マーティ・フリードマン
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マーティ・フリードマン | |
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マーティ・フリードマン |
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基本情報 | |
出生名 | Martin Adam Friedman |
出生日 | 1962年12月8日(45歳) |
出身地 | アメリカ合衆国・ワシントンD.C. |
ジャンル | スラッシュメタル、ネオクラシカルメタル、プログレッシブロック、J-POP |
職業 | ギタリスト、作曲家 |
担当楽器 | ギター |
活動期間 | 1982年 - 現在 |
レーベル | Avex trax、シュラプネル・レコーズ |
共同作業者 | ハワイ、カコフォニー、メガデス、相川七瀬、パフィー |
影響 | キッス、ラモーンズ、エルヴィス・プレスリーなど |
公式サイト | http://www.martyfriedman.com/ |
マーティ・フリードマン(Martin "Marty" Adam Friedman、1962年12月8日 - )はアメリカ・ワシントンD.C.出身のギタリスト。ヘヴィメタルバンド・カコフォニー、メガデスの元ギタリスト。現在は日本に拠点を置き活動している。
目次 |
[編集] 人物像
1982年にヴィクセン名義でEP1枚とU.S.METAL VOL IIに1曲提供、1983年にヴィシャス・ルーモアズの初代ヴォーカリストでもあるゲイリー・セント・ピアーらとハワイを結成し、アルバム『One Nation Underground』を発表し本格的に活動を開始する。1984年にはEP『Loud, Wild and Heavy』、1985年にアルバム『The Native Are Restless』を発表するが、国内発表はされず輸入盤市場でマニアの間で話題になる程度であった。しかしその後、同じくシュラプネル・レコーズに所属するジェイソン・ベッカーとカコフォニーを結成し話題となり国内でも紹介され、イングヴェイ・マルムスティーン、レーサーX、トニー・マカパインらと共に速弾きブームの牽引役として一般に知られるようになった。カコフォニー解散後、1990年にメガデスに加入し、名演を繰り広げる。2000年にメガデスを脱退し、以降はソロで活動している。 実はビートルズが嫌いである。その理由はドラッグとヒッピーを広めアメリカで退廃的な文化が広がったためだと述べている。しかし、奥田民生のビートルズのサウンドの受け継ぎやビートルズの作曲能力の高さは認めている。[1] ヘヴィメタルのみならずハードロック、演歌、J-POP、ディスコ、全米トップ40モノにも造詣が深い。演歌好きの由来は日本人のガールフレンドと付き合っていた頃に聞いた演歌のメロディに感動したといわれている。子供のころハワイに住み、ラジオで演歌を初めて聞き内容がわからずともその寂しげなメロディに衝撃を受けたとも言っている。なお、活動初期のHawaiiのアルバム『The Native Are Restless』では「Omichan no Uta」なる題名で『さくらさくら』のカヴァーを演じている。また、日本のテレビ番組『ヘビメタさん』では演歌歌手の八代亜紀と共演し、マーティがヘヴィメタル調にアレンジした『雨の慕情』を披露したこともある。また、メガデス時代に来日した時、街で流れていたB'zのシングル「Liar!Liar!」に衝撃を受け、そこら辺の人に「誰の曲?」と聞きすぐにCDを買いに行ったというエピソードがあり、それ以来B'zのファンである。幼少の頃のアイドルはキッス、ラモーンズ、エンジェルなど。電話でキッスのギタリストのオーディションの誘いを受けたが、身長6フィート(183㎝)以上という条件をクリアできなかったため、その場で断念した。そのことに関して、「確かに一人だけ身長が低かったらバランスが悪い」と語り、本人は納得している。日本人女性と結婚していた時期もあり、親日家としても知られる(詳細は後述)。メガデス脱退後は活動拠点を日本に移して、『ヘビメタさん』にレギュラー出演、ギターをプレイしつつ流暢な日本語を話すことで視聴者の間でも一部で話題になる。2006年4月より『ROCK FUJIYAMA』(テレビ東京系)がスタート、2007年3月までレギュラー出演した。また他のテレビ番組へのゲスト出演や雑誌、新聞の連載も予定しており、多忙なスケジュールをこなす。特にハードロック系の雑誌では海外アーティストとの対談も多く、最近では音楽ファン以外にもその名が知られるようになってきた。日本語での口癖は「いいじゃん」「ありえな~い」。
自身の事を良く「完璧主義者」と評す。但し、その性格のせいで物事が前に進みそうに無い状況に陥った時には、敢えて自分から最低限の妥協をするという柔軟性も持ち合わせている(マーティはこれをプチ妥協と呼んでいる)。
リア・ディゾン、周杰倫、桃井はるこ[1]、常盤貴子のファンであることも判明している。
[編集] 日本との関わり
2003年より東京都新宿区在住。日本語への情熱も熱く、日本に移住する前から日本語は流暢だった。日本人以上に漢字を使いこなすことでも知られる。しかし最近は携帯電話の多用により読むのは強くなったが、書くのは弱くなったと語っている。コンサートツアー時の空き時間を利用して日本語を通信教育で学習したらしく、大学が主催した日本語弁論大会にも出場し準優勝している。天然パーマで、散髪には電車に乗り、都県境を越えて横浜市鶴見区を訪れる。
好きな食べ物はチョコレート、激辛ラーメンなどの辛いもの。日本食を苦手とすることは全くないが、卵と乳製品を苦手とする(食わず嫌い)。しかし2007年に『チューボーですよ!』に出演した際には卵を使ったエビフライを完食し、『英語でしゃべらナイト』では自家製アイスクリームを卵入りとは知らずに食べた。マクドナルドの食品を大いに好み、月に1度は食べないと気が済まないようである。日本国内のコンビニエンスストアについて造詣が深い。最も好みのコンビニはセブン-イレブン。コンビニのおでんも好物である。
2006年には少女向け小説誌の「コバルト」8月号と同時に書店で無料配布された『マリア様がみてる』のフリーペーパー及び小冊子「リリアンかわら版」の中の「マリア様大好き!」のコーナーに登場し同作品のファンである事を熱く語り、それを読んだアニメ版の主人公である祐巳役の声優・植田佳奈を始めとする関係者を驚かせた。ちなみに同アニメOVAシリーズ第3巻~第5巻のエンディング曲『きれいな旋律』の作曲を担当しているが『マリア様がみてる』の世界観とプラグドギターサウンドとは全くそぐわないため、マーティに白羽の矢が立ったのは元々作品のファンであった事が少なからず影響したのではないかと思われる。
2005年には元X JAPANのPATAや元LUNA SEAの真矢と共に相川七瀬のコンサートツアーに参加。鈴木亜美のギタリストとして念願のNHK紅白歌合戦出場の夢も実現した。
近年は日本でのテレビ番組出演が目覚ましい。自身がレギュラーを務めている『ROCK FUJIYAMA』以外にも『タモリ倶楽部』の年度末企画「空耳アワード」に2006年から3年連続出演し、2006年、2008年には逆空耳(日本語の歌が外国語に聞こえる)を2つずつ紹介した(2006年は2曲とも浜崎あゆみ、2008年はB'zとmihimaru GT)。英語のネイティブスピーカーとして空耳の解説を行う一方で漢字も読みこなし、本来行なう音楽の分野であるメタルの知識は、同企画レギュラーのクリス・ペプラー以上とあって番組に溶け込んだ。
2006年6月12日からは日本テレビの『歌スタ!!』に不定期ではあるが、ウタイビトハンターとして出演している。
さらにNHKの『英語でしゃべらナイト』にたびたび出演し、「日本人はなんで英語の勉強をするのか?日本語はこんなに美しい言葉なのに」「漢字があるから僕は日本語を勉強する気になれる」などと述べた。2006年11月17日の放送ではB'z、ZARD、相川七瀬、パフィー、広瀬香美等を聴いてると発言し、無類のJ-POP好きをアピールした。
日本に住むようになってから日本のアイドルを好むようになり、特にハロプロ系が大好きで松浦亜弥の大ファンである。プロデューサーである小室哲哉、織田哲郎、つんくを尊敬している。 ZARDに関しては2007年5月27日の坂井泉水の死後、ある新聞[要出典]にJポップ好きのZARDファンとしてコメントを求められ、その中で友人からのメールで初めて坂井の訃報を知りそれを知った時に悲しかったと語り、これと同時期に偶然にもZARDのベストアルバムを聴いていたことも明かした。自身がコラムの連載を行っている「日経エンタテインメント!」の2007年9月号には坂井への追悼特別付録として「ZARDメモリアルBOOK」というのが付き、ここに同誌で毎月連載している「J-POPメタル斬り」の番外編と称して2ページに渡ってマーティのZARDにまつわる秘話やZARDの音楽評論を掲載した。最も好きなシングル曲は『きっと忘れない』であるという。中田ヤスタカのプロデュースによるPerfumeの楽曲もそのメジャーデビュー時より注目し、2008年の時点で大いに気に入っているJ-POP楽曲はその『ポリリズム』のほか、平原綾香『孤独の向こう』などを挙げた。[2]
2006年および2007年には鉄鋼業界の団体日本鉄鋼連盟の新卒採用PRのイメージキャラクターとなる。キャッチコピーは「メタルはイケてるのか?」、「メタルはイケてるぜ!!」。
2006年12月22日に、KONAMIの音楽ゲーム『GUITARFREAKS』&『drummania』のサウンドディレクターである泉陸奥彦と、アルバム『HEAVEN INSIDE』で、Featuringアーティストとして参加している。
2008年3月1日に渋谷のNHKホールで開催された『平成19年度NHKのど自慢チャンピオン大会』のオープニングでこの番組のテーマ曲をロック調にアレンジし、ソロで演奏した。
[編集] 音楽面
『ドラゴンズ・キス』ではカコフォニーを彷彿させるメタル・インストであったが『シーンズ』『イントロダクション』では癒し系ともとれるイージーリスニングな作風、『トゥルー・オヴセッションズ』以降はポップな面を出すなど、インストに留まらない幅広いサウンドを披露している。2006年現在、レコード・レーベルはavex。ソロ・アルバムの制作も東京やロサンゼルス等で精力的に行っている。
因みに、『シーンズ』と『イントロダクション』の一部の楽曲で出てくる、女性による現実味に乏しい日本語の台詞はファンの間で語り草となっている。
好みの女性歌手の声として、浜崎あゆみのそれを挙げている。理由は、「叫ばないが、高音も低音も出る。完璧に聴こえる部分もあるがヘタウマもある」とのことである。(2008年6月2日、歌スタ!!より)
[編集] メガデス脱退の理由
マーティがメガデスに在籍していた1990年代中盤より他のヘヴィメタルバンドが台頭し出し、それらのバンドに対抗するためにメンバー間でメガデスの新たな音楽性を模索していたところ、マーティは「ポップスならポップスのアルバム、ヘヴィメタルなら信じられないくらいヘヴィなアルバムを作りたい。中途半端なのは一番嫌だ」と主張した。しかし結局アルバムに採用された曲はマーティが言うところの「ポップスでもヘヴィメタルでもない中途半端な曲」ばかりとなってしまい、「ヘヴィメタルの代表としてメガデスと言う怖い名前があるのに、何故そんな妥協をしなくちゃならない?とずっと主張し続けてたんだけど受け入れられなかった。だから辞めた」と井桁学のギターワークショップ内のインタビューで語っている。マーティの言う「中途半端さ」が最も顕著に出たアルバムが在籍時最後に参加した1999年発表の『RISK』であり、この作品で自分の意見が取り入れられなかった事が翌年の脱退を決定付けたようだ。
また、『タモリ倶楽部』の空耳アワード2007出演時には当時のメンバーにメタル以外の様々な音楽も楽曲に取り入れたいと提案したが、却下された為に脱退したと語る。その話の際「メガデスのメンバーもモーニング娘。のような音楽を影で聴いてたりするんですよ」と暴露した。
一方、メガデスのデイヴ・ムステインはかつて雑誌「BURRN!」のインタビューで「マーティはメガデスを日本のバンドのB'zみたいにしたがっていたんだよ」と述べ、原因はマーティにあるとしていた。
[編集] ディスコグラフィ
- ドラゴンズ・キス(1988年)
- シーンズ(1992年)
- イントロダクション(1994年)
- トゥルー・オブセッションズ(1995年)
- ミュージック・フォー・スピーディング(2002年)
- ラウドスピーカー(2006年)
- エグジビットA、エグジビットB(ライヴCD / ライヴDVD)(2007年)
[編集] 関連項目
[編集] 人物
- Angelina(一緒にデモテープを作ったことがある)
- Clair(エイベックス所属の歌手。『あしあと』をマーティが作曲した)
- ジェイソン・ベッカー(カコフォニー時代の盟友)
- デイヴ・ムステイン(メガデスの主導者)
- ポール・ギルバート(マーティと同じく親日家で仲が良い。2005年に日本人女性と結婚)
- マイク・ヴァーニー(シュラプネル・レコーズの総帥)
- 泉陸奥彦(2006年泉のファーストアルバム『HEAVEN INSIDE』の中で泉とギターバトルをした)
- KOTOKO(「きれいな旋律」の作曲をマーティが手掛けた)
- 北出菜奈(アルバム『Berry Berry SINGLES』のボーナストラックに参加)
[編集] 番組
- 夢ヶ丘レジデンス(火曜日)
- 英語でしゃべらナイト(2006年11月17日放送ゲスト、2006年8月25日・9月1日と2007年1月12日放送分に黒船としてゲスト出演)
- 3か月トピック英会話「ジュークボックス英会話 歌詞から学ぶ感情表現」
- NHK-FM・今日は一日“ハードロック・ヘビーメタル”三昧(ざんまい)
- たけしの誰でもピカソ「石川さゆりと5人の音楽家~一夜限定!スペシャルライブ~」
- スペースシャワーTV 『TRANSPORTER』 (水曜日、VJとして出演)
[編集] その他
- 小説すばる:連載「J-POPこれっていいじゃん!」
- 日経エンタテインメント!:連載「J-POPメタル斬り」
- 日本鉄鋼連盟:新卒採用キャンペーンポスター(2006・2007年度)
- アイバニーズ(自身のシグネィチャーモデルが発売されている。)
- 週刊アスキー:不定期レポート
[編集] 脚注
[編集] 外部リンク
- Marty Friedman official website公式ページ(英語)
- Marty Friedman official website公式ページ(日本語)
- マーティ・フリードマンのJ-POPメタル斬り/延長戦(日本語)