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円周率の歴史 - Wikipedia

円周率の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

数学定数 > 円周率 > 円周率の歴史

本記事は、円周率の歴史(えんしゅうりつのれきし)について詳述する。


円周率 π は無理数なので小数で表現すると無限に長い数値になる。その長い表現は何千年にも渡り、世界中で計算されてきた。

ほとんどの目的には 3.14 や227の近似値を使い、これで十分である。技術系では 3.1416 や 3.14159 などを使用することが多い。天気予報人工衛星などの計算では 30 桁程度の値を使用している。355113などは覚えやすく精度が高い分数である。

目次

[編集] 正多角形による評価の時代

紀元前2000年ごろ
1936年スーサで発見された粘土板などから、古代バビロニアでは、正六角形の周と円周を比べ、円周率の近似値として 3, 3+17 ≒ 3.142857 , 3+18 = 3.125 などが使われたと考えられている。
紀元前1650年ごろ
古代エジプトでは円周と直径の比から得られる値と、円の面積と半径の平方の比から得られる値が同じであることは知られていた。神官アハメスが書き残したリンド・パピルスには円積問題の古典的な解法の一つが記されており円の直径からその19を引いた長さを一辺とする正方形の面積と、元の円の面積が等しいとしている。この計算から円周率を計算すると、25681 ≒ 3.1605 が円周率の近似値として得られる。かなり精度が高かったものの普及はしなかった。リンド・パピルスはアハメスによって写されたものであり、内容自体はさらに紀元前1800年ごろにまで遡ると考えられている。
紀元前5世紀ごろ
アナクサゴラスが、アポロンへの不敬罪で投獄されている間に、円積問題に取り組んだ。
ヘラクレアのアンティフォン(Antiphon)は円に内接する正多角形の面積を求めることにより円周率を計算する方法を編み出した。アンティフォンは、それぞれの正多角形から正方形が作図できることから、円積問題が解決できると主張した。
すぐに同じヘラクレアのブリソン(Bryson)が、外接する正多角形の面積をも求めて内側と外側の両方から円の面積を評価し近似値を得た。
紀元前3世紀
アルキメデスは円周と直径の比と円の面積と半径の平方の比が同じであることを証明した。さらに円に外接、内接するそれぞれの正 3×2n 角形の辺の長さを pn, qn としたとき、漸化式
{2 \over p_{n+1}} = {1 \over p_n} + {1 \over q_n}
qn+12 = pn+1 qn
が成り立つことを示し、n = 1 から n = 5 まで計算することにより22371 < π < 227を求めた。小数だと 3.14084 < π < 3.14286 になる。
1世紀
ローマ帝国の著名な建築家ウィトルウィウスは、258を使った。8 で割り切れたほうが建築には便利だったためである。小数だと 3.125 になる。
2世紀
天文学者プトレマイオス377120を使った。小数だと約 3.1417 である。
後漢太史令だった張衡は、円に外接する正方形の周と円周を比べ、円周率を√10とした。約 3.162 になる。
3世紀
王蕃14245を用いた。約3.155である。
263年
の劉徽は『九章算術』の注釈のなかで、ブリソンと同様の方法を用い 3.14+6462500 < π < 3.14+16962500であることを示している。小数では 3.141024 < π < 3.142704 となる。さらに正3072角形を用いて、3.1416という近似値も得た。
5世紀
7世紀に編纂された隋書律暦志(外部リンク)によると、天文学者の祖沖之(そちゅうし)は、当時としては非常に正確な評価 3.1415926 < π < 3.1415927 を示した。ヨーロッパでこれほど正確な評価を得るには、16世紀まで待たねばならない。さらに、分数での近似値 227(約3.143)と 355113(約3.1415929)を与えている。正確な方法は伝わっていないが、九章算術の方法を踏襲したと推測するならば、上記の結果を得るには少なくとも円に内接する正24576角形の辺の長さを計算しなければならない。なお、隋書では現代と同じ「圓周率」という語が用いられている。祖沖之の息子の祖暅(そこう)は、父とともに球の体積の計算方法を導き出したことで知られる。
530年頃
インドのアールヤバタは、円に内接する正 n 角形と正 2n 角形の周の長さの間に成り立つ関係式を求め、正384角形の周の長さから√9.8684(≒3.1414)と求めた。この平方根の近似値として39271250(=3.1416)を与えた。
650年頃
インドのブラーマグプタは、正12角形、正24角形、正48角形、正96角形の周の長さから、n が大きくなるにつれ正2n×3角形の周の長さは√10に近づくとし、これを円周率とした。
1220年
イタリアのフィボナッチが円周率を864275と計算した。これは、約 3.1418 である。
1400年
インドのマーダヴァが無限級数
{\pi \over 4} =  \sum_{n=0}^{\infin} \frac{(-1)^n}{2n+1} = 1 - \frac{1}{3} + \frac{1}{5} - \frac{1}{7} + \frac{1}{9} - \cdots
を得る。
1579年
フランソワ・ビエタが円に内接・外接する正393216角形の周の長さから 3.1415926535 < π < 3.1415926537 という評価をした。ビエタはさらに、無限乗積
x_1 = \sqrt{1 \over 2}, x_{n+1} = \sqrt{(1+x_n) \over 2}
{2 \over \pi} = \prod_{n=1}^\infty x_n
を示し π の計算を試みた。
1585年
オランダのアドリアン・アンソニスが 333106 < π < 377120 と評価し、両端の平均に近い値として 355113 を得た。これは、約 3.14159292 である。
1596年 - 1610年
ドイツの数学者ルドルフ・ファン・コイレンは、正32212254720 (=60×229) 角形の辺の長さを計算し、35桁目まで π の正しい値を計算した。この計算はコイレンの生涯をかけた計算であり、コイレン自身これを大変誇りとし、墓標にこの値を刻ませた。墓標はその後失われ、碑銘のみが伝わっている。ドイツでは彼の名にちなんで円周率をルドルフ数 (Ludolphische Zahl) と呼んでいる。
1663年
村松茂清が『算俎』を著し、円に内接する正2n角形(2≤n≤15)の辺の長さから π ≒ 3.1415 92648 77769 88692 48とし、小数点以下7桁まで正しい。コイレンなどの計算には遠く及ばないものの、中国などを通じて入ってくる算書に頼り切ってきた和算と違い、はじめて数学的な方法で円周率を計算し発表した和算家が村松である。

コイレンの時代までで、正多角形の辺を増やすだけの力ずくの計算の時代は終わり、評価式の本質的な改良が行われるようになっていく。17世紀は多くの評価式が生まれ、コイレンの生涯をかけた 35桁までの計算も非常に簡単に求められるようになる。

[編集] 計算式の改良の時代

1621年
オランダのウィレブロード・スネル・スネリウスが、円周の長さの評価式を与える。
{3 \sin\theta \over 2 +\cos\theta} < \theta < {2\sin\theta +\tan\theta \over 3}
この式と円に内接・外接する正六角形から 3.14022 < π < 3.14160 と評価した。この式の証明はホイヘンスによって与えられ、さらにホイヘンスによって改良された結果、正六角形を用いただけで 3.1415926533 < π < 3.1415926538 と評価できるまでになった。
1655年
イギリスのウォリスは無限乗積
{\pi \over 2} = \prod_{n=1}^\infty {(2n)^2 \over (2n-1)(2n+1)}
を示した。ビエタの公式のように根号が無いため計算はしやすいが、収束はとても遅い。
同じくイギリスのブラウンカーが、連分数を用いた公式
 {4 \over \pi} = 1 + \cfrac{1^2}{2 + \cfrac{3^2}{2 + \cfrac{\cdots}{\cdots + \cfrac{\left(2n-1\right)^2}{2+\cdots}}}}
を示した。
1665年
イギリスの政治哲学者ホッブズ円積問題の解を公表し、ウォリスとの間で論争になる。ホッブズは死ぬまで厳密解と近似解の違いを理解できずに論争を続けた。
1671年
スコットランドのグレゴリにより、グレゴリ級数
\arctan(x) =  \sum_{n=0}^{\infin} \frac{(-1)^n}{2n+1} x^{2n+1} = x - \frac{1}{3}x^3 + \frac{1}{5}x^5 - \frac{1}{7}x^7 + \frac{1}{9}x^9 - \cdots
が発見される。これとは独立に1674年ライプニッツも同じ発見をしており、グレゴリ・ライプニッツ級数とも呼ばれる。ライプニッツは x = 1 を代入し マーダヴァと同じ無限級数を得た。
1699年
イギリス人のシャープがグレゴリ・ライプニッツ級数に x = 1√3 を入れ、π を 72桁まで求めた。
1706年
イギリスのジョン・マチンがマチンの公式
 4 \arctan \left( \frac{1}{5} \right) - \arctan \left( \frac{1}{239} \right) = \frac{\pi}{4}
を発見する。さらに、この関係式にグレゴリ・ライプニッツ級数を用いて 100桁までの円周率を求めた。
ウィリアム・ジョーンズが初めて π を円周率の意味で用いた。1748年オイラーも同じ記法を用いたことで円周率を π と表記することが広まった。
1719年
フランスのトーマス・ラグニーが、シャープの方法で 127桁まで計算を行う。
1761年
ドイツのランベルトによって π が有理数でないことが証明される。
1722年
建部賢弘が『綴術算経』を著し、正1024角形を用いて42桁まで求めた。
18世紀中頃
オイラーによって、多くの π に関する式が発見される。オイラーは
 5 \arctan \left( \frac{1}{7} \right) + 2 \arctan \left( \frac{3}{79} \right) = \frac{\pi}{4}
を用いて、 たった1時間で円周率を20桁まで計算した。
1775年
フランスの科学アカデミーが、ギリシアの三大作図問題永久機関についての論文審査を拒否する決議をした。
1789年
スロベニアの数学者ユリー・ベガは、マチンの公式を用いて 140桁まで値を求め、137桁目までが正しかった。この記録はその後50年破られることがなかった。
1794年
ルジャンドルによって π は有理数の平方根にならないことが証明される。
1850年頃 - 1873年
イギリスのウィリアム・ラザフォードとその弟子のウィリアム・シャンクスがマチンの公式を用いて桁数の記録を塗り替えて行った。1852年にラザフォードが441桁、シャンクスが530桁まで計算し、441桁までは両者の計算が一致していることでその計算の正しさを確認できた。しかし、arctan(15) が530桁目までしか正しくなく、シャンクスの計算で正しかったのは、小数点以下527桁目までであった。その後、シャンクスは1872年に707桁まで達したが、この誤りが最後までつきまとった。
1882年
リンデマンによって π が代数的数でないことが証明される。これにより π の超越性が証明され、円積問題も否定的に解決した。
1897年
アメリカ合衆国インディアナ州の下院で医者のエドウィン・グッドウィンによる円積問題解決方法を盛り込んだ議案264号が満場一致で通過した。グッドウィンの方法から得られる値は π = 3.1604, 3.2, 3.232, 4 であり、このうち 4 については公式に認められた最も不正確な円周率の値としてギネスブックに記載された。この法案は各審議会を通過していき上院に承認を求める段階にまで達した。しかし世論の批判にあい2月12日に上院によって議論の無期限延期が決められ、法案成立目前で却下された。

詳細はインディアナ州円周率法案を参照

1910年
ラマヌジャンによって、無限級数表示
 \frac{1}{\pi} = \frac{2\sqrt{2}}{9801} \sum^\infty_{k=0} \frac{(4k!)(1103+26390k)}{(k!)^4 396^{4k}}
が発見される。この公式は、ジョナサン・ボールウェインとピーター・ボールウェインの兄弟によって1987年に厳密に証明されることになるが、1985年にウィリアム・ゴスパーがこの公式を用いて円周率を計算し、その正確さを示している。
1945年
ファーガソン(D.F.Ferguson)が540桁までを計算し、ウィリアム・シャンクスの誤りを指摘する。シャンクスの計算は約70年間も信用されていた。

このファーガソンの計算までが手計算によるものだった。手計算の時代は誤りが起こることも多かったが、この時代の数学の成果は、現代の計算機による円周率の計算においても非常に重要な役割を果たしている。

[編集] 計算機による計算の時代

1947年-1948年
ファーガソンは卓上計算機を用いて808桁まで求めた。この計算は、レビ・スミスとジョン・レンチによっても検算され、シャンクスの計算が間違いであることが繰り返し確認された。
1949年
ライトウィーズナーがENIACを用いてマチンの公式により 2037桁を 70時間かけて計算した。ENIACは第二次世界大戦において大砲の弾道計算を行うために作られたが、完成時にはすでに戦争は終わっていた。戦争以外にも計算機が有用であることを示すために円周率計算などに用いられた。
1954年
ニコルソンとジーネルがNORCを用いて3092桁を13分で計算した。
1958年
フランソワ・ジェニューイが、IBM 704を用いて 1万桁まで計算した。
1961年
ジョン・レンチとダニエル・シャンクスが IBM 7090を用いて 10万桁まで計算した。
1973年
ジャン・ギューとマルティーヌ・ブイエがCDC 7600を用いて 100万1250桁まで計算した。
ユージン・サラミンとリチャード・ブレントが独立に、算術幾何平均を用いたアルゴリズムを発見する。
1985年
ウィリアム・ゴスパーがシュリニヴァーサ・ラマヌジャンの式を用いて、1752万6200桁まで計算した。
1989年
この年は、チュドノフスキー兄弟と金田康正・田村良昭によって激しい計算競争が行われた。
5月にデビッド・チュドノフスキーとグレゴリー・チュドノフスキーによって4億8000万桁まで計算された。
7月に金田康正と田村良昭によって5億3687万898桁まで計算された。
8月にデビッド・チュドノフスキーとグレゴリー・チュドノフスキーによって10億1119万6691桁まで計算された。
11月に金田康正と田村良昭によって10億7374万1799桁まで計算された。
1994年
デビッド・チュドノフスキーとグレゴリー・チュドノフスキーによって無限級数
 \frac{1}{\pi} = 12 \sum^\infty_{k=0} \frac{(-1)^k (6k)! (13591409 + 545140134k)}{(3k)!(k!)^3 640320^{3k + 3/2}}
が発見された。
1995年9月19日午前0時29分
カナダのサイモン・フレイザー大学において、デビット・H・ベイリー、ピーター・ボールウェイン、サイモン・プラウフの研究チームが無限級数
 \pi = \sum_{k = 0}^{\infty} \frac{1}{16^k} \left( \frac{4}{8k + 1} - \frac{2}{8k + 4} - \frac{1}{8k + 5} - \frac{1}{8k + 6}\right)
を発見する。この式では2進表示または16進表示n - 1 桁までを求めずに n 桁目以降の π の値を計算できる。ベイリーのウェブサイトで様々なプログラミング言語用の実装例を見ることができる。
1997年
金田康正と高橋大介が HITACHI SR2201 を用いて 4次のボールウェインのアルゴリズムにより 515億 3960万桁まで計算した。
1999年
金田康正と高橋大介が HITACHI SR8000 を用いてガウス=ルジャンドルのアルゴリズムにより 2061億5843万桁まで計算した。
2002年
金田康正が HITACHI SR8000 を用いて高野喜久雄の公式
 \frac{\pi}{4} = 12 \arctan\frac{1}{49} + 32 \arctan\frac{1}{57} - 5 \arctan\frac{1}{239} + 12 \arctan\frac{1}{110443}
と分割有理数化法により 1兆2411億桁まで計算した。

[編集] パソコンでの計算記録

なお、初期の家庭向けパソコンでの計算記録には次のものがある。いずれも若松登志樹による。

1983年
SHARP MZ-80Bを用いてガウスの公式
 \frac{\pi}{4} = 12 \arctan\frac{1}{18} + 8 \arctan\frac{1}{57} - 5 \arctan\frac{1}{239}
により、7万1508桁まで計算した。
1990年
富士通 FM-TOWNSを用いてシュテルマーの公式
 \frac{\pi}{4} = 6 \arctan\frac{1}{8} + 2 \arctan\frac{1}{57} +  \arctan\frac{1}{239}
により、100万118桁まで計算した。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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