牛久市
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牛久市(うしくし)は茨城県南部にあるJR常磐線沿線の市である。旧稲敷郡。東京都心からおよそ50キロ程度にあり、牛久駅を中心とした地域は東京のベッドタウンとして宅地開発が進み、単独で市制が施けるまで人口が増加した。人口約8万人。
目次 |
[編集] 地理
- 市北西部から南東部にかけて小野川が流れ東部から東部に乙戸川、桂川が合流する。また、西部で牛久沼に一部接している。
- 沖積低地と関東ロームから成る洪積台地の二層構造の地形が特徴である。低地と台地の標高はそれぞれ5mから25mほどで若干の起伏はあるが平野の範囲内である。
[編集] 人口
牛久市と全国の年齢別人口分布図(比較) | 牛久市の年齢・男女別人口分布図 |
■紫色は牛久市
■緑色は日本全国 |
■青色は男性
■赤色は女性 |
総務省統計局 / 国勢調査(2005年) |
[編集] 歴史
[編集] 地名の由来
牛久の地名の由来には諸説あるが、古語に由来するものと考えられる。ただし、龍ケ崎市の金龍寺に「怠け者の小僧が牛になってしまい、沼に身投げをした。そこから『牛を沼が食った』『牛食う沼』と変わり、その沼が牛久沼と呼ばれるようになった」という昔話が伝わっており、沼の名の由来・地名の由来ともに、この伝説がまるで真説のように流布している。なお、牛久沼は現在の龍ケ崎市に位置する。
「潮来」(うしおく)が「うしく」になったとする説、アイヌ語で「密生した葦」を示す"uski"が語源であるという説、鵜宿あるいは卯宿(うしゅく)が転じたとする説などもあるが、上記の金龍寺の伝説が一般に支持されている。
[編集] 沿革
- 1804年 - 牛久一揆
- 1878年 - 津田出が女化に日本初となる「洋式」大農場を開設
- 1889年4月1日 - 町村制が施行され河内郡牛久村設置
- 1896年3月29日 - 河内郡は信太郡と合併、稲敷郡となる
- 1896年12月25日 - 牛久駅が開業
- 1903年9月 - 神谷傳兵衛がシャトーカミヤでワインの生産を開始
- 1954年1月1日 - 町制施行、牛久町となる
- 1954年4月1日 - 岡田村と合併、新町名は牛久町とする
- 1955年2月10日 - 稲敷郡奥野村を編入
- 1986年6月1日 - 市制施行、牛久市となる
- 1998年3月14日 - ひたち野うしく駅が開業
[編集] 地方公共団体としての牛久市
[編集] 市長
[編集] 財政
- 2008年度(平成20年度)は204億6,000万円の一般会計予算が組まれており、歳入の約59%が市税で、特に目立った基幹産業がないことから、そのうち約半分が個人市民税に依る。一般会計からの支出は民生費が最も多くを占め、ついで教育費、土木費、総務費が続く。また、同年度は8つの特別会計で140億460万円の予算が組まれている。
- 地方交付税は、近年の三位一体の改革の影響を受けて、2007年度(平成19年度)より普通交付税の不交付団体となっている。
- 負債については2006年度(平成18年度)末時点で、地方債現在高比率166.4%(県内ワースト24)、実質的な債務残高比率184.9%(県内ワースト23)、将来にわたる財政負担比率139.6%(県内ワースト29)と、近隣と比較して比較的良好な財政運営といえる。
[編集] 議会
- 議員定数:22
- 会派別構成(2007年9月12日現在)
[編集] 広域事務
- 茨城租税債権管理機構
- 茨城県市町村総合事務組合
- 茨城県南水道企業団
- 龍ヶ崎地方衛生組合
- 稲敷地方広域市町村圏事務組合
- 牛久市・阿見町斎場組合
- 利根川水系県南水防事務組合
[編集] 第三セクター等
- 牛久都市開発(株) - エスカード牛久
[編集] 国の機関
- 東日本入国管理センター(俗称、牛久入管) - 牛久市久野町1766
[編集] 産業
[編集] 農業
小野川、稲荷川、乙戸川沿いの沖積低地では稲作、洪積台地上ではラッカセイ、ゴボウ、ニンジン、メロン、スイカなどの畑作が行われている。
[編集] 工業
太田胃散やニコニコのりなど中小規模の工場の他、旧奥野村地域には筑波南桂工業団地、筑波南奥原工業団地がある。
[編集] 商業
牛久駅前には中堅スーパーマーケット、イズミヤ(本社・大阪市)を核とするショッピングセンター「エスカード牛久」は1987年に再開発で誕生した、市内唯一と言える複合型商店である。1983年に西友牛久店が開業しているが、1995年に撤退した。他牛久駅周辺に小規模商店がある程度集積するが、規模の大きい商店街は存在していない。ひたち野うしく駅周辺を含む新興住宅地や幹線道路沿いにあるスーパーやレストラン、家電量販店などの郊外型店舗が客の流れの上では主流となっている。2006年12月にひたち野うしく駅前に市内初の郊外型の大規模複合型ショッピングセンターとしてウォルマート傘下の西友が開店した。
日用品については市内で調達するのに事欠かないが、柏、東京(いずれも鉄道利用が主流)、つくば市(自家用車利用が多い)の商圏に含まれており、買回り品ついてはこれらの地域まで買い物に行くことも多い(地方圏としては昔から土浦の商圏にも入るが、近年は土浦中心街の著しい求心力低下がある)。また市外の大型ショッピングセンターの利用は、隣のつくば市の「つくばクレオスクエア」(核店舗は西武百貨店ならびにジャスコ)およびLALAガーデン(核店舗はカスミ)や、龍ケ崎市・竜ヶ崎ニュータウン北竜台にある「サプラ」(核店舗はイトーヨーカドー)が挙げられ、休日には牛久市内からも自家用車利用が多い(路線バスもあるが、比較的本数・利用客が少ない)。ちなみに百貨店のサテライトショップは市内にも「三越牛久」があるが当然のことながら小型店舗である。
[編集] 市内に店舗があるチェーンスーパー、生協店舗
- カスミ - FOOD OFFストッカー牛久柏田店(中央3丁目)、ひたち野牛久店(下根町)、フードスクエア牛久店(神谷6丁目)、FOOD OFFストッカー牛久ししこ店(猪子町)
- マルヤ - 牛久さくら台店(さくら台1丁目)
- イズミヤ - 牛久店(牛久町)
- ヤオコー - 牛久店(田宮3丁目)
- トライアル - 牛久店(南1丁目)
- カワチ - ひたち野牛久店(ひたち野東)
- いばらきコープ - コープうしく(南1丁目)
- ディスカウントスーパーヒーロー - 牛久店(女化町)、牛久中央店(中央2丁目)
- 西友 - ひたち野うしく店(中根町)
[編集] 学校
[編集] 高等学校
- 茨城県立牛久高等学校
- 茨城県立牛久栄進高等学校
- 東洋大学附属牛久高等学校
- つくば開成高等学校(通信制)
[編集] 中学校
- 牛久市立牛久第一中学校
- 牛久市立牛久第二中学校
- 牛久市立牛久第三中学校
- 牛久市立下根中学校
- 牛久市立牛久南中学校
[編集] 小学校
- 牛久市立牛久小学校
- 牛久市立岡田小学校
- 牛久市立奥野小学校
- 牛久市立牛久第二小学校
- 牛久市立中根小学校
- 牛久市立向台小学校
- 牛久市立神谷小学校
[編集] 幼稚園
- 牛久市立第一幼稚園
- 牛久市立第二幼稚園
[編集] 交通
[編集] 鉄道
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
[編集] 県庁への連絡
- 牛久駅、ひたち野うしく駅からJR常磐線普通列車など~土浦駅東口からTMライナー~県庁。
- 牛久駅、ひたち野うしく駅からJR常磐線普通列車などで赤塚駅へ。バスで県庁。(平日のみ)
- 牛久駅、ひたち野うしく駅からJR常磐線普通列車などで水戸駅へ。バスで県庁。
- 牛久駅~水戸駅の所要時間は普通列車で1時間10分弱。水戸駅南口から県庁シャトルバスは所要約15分。
なお日本国旅券発行手続きは県庁本庁舎では行っておらず、各パスポートセンター(最寄は土浦駅前の県南パスポートセンター)で取り扱う。
[編集] バス
1980年~1990年ごろは牛久駅西側(谷田部方面、農林団地方面、森の里団地方面、国道6号線土浦・取手方面の路線(現廃止)、六建団地線(現廃止)、刈谷団地線)を関東鉄道が、牛久駅東側(栄町方面、鹿ヶ作・正直・牛久浄苑・奥原・江戸崎方面、みどり野団地・女化・竜ヶ崎駅方面)は茨城観光自動車が路線を拡げていたが、2001年6月茨城観光自動車が撤退、路線は廃止或いは関東鉄道に引き継がれたが、廃止・縮小を繰り返し、牛久駅から市東部(旧奥野村)地域へ行く一般路線は、「鹿ヶ作」と「牛久浄苑」のみとなった。
2001年6月以降、牛久駅発着の一般路線はすべて関鉄であり、市内はほぼ1社独占状態である。
- 一般路線バス等
- 関東鉄道
- 牛久駅西方面はつくば市茎崎地区・谷田部地区方面へ行く3路線(みどりの駅、農林団地、森の里団地の各方面)と刈谷団地方面の1路線がある。つくば中央営業所(谷田部車庫。つくば市上横場。)が管轄する。
- 牛久駅東方面は、市域が東方に広がっていることもあり主として市内路線で、近距離ではみどり野団地・柏田、栄町の各方面、その他では竜ヶ崎ニュータウン、鹿ヶ作、牛久浄苑(牛久大仏)、ひたち野うしく駅の各方面の路線がある。東方面はみどり野団地など通勤利用が多い路線がある一方、本数の少ない路線・系統が多い。つくば中央営業所と竜ヶ崎営業所(龍ケ崎市)の路線が入り組んでおり詳細は各営業所の項を参照のこと。
- その他、「ひたち野うしく~つくばセンター~筑波大学中央」など、つくばセンター方面の路線があり一部区間に於いてはジェイアールバス関東と共同運行である。
- ジェイアールバス関東
- コミュニティバス・福祉バス
- 牛久市コミュニティバス「かっぱ号」
- 牛久市総合福祉センター送迎バス
- 一般乗合ではないが、市内に広く停留所を持ち、同センター利用者などが利用できる
- 高速バス・中距離バス
- 成田空港直通バス「NATT'S」(関東鉄道、千葉交通、成田空港交通の3社による共同運行)
- 高速バス東京~阿見・美浦・江戸崎線(ジェイアールバス関東、関東鉄道の共同運行)
- 2007年12月20日、市内に「ひたち野うしく」停留所(ひたち野うしく駅前ではない)開設。東京を含む区間のみ乗車できる。
- 急行「わかば号」
[編集] 道路
[編集] スポーツ
- NPO法人 茨城ロングホーン BASKETBALL CLUB
- 2005年に元日本リーグのアンフィニ東京(元マツダ)バスケットボールチーム率いる澤田司監督の旗揚げで設立されたバスケットボールクラブ団体「茨城ロングホーン」がある。
[編集] 主な名所
以上3箇所は年間を通して観光客が訪れる。なお、牛久沼は大部分が龍ヶ崎市なので除かれるが、畔の牛久市地域にも訪問客が少なくない。
[編集] 出身有名人
- 木村安兵衛 - 木村屋總本店創業者。あんぱんを考案した人
- 小川芋銭 - 日本画家
- 小林孝至 - レスリング選手。ソウルオリンピック金メダリスト
- 庭田清美 - トライアスロン選手
- 花島優子 - 女優。美少女仮面ポワトリン主演
- 大川敦子 - メ~テレ元アナウンサー。情報番組などに出演
- 相川梨絵 - フリーアナウンサー。元共同テレビ所属
- 稀勢の里寛 - 大相撲力士(生まれは兵庫県芦屋市)。元・萩原
- 湯原昌幸 - 歌手、俳優、レポーター
- 神戸拓光 - プロ野球選手。千葉ロッテマリーンズ
- 渡辺直人 - プロ野球選手。東北楽天ゴールデンイーグルス
- 村上健志 - お笑い芸人/フルーツポンチ。
[編集] 縁のある有名人
- 津田出 - 幕末期から明治前期にかけて活躍した武士・官僚、陸軍軍人。女化に農場を開設。
- 住井すゑ - 小説家。奈良県出身。60年以上居住。
- 神谷傳兵衛 - 実業家。愛知県出身。シャトーカミヤ創設者。
- 増田れい子 - ジャーナリスト、エッセイスト。東京都生まれ。
- 中川昌三(昌巳) - ジャズ・クラシック音楽のフルート奏者。
[編集] その他
[編集] 成田空港発着航空機の上空通過
牛久市上空は成田空港発着航空機の主要な航空路であるため、航空機が音をたてながら上空を通過する。特に成田市寄りの奥野地区では低空になるため機体が大きく見える。この際テレビ(電波)は機体反射波と直接波が入感するためゴースト現象(=画面がちらつく)が発生する。
[編集] 参考文献
- 木村有見『うしく歴史散歩』(筑波書林、1995年) ISBN 4900725331
- 東 敏雄『地域が語る日本の近代』上、下(岩田書院、2005年)
[編集] 外部リンク
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