松下賢次
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松下 賢次(まつした けんじ、1953年3月2日 - )は東京放送(TBS)所属のアナウンサーである。株式会社クリエイティブ・メディア・エージェンシー(CMA)の取締役も兼務。キャッチコピーは当時の松下電器のコピーを参考にした"世界の松下"(偶然な事に彼の生年月日は名古屋CBCラジオにおける「歌のない歌謡曲(松下電器提供番組)」開始年月日と全く一緒である)。
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[編集] 経歴・人物
血液型はO型。東京都港区出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学経済学部を卒業。1975年にアナウンサーとしてTBSに入社。慶応の同期にフジテレビの堺正幸がいる。
スポーツ実況をメインにする傍ら、1986年10月2日から「ザ・ベストテン」の司会を黒柳徹子とともに務めた。黒柳とのやりとりも軽快で、その司会ぶりは好評だった。なお松下が同番組に最初に出たのは久米宏の降板直前の頃で、1985年5月~9月まで不定期ながら司会補助を務めていた。この時はテロップに「TBSアナウンサー」という冠がついていたが、正式に司会を務める時には無くなっていた。1989年1月5日に同番組の司会を卒業し、元コント赤信号メンバーの渡辺正行に引き継いだ。松下は同番組の司会を2年3ヶ月間務めたが、これは初代司会者の久米宏に次いで2番目の長さである。
その他、1987年から2003年まで「ニューイヤー駅伝」の実況を務めた。さらにかつてのTBSのドミノ倒しの実況も、殆どを松下が行っていた。
現在「マスターズゴルフトーナメント」などの実況(地上波放送のみ。BS-iとTBSチャンネルでの放送は元TBSアナウンサーの多田護が実況を担当。TBSチャンネルで放送された「マスターズアーカイブ」ではナレーションも)を担当。
また、1980年代にはとんねるずと険悪で有名だった。ザ・ベストテンでは「くだらない歌ですね」と松下が発言、とんねるずが自身のラジオ番組・オールナイトニッポンで松下批判を実名で繰り返した。ザ・ベストテンではとんねるずがドロップキックを冗談半分に喰らわし、「松下に蹴り!生放送だから消せない!」と歌の途中でコメントしたこともある。しかし数ヵ月後、同番組に出演したとんねるずに黒柳徹子が「あなたたち仲が悪いの?」と聞いたところ、とんねるず石橋と松下の双方が「和解しました」と話した。また、オールナイトニッポンでは「食事にいった」とのこと。
現在の夫人はテレビ高知のアナウンサーだった谷沿圭子(尚、最初の夫人と松下は死別している)。松下がザ・ベストテン司会時代に全国のJNN系列の女子アナがTBSに集合し、そのときテレビ高知からは谷沿が参加していた。ちなみに彼女との婚約発表は、同番組内で行って披露宴の模様も同番組の「延長戦」で放送された。
『明石家さんちゃんねるスペシャル』(2008年4月16日放送)で、糖尿病を患っていることを明らかにした。
2008年5月14日付の東京放送定期人事異動発令で松下は『編成制作本部編成局アナウンス部スペシャリスト局次長』の任を解かれ、今後はTBS経営メディア本部経営企画局へ異動することが明らかになった。これにより、松下は33年間のアナウンサー生活に終止符を打ち、現役を引退することになった(2008年5月15日、BS-iとTBSニュースバードで放送された横浜ベイスターズVS読売ジャイアンツ戦(横浜スタジアム)の実況がアナウンサーとして最後の担当だった。) 。[1]
[編集] 実況関係での出来事
- 独特の実況はスポーツファンの間でも賛否が分かれている。平静時は冷静であるが、主に野球のホームランなど(過去にはサッカーのゴールシーンも)ボルテージが上がると、興奮しがちである。そのため、視聴者・リスナーからの苦情・抗議が寄せられることも少なくなかった。
- 他のアナウンサーと比べ、プロ野球選手の名前を間違える事が多い。「~年ぶり」などの数字関係(データ)も苦手としている。また2005年のある放送では、序盤に大差がついた試合で自らつかんだ裏情報(「○○○(某球団の人気選手)、来年○○○○を出て行くそうですね」)と話し、ファンの間で大騒動になった。
- 1984年のロサンゼルスオリンピック中継に派遣され、NHKで放送されたマラソンの中継の中でコース紹介の映像中にビーチでくつろぐトップレスの女性が映った際「おおっ、これはすばらしい」と発言してしまった(映像は国際映像であり全世界的へ同時提供されているものだったため、容易に差し替えることができない。また、競技の実況中継はNHK・民放が共同制作するスタイルのため、NHKで生中継される番組でも民放のアナウンサーが実況することがある)。
- 2005年10月22日のプロ野球日本シリーズ第1戦のラジオ実況で、ゲスト解説の野村克也から実況スタイルを批判され、生放送中にも関わらず怒られてしまったことがある。どうやら「実況は『世界の』松下でお送りしております」が「勝手に自分がなんて決めるな!」と言わんばかりのようで、これが野村のご機嫌を損ねたようである(この模様は「伊集院光 日曜日の秘密基地」の特番「TBSラジオ2005年好プレー珍プレー大賞」でも取り上げられた)。
- 一方ゴルフ実況(過去にはフルマラソンの実況も)は落ち着いており、ゴルフファンの中でも評判は上々であるが、2001年のマスターズトーナメントでバーディーパットを外したデビッド・デュバルに対して「何をやってる!!」と暴言ともとられかねない発言を行った(不適切な発言だったが、お咎めなしで済んだ。)。
- また、2007年10月2日に行われた読売ジャイアンツ対東京ヤクルトスワローズ戦のラジオ実況においても、結果的に巨人の優勝を決定付けた宮本慎也の悪送球の瞬間に「何をやってる」と発言した。
- その他1992年のバルセロナオリンピック、1996年のアトランタオリンピックにも派遣され、アトランタオリンピックでは男子サッカー予選グループ・日本×ブラジル戦を担当し、マイアミの奇跡と称される大金星を挙げた試合を伝えた。しかしこの五輪という大一番の試合でもジュニーニョ・パウリスタ(当該試合の登録名はジュニーニョ)の名前を開始から試合途中まで「ジョルジーニョ」と間違えて実況し続け、その上でいつものように自らを『世界の松下』と紹介した事で放送後、サッカーファン・関係者などから大ひんしゅくを買った。
- 2006年3月18日のWBC・日本×韓国戦の実況では、ペ・ヨンスの名前をペ・ヨンジュンと間違え(後に訂正)、実況中にも関わらず「長州小力だったら『キレてないですよ』と言いそうですね」などと発言。しまいには福留の劇的なHRには前述のように興奮して発言を行い、ネット上で彼のブログが炎上した。
- 2007年の横浜×巨人の開幕戦で巨人・高橋由の放った開幕戦初球先頭打者本塁打を実況し、これが日本プロ野球史上45年ぶりでセ・リーグ史上初の快挙となり、この歴史的瞬間に「これが今年の巨人!これが今年の高橋!」と絶叫した。この言葉通り高橋由は今シーズン先頭打者本塁打を量産している。
- また失言も多く2007年9月26日の読売ジャイアンツ×中日ドラゴンズの実況中に中日ドラゴンズの石井裕也投手に対し「こいつは耳が聞こえないんですよね。」と発言をした。
- ラジオのプロ野球中継では解説者やリポートのアナウンサーを紹介する際、最初に異名をつけて氏名を紹介していた。
[編集] 現在の担当番組
[編集] テレビ
- ザ・プロ野球他スポーツ中継(マスターズゴルフトーナメント・三井住友VISA太平洋マスターズ・陸上競技・サッカー・ゴルフなど)
- J SPORTS STADIUM野球好き・横浜ベイスターズ戦中継(J SPORTS)
[編集] ラジオ
[編集] スポーツゲームでの実況
過去に複数のメーカーに渡って野球ゲームの実況を担当したことがある。なお、グレイテストナインシリーズはTBSとのタイアップではない。
[編集] ハドソン(パワーリーグシリーズ)
- スーパーパワーリーグ2-1994年
[編集] セガ(グレイテストナインシリーズ)
- グレイテストナイン'96-1996年
- プロ野球グレイテストナイン'97-1997年
- プロ野球グレイテストナイン'97 メークミラクル-1997年
- プロ野球グレイテストナイン'98-1998年
- プロ野球グレイテストナイン'98 サマーアクション-1998年
[編集] 脚註
- ^ TBS松下アナ“卒業” スポーツ報知 2008年5月15日閲覧
[編集] 外部リンク
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