阪急8300系電車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
阪急8300系電車 | |
---|---|
8330F+8310F(初期形) |
|
起動加速度 |
2.6km/h/s(65km/hまで) |
営業最高速度 | 110km/h |
設計最高速度 | 130km/h |
減速度 | 3.7km/h/s(常用最大) 4.2km/h/s(非常) |
全長 | 18,900mm |
全幅 | 2,850mm |
全高 | 4,095mm |
編成重量 | 237.6t |
軌間 | 1,435mm |
電気方式 | 直流1,500V (架空電車線方式) |
主電動機 | かご形三相誘導電動機 形式:TDK6125-A |
編成出力 | 170kW×16=2,720kW(8両編成・7両編成) |
歯車比 | 1:5.25 |
駆動装置 | TD平行カルダンたわみ板継手式駆動方式 |
台車 | S型ミンデンドイツ式 M車:FS-369A・T車:FS-069A ボルスタレス式(8332F以降) M車:SS-139A・T車:SS-039A |
制御装置 |
形式:RG619-A-M (8300F・8301F・8310F・8330F) RG637-A-M (8311F以降) |
ブレーキ方式 | 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ (HRD) |
保安装置 | AF軌道回路方式ATS WS-ATC |
製造メーカー | アルナ工機 |
備考 | 全長・全幅・全高および編成重量の数値は1次車のもの |
このテンプレートは試行中です ■Template / ■ Notes |
阪急8300系電車(はんきゅう8300けいでんしゃ)は、阪急電鉄が1989年(平成元年)から製造した京都線向けの通勤形電車である。
本項目では解説の便宜上、梅田方先頭車+F(Formation=編成の略)を編成名として記述(例:8302以下8両編成=8302F、8333以下2両編成=8333F)する。
目次 |
[編集] 概要
8000系の京都線仕様、そして大阪市交通局(大阪市営地下鉄)堺筋線直通対応車として建造した。 VVVFインバータ制御、濃色の木目調化粧板、車椅子スペースの設置、側窓のパワーウインドウ化など8000系と同一であるが、8000系の一部編成に導入されているクロスシートは設置されていない。
8300系の導入開始は8000系と同じ1989年だが、8000系が導入された1月1日よりもかなり遅れた。
[編集] 製造途中の変更点
原則として、8連・7連で建造された編成は8300番台、6連で建造された編成は8310番台、2連で建造された編成は8330番台となっている。製造時期の違いから本系列にはさまざまなバリエーションが存在する。
- 初期形は前面が額縁スタイルで建造された。
- 8300F・8301F・8310F・8330Fとそれ以降の車両はVVVFインバータ(どちらも東洋電機製造製)の形状やサウンドが違う。ちなみに8300F・8301F・8310F・8330Fは、東洋電機製造製のGTO素子初期型の制御装置を採用しているため、広島電鉄3900形などの東洋電機製造製のGTO-VVVFインバータ制御装置を採用した路面電車に似た変調音がする。それ以外の車両については、東洋後期形の標準的なもので、東急1000系に似た変調音がする。
- 1991年(平成3年)増備の8311F6連からは前面の飾り帯が廃止された(既存の編成も後に撤去)。
- 1992年(平成4年)増備の8312Fでは阪急車で初めて堺筋線用の自動放送装置が取り付けられ、その後8300F・8301F以外の全ての堺筋線直通対応編成(3300系・5300系・7300系)に取り付けられた。自動放送装置は当初テープ式であったが地下鉄の車両より早く音声合成式に交換している。
- 1993年(平成5年)増備の8303Fからは同時期の8000系33以降の編成同様に前面が後部にくの字に折れたスタイルとなった。
- 1994年(平成6年)増備の8332F以降は台車をボルスタレス式に変更。(C#8332のみヨーダンパが取り付けられている。)
- 1995年(平成7年)増備の8304Fからは、前面窓が下部に拡大され、車番も電照式になった。
- 最終増備車の8315Fは、パンタグラフがシングルアーム式(8008Fと同じパンタシュー1本タイプ)となり、扉上部にLED式の車内案内表示装置を設置し、日除けもよろい戸から巻き上げ式カーテンに変更された。なお、後に8315Fに組み込まれたc#8904・8984にはこれらの仕様に統一する改造は施されていない。この2両は営業運転開始後に8304Fから抜き、当編成に編入したものである。
- 8300Fの大阪側・8301Fの京都側制御電動車は、空気抵抗に対する実験的要素で前面下部のライト周りを一段高くした形状となっている(落成当初は通常形態で、これは後年の改造によるものである)。
[編集] 運用
登場当時は8両固定編成のみで運用も京都本線の急行のみに限定されていたが、現在では8両編成は特急・快速急行・準急・普通、千里線・大阪市営地下鉄堺筋線の普通・堺筋準急に使用されている。 また、8両編成が6300系の代走として通勤特急として運行されることもある。 8両編成のうち2+6両編成の6両側は、多客期には、嵐山線の4両編成の2300系の代走として、線内折り返し運用につくこともある。
[編集] 在籍数
2007年7月現在、8300F・8301F・8302F・8303F・8315Fの8両編成5本40両、8330F+8310F・8331F+8312F〜8333F+8314Fの2+6両編成4本32両、7300系7325Fと連結して8両編成を組成する8311Fの6両編成1本、同じく7326Fと連結して8両編成を組成する8304Fの6両編成1本の計84両が在籍している。
[編集] 8315Fに新たに導入されたシステム
8315Fの車内にある電光掲示板には、8040形のようにFM大阪のニュース(見えるラジオ)が表示される(8200系も導入されているが、こちらは電光掲示板ではなく液晶ディスプレイに表示される。)。最初に「FM大阪○月○日(○)のニュース」が表示されて次にニュースが5件ほど表示される。時間に余裕があればまた繰り返される。特急電車で表示される可能性がある区間は次のとおり。
なお普通電車に使うときでも一部区間(特に距離の長い区間)で表示される。
[編集] 表示例
- ○○市で殺人事件
- ○○の会社員(○○)逮捕
[編集] 関連商品
スルッとKANSAIの企画商品として、8000系がバンダイのBトレインショーティーの模型として阪急電鉄の駅サービスセンター(駅長室)等で限定発売された。人気が殺到してわずか3、4日あまりで完売している。またグリーンマックスから、8000・8300系初期車仕様がNゲージ鉄道模型の塗装済みキットとして製品化され、塗装済完成品としても2007年9月に製品化が決定した。従来の無塗装エコノミーキットでも製作可能であるが、一部形態が異なる。
|
|||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
現用車両 | |||||||
|
|||||||
過去の車両 | |||||||
|