風雲!たけし城
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痛快なりゆき番組 風雲!たけし城(つうかいなりゆきばんぐみ ふううんたけしじょう)は、TBSで1986年5月2日-1989年4月14日の金曜20:00-20:54(日本時間)に放送された、日本の視聴者参加アトラクションバラエティ番組。略称は「たけし城」。
2008年現在はCS放送・TBSチャンネルで再放送中(火曜22:00-23:00、翌週火曜5:00-6:00)。
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[編集] 概要
[編集] 内容
ビートたけしが城主をつとめる、難攻不落の「たけし城」を討ち落とすため、毎回約100人の一般応募者からなる攻撃軍を谷隼人“隊長”が率い、緑山スタジオに作られた難関(アトラクション)を攻略する。
たけし軍が仕掛けた、数々の難関を攻め行くうちに攻撃軍のメンバーは次々と脱落していき、最終的に勝ち残った者が賞金100万円を獲得するルールだったが、滅多な事では最後まで勝ち残る者は出ないほどの過酷さを誇っていた。また、珍プレー好プレーなどを見せた挑戦者には「敢闘賞」として賞金10万円が贈られた。複数回敢闘賞を受賞した挑戦者も存在する。
ほとんどのアトラクションで攻撃軍は挑戦するが、途中では撮影時間、出演者の人数・体力を考慮し、失格者が定数に達した時にその他の出場者は不戦勝として次に進めることもあった。
「子供の頃の原っぱでの冒険ごっこや泥遊びを再現したかった」という趣向で番組の企画にはたけし自ら携わり、セットには総工費一億円がかけられた。
この番組は「殿」がたけしの愛称として知られるきっかけのひとつとなり、たけしが“たけし城の殿”として「志村けんのバカ殿様」にゲスト出演するなどの影響も生んだ。なお、たけしは1983年5月にビートたけしのオールナイトニッポンにおいて弟子に自分を「殿」と呼ばせることにしたと発言しており、たけしの「殿」という呼称そのものはこの番組の開始以前から存在していた。
中盤からはたけし軍団によるチャレンジコーナー(デモンストレーション)が挿入され、着ぐるみなどの扮装でゲームに挑戦し、失敗した軍団メンバーのうち1人だけが「おしおき洞窟」でクレーン宙吊りやホースによる水責めなどの罰ゲームを受けるコーナーがあった。これらのコーナーは姉妹番組である「号外版 風雲!たけし城」(後述)に引き継がれた。
[編集] 番組の変遷
「ワールドプロレスリング」(テレビ朝日系)や、「太陽にほえろ!」(日本テレビ系)など、強力な裏番組の牙城を打ち崩す人気を得る。のちに、テレビ朝日の「ミュージックステーション」、日本テレビの「ジャングル」、テレビ東京の「クイズところ変われば」と互角に戦った。
1988年から番組リニューアル、緑山スタジオまたはスタジオセットでのコントコーナーが導入された。内容はたけし軍団が様々な罰ゲームに近いゲームに挑戦したり、城主と家老があの手この手で谷隊長を倒そうとするが必ず失敗するパターンのコント、時代劇や映画、サスペンスドラマのパロディコント等。しかし番組のマンネリ化は払拭できず、「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)、同年10月に開始した「もっとあぶない刑事」(日本テレビ系)等の裏番組が人気を得ると共に視聴率が低迷し、1989年4月に放送終了した。
[編集] その後
- レギュラー放送終了後も「金曜テレビの星!」などの特別番組枠で数回放送された。また、たけし城も数年の間シンボル的に緑山スタジオに残されていた。
- 2005年4月2日には「オールスター感謝祭」にて赤坂の再開発地区に「竜神池」と「ジブラルタル海峡」の2種目を当時の雰囲気そのままに再現して放送され、谷隼人は、旅番組以外の久々の仕事だったと言う。「ジブラルタル海峡」では本放送時にはなかった初田啓介アナの実況を加えておこなわれた。
[編集] 主な出演者
- ビートたけし(たけし城城主)
- たけし軍団
- たけし軍団セピア
- 石倉三郎(初代家老。役名は「三太夫」)
- 谷隼人(攻撃軍隊長)
- スペシャル版では谷は「谷城城主」と設定され、実妻でもある松岡きっこも「愛情出演」と称して登場した。着用する軍服は白黒二種類が存在した。
- 柳沢慎吾(初代戦場レポーター)
- 坂本あきら(二代目戦場レポーター)
- 稲川淳二(三代目戦場レポーター)
- ストロング金剛(元・ストロング小林)
- 丹古母鬼馬二
- 亜仁丸レスリー
- 岡田正典
- 上田馬之助
- 渡嘉敷勝男
- 大念寺誠
- 城みちる
- 島田洋七
- ポップコーン
- 大木凡人
- 忍竜
- すがぬま伸
- 大富士
- 山川豊(戦車隊長・初期に出演)
- よろい注
- 宮内鎮雄(当時TBSアナウンサー・ナレーター)
- 宮内が出演できない回では当時TBSアナウンサーだった桝井論平が代役を務めた。
[編集] 難関
1回につき、8〜9つの難関が待っている。番組開始から終了まで109のアトラクションが作られた。人気で長く続いたものも多いが、1回で終わったものもいくつかあった。また火事で焼失したものもあった。「~でポン」の名のアトラクションがいくつかあるが、これは桂プロデューサーがかつて手がけた番組「笑ってポン!」が由来である。
[編集] 主なアトラクション
- 国境の壁
- 制限時間内で2メートル以上ある高い塀を超える。
- 国境の坂
- 制限時間内で滑りやすい坂を越える。
- 国境の関所
- 「国境の壁」とほぼ同じ。
- 国境のパーフェクション
- 手持ちのパズルピースを正しい場所に当てはめる。
- ※ 最初の難関には「国境」シリーズの他にも、パン食い競争の「腹がへっては戦はできぬ」、カップル大会限定の最初の関門「ベッドでベットリ」等もあった。
- 第一砦
- 待ち構えるたけし軍団(隊長:初期そのまんま東、後期大森うたえもん)と水鉄砲の撃ち合いをしながら砦を越えてゆく。額の的を破かれると失格。ちなみにBGMはテレビ映画「サンダーバード」テーマ曲。
- 悪魔の館
- 幾つもの部屋に分かれた館を抜ける。中には2人の悪魔(ストロング金剛、初期は上田馬之助、のちに丹古母鬼馬二)が潜んでおり、悪魔につかまるか外に通じる扉を開けてしまい池に落ちると失格。一旦悪魔に捕まっても逃げ切れば失格とはならないが、完全に捕まり顔を墨で黒く塗られると失格。初期は部屋の形が四角形だったが、後に六角形に変更。更にその後バージョンアップ、部屋数の増加と悪魔側も亜仁丸レスリー加入で3人体制となった。当初は自力で抜けないといけなかったが、後に親子大会での仕様(子供のナビゲートを手がかりに親が館内を抜ける)が標準となり、谷隊長が上からナビゲートする形となった。BGMは映画「燃えよドラゴン」挿入曲。
- ザ・ロンゲストヤード
- アメフトのユニフォームの着ぐるみを着たたけし軍側の妨害をかわし、倒されずにゴールを目指す。
- アドベンチャーゾーン
- 横スクロール式テレビゲーム風のセットを、制限時間(セット上部の悪魔メカがゴールに到達する)までにゴール、途中には数々の妨害や障害物が待ち構える。時間切れの場合、ゴール地点の丹古母鬼馬二に池へ落とされ失格。後期では悪魔の館に代わる定番アトラクションとなった。BGMはゲーム「ファンタジーゾーン」の曲「PROME」。
- 竜神池
- 池の上の飛び石を使って向こう岸まで渡りきる。池に落ちると失格。ただし水面に浮いているだけで、固定されていないトラップの石もあった。ちなみにこの石を踏んでも、沈まずに渡りきれば失格とはならず、走り抜けてクリアした挑戦者も存在した。数あるアトラクションの中で一番人気だった。BGMは映画「ランボー」挿入曲。なお初期はこの池を渡りきっても次の「自由への壁」を突破できなければクリアとはならなかった(のちに自由への壁は竜神池から独立)。
- 自由への壁
- 壁に張られた4枚の扉のうち1つを選んで破っていく。破れない堅い壁の扉や網の張られた扉を選ぶと失格。途中で「よろい注」が邪魔をする。初期は、竜神池の終わりに1〜2枚だけ設置されていた。
- 遥かなる自由への壁
- 自由への壁をリニューアルし、最初の難関となったもの。扉が8枚に増えたが堅い壁を選んでも失格にはならない。挑戦者全員が一斉にスタートし、10枚の壁を抜けたらゴール地点で小麦粉の中からボールを探してクリア。
- 第二砦
- 第一砦同様、水鉄砲と的を付けて砦を越えてゆくが、こちらは1対1対決。たけし軍団は動きづらい着ぐるみ姿で自滅する事が多く、また守備隊長の城みちるが実は最弱だった、というくらい失格者が非常に少なかった。時にはたけし自らも戦闘機に扮して(「たけしの双子である影武者」という設定)登場し、攻撃軍と戦うこともあった。城は第二砦での不甲斐無い戦いぶりから、ヒット曲の「イルカに乗った少年」をネタにされるなど番組内でいじられキャラと化していった。
- これは玉RUN
- 第二砦をリニューアルした「玉RUN砦」が舞台(守備隊長:城みちる)。コース上を流れてくる巨大な玉を、三箇所に存在する安全地帯を使いつつ避けながら、頂上まで駆け上がる。大玉に轢かれたら失格。BGMはゲーム「ボンバーマン」のアレンジ版。
- すまきで玉RUN
- 「これは玉RUN」と同じルールだが、挑戦者はすまきの着ぐるみを着用する。なおこのアトラクションは何らかの不具合か放火が原因と思しき火災に見舞われ、新聞の見出しには「不運!たけし城」と書かれニュースにもなった。そのため1回きりで終了。
- どんぶらこっこ
- 水が流れる坂の上を、大きなお椀に乗って滑っていく。最終地点で池に着水した時に、お椀から落ちなければクリア。
- すもうでポン
- まず、くじ引きでたけし軍側からの対戦相手を決め、その相手と相撲を取って勝てば合格。対戦相手は、元力士(忍竜、大富士)から最弱の起き上がりこぼし型人形“コニシキ君”まで実力差が極端で運任せな要素が大きかった。時には番組の桂プロデューサーも対戦相手として登場した事もあった。バリエーションとして土俵の周りが海や池の「すもうでチャッポン」、尻相撲で対戦する「尻ずもうでポン」等があった。
- キノコでポン!
- 回転するキノコにしがみつき、対岸まで渡りきる。途中からは着陸地点が中島に変更になった。なおこのアトラクションの名はハガキによる視聴者からの一般公募で決まった(その視聴者は特別招待されこのアトラクションにチャレンジした)。女性挑戦者の場合は補助具としてロープを使っても良い。BGMは映画「インディ・ジョーンズ」テーマ曲。
- だるまさんがころんだ
- 巨大なだるまの着ぐるみを着て、子供の遊びの「だるまさんがころんだ」の要領で坂を上っていく。坂の上に到着した先着で数名が合格。鬼役の島田洋七が挑戦者の方を向いているのに動いたら失格となり、坂の下へ転がされる。当然、転んで自滅しても失格。転んだ挑戦者の巻き添えをくって失格になるケースも度々あった。BGMはアーケードゲーム「ソンソン」挿入曲。
- 戦場にかける橋
- 板の上に腹這いになり、池の上に作られたローラーの付いたレールを滑る。チキンレースの要領で、ゴール地点(緑の矢印が書かれている地点)にぴったりたどり着く。通り過ぎて池に落ちると失格。また途中で止まると岡田正典扮する“海坊主”が出現し池に突き落とされる。BGMも映画「戦場にかける橋」挿入曲。
- 天国と地獄
- ロープにしがみつき、ターザンのごとく対岸に着地する。途中で泥に落ちると失格。初期は直線状に進むだけのものだったが、後にリニューアル、円形の軌跡を辿るようにぐるりと回って対岸に着地するルールになった。
- 親子の重み/愛の重み
- ペア大会(親子・カップル)限定。水上に浮かぶシーソーの両端に2人で乗り、沈まないように歩調を合わせながら数台のシーソー全てを渡りきる。途中で池に落ちると失格。
- ローラーゲーム
- いくつかの巨大なローラーの上を落ちないようにバランスをとりながら渡っていく。BGMは映画「ゴジラ」挿入曲「怪獣大戦争マーチ」のアレンジ。
- かるたでおて柄
- 手の形をした巨大な着ぐるみに入って、読み上げられたカルタの絵札を他の人より早く取る(実際には札の上で倒れる)。バリエーションに、計算問題が出題され正解の数字の札を取る「カルタでお勉強」、イントロクイズ版の「カルタでドン」などがあった。
- チャレンジ競馬
- 馬の着ぐるみとローラースケートを着用し、障害物のあるコースでレースする。6人対戦でゴールした先着2人がクリア。
- とびだせ青春!
- マシン(マラドーナッテンノ君)が高く放つサッカーボールをキャッチする。但し足場が泥沼なので、動きがとりにくい。BGMは太陽がくれた季節(ゲーム名の元ネタとなったドラマ主題歌)のアレンジ。
- じゃじゃ馬ならし
- ロデオの馬型マシンに乗りながら、制限時間内に水鉄砲でコウモリ型の標的を落とす。
- まさかのドミノ
- 巨大なドミノ牌の上を落ちないようにバランスをとりながら渡っていく。『KUNOICHI』の「倒連板」の原型ともなっている。
- アニマルBANG(ドカン)
- 野球のユニフォームを模した大きな着ぐるみを着て、細い道を落ちないよう進んでゴールを目指す。途中で亜仁丸レスリーの投げる振り子型の巨大野球ボールによる邪魔が入る。
- 跳んでおめでとう!
- 棒高跳びの要領で池をわたり、対岸に着地する。池に落ちると失格。オランダのスポーツ「フィーエルヤッペン」が元ネタ。
- コリントでポン!
- 球状のカプセルに押し込められ、巨大なコリントゲームを模したセットを転がる。ドクロのボックスに入ったら失格。
- 玉ったもんじゃない
- 巨大なパチンコ台の上から玉を落とし、下に駆け降りて鍋でキャッチする。
- ペッタンコ
- 粘着式のスーツを着てロープにつかまり、壁に張りつく。失敗すると放水の罰を受ける。『東京フレンドパーク』の「ウォールクラッシュ」の原型とも言える。
- まわってコマネチ
- 回転する2本の平均台を渡りゴールを目指す。最初は粉のクッションが下に敷かれていたが、リニューアルの際、池の上に再設置された。無論、粉の中や池に落ちると失格。BGMはゲーム「ナッツ&ミルク」のアレンジ版。
- ビーチボーイズ&ギャルズ
- 動くサーフボードに乗り、上と下から障害物をかわしてゴールする。途中で落ちると失格。後にまわってコマネチと合体した「まわってビーチボーイズ&ギャルズ」となった。
- まわってビーチボーイズ&ギャルズ
- 回転する平均台の先に着けられたサーフボードに乗り、障害物をかわしてゴールする。池に落ちると失格。途中で島田洋七扮する“島娘”のいる島に上がり、その端で再びサーフボードに乗るが、ここで乗りそこねても失格。ちなみにBGMもザ・ビーチ・ボーイズの「サーフィンUSA」のインストゥルメンタル曲。
- がんばれホエールズ
- クジラのハリボテをかぶせた自転車を漕ぎ、曲がりくねったコースを通り抜ける。途中で倒れたら失格。BGMはゲーム「スターソルジャー」のアレンジ版。
- 地震だ爺さん
- 男性は爺さん、女性は婆さんのカツラと衣装をつけた挑戦者が、重ねた座布団の上に正座し、起震車を利用した地震のような揺れのする部屋で規定時間が過ぎるまで持ちこたえる。座布団が崩れていても失格にならないが、本人が床に接触した場合は失格となる。同じルールのバリエーションとして「地震だカメさん」「地震だ金次郎」等があった。
- 君も宇野くん
- 野球ユニフォームの着ぐるみを着た状態で、ポップコーンがノックしてくる球をキャッチする。ちなみに「宇野君」は宇野勝のことである。
- スターボーリング
- ボウリングのピンの形をした着ぐるみを着て、転がってくる巨大ボールに耐える。10人づつ挑戦し、ピンの位置は事前の抽選(トランプを引く)で決まる。倒れたら失格。男性はハンデとして後ろ向きにならなければならない。プロボウラー中山律子がボウラー役で出演した事もある。
- 街かどテレビ
- コーナー司会は本家本元「街かどテレビ11:00」司会の大木凡人。スナックバーを模したセットでカラオケを歌詞を見ずに歌う事が出来たら合格。曲のジャンルは演歌、ポップス、フォーク、童謡、洋楽に至るまで幅広く、歌う曲目は運次第。部屋に入ってマイクを握ったとたん曲が流れ出し、緊張のあまり歌えなくなることも。1コーラス歌い切ればバニーガールに迎えられて出口へ誘導されるが、歌えずに失格になるとヤクザ役の人達に追い出されたり、着ぐるみのタコの墨を顔にかけられたりされた。特に『ジャンバラヤ』など、ヤクザ役出演者の持ち歌を歌えないと通常よりひどい目にあった。まれにラジオ体操の歌が流れ、体操をすれば合格となることもあった。
- 引っぱり地獄
- 数本のヒモから1本選び壁の向こうの見えない対戦相手と綱引きをする。運が悪いと金剛・鬼馬二・アニマル・馬之助の4人組と戦う羽目になるが、運が良ければカメやミニカーと対戦する、ということもあった。初期はトラックやブルドーザーとの対戦も組まれていたが、安全上の問題からすぐに廃止された。
- ジブラルタル海峡
- まず、谷隊長が放つ金のボールを受け取り、それを抱えた状態で不安定な吊り橋を渡りきる。落ちたら失格。途中、たけし軍側が黒いボールをぶつけて妨害する。金のボールを落とした場合は、受け取り地点に戻れれば再びもらうことができる。BGMはテレビ映画「コンバット!」テーマ曲。因みに、初期では吊り橋でなく一本の綱を渡る関門だったり、吊り橋渡りでも金のボールを運ばなかったり、吊り橋自体にも障害物が設置されるなど、ルール変更やリニューアルが最も多いアトラクションであった。
- 人喰い穴
- たけし城へと通じる最後の難関。5つの穴のどれかを選んで入るが、うち2つは大念寺誠・渡嘉敷勝男が潜んでいる罠。もちろん罠の穴に入ったら失格。罠の穴はTV画面上ではドクロマークで表示された。罠の穴に入る挑戦者がいない場合は移動する事もある。入り口で「よろい注」が邪魔をし、罠の穴に誘導される事もあった。ゲームの前には大念寺・渡嘉敷が空手、ボクシングの殺陣を披露していたが、後に扮装コントとなり、ナレーターが「お見苦しいものを見せたことを深くお詫び申し上げます」など皮肉を言う事が多かった。
- おしおき洞窟
- デモンストレーションに失敗した軍団員たちが「大殿」の裁きにかけられるコーナー。島田洋七扮する“鬼婆”の「大殿様のお怒りじゃ~!!」の叫びと共に、壁面の「大殿」の顔から煙が吹き出し、有罪と判定された1~2名が放水を受けたり空中に吊り上げられる罰ゲームを食らった。人喰い穴・カート戦の前に放映された。
[編集] カート戦
すべての難関を突破すると、谷隊長に「よくぞ生き残った我が精鋭達よ!」と迎えられる。自己紹介の後、たけし城前での決戦(カート戦)が待っている。谷隊長の「突撃~!!」のかけ声とたけしが乗る戦車の号砲とともにスタートする。番組テーマ曲に乗せて、攻撃軍とたけし軍がカート戦車に乗り込み、水鉄砲でたけし軍の戦車の的を破く。たけし・東が乗る戦車の的を破くと攻撃軍の勝利となり、的を破った挑戦者が賞金100万円獲得となる。ただし、軍団による守りが固い上に、たけし戦車の的は攻撃軍のものと比べると頑丈なもので、戦車のスピードも速く、滅多な事では攻撃軍が勝つ展開にはならなかった。稀に攻撃軍が勝った場合には、その翌週はたけし軍がたけし城の奪還に動く展開になった事もあった。特別番組にて100万円を獲得した挑戦者の使い途などが放映されたこともある。
番組初期ではカートには乗らず、第一・第二砦同様に直接たけし城に攻め込み、水鉄砲で撃ち合う方式だった。カート戦導入初期は挑戦者のカートは最大6台で、7人以上生き残ったら1台に2人乗る事になったが、1987年1月23日放送分の第29回から人数分カートが用意されるようになった。原則はたけし戦車1台・たけし軍団戦車5台と戦うが、変則的なパターンとしては攻撃軍の残り人数が少ない場合はたけし戦車1台のみで戦うこともあった。また、攻撃軍が多数残った場合などは1対1で総当たり戦を行い、ラスト1台でたけし戦車が登場するパターンもあった。子供大会などでは、カートのデザインが変更されることもあった。
後期の番組リニューアルに伴い、水鉄砲から光線銃に変わり、谷隊長もカート戦に加わるようになった(谷隊長がたけし・東が乗る戦車を討ち落とした際には、賞金100万円をカート戦まで残った挑戦者全員に山分けとなった)。その他、たけしはクレーンで吊った飛行機から援護射撃する形になったり、ラッシャー板前がパンツ一丁で、ダンボール製の戦車ボディーを身に纏った「歩く戦車ラッシャー号」として、攻撃軍に立ち向かったりした事もあった。なお光線銃に変わってからは100万円獲得者が以前より出やすくなった。
1986年11月21日放送分の第21回では、カート戦でたった1人しか残っておらず、健闘を讃えて敢闘賞12万5千円と割り増しで贈られた。1986年11月7日放送分の第19回ではたけしの戦車が故障して勝負引き分けとなり、生き残った9人全員に敢闘賞10万円が贈られた。放送期間中の攻撃軍の勝敗数は9勝117敗1引き分け。
[編集] エンディング
敗戦の場合、花火の中、勝ち誇るたけし軍の姿と谷隊長の敗戦の弁、逃げていく谷隊長の姿とともに次の挑戦者の募集(宛先は「『風雲たけし城 たけちゃんと遊ぼう!』係」と表示されていた)、出場者・スタッフのロールとともに挑戦者の敢闘シーンを映して終わる。勝利の場合、見事にたけしの戦車の的を射抜いた出場者に賞金100万円が授与され、カート戦まで進出した他の出場者とともに雄たけびを上げ、その後挑戦者の敢闘シーンに接続する。締めの文句は基本的に「参加してくれたすべての人々に、ありがとう」。
[編集] エピソード・ハプニング
- 初期の出場者には、後にオフィス北野所属俳優となる寺島進(第4回)、浅草キッド結成前の玉袋筋太郎(第4、5回など)、デビュー間もない頃の女子プロレスラー工藤めぐみ、コンバット豊田(第5回)がいた。
- 『クレヨンしんちゃん』の原作者臼井儀人は、素人時代賞金欲しさに参加した事があるらしい。後の『まんだらけ』社長・古川益三や、藤臣柊子等も一般参加者として挑戦したことがある。
- 当時大流行だったキョンシーの格好をして2回ほど参加した挑戦者がおり、運動神経抜群でどんなアトラクションも余裕でクリアしていったが、結局2回とも人食い穴で失格になってしまった。
- 夏休み親子大会では、竜神池の石から石への距離が遠くて子供が飛び移れないため、谷隊長が橋代わりとして全身を使って子供に渡らせていたが、NGゾーンに当たってしまい谷隊長が池の中に落ちてしまった。それを観ていたたけしは大爆笑した。
- 悪魔の館では、本来いくつもある部屋を通り越さなければならないが、一度挑戦者の1人が壁の上に乗って強引にクリアしたことがある。その後、その行為は禁止とされた。
- 自由への壁では、本来破れない壁に当たると失格だが、その壁を強引に破壊してしまいクリアした者や、壁に当たった反動でよろい注に体当たりし、さらに反動で隣りの壁を破りクリアした者等がいた。
- すもうでポンの対忍竜戦に勝った挑戦者には、敢闘賞とは別に賞金が渡されると宣言されたが、結局忍竜に勝った挑戦者は誰もいなかった。
- カート戦で挑戦者の1人がたけしのカートの的を水鉄砲で撃ち破くのではなく、水鉄砲そのものを的に突き刺して破ってしまい、自己申告の上、結果無効となった。
- 後期のカート戦でスタート直後に挑戦者の1人が撃った光線銃がたけしのカートの的に命中し、一瞬にして攻撃軍の勝利ということがあった。
- 後にテレビ東京系『たけしの誰でもピカソ』にて、たけし本人が「カートは的の紙が二重になっていた上、防水スプレーでコーティングしていた」と暴露していた。
[編集] 番組の影響
- 放送当時は人気番組となり、水鉄砲、ボードゲーム、ファミコンソフト(ファミリートレーナー対応)等、番組のアトラクションの雰囲気を楽しめるグッズ・ゲームがいくつか発売されていた。
- 子供たちの間で、学校や公園の遊具を使った「風雲!○○城(○○の中には城主役の子供や学校などの名前が入る)」と称するいわゆる「たけし城ごっこ」が流行したが、その一方で「危険だ」としてPTAの槍玉にあげられ、たけしが当時PTAに非難されていたことも相まって「失敗した人を笑い者にしている」という理由で低俗番組の烙印を押されてしまった。それに対して「今は大がかりなセットを組まないと野外で思い切り遊べない時代」と擁護する声もあった。
- 当番組は野外アトラクションチャレンジ番組の元祖とも言える存在で、TBSののちの番組である『筋肉番付』『SASUKE』『DOORS』『スポーツマンNo.1決定戦』などは『たけし城』をモチーフにしていると思われる。
- また、当番組の放送時期に同じ金曜日に日本テレビが当番組を意識した『ガムシャラ十勇士』が放送されていた(結果としては半年で終了となる)。
- 映画『ドラえもん のび太と竜の騎士』にひみつ道具として「風雲ドラえもん城」が登場する。ドラえもんが当時のテレビ番組をパロディにするというのは今となっては非常に珍しい。
- 『松浦亜弥のオールナイトニッポン』に「風雲あやや城」というコーナーがある。
- TYPE-MOON製作のパソコンゲーム『fate/hollow ataraxia』では「風雲イリヤ城」というミニゲームがある。
- アニメ版『ギャラクシーエンジェル』の第2期第5話「想い出激走八宝菜」にてたけし城の舞台に似たパロディが登場する。
- TBSは『JNN報道特集』で竹下登内閣についての特集を放送した際、タイトルを「風雲!たけした城」と題したことがあった。
- 谷隼人は1987年放送のスーパー戦隊シリーズ『光戦隊マスクマン』で長官・姿三十郎を演じていた。ファンやたけし軍団の間では「たけし城も落とせないような奴にチューブ(敵の軍団)を倒せるわけがない」と揶揄される事もあった。
- プラモデルメーカーのイマイはロボダッチシリーズで、『風雲ロボダッチ城』というパロディ商品を発売していた。
[編集] 日本以外での放送
日本から諸外国に番組自体が輸出されて放映されたり、番組のフォーマットが輸出され現地版が作られたりした。
- 90年代には台湾の中華電視公司が「たけし城」アトラクションの図面を購入し「百戦百勝」の名で放映された。日本版との違いとして、個人でたけし城攻略を目指す日本版に対し「東京フレンドパーク」のような遊園地式番組に仕上げていて、1回に20人以上の団体で5チームが参加する。参加者同士の対抗もあるが、最終的には5チームがはっきり順位を並べる事はない。またアトラクションにもいくつかオリジナルの要素を加えている。なお本家「たけし城」でも台湾に遠征し「百戦百勝」にチャレンジする特別版が行われた。2006年より台湾のJET TVにてTBS版「たけし城」が「百戦百勝王」の名で放映された。放送は50分間で一部の内容がカットされている。
- 2003年4月よりアメリカで「Most Extreme Elimination Challenge」として放映される。30分番組のためオリジナルと比べるとかなり編集されており、2チームの対戦という設定に改変させている。吹き替えもアメリカンジョークを多用したまったく異なる(より失礼な)セリフになっている。例えば「今日は警察官対犯罪者チームです」とでっちあげ、ジョークではあるものの当時の日本の一般人の映像に「この人は前科何犯です」などとでたらめなナレーションをつける。たけしとそのまんま東はそれぞれ "Vic Romano", "Kenny Blankenship" と呼ばれており、日本の一般人出演者も適当な名前がつけられ(なぜか、中東の料理名である "Babaghanoosh" というラストネームが使われることが多い)台詞も全部でっちあげ。特定の場面だけをピックアップして放送するため、カート戦もカットされている。
- イギリスでは「Takeshi's Castle」として放送している。「たけし城」をそのまま英語に吹き替え忠実に再現したもの。
- スペインでは「Humor Amarillo」として吹き替え版が放送されている。
- フィリピンの場合、吹き替え版ではなく映像と現地のタレント達のコメントやリアクション(日本語もどきのタガログ語)を交えながら放送している。原音声は全くと言っていいほど聞こえないが、スタッフロールは最後まで流す。セットに「タケシカスル」(=タケシキャッスル=『たけしの城』)と書かれた垂れ幕があったが、後のリニューアルで撤去されている。放送時間は30分以下と短い。タイトルはイギリス版と同じ「Takeshi's Castle」。平日の朝に放送。
[編集] CS放送でNGとなるケース
CS・TBSチャンネルでオンエアされている再放送では、肖像権や著作権などの権利関係によって、欠番回が存在したり、人喰い穴のコントなど一部シーンがカットされている場合がある。ただ2007年以降、欠番エピソードは幾分減少している。
- 欠番エピソード
- 当初欠番であったが、のちに解禁されたエピソード
- 細川たかし登場回(第29、30、36、37回。2007年6月放送以降解禁)
- シブがき隊登場回(第34回。2007年7月放送以降解禁)
- ビートたけしが城主に復帰する回(第55回。2008年6月放送以降解禁)
- 一部シーンのカット
- 人喰い穴の『ドラえもん』パロディコント(第56回)
[編集] スタッフ
- プロデューサー:桂邦彦
- 構成:たけし城保存会(たけしが関わっている構成作家が中心)
- ナレーター:宮内鎮雄・桝井論平(共に当時TBSアナウンサー。桝井は宮内が出演できない時の代役)
- 音楽:小野寺忠和
- 演奏:アーチストマジソン
- 美術:中嶋美津夫、橘野永
- 協力:東通、緑山スタジオ・シティ、太田プロダクション
- 演出:三角英一、三田村泰宏、渡辺香、難波一弘/村木並雄
- 製作著作:TBS
[編集] 号外版 風雲!たけし城
1987年10月4日から1988年5月29日までの約8ヶ月間、TBS(関東ローカル)にて日曜10:30からの1時間枠で放送されていた、本番組の姉妹番組である。
本編とは異なりスタジオでの収録がメイン。司会はそのまんま東が務め、たけし軍団及び稲川淳二がレギュラー出演(ビートたけしはビデオ出演のみ。谷隼人はゲストとして出演したことがある)。その週の本編の名場面の再編集版や新アトラクションの募集企画、以前本編で展開されていたチャレンジコーナーが引き継がれた(ちなみに失敗した軍団メンバーのうち、たけしや稲川に選ばれた1人が、その場でおしおき地獄という日替わりの罰ゲームを受けなければならなかった)。しかし、同じ時間帯に放送されている「笑っていいとも!増刊号」(フジテレビ)の牙城を崩すには至らなかった。
原則として関東ローカルの番組だったが、一部系列局でも番販で時差放映されていた。系列局外ではフジテレビ系列だった秋田テレビで土曜夕方4時30分、山形テレビ(現在はテレビ朝日系)で日曜の昼3時に放映されていた。
[編集] 関連項目
- ファミリートレーナー 突撃!風雲たけし城 - 本番組を元に制作されたファミコンゲームソフト。
- やすきよの腕だめし運だめし
- 爆笑戦士! SDガンダム
TBS系 金曜20時台(1986年5月 - 1989年4月) | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
痛快なりゆき番組 風雲!たけし城
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TBS 日曜10:30~11:30枠(1987年10月 - 1988年5月) | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
号外版 風雲!たけし城
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あっ・アッケラカン!
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