室蘭市
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室蘭市(むろらんし)は、北海道の南西部に位置する市。胆振支庁の支庁所在地である。
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[編集] 概要
天然の良港を活かし、鉄鋼業(新日本製鐵や日本製鋼所の企業城下町で、よく「鉄のまち室蘭」と称されてきた)を中心に、造船、石炭の積み出し、石油精製などで発展した、北海道を代表する重化学工業都市である。胆振支庁の支庁所在地であるが、人口や経済規模では苫小牧市に次ぎ支庁管内2位。室蘭の名前の由来は、アイヌ語のモ・ルエラニ「小さな坂道の下りたところ」の意による。明治期の呼称はモルラン。
面積が狭いため人口密度が「1,225.82人/km²(2006年8月1日現在)」と北海道では札幌市の「1,666.51人/km²(同)」に次いで2番目に高い。かつては20万近くを有する都市であり、人口密度も北海道で最も高かったが、基幹産業ともいうべき新日本製鐵や日本製鋼所等での大規模な合理化のほか、登別市や伊達市など地価の安い周辺都市[1]や、より札幌や新千歳空港に近く平地の多い苫小牧市での大規模開発などに押され、人口は1970年代後半以降減少が続き、1980年には苫小牧市に抜かれ、2005年の国勢調査では58年ぶりに10万人を下回った。
[編集] 地理
太平洋と内浦湾(噴火湾)の境に突き出した絵鞆半島を中心に市域が広がっており、三方を海に囲まれた地形。南端のチキウ岬(地球岬)からは広く水平線を臨むことができる。絵鞆半島に抱き込まれた形の室蘭港は天然の良港をなす。半島付け根の砂州と室蘭港に面した埋立地に平地があるが、市域の大部分は山がちであり、市街地の多くは沢に沿って形成されている。
- 山: 鷲別岳(室蘭岳 911.0m)、天神山(211.9m)、測量山(199.6m)、ぼんず山(通称:増市町2丁目ローソク岩横の崖山154m)、楽山(82.9m)、母恋富士(141m)
- 河川: 鷲別川、知利別川、チマイベツ川
- 岬: チキウ岬(地球岬)、鷲別岬、イタンキ岬、トッカリショ岬、ポンチキウ、絵鞆岬
- 海水浴場: イタンキ浜(「鳴り砂」で知られる)、電信浜
- 島: 大黒島、恵比須島
[編集] 歴史
- 1854年(安政元年) - 米国ペリー艦隊が絵鞆に入港、港内を測量する
- 1872年(明治5年)6月 - 室蘭港が開港する
- 1891年(明治24年)11月 - 大黒島灯台に点火
- 1891年(明治24年)11月 - 丸井今井室蘭店が開店
- 1892年(明治25年)7月 - 室蘭~岩見沢間、鉄道での石炭積み出し始まる
- 1900年(明治33年)7月 - 室蘭町となる(人口5,461人)
- 1907年(明治40年) - 日本製鋼所室蘭製作所が操業開始
- 1909年(明治42年) - 北炭輪西製鐵場(現新日本製鐵室蘭製鐵所)が操業開始
- 1918年(大正7年) - 室蘭区となる
- 1922年(大正11年)8月1日 - 市制施行、室蘭市(人口52,158人)
- 1939年(昭和14年)5月 - 官立室蘭高等工業学校(現室蘭工業大学)が開校
- 1942年(昭和17年)2月21日 - NHK室蘭放送局開局
- 1954年(昭和29年)6月 - 日鋼争議が起こる
- 1961年(昭和36年)4月 - 富士製鉄(現新日本製鐵室蘭製鐵所)に日本最大の4号高炉完成
- 1965年(昭和40年)4月 - 室蘭港が特定重要港湾の指定を受ける
- 1965年(昭和40年)5月23日 - タンカー「ヘイムバード号」桟橋衝突炎上事故が発生[2]。原油を積載したヘイムバードが操船ミスにより日本石油精製(当時)室蘭製油所の桟橋に衝突炎上、6月18日に鎮火するまで27日間に渡って燃え続け、10名の犠牲者を出した。付近の住民にも一時避難命令が出された。
- 1972年(昭和47年)8月 - 開港100年・市制施行50年記念式典が行われる
- 1973年(昭和48年)11月15日 - 全国新幹線鉄道整備法に基づく基本計画により、室蘭市が北海道南回り新幹線の経由地となる。
- 1980年(昭和55年)6月 - 室蘭新道竣工及び白鳥新道事業化
- 1982年(昭和55年)10月 - 第13回国勢調査において苫小牧市の人口が初めて室蘭市を上回る
- 1981年(昭和56年)4月15日 - 丸井今井室蘭店が東室蘭に移転。長崎屋室蘭中央店、室蘭ファミリーデパート桐屋(現・ポスフール室蘭店)が同時オープン
- 1985年(昭和60年)9月 - 白鳥大橋工事着工
- 北海道の自然100選で地球岬周辺が得票数第1位を獲得
- 1993年(平成5年)2月 - テレビ北海道(TVh)室蘭送信所開局
- 1997年(平成9年)6月 - 市立室蘭総合病院、改築・移転
- 1998年(平成10年)4月 - 白鳥大橋が開通
- 2000年(平成12年) - 弥生ショッピングセンターがオープン
- 2005年(平成17年) - 10月 第18回国勢調査において、58年ぶりに人口が10万人を割り込む(最盛期の人口は昭和44年の183,605人:住民基本台帳人口)
- 2007年(平成19年)4月 - MORUE中島がオープン
- 2007年(平成19年)10月1日 - NHK室蘭放送局と道内民放5局(北海道放送(HBC)、札幌テレビ放送(STV)、北海道テレビ放送(HTB)、北海道文化放送(uhb)、TVh)の室蘭局が地上デジタル放送を開始。また、同時にNHK函館放送局の渡島デジタル中継局も測量山に開局。
- 2007年(平成19年)11月1日 - 日本製鋼所の創業100周年を記念する式典が室蘭プリンスホテルにて執り行われる。
[編集] 行政
市長は新宮正志。(1995年〜、4期目) 日本共産党を除く、自民党・公明党・民主党・社民党の支持で2007年も任天堂出身の35歳川畑悟を破って4選。
[編集] 行政機関
- 北海道立栽培水産試験場
- 北海道立函館水産試験場室蘭支場
[編集] 経済
[編集] 産業
- 造船業
- 楢崎造船
- 函館どつく室蘭製作所
[編集] 港湾・漁港
- 室蘭港(特定重要港湾)
- 北海道内全体の取り扱い貨物量の17.3%を占めており道内2位(3927t、2003年速報値)の規模を誇る港である。防波堤等で囲まれる被覆内港湾面積は1,409haで国内5位、岸壁数は北海道内の港湾最多の109バースを有している。特定重要港湾の指定を受けているほか、静脈物流拠点港(リサイクルポート)の機能を持つ。浮体式防災施設(広域防災フロート)を有し、内浦湾(噴火湾)全体の防災拠点港としての役割を果たしている。
- 追直漁港(第3種漁港)
- 絵鞆半島外側にあり、漁船やプレジャーボートの拠点となっているほか、ホタテ貝などの増養殖漁業も行われている。港内に多目的人工島を建設する「Mランド計画」が進められている。
[編集] 郵便
- 室蘭郵便局(日本郵便室蘭支店併設)
- 東室蘭郵便局(日本郵便東室蘭支店併設)
[編集] 姉妹都市・友好都市・交流都市
[編集] 教育
[編集] 大学・短期大学
- 室蘭工業大学 HP
- 文化女子大学室蘭短期大学 HP(2009年3月閉校予定)
[編集] 高等学校
[編集] 道立
- 北海道室蘭栄高等学校 HP
- 北海道室蘭清水丘高等学校 HP
- 北海道室蘭東翔高等学校 HP(2006年4月開校。北海道室蘭東高等学校と北海道室蘭商業高等学校との合併校。)
- 北海道室蘭工業高等学校 HP
[編集] 私立
※いずれも男女共学
[編集] その他
[編集] 通信
- 市外局番は0143。
[編集] 交通
[編集] 鉄道
[編集] バス
[編集] 道路
- 道央自動車道
- 国道36号
- 国道37号
- 都道府県道
- 北海道道107号室蘭環状線
- 北海道道127号室蘭インター線
- 北海道道699号室蘭港線
- 北海道道704号崎守停車場線
- 北海道道782号上登別室蘭線
- 北海道道844号祝津西小路中央線
- 北海道道919号中央東線(観光道路)
- 北海道道1081号東室蘭停車場線
- 道の駅
[編集] 船舶
[編集] 名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
[編集] 文化財
- 本輪西遺跡 - 当遺跡から出土した土偶(東京国立博物館蔵)は国の重要文化財に指定(室蘭市民俗資料館にレプリカがある)。
- 室蘭市旧室蘭駅舎(国の登録有形文化財)
- 東蝦夷地南部藩陣屋跡モロラン陣屋跡(国の史跡)
[編集] 名所・観光スポット
[編集] 施設
- 市立室蘭水族館
- 白鳥大橋記念館(道の駅「みたら室蘭」) HP
- 旧室蘭駅舎(現在は室蘭観光協会が入居) 観光協会のHP
- 室蘭市青少年科学館 HP
- 市立室蘭図書館
- 室蘭市民俗資料館「とんてん館」
- 高野山大正寺(北海道三十三観音霊場33番札所)
- 室蘭市入江運動公園
- むろらん温泉「ゆらら」
- 楽々温泉
[編集] 祭り
- 測量山山開き大会(5月)
- シャンシャン共和国建国祭(6月)
- イタンキ浜海水浴場開き(7月)
- むろらん港まつり(7月)
- イタンキサマーフェスティバル(8月)
- 裸みこし(8月)
- スワンフェスタ(9月)
- 市民大運動会(9月)
- 室蘭さかなの港町同窓会(10月)
- むろらん夢キャンドル(12月) HP
- 白鳥大橋カウントダウン(12月) HP
- むろらん冬まつり(2月)
- 室蘭ジャズクルーズ HP
- シーサイドフェア
[編集] 名物
- 「やきとり」という名前であるが、鶏肉ではなく、豚肉とタマネギを串に刺し、たれで焼き、洋からしを付けて食べるこの地方独特のもの。全国やきとり連絡協議会に参加し、全国「七大やきとりの街」の一つとしてPRしており、ふるさと小包にもなっている。
- 室蘭のラーメン店では昔からカレーラーメンがあり(約20年前)この度、やきとりに次ぐ第二の町の代表食として売り出す計画を現在進行中である。
- 味付うずら卵(こりゃ~玉らん)
- 北海道の生産シェア100%を誇る「室蘭うずら園」のうずら卵を使用。ふるさと小包にもなっている。
- ボルトやナットなどをハンダ付けして作られた体長5cmほどの小さな人形。正式名称はムロランワニシボルトマン。
[編集] その他
- 旧室蘭ファミリーデパート桐屋
- 旧ぎんやデパート
[編集] メディア
[編集] 新聞
[編集] テレビ
※各局とも送信(中継)場所は測量山にある。アナログ放送の送信施設は各局個別にあるが、デジタル放送の送信施設は、HBC、STV、HTB、UHBについては共同で建設される施設からの送信(中継)となる。
[編集] インターネットラジオ
- ラジオぼこいふじ HP
[編集] フリーペーパー
[編集] 出身有名人
★印は「室蘭ふるさと大使」任命者。 室蘭ふるさと大使一覧
[編集] 政治家
[編集] 文化人
- 我妻緑巣(書道家、北海道書道連盟理事長)
- いがらしゆみこ(漫画家、旭川市生まれだが、幼少期の大部分を室蘭市で過ごす)
- 石村博子(ノンフィクション作家)
- 岩泉舞(漫画家)
- 大村友樹(演奏家、東京シティフィルハーモニック管弦楽団フルート奏者)
- 沖藤典子(ノンフィクション作家)
- 織田淳太郎(ノンフィクション作家)
- 掛川源一郎(写真家)
- 今野雄二(映画評論家)
- 篠原勝之(ゲージツ家)
- 田中直樹(デザイナー、島牧村生まれだが、専修学校卒業まで室蘭市で過ごす)
- 高橋美鈴(NHKアナウンサー)
- 高松雄一(英文学者)
- 土田英介(作曲家)★
- 寺尾五郎(歴史学者、評論家)
- 富盛菊枝(児童文学者)
- 長嶋有(芥川賞作家)
- 中村睦男(憲法学者・北海道大学学長)
- 堀伸浩(NHKアナウンサー)
- 久田恵(ノンフィクションライター・ジャーナリスト・エッセイスト)★
- 平口広美(漫画家、ビデオ監督)
- 三浦清宏(芥川賞作家)
- 森征一(法学者)
- 八木義徳(芥川賞作家)
- 安田史生(作曲家、Ruppina、安田顕の実兄)
- 山本義幸(東北放送アナウンサー)
- 吉田ルイ子(フォトジャーナリスト)★
[編集] スポーツ選手
- 上野秀章(サッカー選手)
- 飯塚高史(プロレスラー、新日本プロレス)
- 大岩真由美(サッカー審判員)
- 賀谷英司(元サッカー選手)
- 北葉山英俊(大相撲元大関、のち枝川親方)
- 京谷和幸(車椅子バスケット)★
- 財前宣之(サッカー選手)
- 佐々木みき(バレーボール選手)
- 佐藤尽(サッカー選手)
- 城彰二(サッカー選手)
- 菅原智(サッカー選手)
- 貴ノ花健士(大相撲元大関、のち二子山親方)
- 野田知(サッカー選手)★
- 双津竜順一(大相撲元小結、のち時津風親方)
- 北天佑勝彦(大相撲元大関、のち二十山親方)
- 堀井学(元スピードスケート選手、北海道議会議員)★
- 阿部哲也(元サッカー選手)
- 石川武(バスケットボール指導者)
- 石川晃(元プロ野球選手、北海道日本ハムファイターズスカウト)
[編集] 芸能人
- 安倍なつみ(歌手、元モーニング娘。)
- 安倍麻美(タレント、安倍なつみの妹)
- 飯田圭織(歌手、元モーニング娘。生まれは室蘭だが、育ちは札幌である。)
- 近江谷太朗(俳優)
- 大谷雅恵(歌手、メロン記念日生まれが宮崎であり、室蘭は育ちの場である。)
- ササブチヒロシ(Plastic Treeドラム)
- 清水まゆみ(女優)
- 城卓矢(歌手)
- 立野至美(ソプラノ歌手)★
- 田部京子(ピアニスト)
- はかまだ雪絵(演歌歌手)
- hiro:n(歌手)
- 松田園子(モデル)
- 美香(モデル)
- 安田顕(タレント、TEAM-NACS)★
- 夢輝のあ(元宝塚歌劇団星組男役)
- トップリード(お笑い芸人)
[編集] その他
[編集] 外部リンク
[編集] 役所
[編集] その他
[編集] 脚注
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白老郡 | 白老町 |
勇払郡 | 厚真町 | 安平町 | むかわ町 |