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尼崎市交通局 - Wikipedia

尼崎市交通局

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

尼崎市営バス(阪急園田にて。尼崎交通事業振興委託車)
尼崎市営バス(阪急園田にて。尼崎交通事業振興委託車)
尼崎市バスのバス停
尼崎市バスのバス停

尼崎市交通局(あまがさきしこうつうきょく)は、兵庫県尼崎市のバス部門である。

外郭団体の尼崎交通事業振興とともに、尼崎市営バス(以下、市バスと略す)として尼崎市内で路線バスを運行している。スルッとKANSAIに参加しており、全線でスルッとKANSAI対応カードが使用できる。ノンステップバスの導入率は、(新規事業者などを除けば)全国でもトップクラスであり、2008年(平成20年)度末には全車がノンステップバス化される予定である。

目次

[編集] 組織

  • 総務課
  • 経営企画課
  • 運輸課
  • 労務担当

[編集] 営業所等

  • 塚口営業所
    • 場所 : 兵庫県尼崎市東塚口町2丁目4-37
  • 武庫営業所
    • 場所 : 兵庫県尼崎市武庫豊町3丁目11-1
  • 市バスサービスセンター(阪神尼崎)
    • 場所 : 兵庫県尼崎市神田中通1丁目1
    この他、東園田と出屋敷に休憩所が設けられている。
    1993年まで阪神尼崎駅北口(ロータリー内)に中央営業所があった。

[編集] 歴史

[編集] 沿革

戦前、尼崎市域内のバス事業は阪神乗合自動車と阪神国道自動車(いずれも現在の阪神電鉄バス)、ならびに阪神合同バス(現在の阪急バス)が行っていた。戦後、これらの会社線が運休したままとなり、市内交通、特に南北間の交通に不便が生じた。南部に重工業地帯を持つ尼崎市では、南北間の交通を整備するのが、産業復興の為にも重要であるとの認識から、自ら市営バスの運行を企画し、徳島市交通局より電気バスを借り入れて試験運行を行ったのち、昭和23年より営業開始した。

開業当初は電気バス3両で、市内南部のみの営業となったが、すぐに市内北部への路線が新設され、やがて市内を網羅する路線網を持つに至った。

開業に際しては、直接の利害関係が少ない阪神電鉄は協力的で、運休路線の免許を尼崎市に譲渡したりしたが、阪急バスは同意しなかった。その為阪急バスとは、神崎線などで競合する路線があったが、その後昭和50年代までに調整され、現在は一部を除き、競合する路線は無くなっている。

※路線に関しては後述の路線網の変遷を参照のこと。

[編集] 阪神・淡路大震災発生時の状況

  • 神戸方面へ向かうことのできる国道2号線国道43号線国道171号線、および迂回路として利用可能な高速道路(中国自動車道阪神高速道路5号湾岸線)に直結している尼宝線などを中心に幹線道路で軒並み大渋滞が発生。
  • 道路陥没や山陽新幹線の高架橋崩落など地震による被害とそれらの復旧工事により、付近の道路が渋滞や通行禁止の状態となり、一部の路線で運転区間の変更を強いられた。
  • 運転区間を短縮したり、迂回ルートで終点へ向かうなどの方法で、駅から終点までの運転を中心に運行を続ける。しかし、数日でルートが再び変更されたり、(迂回や運転区間短縮がなされる前の)本来のルートに存在するバス停に「バス停休止」の表示や迂回運行の案内がなされないなど混乱が続いた。
  • 以上のような事由から、バス停の運行予定表が正しいものであるかどうか、運行予定表に沿って正しく運転されているのかどうか、そもそもバスが最寄りのバス停を通ってくれるのかどうか、を利用者が判断できない混乱した状況となり、市バス利用者の大幅な減少へとつながった。
  • これらの教訓をふまえて、2006年3月末よりバス運行情報案内システム「あまっこガイド」の運用が開始されている。

[編集] 路線

尼崎市は、東西方向は鉄道路線が複数存在するが、市内の南北を結ぶ鉄道路線がないため、市バスの路線は鉄道駅を起点として市内を南北方向に走る路線が中心である。路線は、幹線と地域線に種類が分かれているが、料金(運賃)などは同じである。

終点間際の放送で独自のBGMが流れるが、これは「ああ尼崎市民家族」という曲で、尼崎市制70周年を機に作られた市民の歌である。作曲は「浪花のモーツァルト」ことキダ・タローによる。

なお、20番台の路線と11番は尼崎交通事業振興に運行を委託、また70番は尼崎市交通局と尼崎交通事業振興の共同運行である。

[編集] 路線一覧

2006年8月1日現在

停留所名に付記された(北)(南)(上)(下)は、停留所の位置を表すものである。鉄道駅などで停留所が複数設置されている場合に路線によって発着する場所が異なることから便宜上つけられている。

[編集] 幹線

阪急神戸本線の駅からJR神戸線東海道本線)の駅を経て阪神本線の駅を結ぶ。

路線番号 経路
11番 阪急園田(南)-聖トマス大学-若王寺-JR尼崎(北)-小田支所-阪神尼崎
12番 阪急塚口JR塚口-若王寺-JR尼崎(北)-小田支所-常光寺-阪神杭瀬
13番 阪急塚口-尾浜西口-水道局-産業高校-阪神尼崎
14番 阪急塚口-園田学園女子大学JR立花(上)-市役所-阪神出屋敷
15番 阪急武庫之荘(南)-JR立花(上)-市役所-中央公民館-産業高校-阪神尼崎

[編集] 地域線

市内各駅と周辺地域を結ぶ。一部の路線では、運転区間を一部延長したり、経由地・経路の一部を変更して運転する便があり、路線番号に「-(数字)」をつける形で分類・運行されている。

路線番号 経路
20番 JR猪名寺-田能-競馬場-阪急園田-東園田
21番 阪急園田-競馬場-園田支所-若王寺-JR塚口-阪急塚口
21-2番 戸ノ内-阪急園田-競馬場-園田支所-若王寺-JR塚口-阪急塚口
22番 阪急園田(北)-競馬場-園田支所-若王寺-尾浜-阪神尼崎
23番 戸ノ内-阪急園田-神崎-小田支所-JR尼崎(南)-阪神尼崎
※JR尼崎(南) - 阪神尼崎 間区間便あり
24番 阪急園田(南)-五反田-小田支所-JR尼崎(南)-常光寺-阪神杭瀬
30番 阪急塚口-尼崎北小学校-立花支所-JR立花(上)-南警察署西分庁舎-尼崎競艇場-リサーチコア前-武庫川
※阪急塚口 - リサーチコア前 間区間便あり
31番 阪急塚口-尼崎北小学校-立花支所-市役所-中央公民館-産業高校-阪神尼崎
40番 宮ノ北団地-常陽中学校-時友-阪急武庫之荘(北)
41番 宮ノ北団地-常陽中学校-武庫支所-阪急武庫之荘(北)
41-2番 宮ノ北団地-常陽中学校-友行西口-阪急武庫之荘(北)
43番 宮ノ北団地-常松-時友-富松城跡-阪急武庫之荘(南)-労災病院-JR立花(下)-市役所-水道局-産業高校-阪神尼崎
43-2番 武庫営業所-武庫支所-常松-時友-富松城跡-阪急武庫之荘(南)-労災病院-JR立花(下)-市役所-水道局-産業高校-阪神尼崎
45番 武庫営業所-武庫之郷-阪急武庫之荘(北)
46番 武庫営業所-西武庫-阪急武庫之荘(北)
47番 武庫営業所-西武庫-守部公園-阪急武庫之荘(南)-JR立花(上)-西消防署-大庄支所-武庫川
47-2番 武庫営業所-西武庫-守部公園-阪急武庫之荘(南)-JR立花(上)-労災病院-稲葉荘1丁目-大庄支所-武庫川
48番 阪急武庫之荘-富松城跡-立花支所-尾浜西口-スポーツセンター-JR尼崎(南)
49番 阪急武庫之荘-労災病院-JR立花(下)-市役所-阪神出屋敷
50番 JR尼崎(南)-産業高校-水道局-市役所-JR立花(下)-労災病院-稲葉荘1丁目-南警察署西分庁舎-阪神出屋敷
50-2番 阪神杭瀬-JR尼崎(南)-産業高校-水道局-市役所-JR立花(下)-労災病院-稲葉荘1丁目-南警察署西分庁舎-阪神出屋敷
51番 JR尼崎(南)-社協会館-小田南公園-阪神杭瀬
52番 JR尼崎(南)-社協会館-コスモ工業団地前-社協会館-JR尼崎(南)
60番 JR立花-南警察署西分庁舎-尼崎競艇場-リサーチコア前-鶴町-松下PDP
※JR立花は(下)発、(上)着
70番 阪神尼崎(南)-クリーンセンター第2工場
80-1番 (右回り)阪神出屋敷→高洲→中浜→八幡橋→武庫川→琴浦神社→阪神出屋敷
80-2番 (左回り)阪神出屋敷→琴浦神社→武庫川→八幡橋→中浜→高洲→阪神出屋敷
85番 阪神出屋敷-高洲-中浜-鶴町-尼崎テクノランド前-松下PDP前
90番 武庫川-尼崎スポーツの森-松下PDP前-尼崎テクノランド前

[編集] 路線網の変遷

[編集] 概要

開業当初から、主に南部の工場地帯や市の施設に向かう乗客や、市内の東西を走る鉄道路線の駅に向かう乗客の為に路線を設定していった為、全般に長距離を走行する路線が多く、循環系統や中には複雑な経路を取る路線などが多かった。また、西宮市甲子園競輪場まで運行する路線もあった。しかし、路線数が多く非効率な事や、元々狭隘な道路が多かった尼崎市内の道路の渋滞により、定時性の低下も進み、営業収支は悪化していった。

1981年4月1日に、開業以来初めてと言える、路線の整理が行われた。長距離を走る路線を分割・整理し、一部不採算路線の廃止や、複雑化した系統番号の枝番を、それまでのカタカナや漢字から数字に変更するなどの変更が行われたものの、基本的にはそれまでの路線を踏襲したものであった。

1986年7月1日に、路線網を全面的に見直し、幹線バス方式を導入した。この方式では、朝夕と昼間時では運行路線を変更し、幹線(阪急~JR(当時はまだ国鉄であった)~阪神の駅を直結)、地域線(市内各駅と住宅地や工業地帯を結ぶ)を設定し、さらに昼間は一部路線を市役所や公共施設への連絡を目的に、循環線(東部、中部、西部および厳密には循環ではない西部循環線特系統)に置き換えて運行することで、利便性の向上や定時性の確保を目指した。

系統番号は廃止され、系統表示幕には、幹線地域または循環と表示され、路線名が行先表示幕に表示される様になった。しかしながら、系統番号が無くなった事により混乱を招いた為、翌年、幹線が一桁、循環線が10番台(右回りが偶数、左回りが奇数)、地域線が20番以降という系統番号が設定された。一方で、路線名による案内も継続された。なお、この当時の方向幕は、旧年式車は前面の系統幕を別個にしていたが、一体型となった比較的新しい車両については、黒地に白文字の幕が採用された。

[編集] 1986年7月改正当時の路線一覧

幹線・地域線系統一覧

  • 【1】園田小田幹線(阪急園田~次屋・常光寺~阪神杭瀬)
  • 【2】園田本庁幹線(阪急園田~若王寺・久々知~阪神尼崎)
  • 【3】塚口小田幹線(阪急塚口~若王寺・JR尼崎~阪神尼崎)
  • 【4】塚口本庁幹線(阪急塚口~尾浜西口・水道局~阪神尼崎)
  • 【5】武庫立花幹線(武庫之荘~JR立花・水道局~阪神尼崎)
  • 【6】武庫大庄幹線(武庫之荘~労災病院・西大島~武庫川)
  • 【20】猪名寺線(阪急園田~東園田・競馬場・JR猪名寺・稲野~阪急塚口)
  • 【21】食満線(阪急園田~競馬場・上食満・若王寺~阪急塚口)
  • 【22】戸ノ内線(阪急園田~神崎橋~戸ノ内)
  • 【23】神崎線(阪急園田~神崎~JR尼崎)
  • 【24】小園線(阪急園田~次屋~JR尼崎)
  • 【30】上ノ島線(阪急塚口~上ノ島~JR立花)
  • 【40】武庫之荘線(武庫之荘~武庫東小学校~宮の北団地)
  • 【41】西昆陽線(武庫之荘~友行西口~宮の北団地)
  • 【43】西昆陽線(武庫之荘~武庫支所~宮の北団地)
  • 【44】富松線(武庫之荘~富松町1丁目~近畿中央病院)
  • 【45】武庫元町線(武庫之荘~武庫元町~武庫営業所)
  • 【46】西武庫線(武庫之荘~武庫之荘西口・西武庫~武庫営業所)
  • 【47】西武庫線(武庫之荘~南武庫之荘7丁目・西武庫~武庫営業所)
  • 【48】尾浜線(武庫之荘~上ノ島・尾浜西口・西長洲本通2丁目~JR尼崎)
  • 【49】南武庫線(武庫之荘~守部公園・労災病院~JR立花)
  • 【50】波洲線(JR尼崎~波洲橋・市役所・七松町3丁目~JR尼崎)
  • 【51・52】常光寺線(阪神杭瀬~常光寺・JR尼崎・小田支所・常光寺~阪神杭瀬)
  • 【53】東海岸町線(JR尼崎~阪神大物・初島町・東海岸町~阪神尼崎)
  • 【54】東海岸町線(阪神尼崎~東海岸町~尼崎港)
  • 【60】七松線(JR立花~市役所・西難波中~阪神尼崎)
  • 【61】西難波線(JR立花~市役所・西難波中~出屋敷)
  • 【62】稲葉荘線(JR立花~労災病院・稲葉荘2丁目・西大島・浜田車庫~出屋敷)
  • 【63】浜田線(JR立花~西難波中・浜田小学校・琴浦神社・大庄西~武庫川)
  • 【70】琴浦線(阪神尼崎~出屋敷・琴浦神社・大庄西~武庫川)
  • 【71】元浜線(阪神尼崎~出屋敷・道意・元浜~武庫川)
  • 【80】中浜線(出屋敷~高洲・中浜・大浜1丁目~第3発電所)
  • 【81】中浜線(出屋敷~高洲・中浜・鶴町・大浜1丁目~第3発電所)
  • 【82】中浜線(出屋敷~高洲・中浜~鶴町)
  • 【83】中浜線(出屋敷~高洲・中浜・大浜1丁目~神戸製鋼)
  • 【84】中浜線(出屋敷~高洲~東発電所)
  • 【90】大浜線(武庫川~大浜1丁目・神戸製鋼~第3発電所)

斜字は幹線系統(終日運行)、太字は地域線(終日運行)、細字は地域線(朝夕運行)

循環線系統一覧(おおむね10~16時30分の間運行)

  • 【10・11】東部循環線
    • 阪神尼崎~産業高校・西難波中・市役所・尼崎北小学校・阪急塚口・若王寺・上食満・競馬場・阪急園田・戸ノ内・神崎・JR尼崎・長洲本通・阪神杭瀬・阪神大物~阪神尼崎
  • 【12・13】中部循環線
    • 阪神尼崎~出屋敷・西難波中・市役所・JR立花・立花支所・塚口小学校・阪急塚口・若王寺・城の堀・潮江北口・JR尼崎・西長洲本通2丁目~阪神尼崎
  • 【14・15】西部循環線
    • 阪神尼崎~産業高校・西難波中・市役所・JR立花・裁判所・武庫之荘・富松北口・近畿中央病院・武庫東小学校・時友・武庫支所・武庫之荘・守部公園・労災病院・JR立花・市役所・西難波中・浜田小学校・琴浦神社・大庄西・武庫川・元浜・道意・出屋敷~阪神尼崎
  • 【16】西部循環線(特)
    • 阪神尼崎~産業高校・水道局・市役所・JR立花・裁判所・武庫之荘・武庫支所・宮の北団地

出入庫系統一覧

  • 【2】園田本庁幹線(阪急園田~小園小学校~交通局)
  • 【4】武庫立花幹線(武庫之荘~尼崎インターチェンジ~交通局)
  • 【21】食満線(阪急園田~園田支所~交通局)
  • 幹線には、直通客のために急行便を設定した。但し、通過となるバス停を利用する乗客からの苦情や誤乗が多く、また急行便に使用される車両についても、方向幕幅の問題で循環線への使用が難しかった非冷房の旧年式車が多用された為、不評だった。
  • 路線網が急激に変わったためか、利用者の多くを占める高齢者からは分かりにくいとの意見も多く、乗車時にはいちいち運転手に行き先を確認している姿も見られた。また、直通しなくなった区間に乗車する乗客から苦情が出た事から、救済策として全線一日乗車券が発売された。
  • 1988年4月に路線網の見直しが行われ、短距離の地域線は2路線を繋いで直通化したほか、非常に長距離を走行しており、頻繁に遅れが発生していた東部及び西部循環線を一部分割する形で、新たに南部循環線の運行を開始した。また、幹線の急行は利用者が少なかった為、昼間時の運行を中止し、代わって朝夕に通勤急行として、幹線区間は急行運転して地域線に直通する系統を新設した。方向幕は年式に関わらず白地に黒文字に統一された。また、後面幕にも系統番号を入れるようになった。
  • 1990年4月1日にも、一部路線の見直しを行った。
  • 1993年10月5日にさらに見直しが行われ、西部や南部循環線の区間短縮などが行われた。また、西部循環線特系統が1系統追加された。
  • 1998年1月14日に、幹線・地域線の考えを残しながら朝夕の系統を一本化して、評判の悪かった循環線を廃止して路線系統を単純化し、現行の路線網とほぼ同じ姿が出来上がった。方向幕は前面にローマ字を入れて案内、駅前停留所はすべて社名+駅名という形に統一した(出屋敷→阪神出屋敷、JR立花駅→JR立花など)。
    • 系統番号は、従前の方式を残しながらも、幹線は10番台に変更し、一桁台の系統番号がなくなった。路線名での案内や、通勤急行バスの運転も取りやめとなった。
    • 阪神・淡路大震災の教訓から、幹線道路中心ではなく、定時運行を確保できるルートをメインに路線を設定。無線の配備や長距離路線の見直しによりダイヤの乱れに対処。
    • 車両も見直しによって15台の減車となった。これは最盛期に比べ40台以上の減少となった。
    • 以後は、JR尼崎駅北口ロータリーの完成による乗り入れ開始や、南部の工業地帯への系統の見直し(60番の新設、85・90番の松下PDP前への延伸など)が行われている。また、2006年4月1日に、「西警察署」が「南警察署西分庁舎」になる(尼崎西署が尼崎中央署に統合されて尼崎南署になったため)など5箇所の停留所名を改めた。
    • 最新は2006年8月1日の部分変更(のじぎく兵庫国体の会場の1つである尼崎の森中央緑地スポーツ健康増進施設(通称:尼崎スポーツの森)付近ほかに停留所を新設し、90番を会場へのアクセス路線とする経由地変更を実施、60番の始発をJR立花(下)に変更=到着は同(上))である。また2006年10月28日には「武庫川町3丁目」停の西行き停留所が新設された(路線網の変更はない)。なお同日には、同年10月21日のJR西日本のダイヤ改正および同年10月28日の阪急電鉄・阪神電気鉄道のダイヤ改正に対応したダイヤの変更も行われている。

[編集] 車両

開業当初は電気バス(通称「亀の子」)が採用された。試運転用として徳島市交通局より借用した電気バスのほか、最盛期には11台が在籍していたが、燃料事情の好転により、1952年(昭和27年)にディーゼル車またはガソリン車に置き換えられた。また、フォード製のガソリン車(戦前製の中古車)も在籍していたが、こちらは市会議員の巡察用車として使用されていた。

1949年(昭和24年)にはディーゼル車が購入され、1954年(昭和29年)にはワンマンカーを導入した。これらは全国的にも早い時期の導入であった。またこの年から、購入車は全てディーゼル車となり、リアエンジン車も購入される様になった。一方、ボンネット車1960年(昭和35年)を最後に購入されなくなった。

1968年(昭和43年)からはワンマン専用車中心の購入となり、1970年(昭和45年)からはワンマン専用車のみ購入される様になった。さらに1971年(昭和46年)には、従来の灰色&濃紺に朱色(ワンマン専用車は白色)の帯を巻いたデザインから、クリーム色の車体に小豆色の帯を巻いたデザインに変更され、ワンマン専用車の全車と、ワンツーマン車の一部も新塗装に塗り替えられた。なお、灰色基調の旧塗装車は、1981年(昭和56年)3月を最後に姿を消した。

1986年(昭和60年度末)から、「虹バス」と呼ばれる虹をイメージしたデザインを採用した。現在在籍する車両は、原則としてすべてこのデザインである。なお、クリーム色基調の旧塗装からの塗り替え車は存在しない。

1998年ノンステップバスを導入開始した。バリアフリー化に積極的であり、他の事業者よりも比較的早い段階で全車両を将来的にノンステップバスへと切り替えることを決定・発表した。以降、車両更新の際はすべてノンステップバスを投入している。2009年春には全車が置き換えられる予定である。

2004年には経費節減の目的で当時在籍していたすべての車両の方向幕LEDを用いた電光式表示機に一斉に変更した。以降、投入されたノンステップバスも同様の仕様となっている。

シャーシメーカーは、開業当初の電気バスは市内の工場にて製造された車両であったが、以後はいすゞ自動車製か三菱ふそう製が中心で、ごく少数の日野自動車製バスが在籍していた(ガソリン車時代には、日産車も在籍していた)。1984年(昭和58年度)になって、初めて日産ディーゼル工業製の車両が購入され、1986年(昭和60年度)には日野自動車製のバスも再度購入されるようになったことで、以後大型4メーカーが揃う様になった。但し、年度毎に入札で単一もしくは2車種程度に統一されるため、車種によって平均車齢には差があり、在籍台数にも差がある。また車体は、シャーシメーカーに関係なく、西日本車体工業製のみ採用されていた時期があったが、現在はシャーシメーカー毎に別々の車体を採用している(日デ車は観光バスで富士重工業製の実績があるが路線車は西工製のみ)。

車両には交通局独自の社番が付与されている。当初は車種によって分けられており、電気バスは"E-XX"、ガソリン車は"G-xx"、ボンネット車は"B-xxx"(のちDF)、リアエンジン車は"DR-xxx"、アンダフロアエンジン車は"DU-xxx"とされていたが、1965年(昭和40年)の"兵2あ"から"神戸2き"への割り当てナンバー切り替え時に"A-xxx"に統一され、在来車も変更された。さらに1985年(昭和59年度末)の購入車からは、ハイフンの前に購入年度を書く様になり、10-177といった形で表記される様になった。

また、ハイフンの後の3桁は車種別の番号となっており、100番台=三菱ふそう、500番台=いすゞ自動車、700番台=日産ディーゼル工業、800番台=日野自動車製を割り当てている。これらは、1968年(昭和43年)に購入されたワンマン専用車より採用され、現在まで継続使用されている(下2桁42、49、79、99、00は欠番)。なお、1985年~1987年(昭和59~61年度末)購入の中型車は、ハイフンの後が2桁となり、01~が三菱ふそう、51~が日野に割り当てられていた。

なお、1983年(昭和58年)に購入されたいすゞ製のバス(K-CLM470改)のみ、"A-600"台を使用していたが、これは当時"A-5xx"番台の社番を持つ旧年式車が在籍しており、そのままだと番号が重複してしまう為にとられた措置であった。また、1986年~1987年(昭和60~61年末)購入車は、当初、60-01~というように、車種に関係なく年度の後は登録順に01から付番されていたが、1988年に現行の番号体系に改番されている(中型車は上記の割当番号に変更)。

尼崎交通事業振興の委託車両については、前面社番の脇に赤い丸囲みの「A」の印を入れて区別している。

貸切車は、尼崎競艇場および園田競馬場観客輸送に従事する路線バスからの転用車(路線車が乗合と表記されている箇所に「貸切」のプレートを貼付)と、尼崎交通事業振興が所有する観光バスがある。観光バスは、元々尼崎市交通局の所有であり、各車愛称を付けられ(社番は無し)、一般貸切にも使用されていたが、現在では老人研修バスとして用途を限定している。

[編集] 運賃など

注意:最新の情報は、事業者に問い合わせてください。

運賃は、関西の事業者では非常に珍しい、乗車時に支払う方式(前乗り後降り 先払い)である(隣市である伊丹市営バスと同じく)。同じ市内を走る阪急バス阪神電鉄バスなどは後乗り前降り 後払いである。
  • 普通乗車料(運賃)
    1回乗車 大人200円、小児(小学生以下)100円。なお、保護者の同伴する1歳以上6歳未満の小児は、同伴の保護者1名につき小児1名分が無料、1歳未満の小児は無料となる。
  • 全線1日乗車券
    市バス全線に発売日のみ何回でも乗降できる。車内で発行。大人500円、小児250円。
  • 定期券
    全線に乗車できる。
    • 通勤定期
      持参人式。土・日曜日、祝日などに限り、環境定期券として、同伴の家族が大人100円・小児50円で利用可能。
    • 通学定期
      記名式。
    • 寿定期(ことぶきていき)
      65歳以上の高齢者が購入可能な定期券。記名式。
    • 鉄道連絡定期(JR西日本、阪急電鉄、阪神電鉄の駅で発行)
  • 回数券・回数カード
    • 普通回数カード・券
    • 昼間時間帯特別回数カード・券(ひまわりカード、取り扱い便は時刻表およびバス前面に表示)
    • 阪急バスとの共通回数券(市バス全線と市内を走る阪急バスに利用可能)
  • 乗継割引 回数カード利用時のみ有効。スルッとKANSAI各種カードでは適用されない。
  • 特別乗車証(健康福祉局福祉課扱い)
    市内に1年以上在住の70歳以上の高齢者、または身体知的精神障害の各種手帳および被爆者手帳を持つ市民は、申請をすれば自己負担なしで市バスを利用できる特別乗車証が交付される。

[編集] マスコットキャラクター「あまっこ」

2003年(平成15年)に登場。名前は一般公開募集で決定。由来は尼崎に住んでいる子供の事を『尼っ子』と呼んでいた事と尼崎市交通局の略称で『尼交(あまこう)』から来ている。キャラクターはハート型の頭をした可愛い女の子。一部車両には車体にラッピングされるほか、座席の表地にも採用されている。

[編集] あまっこガイド

運行情報案内機(阪急武庫之荘4のりば)
運行情報案内機(阪急武庫之荘4のりば)

2006年3月25日から運用が開始された運行情報案内システムであり、停留所に設置された案内機や携帯電話・パソコンなどの端末に対して最新の運行情報や緊急情報などを提供するものである。

停留所に設置されている案内機はLEDを用いた上下2段式の表示機で、通常は上段に次に到着するバス(もしくは停車中のバス)の路線番号・経由地・行き先・バスの到着/発車までの時間の予測などの情報が表示される。下段にはイベントに起因する迂回など運行に関連する臨時情報や、次発のバスの発車予定(予定時刻が先発と近接している場合のみ)などの情報が表示される。

携帯電話・パソコンなどの端末からは、利用区間や個別の停留所名などを用いて情報の検索を行うことが可能であり、停留所の時刻表に掲載された時刻と実際にバスがその停留所へと到着する予測時刻双方の情報が提供される。また、車種(ノンステップバス/ラッピングバスなど)の情報も同時に提供されている。

[編集] 案内機が設置された停留所一覧

2006年3月25日現在

案内機は主要な鉄道駅の停留所に設置されている。幹線道路を運行するなど主にダイヤの乱れが懸念される路線が発着するのりばにのみ設置されている。

  • 阪急武庫之荘
    • 2のりば/4のりば
  • 阪急塚口
    • 2のりば
  • 阪急園田
    • 1のりば/2のりば
  • JR立花
    • 1のりば/2のりば/3のりば/4のりば
  • JR尼崎
    • 1のりば/2のりば/4のりば/5のりば
  • 阪神尼崎
    • 2のりば/3のりば

[編集] 参考文献

  • 『市営バス30年のあゆみ』 1978 尼崎市交通局

[編集] 外部リンク


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