走り屋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
走り屋(はしりや)とは、日本において、高速道路や山岳道路などの公道を、自動車やオートバイで高速に走ることを嗜好する人達を指す俗称。主に本人らが用いる語であるため尊称に近い意味合いも含む。警察では、暴走族を大きく二つに分類したうちの一形態「違法競争型暴走族」と定義している。報道機関などは「ローリング族」や「ルーレット族」、「ドリフト族」などとも呼ぶ。
主として深夜帯において、高速道路や俗に「峠」と称される曲がりくねった山岳道路などで、直線やカーブをいかに高速で格好良く走るかを追求した走行を行う。しかし公道であるがゆえに、法定速度の極端な超過や、場合によっては車両の不正改造などによる違法行為を伴うことがある。他の一般車や歩行者に危険を及ぼしたり通行の妨げになるほか、近隣住民への騒音被害や道路設備の損壊などが社会問題になっている。
同様の嗜好は、若者にも自動車が普及した国や地域であればほぼ普遍的に見られるが、その文化は大きく異なっているため本稿では主に日本に関して説明する。
目次 |
[編集] 概要
日本において公道暴走を行う者は、1960年代までは「カミナリ族」と呼ばれたが、1970年代以降「暴走族」として扱われるようになった。この頃からグループごとに特徴が表れ、暴力行為で制圧しようとするグループと、運転技術で勝負しようとするグループに大別される。後者が「街道レーサー」と呼ばれ、後に「走り屋」へと呼称が変遷していった。
レースやラリーなどの競技を意識したものが多く、集団を形成している場合は「レーシングチーム」を自称することもある。見物人も多く集まって行われる「レース」の種別は多岐にわたるが、レース競技を模しているものの合法性に欠ける行為であることから、公に広報を行った「行事」として活動されることはなく、あくまでも非合法な「集まり」として展開される。
単独でゲリラ的に活動する者も少なくはないが、前述のように大規模イベント化して集団活動を行う場合も多く、また仲間意識を重んじたり地元意識が強い点など、共同危険型暴走族との共通性がある。特に1990年代初期頃までは極めて素行の悪い集団も存在し、「武闘派」と呼ばれる者などは他のグループと抗争を起こすこともあった。その後も、車両・部品窃盗、他チームへの暴力行為などを行う者はおり、廃油・古タイヤの不法投棄などにより検挙される例もある。世代交代が進むにつれ、単に速く格好よく走ることに特化する集団も現れるようになり、違法行為は道路交通法違反や不法改造、不法投棄などに留まっている者も少なくはない。
近年では、2ちゃんねるの車板などの電子掲示板や、MixiなどのSNSといった、インターネット上のコミュニティで各々の集まりを作っていることもある。
[編集] 対策
正規のサーキットでイベント(走行会や草レース)や貸し切りなどで競技走行を楽しむ自動車・オートバイ愛好者とは区別されるが、土屋圭市、織戸学、谷口信輝などプロのレーシングドライバーの一部には、過去に公道暴走行為を経験しているとする者(それを公言したり暗に認めている)もおり、「走り屋」はモータースポーツへの登竜門だと主張される場合もある。土屋などは「比較的安価に走行できるミニサーキットを増やせば、非合法な公道暴走者は減少する」と主張している。一方で、サーキットに行きながらも同時に公道での活動を行う者もいるため境界は曖昧である。
警察では種々の手段を用いて摘発を行っている。高速道路の取り締まりとしては、オービスを設置したり覆面パトカーを走らせるなどの対策をしているが、全てを捕らえられるわけではない。峠道での対策としては、被害の多い道路に凹凸(センターライン上のキャッツアイなど)をつけ、速度が出にくいようにする予防策がある。直接の取り締まりは、峠道の入り口と出口をパトカーなどの警察車両(日本の場合)や置石(外国の場合)で封鎖して挟み撃ちにしたり、さらにそれでも対策が行き届かない場合は、時間や曜日を区切って定期的・不定期に閉鎖することもある。
[編集] 呼称
違法競争型暴走族の多くは、自らを暴走族と認めることを嫌い「走り屋」を自称する傾向がある。通常と比較して過度に危険性の高い形での公道走行は「暴走」だが、このとらえ方に本人らは難色を示すことが多い。『「走り屋」は嗜好の対象が車両の運転自体にある場合が多く、社会に与える迷惑は二次的に発生してしまう事象であり、一方で「暴走族」は集団で迷惑行為(暴走、暴力など)を行うことそのものを嗜好する場合が多い』という観点で区引きが可能であると主張する。ただし実際は、前述のように副次的なもの以外にも迷惑行為を行う違法競争型暴走族もおり、また共同危険型暴走族から違法競争型暴走族への流入傾向もあることから、両者とも様々な形態が存在するため境界線をはっきり引くことは難しい。
他方で共同危険型暴走族の側も、「走り屋」のことを疎ましく考える傾向にある。例として、「危険な走行や騒音によって迷惑をかけている走り屋を懲らしめる」などという建前を持ち出した「走り屋潰し」と称し、車両に投石を行ったり、駐車場や逃げ場の少ない峠道などで待ち伏せして、集団暴行(リンチ)や恐喝、車両の破壊や放火などの行為を行うことがある。
- 外観的相違点
走り屋 | 共同危険型暴走族 | |
---|---|---|
車両 | 自動車: スポーツカー オートバイ: スーパースポーツ、レーサーレプリカなど 高速走行に適した改造をする場合が多い |
自動車: セダン オートバイ: ネイキッドタイプなど(1980年代に作られた「旧車」に人気がある) 目立たせるための改造をする場合が多い |
服装 | オートバイ: フルフェイス型ヘルメット、グローブ、ブーツ、レーシングスーツ 自動車: ごく一般的な(ただし自動車の運転に適した簡素な)服装 |
かつては刺繍のされた規格外の学生服や特攻服などだが、一般的な服装も増えている 個性的なペイントが施されたコルク半というヘルメット |
行動 | 信号がない峠道や都市高速などを高速で走行、単独走行が多いが、たまに競走などで数台が併走することもある。交通量の少ない道路にも現れる | 市街地の一般道を割と低速で走行、大きなエンジン音やクラクションを鳴らし集団走行することが多い |
[編集] 種別
- 最高速
- 車の限界速度を追求しながらタイムを競う行為。主に高速道路を利用するが高い速度域で車線変更を繰り返しながら走行する為、大事故に繋がることがある。関東地方では主に首都高速道路の湾岸線や東京湾アクアライン、関西地方では阪神高速道路の環状線や湾岸線などに出没する事が多く、東海地方では伊勢湾岸自動車道などに出没することが多い[要出典]。
- 最高速という事柄から、極限までの車両改造が求められ、非常に高額なコストがかかる。生活水準の高い裕福層や、自らの生活を切り詰めてまで活動する者もいる。他に比べると比較的、高所得者が多く、会社社長、医師、弁護士、珍しい例として大学院生等の学生も存在する。最高速をモチーフにした漫画では『湾岸ミッドナイト』がある。
- ルーレット族(関西では環状族)
- 環状道路を一周するタイムを競う行為。関東地方では主に首都高速道路都心環状線、関西地方では阪神高速道路1号環状線、東海地方では名古屋高速道路都心環状線などの環状型の高速道路に出没する。関東地方では芝浦パーキングエリアなどのパーキングエリアに集まり、周回のスタート地点として利用している場合が多い。そのため芝浦PAにおいては特に深夜、一般車の利用ができないほど混雑することもある。年に数回警察による違法改造車の摘発がこうしたエリアで行われている。この摘発で、違法改造をしていると黄色いシール(勝手に剥がすと痕が残る封印シール)がフロントガラスに貼られ、15日以内に違法とチェックされたところを直し、警察に届け出なければならない。
- ローリング族(峠族、峠小僧とも)
- 峠道(ワインディングロード)を如何に速く走れるかを競う行為。狭い峠道の急カーブを曲がる際に車を制御しきれず対向車線に飛び出す危険があるため、それぞれの地域(峠)ごとに「どの区間を走る」、「どこで折り返す」、「上り下りどちらを走る」等の独自ルールを作っていることもある。しかし、あくまで勝手に決めているものであり、知らずに通りがかった一般車が巻き添えとなることは排除できない。また、漫画などの舞台で実在する場所が取り上げられたものも多く、前述のように被害の多い地域では夜間閉鎖を余儀なくされる道路もある。
- カーブの多い道路形状にそって速く走ることは、車の性能以外にもドライバーの技術によるところが大きく、ローリング族として技術を蓄えた者がサーキットでの走行へ切り替えたり、プロのレーシングドライバーとなることもある。
- ゼロヨン
- 正規のモータースポーツであるドラッグレースを模倣した行為。停車状態から急加速し、400メートル地点までへの到達タイムを競う。短距離ではあるが、およそこのレース用に改造された大パワー車が用いられることが多く、最高速度は200km/h前後に達する。主に直線が続き道路幅が広い所、交通量がほとんど無い深夜・早朝の時間帯を好み、工業団地や港に出没する事が多い。「ゼロヨン」という言葉は日本の非合法公道レースを指すことが多く、公式競技では国際的呼称の「ドラッグレース」と呼ぶことが一般的。
- ストリート
- 主に直線が多い一般道で信号機を使い、所構わず行われるゼロヨンやレース。「ストリートゼロヨン」、「シグナルグランプリ」とも呼ばれる。条件が揃えば住宅街で行われる場合もある。防止策として、幕張新都心のような新市街地のうち、夜間無人になるオフィス街では深夜帯は街灯を消し、ストリートの参加者が集まるのを防ぐようにしている。初心者や軽い改造の車、暴走族崩れのVIPカーと呼ばれる高級車などが気軽に参加することも多く、「走り」にあまり重きを置かない「お祭りイベント」的な行為である。
- ドリフト族
- 主に深夜の峠や広い駐車場・港で、車を故意にスリップさせながら走る行為。「いかに格好良く滑らせながら走るか」に重点を置く。車を横滑りさせる行為は自動車本来の走行法ではないため、制御不能による道路逸脱や横転などが起こりやすく、事実上センターラインを越えずに走ることは想定されない。この行為では路面にタイヤのスリップ痕が残るが、路面の白線にタイヤ痕をつけると器物損壊罪となる。また、路面やガードレール等の損壊も発生しやすい。
- 近年は合法的な自動車競技として「全日本プロドリフト選手権(D1グランプリ)」という競技も開催され、サーキットでの活動イメージを強調することでアンダーグラウンドイメージの良化を図ろうとしている。一方で運営会社の関連企業は、公道での暴走行為を掲載した雑誌やビデオ等を販売している。
- 元々正規のモータースポーツの模倣から始まった行為ではない点で他の行為に比べて独自の文化があり、近年は派手で目立つことや他人との差別化を図ることを目的として、ミドルクラスや高級セダン等、スポーツカー以外の車種が使われていることもある。(車両についてはドリ車を参考のこと)
- →ドリフト走行の項目も参照
[編集] 文化
[編集] 車両
1980年代のオートバイブームの際に、レース専用車両を模したレーサーレプリカと呼ばれる型のオートバイに乗る者が流行した。レーサーレプリカモデルに乗り、フルフェイス型のヘルメット、グローブ、ブーツ、レーシングスーツを着用する事が多い。オートバイ雑誌の連載企画である読者からの投稿コーナーが人気となり、読者からの投稿専門の雑誌「バリバリマシン」が発刊された事も有った。代表的な漫画としてはしげの秀一の『バリバリ伝説』が挙げられる。近年、大型やミドルクラスのSSが人気であり、各社フラッグシップの車両に乗る者も多い。
1980年代後半の関東方面では後輪駆動である「ハチロク」(カローラレビン及びスプリンタートレノのプラットフォームである「AE86型」の通称)やR30スカイラインが人気で、関西方面ではFFであるホンダのワンダーシビックやバラードCR-Xの人気が非常に高かったが、1990年代に入るとシルビアや180SX、R32スカイライン等のFR系日産車が全国的に人気車になる。
今日においては、かつてのハチロクやホンダ・シビックに代表された「ライトウエイトスポーツ」や、シルビアやスープラなどの「スポーティーカー」は、既に生産されていないため、中古車市場から調達することになる。中古車としては、その年数と走行距離から見てかなり高めの価格で取引されているが、それでも新車対比では割安感があるため、昨今は、過去のようにスモールクラスの車ではなく、ミドルクラスの高性能モデルを選ぶ事が多く、チューンやドレスアップに資金を投入する者が多くなってきている。
駆動方式はシルビアのような後輪駆動、シビックのような前輪駆動、ランサーエボリューションやスカイラインGT-Rのような四輪駆動など様々である。ただドリフト族においてはドリフト状態を維持しやすい後輪駆動が好まれる。
変速機はMTが圧倒的に支持を受けていた。最近ではパドルシフト等の普及、ATの性能向上やスポーツカーへの搭載(例:ランサーエボリューションXのSST)などにより、以前よりもATは普及している。
最高速に使用する車両の特徴は、フェアレディZ、スカイラインGT-R、スープラ、ランサーエボリューション、インプレッサなどの各自動車メーカーのフラッグシップに相当する車両が使われることも少なくなく、更により高度な改造が施される場合も多い。また、ポルシェ、フェラーリ、コルベットなどの海外製スポーツカーも多い。
1990年代後半以降の特徴としては、しげの秀一の作品『頭文字D』の影響で峠を走る「ハチロク」が増えたこともあげられる。また、自動車に対する社会の風潮として、動力性能よりも快適性を求める傾向があり、経済状況や2000年代に入ってからのガソリン価格の高騰、消費者の省エネルギー意識の向上などが後押しし、日本で生産される車も居住性に優れるミニバン、燃費に優れるコンパクトカーや軽自動車が増えている。その結果としてクーペを筆頭にスポーツカーなどの車が減りつつある。
[編集] 用語
以下は日本で使われている用語を言う。
- ガス
- ガソリンの事。欧米では一般的な呼び方。給油を「ガス入れ」と呼んだりもする。
- コーナー
- サーキットにおける呼称と同様にカーブの事をコーナーと呼ぶ。コーナーを走行することを「コーナリング」といい、「カーブを曲がる」とは呼ばずに「コーナーを攻める」と表現する。
- ダウンヒル
- 峠周辺におけるワインディングロードの下りを指す。ダウンヒラーは下りが得意な者やその種類。
- ヒルクライム
- 峠周辺におけるワインディングロードの上りを指す。ヒルクライマーは上りが得意な者やその種類。基本的にはヒルクライムではテクニックよりも車のパワーさえあればある程度速くみえてしまうので、ダウンヒルが得意だとしているものが多い。
- チューン
- エンジンを含む車体に手を加えること。走行性能や操作性の向上等を目的とする。「チューニング」、「イジる」とも言うことがある。
- バトル
- 勝負の判定をするための走行の総称。「バトる」と動詞になることもある。勝利の条件はその時々で異なる。「相手より先に指定された地点に到達したら勝ち」、「第三者から見て明らかに差が開いたら勝ち」、「先行してスタートした相手を追い抜いたら勝ち」などがあるが、これは『頭文字D』の影響のためで、実際に峠で「先行している相手を追い抜く」という行為はほぼ不可能である。また地元ルールによって、折り返し地点で前後を入れ替えて「第三者からみて明らかに差が開いたら勝ち」という方法のみで大抵が1対1で行う。
- ギャラリー
- 峠の脇や駐車場、高速道路のパーキングエリアやサービスエリアに出没する見物人。自ら走る者もいれば、女性もいる。見物人が暴走行為を煽ることは違法である。
- チーム
- 所属するサークルの様なものであるが、「地元コースを走ることを主体」、「行動の目的(峠専門、首都高専門、など)が同じ」、「車種や搭載エンジンが同じ」など形態は様々。自作のステッカーなどを貼って所属を示すことがある。チーム同士のバトルなども存在する。
- タイムアタック
- コースの走行時間を短縮させる挑戦。一人で運転しながらタイムを計る、誰かがゴールで計るなど。
- サイレンサー
- 排気音を小さくする消音機。
- 直線バカ、直線番長
- ゼロヨン・最高速などのジャンルにおいて、主に直線を(速く)走ることに重きを置いたスタイルのこと。場合によっては「直線しか速くない(ドライバーまたは車)」意味の侮蔑感を持って使用されることもある。
- ハチロク小僧
- 一般に、AE86(通称ハチロク)に乗る入門者のことを指す。ハチロクは中古相場も安価であったために(現在は『頭文字D』人気の影響で需要が急増したため価格が高騰している)、若者にも入門用として購入しやすかったことが語源と言われている。ただし、ハチロクを速く走らせる為には高度なテクニックが必要である為、ハチロクに乗っていることが入門者という事にはならない。近年では『頭文字D』に影響されて、車のことを良く知らずにハチロクを買う者への皮肉の意味でこう呼ぶこともある。
[編集] 雑誌
「走り屋」を購買層に想定した雑誌(多くが月刊誌)が2007年現在でも数誌発売されている。これらの雑誌は、過去においては公道での暴走や道路運送車両法に違反する改造を公然と示唆する内容のものも少なくなかった。
近年では、雑誌側でサーキットでの走行会や草レースなどを主催したり、積極的にサーキットでの走行を推奨する記事、あるいは合法的な改造に関する記事も珍しくなくなったが、一方で、やはり公道での暴走に関する記事が完全に消えたわけではない。
こうした雑誌に対しては、商業誌において違法行為を助長する行為への批判もある。
[編集] 街道レーサー
街道レーサーとは、前述の通り以前は「走り屋」の同義語であったが、現在では主にシャコタン、リムの深いホイール、派手な装飾パーツ、大音響のエンジン音などの改造を施した旧車のことを指す俗称。「族車(暴走族の改造車)」とほぼ同じ意味で使用されており、こういった改造は旧車愛好の一つのスタイルとなっている。由来は、1980年代に登場したモーターマガジン社の自動車雑誌「ホリデーオート」の読者投稿コーナー「Oh!MY街道レーサー」で、前述のスタイルの改造車が数多く登場したことによる。「レーサー」とついているが、最高速やテクニックでは競わず、危険な走りはしない旧車愛好家であることが多いが、一方で、このような改造車の暴走族は現在でも存在している。
[編集] 海外の事例
海外でも、オートバイや車で300km/h以上の高速走行をする者がおり、また、その様子を撮影した動画がインターネット上に投稿されることもある。
[編集] 北米
アメリカでは峠道が少ないために日本で言うローリング族はほとんど見受けられない。工業地帯や郊外の直線道路を使ったドラッグレースが盛んで、バイクであれば各社のスポーツタイプのバイク、自動車であれば古いアメ車や日本製のスポーツカーが広く使われる。日本製の車では三菱・GTOなどの四輪駆動車や前輪駆動車が人気が高い。中にはナンバープレートのついていないバイクや自動車でドラッグレースにのぞむ人もいる。
もちろんこれらも、サーキットではなく公道で行われれば違法行為であることに変わりはなく、実際に過去にも警察が逮捕している。
なお過去にはアメリカ大陸横断レース(キャノンボール)と言われる非合法公道レースが行われたこともあったが、これは公開された一大イベントのようなものとして行われるため、日本の非合法レースとは状況が異なる。またアメリカ大陸横断レースは必ずしも自動車やバイクで行われるわけではない。
[編集] オーストラリア
オーストラリアではメルボルンとシドニーに多い。オーストラリアでは日本の「走り屋」のような語としてHoon(複数形でHoons)と言う語が使われている。Hoonは名詞としてだけではなく時として動詞として使われることもある。
1970年以降、メルボルンでは定期的に公道での競争イベントが行われることもあり、最近ではより多くの人がより安全に参加する目的で、警察にも届出を出した上でのれっきとしたイベントとして公道レースが行われることもある。
またそれ以外にも、ドラッグレースが複数車線のあるフリーウェイ(高速道路)で行われることや、一般道で街間競争が行われることもある。
[編集] 香港
香港では日本や他のアジア諸国からもたらされた文化(負の文化含め)が大きい。香港では香港警察が道路に置石(日本の鉄道で問題になった置石と違い、数十~数百kgもするコンクリートブロックを道路に置く)、検挙するなどしてその対策に乗り出している。
頭文字Dのような日本産の漫画を香港の会社が映画化することもあり、香港は他のアジア地域から見ても所得が高い層が多いため、余興のように行われることが多い。
[編集] 中近東
主にサウジアラビアに多い。車種は、スポーツタイプよりも日本ではベースにする人がいないトヨタカムリやホンダインスパイアが多い。インターネットの動画投稿サイトでギャラリーを巻き込んだ事故が多発しており、中には同乗者が車内から飛び出すという動画もある。