とちぎ (列車)
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おはようとちぎ・ホームタウンとちぎとは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が新宿駅~黒磯駅間を山手線・東北本線(宇都宮線)経由で運行する特別急行列車の愛称。
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[編集] 運行概要
運行上は朝運行する列車を「おはようとちぎ」とし、夕方の列車を「ホームタウンとちぎ」として、ホームライナーに近い朝上り・夕方下りの運転体制を取っている。
- 停車駅
- 使用車両・設定車種
- 185系電車7両編成。
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[編集] 宇都宮線優等列車沿革
この章では基本的に東北本線黒磯駅以南を主に始発・終着点とする優等列車について扱い、その運行系統の内支線に乗り入れる系統も扱う。但し、この区間では日光線直通列車と運行系統上関連があるため、日光線優等列車とも一部重なる場合がある。また、両毛線への直通列車はあかぎ (列車)も参照されたい。
- 1950年(昭和25年)、新橋駅~桐生駅間を小山駅経由で運行する快速列車と、上野駅~宇都宮駅間(上りは烏山線烏山駅発)の快速列車が設定される。
- 共に当時はまだ名称が無かった。
- 1952年(昭和27年)、上野駅~黒磯駅間運行の快速列車の設定がなされる。
- 1955年(昭和30年)、上野駅~黒磯駅間運行の快速列車にキハ45000系気動車を導入。また、「日光号」の補助として一部車両を日光線日光駅まで運行する編成を連結。
- このころより、気動車列車には「しもつけ」・「二荒」(ふたあら)の名称が与えられ、両毛線直通列車には「わたらせ」、宇都宮駅発着の列車には「おおとね」の名称が与えられる。
- 1956年(昭和31年)11月19日、山手線・京浜東北線分離運転開始に伴い、「わたらせ」新橋駅発着を終了。上野駅発着となる。
- 1958年(昭和33年)4月14日、気動車列車「しもつけ」・「二荒」を準急列車に昇格し、車種を客車に変更。
- 1958年(昭和33年)10月1日、「ふたあら」の運行区間を福島駅まで延長し、「あぶくま」に名称を変更。これにより「二荒」の名称一時消滅。
- 1959年(昭和34年)9月22日、日光線電化完了にともない、上野駅~黒磯駅間に今期のみ臨時運行の準急列車「なすの」を「日光形」157系電車で運行開始。また、「しもつけ」車種を80系電車に変更。
- 「なすの」は当時「特別準急電車」と称された「日光形」157系電車を使用し、準急「日光」・「中禅寺」の間合い運用で運行された。
- 1960年(昭和35年)8月15日、上野駅~宇都宮駅間を不定期列車扱いで毎日運行する準急列車「ふたあら」を80系電車で運行開始。
- 1961年(昭和36年)、157系電車を使用した上野駅~黒磯駅を運行する不定期準急列車の愛称として「ゆのか」の名称が与えられる。
- 1962年(昭和37年)10月1日、「わたらせ」準急列車に昇格。運行区間を上野駅~小山駅~高崎駅間とする。また、「わたらせ」に併結して水戸線経由で上野駅~水戸駅・真岡線(現:真岡鐵道真岡線)真岡駅発着の準急列車「つくばね」が運行開始。
- 「つくばね」の運行に際して小山駅構内に東北本線~水戸線短絡線を設け、同列車は小山駅を通過する形をとった。
- 1962年(昭和37年)10月1日、電車準急「ふたあら」を定期列車に昇格。
- 1963年(昭和38年)3月25日、「なすの」・「しもつけ」車種を165系電車に変更。
- 1963年(昭和38年)10月1日、「ふたあら」車種を165系電車に変更。また「しもつけ」に臨時便1往復を増便し2往復とする。
- 1964年(昭和39年)10月1日、下り「つくばね」の真岡行きを茂木行きに延伸。
- 1965年(昭和40年)10月1日、「ふたあら」を「しもつけ」に名称変更。また、「わたらせ」の準急運行区間を桐生駅までとし、同駅以西は普通列車とする。
- 1966年(昭和41年)3月5日、準急列車を「100km以下運行する急行列車」と定義したことにより、「しもつけ」・「つくばね」・「なすの」・「わたらせ」急行列車に昇格。
- 1968年(昭和43年)10月1日、いわゆる「ヨン・サン・トオ」ダイヤ改正により以下のように変更される。
- 1969年(昭和44年)10月4日、季節特急「くろいそ」181系電車2往復で運行開始。
- 1970年(昭和45年)10月1日、「日光」の運休日に上野駅 - 宇都宮駅間で運行される上り「なすの」2本を設定、「なすの」の運転本数は毎日下り5本、上り7本となる。
- 1972年(昭和47年)10月2日、「つくばね」急行運行区間を結城駅までに短縮。また、「くろいそ」「なすの」に編入され、「なすの51・52号」となる。
- 1973年(昭和48年)10月1日、季節特急「くろいそ」廃止。
- 1976年(昭和51年)11月1日、115系電車で運行されていた下り「なすの1号」を快速列車に格下げ。「なすの」の運行本数は毎日下り4本、上り6本に。
- 1978年(昭和53年)、「わたらせ2号」の両毛線内定期乗車券乗車禁止の特例を廃止。
- 1982年(昭和57年)11月15日、東北新幹線開業に伴い上野駅発の東北特急がほぼ消滅、また急行「日光」「いわて」「いいで」が廃止され「ばんだい」「ざおう」「あづま」が減便されたのに伴い、これを補完する形で「なすの」の運転本数を毎日下り7本、上り9本に増便。
- 1985年(昭和60年)3月14日、東北新幹線上野駅乗り入れに伴い以下のように変更。
- 1990年(平成2年)3月10日、新特急「なすの」の朝上り・夕方下りの1往復を新宿駅発着に変更し、昼間の8往復は快速「ラビット」に格下げ。
- 1992年(平成4年)3月14日、宇都宮駅発の「なすの」上り1本を増発。
- 1995年(平成7年)12月1日、東北新幹線東京駅~那須塩原駅で運転されていた「あおば」を分離し、「なすの」の愛称を与える。これに伴い、宇都宮線の特急を「おはようとちぎ」・「ホームタウンとちぎ」に名称変更。
- 2007年(平成19年)3月18日 「おはようとちぎ」・「ホームタウンとちぎ」の全車両禁煙を実施。
- 2008年(平成20年)3月15日 宇都宮駅発の「おはようとちぎ」が廃止。これで1往復のみの運行となる。
[編集] 列車愛称の由来について
- 「おおとね」・・・沿線の利根川にちなむ。
- 「おはようとちぎ」・・・朝運行のため通勤の足としての利用を主眼におき、始発点の「とちぎ」を付ける。
- 「くろいそ」・・・目的地である「黒磯」(くろいそ)から。
- 「しもつけ」・・・栃木県の旧国名「下野国」(しもつけのくに)から。
- 「つくばね」・・・水戸線沿線にある筑波山の異称「筑波嶺」(つくばね)から。
- 「なすの」・・・目的地である「那須野が原」にちなむ。
- 「二荒」、「ふたあら」・・・栃木県宇都宮市にある「宇都宮二荒山神社」(ふたあらやまじんじゃ)にちなむ。
- 「ホームタウンとちぎ」・・・夕方運行で主に帰宅の足としての利用をねらったい、目的地の「とちぎ」を付ける。
- 「ゆのか」・・・沿線にある那須温泉等への輸送への誘致のため、温泉の湯煙にちなむ。
- 「わたらせ」・・・沿線にある「渡良瀬川」・「渡良瀬遊水池」にちなむ。