第二次世界大戦後の状況について記述する。
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[編集] 人口
- 遼寧省:4203万人
- 吉林省:2703.7万人
- 黒龍江省:3811万人
総人口は約1億1千万人,中国の総人口の8%である。
[編集] 文化
中国の他の地域とは違い、東北三省の住民は遼寧、吉林、黒竜江の各省の住民としてよりも「東北人」としての意識が大きい。この原因にはこの地区の独特な歴史、風俗習慣及び言語の一致、河北省、山東省からの移民が主に関係している。
東北地区は漢族を主体として、満族、モンゴル族、朝鮮族、オロチョン族、エヴェンキ、シボ族及びロシア人等の文化習俗に日本・ロシア・朝鮮の国家的風俗文化と言語が融合した多元文化圏に属している。多くの満州族文化と共に日本・朝鮮・ロシアからの語彙と生活様式を吸収しており、語彙では、“噶斯”(日本語の瓦斯の音訳:ガス)、“咧巴”(ロシア語Хлебの音訳:パン)、食べ物ではロシア料理や朝鮮のキムチ、犬肉食などが外来文化の影響を受けている。
東北地区起源の演劇に二人転、秧歌、吉劇がある。
また、文化教育施設、教育普及率と進学率は中華人民共和国のなかで高い水準にある。そのうち、遼寧省の高等教育の普及率は中国で最高である。主な科学研究機構はハルビン、長春、瀋陽と大連に分布し、そのうちで光学機械、冶金、軍需産業の研究水準が最も発達している。
[編集] 関連
中国地理大区画:
華北 - 東北 - 華東 - 華中 - 華南 - 西南 - 西北
[編集] 外部リンク
- 朝鮮族ネット(日本語)