道路交通法
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通称・略称 | 道交法 |
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法令番号 | 昭和35年6月25日法律第105号 |
効力 | 現行法 |
種類 | 行政法 |
主な内容 | 道路交通安全など |
関連法令 | 道路運送車両法、道路運送法、貨物自動車運送事業法、道路法 |
条文リンク | 総務省法令データ提供システム |
道路交通法(どうろこうつうほう、昭和35年(1960年)6月25日法律第105号)は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする(同法第1条)日本の法律である。
目次 |
[編集] 構成
- 第1章 - 総則(第1条~第9条)
- 第2章 - 歩行者の通行方法(第10条~第15条)
- 第3章 - 車両及び路面電車の交通方法(第16条~第63条の9)
- 第4章 - 運転者及び使用者の義務(第64条~第75条の2の2)
- 第4章の2 - 高速自動車国道等における自動車の交通方法等の特例(第75条の2の3~第75条の11)
- 第5章 - 道路の使用等(第76条~第83条)
- 第6章 - 自動車及び原動機付自転車の運転免許(第84条~第108条)
- 第6章の2 - 講習(第108条の2~第108条の12)
- 第6章の3 - 交通事故調査分析センター(第108条の13~第108条の25)
- 第6章の4 - 交通の安全と円滑に資するための民間の組織活動等の促進(第108条の26~第108条の32の2)
- 第7章 - 雑則(第108条の33~第114条の7)
- 第8章 - 罰則(第115条~第124条)
- 第9章 - 反則行為に関する処理手続の特例(第125条~第132条)
- 附則
- 別表
[編集] 主な改正
日付は施行日。道路交通法の改正のみならず、下位法規(道路交通法施行令、道路交通法施行規則など)の改正によるものを含む。
- 1960年(昭和35年)12月20日
- 道路交通取締法(昭和22年法律第130号)が廃止され、道路交通法が施行される。
- 1963年(昭和38年)7月14日
- 1964年(昭和39年)9月1日
- 道路交通に関するジュネーブ条約への加盟に合わせ大改正。
- 道路中央を追越しなどのためにあけておくキープレフトの原則を一般道にも導入
- 車種ごとに通行車線を分けていた車両通行区分帯を廃止し、車両通行帯とする
- 優先道路の導入
- 「特殊自動車」区分が廃止され、「大型特殊自動車」及び「小型特殊自動車」区分が新設される。
- 道路交通に関するジュネーブ条約への加盟に合わせ大改正。
- 1965年(昭和40年)9月1日
- 1968年(昭和43年)7月1日
- 交通反則通告制度の導入
- 1970年(昭和45年)8月20日
- 1972年(昭和47年)10月1日
- 初心運転者標識(若葉マーク)の導入
- 1975年(昭和50年)
- 自動二輪車の限定制度導入(中型自動二輪限定及び小型自動二輪限定)
- 1978年(昭和53年)12月1日
- 1985年(昭和60年)2月15日
- 1985年(昭和60年)9月1日
- シートベルト着用の義務化(一般道路、高速道路を問わず)
- 1986年(昭和61年)1月1日
- 3車線以上の道路における原動機付自転車の二段階右折の義務化
- 1986年(昭和61年)7月5日
- 原動機付自転車のヘルメット着用義務化
- 1991年(平成3年)11月1日
- 普通自動車免許に、既定のコースとしての「AT車限定」導入
- 1992年(平成4年)
- 「中速車」区分の廃止(自動車の一般道路等での法定最高速度が一律60km/hに)
- 1994年(平成6年)5月10日
- 5年以上無事故・無違反の優良運転者に限り免許更新期間の延長(3年→5年。いわゆるゴールド免許)
- 1996年(平成8年)6月1日
- 「自動二輪車」区分を廃止し、「大型自動二輪車」及び「普通自動二輪車」区分を新設
- 1997年(平成9年)10月30日
- 高齢運転者標識(紅葉マーク)の導入
- 1999年(平成11年)11月1日
- 運転中の携帯電話の使用が禁止に
- 2000年(平成12年)4月1日
- 6歳未満の幼児に対するチャイルドシートの義務化
- 2000年(平成12年)10月1日
- 2002年(平成14年)6月1日
- 酒酔い運転、酒気帯び運転、死亡事故など悪質・危険な違反の罰則強化
- 免許証の有効期間を原則変更(3年→5年)
- 高齢者講習、高齢者マークに関する年齢変更(75歳→70歳)
- 身体障害者標識(四葉マーク)の導入
- 自動車運転代行業者の義務を規定化
- 2004年(平成16年)11月1日
- 走行中の携帯電話等の使用の罰則強化
- 騒音運転、消音器(マフラー)不備車両などの罰則強化
- 酒気帯び検査拒否の罰則強化
- 暴走族などによる共同危険行為の摘発の簡素化
- 2005年(平成17年)4月1日
- 自動二輪車の高速道路での2人乗り解禁(運転者に条件あり)
- 2005年(平成17年)6月1日
- 大型自動二輪車免許及び普通自動二輪車免許(小型限定含む)に、既定のコースとしての「AT車限定」導入
- 2006年(平成18年)6月1日
- 駐車違反取り締まりを民間委託・放置違反金制度の導入
- 2007年(平成19年)6月2日
- 2007年(平成19年)8月1日
- 2007年(平成19年)9月19日
- 2008年(平成20年)6月1日
- 後部座席のシートベルト着用義務化
- 高齢運転者標識(もみじマーク)の表示義務化
[編集] 交通反則通告制度
第9章「反則行為に関する処理手続の特例(第125条~第132条)」に関する制度。詳細は交通反則通告制度の項目を参照。
[編集] 放置違反金制度
放置違反金制度は、放置駐車された車両の使用者に対し、駐車違反の反則金と同額の行政制裁金を課す制度。駐車違反をしたドライバーが出頭しないことにより、反則金制度の実効性が担保できなかったことから設けられた。
[編集] フィンランドの例 罰金の累進徴収
フィンランドでは交通違反の罰金額は、所得を基に算出する、累進徴収制度を導入している。2002年、フィンランドで、携帯電話メーカーノキア社の幹部が起こしたスピード違反に対し、約10万ユーロという高額の罰金が課された。
日本では、罰金は所得の額に関係なく一律徴収である。このことをもって無職でも高額所得でも同じため不公平感があるとする主張もあるが、日本の刑法には所得額に基づいて計算されるよう定められている罰金刑は存在しない。
[編集] その他
- 携帯電話を使用した運転の危険性については、飲酒運転よりも危険性が高いということが英国や米国などで指摘されている。
- 自動速度違反取締装置によって速度違反となった者は、まず自動速度違反取締装置を所管する警察署に行き、撮影写真を確認し違反行為の事実を認定する作業が発生する。
- 2006年6月1日、駐車違反の取締りが警察から民間に開放され、駐車監視員が駐車違反の取締りを行うようになった。また、違反金の納付は運転者が支払いを拒否した場合、車の所有者が支払わなければならなくなる。
- 事故を起こした飲酒運転者が、現場から逃走し刑罰の重い危険運転致死傷罪を回避するひき逃げ事件について、沓掛哲男国家公安委員長は、ひき逃げ自体が救護義務違反の卑劣な行為であり、「逃げ得」を解消するため2006年9月12日の記者会見で道路交通法の法定刑を引き上げる方針を示した。
- 政府は2007年3月に道路交通法の一部を改正する法律を閣議決定した。2007年6月14日に成立、6月20日に公布、一部が9月19日より施行された。[4]主な内容は以下のとおり。
- 自転車の当該法制上の違反行為に関しては日本の自転車に詳しい
[編集] 参照
- ^ 警視庁ホームページ「手続き・相談/申請様式一覧(駐車禁止等除外標章)/駐車禁止等除外標章交付申請書(身体障害者等用)(別記様式第4の3「第4号サ」)/注意事項」PDFファイル(同一ファイルを2ヶ所で配布)[1][2]
- ^ 警視庁ホームページ「法令・条例 / 平成19年8月1日から駐車禁止規制からの除外措置の一部が変わります。身体障害者等用除外標章の主な改正要点」[3]
[編集] 関連項目
- 道路運送車両法
- 飲酒運転
- アルコール検査
- 危険運転致死傷罪
- 自動車運転過失致死傷罪
- 運転免許
- 運転免許証
- 運転免許試験場
- フルビット
- 信号機
- 道路標識
- 道路標示
- 車両通行帯
- 本線車道
- 歩道
- 路側帯
- 車道
- 自転車道
- 歩行者
- 車両
- 軽車両
- 自転車
- 自動二輪車
- 原動機付自転車
- 大型自動車
- 中型自動車
- 普通自動車
- 停車
- 駐車
- 放置違反金
- 駐車監視員
- 車輪止め
- 安全地帯
- 急ブレーキ
- 割り込み
- 最高速度
- 最低速度
- 初心運転者標識
- 高齢運転者標識
- 身体障害者標識
- 運転免許に関する欠格条項問題