銀河鉄道999 (アニメ)
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本記事では松本零士作のSF漫画、『銀河鉄道999』(ぎんがてつどうスリーナイン)を原作とした、各種アニメ作品について解説する。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] テレビアニメ
フジテレビ系局で、1978年9月14日~1981年4月2日に全113話+総集編を放映。東映動画製作。文化庁推薦作品にも選出され、3本のスペシャル版が改編期に放映される好評を得た。なお劇場アニメ版製作の決定はテレビシリーズ放送開始前に決まっていた。
アニメ化にあたってはさまざまな工夫がなされた。チーフディレクター・西沢信孝がこだわったのは旅をする鉄郎の内面をどう表現するかであった。以下に例示する。
- 意図的に色調を全体的に暗くすることで、鉄郎が訪れる惑星で直面するさまざまな出来事に対し、悩みや疑問を抱く鉄郎の心理を表現。
- 鉄郎への感情移入を視聴者に促す演出として、『宇宙戦艦ヤマト』にもみられた女性スキャットの挿入、叙情的なバイオリンの音楽を多用。
- ナレーター・高木均によるエンディングでの朗読。その時間に1分とることで作品を締め、話を盛り上げ、幻想的な雰囲気作りを行った[1]。
これらに加え、声優陣の熱演などの甲斐もあり漫画版同様の長期シリーズとなった。そのストーリーのほとんどは漫画版を「原作として」トレースするスタイルであったが、低年齢視聴者への配慮として過激な表現などは抑えられた。[2]また、漫画版のストックが尽きた際には、別の松本短編作品をアレンジしたアニメオリジナルエピソードなども盛り込まれた(#放映リストも参照のこと)。なおテレビアニメ版の最終回は漫画版終了前の放送であったため、漫画版の結末とも映画版の結末とも違う独自の展開となっているが、終着駅の消滅とそれに伴うプロメシュームの死、メーテルとの別離という基本軸は踏襲されている。
次回予告を車掌役の肝付兼太が行い、最後に「次回の銀河鉄道999は、(次回タイトル)に停まります」で締めることが定番であった。例外として、新番組予告の際には「(タイトル)は、いよいよ出発進行!」で、最終回予告の際には「(タイトル)に到着します」でそれぞれ締められている。また、最終話(第113話)のみ、冒頭で表示されるサブタイトルの読み上げも行っている。
1993年末、日本テレビにおいて3日連続で「歳末波動砲! 松本零士スペシャル」と銘打ち、「ザ・コクピット」のOVAと共に、「永遠の旅人エメラルダス」をのぞくテレビスペシャル2本が放映された。1996年には同局にて4月から9月にかけ、本シリーズの再放送も行われている(時間帯はともに16時台。本放送と異なる局で放送できたのは、フジテレビが再放送権を喪失したため)。
[編集] 劇場版との世界観の相違
後述のりんたろう監督作品である劇場版アニメが冒険活劇、青春ものの作品としてまとまっているのに比べると、原作からのトレースが多いこのTVアニメ版は、男女間の恋愛や家族愛による人間同士のつながりと、その反面として人間(多くの場合は大人)が陥りがちな愚かさや孤独、弱さがより強調されたエピソードが目立つ。こうした設定の背景として、格差社会や死の運命、時間の流れなどがもつ不条理さを描いている。また、人間による植民地支配や奴隷制、独裁国家の歴史を下地にしたと思われる表現も多く見られるほか、一部の挿話で公害やゴミ問題など人間社会の負の部分を取り上げ、行き過ぎた近代化への警鐘を促した描写も見られた。
エメラルダスやハーロックなど、他の松本作品のキャラクターが登場するエピソードもあるが、彼らが前線で目立った活躍を見せていた劇場版に比べると、TVアニメ版ではそれぞれ偽者や代理に乗っ取られており、直接戦闘にも加わらないなど、さほど目立たない存在となっている。
[編集] 登場人物・キャスト
※銀河鉄道999#登場人物も参照。
[編集] 主要キャラクター
- 車掌
- 声 - 肝付兼太
- 999号の車掌。アニメ版では第2話で初登場。以後、車掌としてほぼすべての回に登場する。(車掌が物語に登場しない回には第80、81話などがある。)また肝付は、一部スペシャル番組を除いたアニメ版のすべての回の次回予告を担当し、車掌以外にも1シーンのみ登場する男性キャラクターの声としてたびたび登場している。
- 鉄郎の母(星野加奈江)
- 声 - 坪井章子
- 第1話で機械伯爵に撃たれ鉄郎と死別するが、その後も鉄郎の回想などを通じてたびたび登場する。原作の漫画と映画1作目においては機械伯爵によって剥製にされているが、TV版では剥製にはされていない。また坪井はこの他に、第37話でジミー役、第52話でアルテミスの母親役も演じている。
- ナレーター
- 声 - 高木均
- 全話でナレーションを担当した。原作でいうところの、キャラクターの心中や状況説明などに使用される「巻物」である。
[編集] ゲストキャラクターを演じた主な声優
カッコ内は話数。
- 青野武:エドモンド(32)、コア(70)
- 浅井淑子:ババンバ(56、57)
- 麻上洋子:スパイG号(19)、カスミ(37)
- 東美江:ハンマー・レドリル(109、110)
- 麻生美代子:フィメール(42)
- 雨森雅司:サケザン(29)、ダイルーズ(67)
- 池田秀一:ナンミ(46)
- 石丸博也:ジェロニモ(75、76)、ロッサ(83)
- 市川治:化石の戦士(12、13)
- 一城みゆ希:クーフレーム(77、78)
- 井上和彦:ゼロニモ(2)
- 井上真樹夫:パスカル(38)、マント姿の男(79~81)、天王寺和人(92)、キザルーナ(99)
- 今西正男:アンタレス(4)
- 恵比寿まさ子:フェラス(85)、螢子(93)
- 大久保正信:ブリッテン族長老(87)
- 大竹宏:ブライヤー(21)
- 小原乃梨子:泥のメーテル(18)
- かおりくみこ:レリューズ(79~81)
- 神谷明:プライダー(44、45)
- 神山卓三:世井正雪(28)
- 川島千代子:クレア(3)、クローマリア(25)、サンタナ(47、48)、マリア(67)、レイ(83)、アヤ(88)、カレル(102)
- 菊池紘子:花子(9、10)
- 北川国彦:メストール(14)
- 北浜晴子:リューズ(7、8)、ユキの母(27)
- 京田尚子:タイタンの老婆(3)
- 小林清志:ヌータル(17)
- 小宮山清:ホイール・ロック(34、35)、太郎(60、61)
- 小山まみ:ラセン(33)、奈美(49)、マーヤ(102)
- 槐柳二:酒場の親父(2)
- 坂井志満:豆腐屋の母(31)
- 佐久間あい:キル(102)、もう一人のメーテル(109、110)
- 佐藤正治:無軌道強行突破装甲車のコンピューター(38)、オットー(107)
- 塩沢兼人:シリウス(47、48)、砂山武(53)、ビーナ(85)、メーム(105)
- 塩屋翼:リフ(82)、ナスカ(87)、山田正(92)、モリ(98)
- 柴田秀勝:機械伯爵(1)、秘密警察隊長(70)
- 島田敏:サブデンドロ(108)
- 島本須美:スージィ(75、76)、本家アリババ(103、104)
- 清水マリ:キラ(43)
- 白石冬美:スルー(11)、クロサリス(106)
- 杉山佳寿子:フレーメ(2)、エルザ(65)、ナサケ(74)、ミモザ(89)
- 鈴置洋孝:太(93)、キル(105)
- 鈴木清信:ミカエル(67)
- 鈴木富子:メッキー(34、35)、さくら(41)
- 鈴木弘子:イローゼ(50)
- 鈴木れい子:ベートーベンの母(15)
- 瀬能礼子:惑星好奇心(68)
- 曽我部和行:ナール(84)
- 高橋和枝:ヤーヤボール(94、95)
- 滝口順平:ドクター・サイクロプロス(36)
- たてかべ和也:ギゾール(53)
- 田中秀幸:ヤク(88)、イザカ(107)
- 田中康郎:市長(89)、機械化隊長(112、113)
- 谷育子:クィーン・エメラルダス(22)
- 田の中勇:花子の父(10)、スバリ(17)、デルムカデ大統領(38)、ウォータープレス(75、76)
- 千葉繁:足立太(60、61)、コロンバス(77、78)
- つかせのりこ:ツルー(11)
- 辻村真人:大酋長(41)
- 津田延代:幻覚の悪魔(3)、ボロン(77、78)
- 寺島幹夫:ガンマン(20)
- 寺田誠:ザバの司令官(83)
- 徳丸完:クロック男爵(8)
- 永井一郎:鉄五郎(40、41)、ツール(90、91)
- 中谷ゆみ:メルーサ(84)、ミーツ(102)
- 中西妙子:花子の母(10)、エゴテリーナ(24)、ワルキューレ(45)、小母さん(58)
- 中野聖子:アーク(77、78)
- 納谷六朗:ブルダス(47、48)、モーゼル(69)
- 野島昭生:ナヴァアロ(75、76)
- 野田圭一:与作(71)、スノーロック(90、91)、アルマン(107)
- 信沢三恵子:シャドウ(5)、幽霊の少年の母親(30)、マチール(66)
- 野村道子:レーデ(56、57)、ミア(70)、ナミナミ(87)
- 野本礼三:テツオの父(86)、螢子の父(93)
- はせさん治:医者(6)、ハンダ(96、97)
- 馬場はるみ:世井正雪の妻(28)
- 潘恵子:母神ユキ(27)、ミル(63)、トト(66)、クレハ(82)、岸久美子(92)、サキ(105)
- 平井道子:メタメライナ(65)
- 久松保夫:キラの父(43)
- 藤田淑子:シャープス(54、55)、ポリス(62)、女王(72、73)
- 古川登志夫:イカリ(74)、レステル(85)、ウェスター(89)、ハンザ(98)、ダム(102)、ステーションNo.13(106)、メインデンドロ(108)
- 古谷徹:ゼーダ(47、48)、テツオ(86)、マサイ(111)
- 間嶋里美:魔女(35)、ロザンヌ(45)、ドア(70)、ルナ(83)
- 増岡弘:グダラ(59)、ガンデル(69)、シャワード(75、76)、機械城の城主(105)
- 増山江威子:シルビア(64)、雪女のユキ(90、91)、ネコア(96、97)
- 松尾佳子:フライヤ(16)、ミーくん(37)、アルテミス(51、52)、レア(70)、エルザ(87)
- 松沢和子:ポエム(77、78)
- 松島みのり:ラーラ(14)、アリス(44)、ミール(68)、三枝子(92)、サリ(101)
- 丸山裕子:チビ(56、57)、ニコライ(65)
- 水島裕:ベートーベン(15)
- 三橋洋一:影郎(39)、ゼス(83)
- 宮内幸平:ホロホロ(26)、レランとミルの父(63)、権兵衛(71)
- 宮崎恵子:マザーコンピュータージュニア(108)
- 向井真理子:マザー(94、95)
- 村山明:ハンザ(82)、アロン(101)
- 森功至:マスク(68)
- 安原義人:影の男(79~81)
- 矢田耕司:清潔管理局長(19)、ブラック(89)
- 弥永和子:エミリア(45)、レラン(63)、秘密捜査官(86)、分家アリババ(103、104)
- 八奈見乗児:黒騎士(15)、豆腐屋の父(31)、奈美の夫(49)、ボバンボ(56、57)、スタンレー(84)
- 山口奈々:ホイール・ロックの母(34、35)、女王(84)
- 山下啓介:もうひとりの車掌(109、110)
- 山田俊司:鉄郎の父(4)、ヌルー(11)
- 山本圭子:幽霊の少年(30)、砂山学(53)、テツオの母(86)、キクオ(107)
- 横沢啓子:花子(60、61)、ナヤ(85)、ゾーヤ(98)、ミライ(112、113)
- 吉田理保子:ライザ(29)、キャロル(45)
- 若本紀昭:エアカー(59)、ムウ(88)
[編集] スタッフ
- 企画:別所孝治(フジテレビ)、横山賢二、小湊洋市(東映動画)
- 原作:松本零士
- 音楽:青木望
- チーフディレクター:西沢信孝
- 製作担当:佐伯雅久
- 背景:スタジオコスモス、アトリエローク、ポップ、ムクオスタジオ、アトリエロビン
- 特殊効果:佐藤章二、堰合昇、向井稔、浜桂太郎、田崎正夫、中島正之、河内正行、平尾千秋
- 編集:千蔵豊、吉川泰弘(以上、タバック)、相原義彰、辺見俊夫
- 録音:池上信照(タバック)
- 効果:松田昭彦(フィズサウンドクリエイション)
- 撮影:菅谷英夫、菅谷信行、佐藤隆郎、寺尾美千代、森下成一、新井隆文、白井久男、新田函
- 製作進行:山内重保、池田桂治、庄司清、加藤久美子、伊東政雄、関口孝治、鄭了威、康村正一、箕ノ口克己、桐野俊介、板倉則子、益子啓道、加藤雄治
- 記録:池田紀代子、竹沢裕美子
- 現像:東映化学
- 美術設定→チーフデザイナー:浦田又治
- 美術:窪田忠雄、勝又激、山口俊和、高野正道、浦田又治、海老沢一男、土田勇、山川晃、中村靖、金子英俊、武井明、秦秀信、坂本信人、中山益男、明石貞一、松本健治
- キャラクター設計:荒木伸吾(初期数話のみ)、湖川滋(31話からクレジット表記が滋から「友謙」に変更)
- 総作画監修:湖川滋(1-63話、74-88話)、小松原一男(64-73話)
- 制作:フジテレビ、東映
[編集] 主題歌
OP『銀河鉄道999』/ED『青い地球』
OPは主役メカ・999号をはじめとする列車が宇宙空間を飛び交うというもので、主人公である鉄郎やメーテルといった登場人物が一切出てこないという異色のものであり、放送期間中に3パターンが使用された。
[編集] 視聴率
- 初回視聴率:15.5%
- 最高視聴率:22.8%
- いずれもビデオリサーチ調べ、関東地区。
[編集] ネット局
- フジテレビ:北海道文化放送、青森テレビ※、テレビ岩手※、仙台放送、秋田テレビ※、山形テレビ※、福島テレビ※、新潟総合テレビ※、長野放送、山梨放送※、富山テレビ放送、石川テレビ放送、福井テレビ、テレビ静岡、東海テレビ放送、関西テレビ放送、山陰中央テレビ、岡山放送、テレビ新広島、テレビ山口※、四国放送※、テレビ愛媛※、テレビ高知※、テレビ西日本、サガテレビ、テレビ長崎※、テレビ熊本※、テレビ大分※、テレビ宮崎※、鹿児島テレビ放送※、沖縄テレビ放送
無印=同時ネット局 ※=時差ネット局
[編集] 放映リスト
[編集] 1978年
放送日 | 話数 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 作画監督 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
9月14日 | 1 | 出発のバラード | 山浦弘靖 | 西沢信孝 | 兼森義則 | |
9月21日 | 2 | 火星の赤い風 | 藤川桂介 | 明比正行 | 落合正宗 | |
9月28日 | 3 | タイタンの眠れる戦士 | 吉田喜昭 | 湯山邦彦 | 田中保 | 前半は「透明の女ガラスのクレア」 後半は「タイタンの眠れる戦士」 |
10月5日 | 4 | 大盗賊アンタレス | 藤川桂介 | |||
10月12日 | 5 | 迷いの星の影(シャドウ) | 山浦弘靖 | 明比正行 | 石黒育 | |
10月19日 | 6 | 彗星図書館 | 藤川桂介 | 坂田ゆう | 田中保 | |
10月26日 | 7 | 重力の底の墓場 前編 | 川田武範 | 兼森義則 | ||
11月2日 | 8 | 重力の底の墓場 後編 | 落合正宗 | |||
11月9日 | 9 | トレーダー分岐点 前編 | 吉田喜昭 | 湯山邦彦 | 田中保 | |
11月16日 | 10 | トレーダー分岐点 後編 | 新田義方 | |||
11月23日 | 11 | 不定形惑星ヌルーバ | 藤川桂介 | 古沢日出夫 | 石黒育 | |
11月30日 | 12 | 化石の戦士 前編 | 山浦弘靖 | 明比正行 | 兼森義則 | |
12月7日 | 13 | 化石の戦士 後編 | 長谷川憲生 | |||
12月14日 | 14 | 二重惑星のラーラ | 藤川桂介 | 川田武範 | 落合正宗 | |
12月21日 | 15 | 水の国のベートーベン | 吉田喜昭 | 新田義方 | 田中保 | 前半は「暗黒星メフィストの黒騎士」 後半は「水の国のベートーベン」 |
12月28日 | 16 | 蛍の街 | 藤川桂介 | 大谷恒清 | 兼森義則 |
[編集] 1979年
放送日 | 話数 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 作画監督 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1月4日 | 17 | 装甲惑星 | 山浦弘靖 | 明比正行 | 中村一夫 | |
1月11日 | 18 | 泥のメーテル | 吉田喜昭 | 八幡正 | ||
1月18日 | 19 | ざんげの国 | 藤川桂介 | 川田武範 | 湖川滋 | |
1月25日 | 20 | プロフェッショナル魂 | 吉田喜昭 | 生頼昭憲 | 長谷川憲生 | |
2月1日 | 21 | 枯葉の墓標 | 藤川桂介 | 明比正行 | 西城明 | 前半は「空中牧場の大きな牛」 後半は「枯葉の墓標」 |
2月8日 | 22 | 海賊船クィーン・エメラルダス | 西沢信孝 | 兼森義則 | ||
2月15日 | 23 | 原始惑星の女王 | 吉田喜昭 | 明比正行 | 石黒育 | |
2月22日 | 24 | 次元航海惑星 | 山浦弘靖 | 坂本三郎 | ||
3月8日 | 25 | 鋼鉄天使 | 藤川桂介 | 川田武範 | 木下ゆうき | |
3月15日 | 26 | 白骨の歌 | 山浦弘靖 | 明比正行 | 西城明 | |
3月22日 | 27 | 雪の都の鬼子母神 | 藤川桂介 | 井内秀治 | 白鳥剣[3] | |
3月29日 | 28 | かげろう星の文豪 | 大谷恒清 | 落合正宗 | ||
4月5日 | 29 | サケザン大陸 | 吉田喜昭 | 明比正行 | 兼森義則 | |
4月12日 | 30 | 幽霊世界のフィラメント | 藤川桂介 | 生頼昭憲 | 落合正宗 | |
4月19日 | 31 | 怒髪星 | 山浦弘靖 | 石黒育 | 松本清 | |
4月26日 | 32 | 停時空間のかじられ星 | 吉田喜昭 | 久岡敬史 箕ノ口克己 |
兼森義則 | |
5月3日 | 33 | ウラトレスのネジ山 | 山浦弘靖 | 西沢信孝 | 飯野皓 | |
5月17日 | 34 | プレーテッド・シティの魔女 前編 | 藤川桂介 | 川田武範 | 西城明 | |
5月31日 | 35 | プレーテッド・シティの魔女 後編 | 落合正宗 | |||
6月7日 | 36 | 大酋長サイクロプロス | 吉田喜昭 | 井内秀治 | 白鳥剣 | |
6月14日 | 37 | ミーくんの命の館 | 藤川桂介 | 生頼昭憲 | 飯野皓 | |
6月21日 | 38 | 卑怯者の長老帝国 | 山浦弘靖 | 大谷恒清 | 西城明 | |
7月5日 | 39 | 霧の都のカスミ | 藤川桂介 | 明比正行 | 石黒育 | |
7月19日 | 40 | 球状住宅団の大酋長 前編 | 山浦弘靖 | 葛西治 | 津野二朗 | |
7月26日 | 41 | 球状住宅団の大酋長 後編 | 生頼昭憲 | 落合正宗 | ||
8月2日 | 42 | フイメールの思い出 | 藤川桂介 | 井内秀治 | 内山まさゆき | |
8月16日 | 43 | 嵐が丘のキラ | 明比正行 | 木下ゆうき | ||
8月30日 | 44 | ワルキューレの空間騎行 前編 | 山浦弘靖 | 生頼昭憲 | 津野二朗 | |
9月6日 | 45 | ワルキューレの空間騎行 後編 | 川田武範 | 落合正宗 | ||
9月13日 | 46 | エルアラメインの歌声 | 藤川桂介 | 井内秀治 | 内山まさゆき | |
9月20日 | 47 | 永久戦斗実験室 前編 | 山浦弘靖 | 明比正行 | 木下ゆうき | |
9月27日 | 48 | 永久戦斗実験室 後編 | 津野二朗 | |||
10月11日 | SP | 君は戦士のように生きられるか!! | 明比正行 井内秀治 |
落合正宗 湖川友謙 井内秀治 |
12・13話を元に再構成 | |
10月18日 | 49 | これからの星 | 藤川桂介 | 葛西治 | 兼森義則 | |
10月25日 | 50 | 亡霊トンネル | 井内秀治 | 内山まさゆき | ||
11月1日 | 51 | 透明海のアルテミス 前編 | 川田武範 | 落合正宗 | ||
11月8日 | 52 | 透明海のアルテミス 後編 | 葛西治 | 兼森義則 | ||
11月15日 | 53 | 鏡の星の鉄郎 | 山浦弘靖 | 大谷恒清 | 津野二朗 | |
11月22日 | 54 | 終わりなき夏の物語 前編 | 箕ノ口克己 | 湖川友謙 | ||
11月29日 | 55 | 終わりなき夏の物語 後編 | 西沢信孝 | 小松原一男 | ||
12月6日 | 56 | 冷血帝国 前編 | 藤川桂介 | 川田武範 | 落合正宗 | |
12月13日 | 57 | 冷血帝国 後編 | 井内秀治 | 内山まさゆき | ||
12月20日 | 58 | 足音村の足音 | 吉田喜昭 | 葛西治 | 津野二朗 | |
12月27日 | 59 | なまけものの鏡 | 藤川桂介 | 芹川有吾 | 落合正宗 |
[編集] 1980年
放送日 | 話数 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 作画監督 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1月10日 | 60 | 大四畳半惑星の幻想 前編 | 藤川桂介 | 大谷恒清 | 津野二朗 | |
1月17日 | 61 | 大四畳半惑星の幻想 後編 | 川田武範 | 小松原一男 | ||
1月24日 | 62 | 夜のない街 | 山浦弘靖 | 西沢信孝 | 兼森義則 | |
1月31日 | 63 | ヤミヤミの姉妹 | 藤川桂介 | 井内秀治 | 内山まさゆき | |
2月7日 | 64 | 沈黙の聖地 | 山浦弘靖 | 葛西治 | 木下ゆうき | |
2月14日 | 65 | 交響詩 魔女の堅琴 | 芹川有吾 | 落合正宗 | ||
2月21日 | 66 | 霧の葬送惑星 | 藤川桂介 | 大谷恒清 | 津野二朗 | |
2月28日 | 67 | 宇宙僧ダイルーズ | 山浦弘靖 | 川田武範 | 兼森義則 | |
3月6日 | 68 | 好奇心という名の星 | 藤川桂介 | 井内秀治 | 内山まさゆき | |
3月13日 | 69 | C62の反乱 | 山浦弘靖 | 西沢信孝 | 小松原一男 | |
3月20日 | 70 | 心やさしき花の都 | 葛西治 | 兼森義則 | ||
3月27日 | 71 | 賽の河原の開拓者 | 川田武範 | 木下ゆうき | ||
4月4日 | SP | 永遠の旅人エメラルダス | 藤川桂介 | 西沢信孝 | 兼森義則 | 22話を元に再構成 エメラルダスの声は田島令子 |
4月24日 | 72 | 大暗黒惑星アフリカ 前編 | 芹川有吾 | 落合正宗 | ||
5月1日 | 73 | 大暗黒惑星アフリカ 後編 | 大谷恒清 | 津野二朗 | ||
5月8日 | 74 | 17億6千5百万人のくれくれ星 | 井内秀治 | 内山まさゆき | 原題:「17億6千5百万人のルンペン星」 駅名もプラネットベガーからくれくれ星に変更 |
|
5月15日 | 75 | 水の国のシャイアン 前編 | 山浦弘靖 | 葛西治 | 津野二朗 | |
5月29日 | 76 | 水の国のシャイアン 後編 | 福島和美 | 篠田章 | ||
6月12日 | 77 | 喰命聖女 前編 | 箕ノ口克己※ | 落合正宗 | ※絵コンテ:明比正行 | |
6月26日 | 78 | 喰命聖女 後編 | 井内秀治 | 内山まさゆき | ||
7月3日 | 79 | 時間城の海賊 前編 | 川田武範 | 小松原一男 | ||
7月10日 | 80 | 時間城の海賊 中編 | 葛西治 | 兼森義則 | ||
7月17日 | 81 | 時間城の海賊 後編 | 大谷恒清 | 木下ゆうき | ||
7月24日 | 82 | 短かな生命の物語 | 藤川桂介 | 井内秀治 | 津野二朗 | 原作:「さらば生命の時」[4] |
7月31日 | 83 | 第3生命帯 | 川田武範 | 落合正宗 | 原作:「第3生命帯」[4] | |
8月14日 | 84 | 巨象の星 | 山浦弘靖 | 井内秀治 | 内山まさゆき | 原作:「巨象西へ行く」[5] |
8月21日 | 85 | 愛の幻影惑星 | 藤川桂介 | 葛西治 | 小松原一男 | 原作:「わが愛の幻影」[4] |
8月28日 | 86 | 親知らず星のUFO | 山浦弘靖 | 川田武範 | 兼森義則 | アニメオリジナル |
9月4日 | 87 | 海からきたエルザ | 井内秀治 | 津野二朗 | 原作:「海からきたエルザ」[5] | |
9月11日 | 88 | 運命の分れ星 | 藤川桂介 | 箕ノ口克己 | 木下ゆうき | 原作:「新世界はむらさきの空」[4] |
9月25日 | 89 | ガンマン哀歌(えれじい) | 山浦弘靖 | 葛西治 | 兼森義則 | アニメオリジナル |
10月2日 | SP | 君は母のように愛せるか!! | 藤川桂介 | 葛西治 川田武範 |
51話・52話を元に再構成 | |
10月9日 | 90 | アンドロメダの雪女 前編 | 大谷恒清 | 落合正宗 | ||
10月16日 | 91 | アンドロメダの雪女 後編 | 井内秀治 | 内山まさゆき | ||
10月23日 | 92 | 海底都市の最期 | 山浦弘靖 | 川田武範 | なかじまちゅうじ | 原作:「大深海屋敷」[5] |
10月30日 | 93 | 昆虫惑星の螢子 | 藤川桂介 | 箕ノ口克己 | 原作:「グリーンインセクター」[4] | |
11月6日 | 94 | ヤーヤボールの小さな世界 前編 | 山浦弘靖 | 芹川有吾 | 落合正宗 | |
11月13日 | 95 | ヤーヤボールの小さな世界 後編 | ||||
11月20日 | 96 | フライング・クロ 前編 | 藤川桂介 | 井内秀治 | 内山まさゆき | |
11月27日 | 97 | フライング・クロ 後編 | 西沢信孝 | なかじまちゅうじ | ||
12月4日 | 98 | 宇宙に残った一冊の本 | 川田武範 | 内山まさゆき | 原作:「140万年の沈黙」[4] | |
12月11日 | 99 | 四次元エレベーター | 山浦弘靖 | 大谷恒清 | 落合正宗 | |
12月18日 | 100 | ルーズゾーンの妖怪 | 藤川桂介 | 葛西治 | なかじまちゅうじ | 原作にないゴミの「妖怪」が登場 |
12月25日 | 101 | 永遠の夢追い星 | 井内秀治 | 内山まさゆき | 原作:「古本屋古本堂」[4] |
[編集] 1981年
放送日 | 話数 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 作画監督 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1月8日 | 102 | 聖女王の反乱星 | 藤川桂介 | 芹川有吾 | 落合正宗 | 原作:「緑の国のマーヤ」[4] |
1月15日 | 103 | アンドロメダ千夜一夜 前編 | 川田武範 | 江古田豊 | ||
1月22日 | 104 | アンドロメダ千夜一夜 後編 | 大谷恒清 | なかじまちゅうじ | ||
1月29日 | 105 | 若き戦士の伝説 | 井内秀治 | 内山まさゆき | アニメオリジナル | |
2月5日 | 106 | 幽霊駅(ゴーストステーション)13号 | 葛西治 | 兼森義則 | ||
2月12日 | 107 | キリマンジャロの鳥人 | 山浦弘靖 | 川田武範 | 落合正宗 | アニメオリジナル タイトルは同名の短編[5]から引用 |
2月19日 | 108 | マカロニグラタンの崩壊 | 藤川桂介 | 井内秀治 | 内山まさゆき | 原作にはないプロメシュームの登場あり |
2月26日 | 109 | メーテルの旅 前編 | 葛西治 | 兼森義則 | ||
3月5日 | 110 | メーテルの旅 後編 | 大谷恒清 | なかじまちゅうじ | ||
3月12日 | 111 | 惑星こうもり | 川田武範 | 落合正宗 | アニメオリジナル | |
3月19日 | 112 | 青春の幻影 さらば999 前編 | 山浦弘靖 | 井内秀治 | ||
3月26日 | 113 | 青春の幻影 さらば999 後編 | 内山まさゆき | アニメオリジナル、TV版の最終回 | ||
4月2日 | 総集編 | 少年の旅立ちと別れ | 兼森義則 内山まさゆき |
鉄郎の回想でこれまでの旅を振り返る |
全113話を放映の後、その翌週に総集編が放送されたために全114話と思われていることもあるが、あくまで全113話である。なお、この総集編は再放送の際に放映されたことはあるものの長らくソフト化されなかったが、2003年発売のDVD-BOX6「無限への旅立ち」の特典映像として初ソフト化された。このため、宝島社「完全版 銀河鉄道999 PERFECT BOOK」(2006年)にある、‘今まで一度もソフト化はなされていない’という記述は誤りである。
[編集] テレビスペシャル
- 「君は戦士のように生きられるか!!」
- 1979年10月11日放送。テレビシリーズ第12話・13話「化石の戦士」を元に再構成したもの。
- 「永遠の旅人エメラルダス」
- 1980年4月3日放送。テレビシリーズ第22話「海賊船クィーン・エメラルダス」を元に再構成したもの。
- 「君は母のように愛せるか!!」
- 1980年10月2日放送。テレビシリーズ第51話・52話「透明海のアルテミス」を元に再構成したもの。
スペシャル版のオープニングは、1979年から山口線で運行された「やまぐち号」こと「C571」の実写が最初に映し出され、同機がトンネルに入ってからレギュラーのオープニング映像につながるというもので、C571正面の999号のヘッドマークと、デフレクター(除煙板)と炭水車側面にアニメと同様のロゴが合成で書き込まれていた他、冒頭では「山口線で走行している…」旨のテロップが用意されていた。またテーマ曲は後述のゴダイゴによる映画版主題歌であった。
なお、日本テレビでスペシャル版を放送した時のオープニング映像は、宇宙空間を行く999号をCGで再現したものであった。
少年画報社発刊「Fantastic Album 銀河鉄道999 アニメ画集」8号 TVアニメ大特集の「ロケハン紀行 山口路に999号を見た!」の紹介頁によると、撮影は、C571が復活し話題となった昭和54年の9月8~9日にかけて行われた。出発は津和野駅から、走行時は仁保駅から新山口へ向かうところ、長門峡駅鉄橋走行、徳佐-船平山間、地福-鍋倉間、徳佐を出て船平山から白井トンネル、鷲原トンネル等、計6箇所のトンネルを潜る箇所が撮影されている。
[編集] テレビ特番
1980年11月1日にフジテレビで放送の『新竹取物語1000年女王 松本零士の世界』という特別番組が放送された。1981年4月から『銀河鉄道999』の後番組として始まることになった『新竹取物語1000年女王』を宣伝する前夜祭的な2時間番組だった。「宇宙戦艦ヤマト」と当作の相乗効果で、松本ブームが最高潮だったため、多くの松本アニメ・松本キャラと実写パートを組み合わせて製作された。基本的な意図は松本作品の紹介・宣伝だが、宇宙戦艦ヤマトが横浜港に到着し、999号が上野駅に到着。その後999号には「男おいどん」の大山昇太が乗り込み、松本の故郷である九州を訪ねに行く。クライマックスでは森雪、スターシャ、サーシャ、テレサ、メーテル、クイーン・エメラルダス、アニメ初披露となる雪野弥生らヒロイン陣が松本と対談する(勿論アニメ絵が動き、声優が喋る)という、非常に凝ったものだった。アニメ関連スタッフはかなり異なるヤマトと999のコラボレーションなど、現在に至っても、ここまで凝った形態の作品は作られていない。当時の松本ブームの熱狂ぶりをよく現している作品と言える。ソフト化はされていないが視聴者の録画が残されており、アマチェア団体の主催した宇宙戦艦ヤマトのイベントで、ごく一部が上映された事がある。
[編集] 映画版
[編集] 概要
テレビシリーズ放送中に夏休み映画として公開されてヒットした2本の長編作品と、1998年に公開された中編作品がある。先に製作された映画版2作品の大きな特徴として、青春映画にしたいという製作陣の意図により、映画版1作目において主人公の鉄郎の年齢10歳から15歳に変更され、年齢設定が5歳引き上げられていることと、漫画版、テレビアニメ版に比べ鉄郎の顔が男前になっていることである(鉄郎の顔の変化について、詳しくは星野鉄郎#TV・漫画版と劇場版旧2作の設定の違いを参照)。
劇場版ではテレビシリーズとは声優が一部異なり、ナレーターは2作共通で城達也。3作目のエターナル・ファンタジーでは夏八木勲。映画版1作目でペンダントとなっているメーテルの父・ドクター・バンは納谷悟朗。
のちに映画版1作目と2作目が地上波でテレビ放送されたときはテレビシリーズ同様、フジテレビがゴールデン洋画劇場などの時間枠で放送していたが、1989年と1990年の12月下旬にTBSが奥さま劇場(「冬休みアニメフェスタ」)の時間枠にこれら映画版2作品を前後編に分けて放送したこともあった。
前2作の家庭用ビデオソフト化の際、当時VHSの標準モードの有効長に収まらず、VHS版はカット版となっていた。一方、ベータではβIIの有効長に収まった為ノーカットであった。
[編集] 銀河鉄道999 (The Galaxy Express 999)
銀河鉄道999 | |
監督 | りんたろう |
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製作総指揮 | 今田智憲 |
脚本 | 石森史郎 |
出演者 | 野沢雅子 池田昌子 肝付兼太 他 |
音楽 | 青木望 |
主題歌 | ゴダイゴ |
撮影 | 福井政利 片山幸男 |
編集 | 花井正明 大熊泉 |
配給 | 東映株式会社 |
公開 | 1979年8月4日 |
上映時間 | 129分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 16億5000万 (1979年邦画配給収入1位) |
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Variety Japan | |
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IMDb | |
漫画版アンドロメダ編を、コンパクトな形で再構成した全編新作のアニメ映画作品。1979年公開。監督のりんたろう、キャラクターデザインの小松原一男、美術の椋尾篁のトリオは松本原作のテレビアニメ『宇宙海賊キャプテンハーロック』のスタッフであり、これを気に入っていた東映動画の今田智憲社長による指名である。[6]
ストーリー構成は、これまでに漫画版で描かれてきた山場というべきエピソードを中心に再構成。原作・テレビでは旅立ち前の出来事であった機械伯爵との決戦が中盤に移動しているなど、時系列の入れ替えが大胆に行われている。999での旅を通じて描かれる鉄郎の成長と共に、『宇宙海賊キャプテンハーロック』で登場するアルカディア号が、どういう経緯でトチローの意思を持つようになったのか、未完となっていた漫画『クイーン・エメラルダス』での、トチローを探す彼女の旅の結末なども本作では描かれている。
ラストの鉄郎とメーテルが別れるシーンは、現在でも伝説の感動シーンとして語り継がれている。本シーンの収録の際、野沢・池田共に感極まって泣きながら演じ、他のスタッフももらい泣きした[7]。
また本作最大の特徴は、漫画版・テレビアニメ版共に未完結の時点での制作であったにも関わらず、「これからも鉄郎の旅は続く」といった尻切れにせず、漫画・テレビに先んじてアンドロメダ編の結末を一番最初に披露したことである。メーテルの正体や『機械の体をただでくれる星』の真実といった、序盤から挙げられていた謎の回答を先に見せるという、当時としては大胆な試みがなされていた。[8]そのため原作への影響を懸念する声も出たが、原作者の松本は「旅は‘結末’よりも、‘過程’が大事だから」と答えたという。 配給収入は16億5000万円。1979年度の邦画の第一位で、これはアニメ映画史上初の快挙だった。さらに1980年の第3回日本アカデミー賞特別賞(話題賞)を受賞。映画雑誌『キネマ旬報』のキネマ旬報ベストテンでは17位と、映画としてアニメ映画が評価されなかった[9]時代に異例の評価を得る。同じくキネマ旬報の読者選出ベストテンでは5位、ぴあのぴあテンでは8位を獲得している。
映画パンフレットも105万部を売り上げた[10]。
青木望の音楽によるサウンドトラック『交響詩銀河鉄道999』はオリコンチャートで1位[11]、当時人気絶頂だったロックバンド・ゴダイゴによる主題歌『銀河鉄道999』もオリコン最高位2位、オリコンでは55.6万枚(日本コロムビア調べでは120万枚)を売り上げ、当時のオリコンにおけるアニメ主題歌としては歴代最高セールスを記録。これは1983年にキャッツ・アイ(杏里)に抜かれるまで破られず、松本零士ブームの頂点を成した。1970年代後半から1980年代前半に巻き起こったアニメブームを代表する作品の一つ。
アメリカでは『Galaxy Express』の題名で1981年に公開された。映画評論家の森卓也は1983年公開のアメリカ映画『銀河伝説クルール』に影響を与えた可能性を指摘している[12]。
このアニメ映画を元にした小説版は出版社別に3種類があり、ソノラマ文庫の藤川桂介、コバルト文庫の若桜木虔、集英社のはやしたかしの3人が競作している[13]。
[編集] スタッフ
- 製作総指揮:今田智憲
- 企画・原案・構成:松本零士
- 企画:有賀健、高見義雄
- 製作担当:横井三郎
- 脚本:石森史郎
- 作画監督:小松原一男
- 美術監督:椋尾篁、窪田忠雄
- 音楽:青木望
- 主題歌:『銀河鉄道999』(ゴダイゴ)
- 挿入歌:『Taking off』(ゴダイゴ)、『やさしくしないで』(かおりくみこ)[14]
- 監督:りんたろう
- 監督助手:大関雅幸、吉沢孝男
- 監修:市川崑
- 原画:兼森義則、稲野義信、及川博史、友永和秀、風間恵美子、真鍋譲二、金田伊功、井口忠一、堀川留子、桑原玲子、中島忠二、小泉謙三、的場茂夫、河村信道、高橋英吉
- 製作:東映動画
- 配給:東映
[編集] さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅
さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅 | |
監督 | りんたろう |
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製作総指揮 | 今田智憲 |
脚本 | 山浦弘靖 |
出演者 | 野沢雅子 池田昌子 肝付兼太 他 |
音楽 | 東海林修 |
主題歌 | メアリー・マッグレガー |
撮影監督 | 高梨洋一 |
編集 | 花井正明 |
配給 | 東映株式会社 |
公開 | 1981年8月1日 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 11億3000万 (1981年邦画配給収入8位) |
前作 | 銀河鉄道999 |
次作 | 銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー |
allcinema | |
Variety Japan | |
allmovie | |
IMDb | |
前作から更に2年後の世界を舞台にした続編。1981年公開。 前作で描かれていたメガロポリスも機械化人との戦いで廃墟となり機械化人と生身の人間との融和が維持できずに崩れさった事を物語っている。機械化世界の衰退と反発を表現した内容が多く見られる。
前作で描ききれなかった「機械帝国の実態(生身の人間から魂を抜き取り、機械化人のエネルギーにしていた)」と「メーテル、プロメシューム親子の過去」を綴り、本シリーズ通じての根本のテーマである「限りある命の尊さ」を印象づけた。
前作に比べ画質も向上し、当時のセル制作アニメの最高水準に達しているが、前作ほどの興行収入は得られなかった。
終盤で鉄郎と最後の対決に臨む機械化人・黒騎士ファウストは江守徹。前作で死んだキャラクターの声を当てているキャストも別の役で再登場しており、機械伯爵の柴田秀勝は機関車、クレアの麻上洋子はメーテルの体を狙う機械化人メタルメナ、トチローの富山敬は惑星ラーメタルで鉄郎を助けたパルチザンのミャウダー、リューズ役の小原乃梨子は『宇宙海賊キャプテンハーロック』で持ち役だったミーメとして声をあてている。
[編集] スタッフ
- 製作総指揮:今田智憲
- 企画・原案・構成:松本零士
- 企画:有賀健、高見義雄
- 製作担当:大野清
- 脚本:山浦弘靖
- 作画監督:小松原一男
- 美術監督:椋尾篁
- 美術:窪田忠雄
- 音楽:東海林修
- 主題歌:『SAYONARA』、挿入歌:『LOVE LIGHT』(劇中未使用)
- 作詞・作曲・歌: メアリー・マッグレガー(Mary MacGregor)、ブライアン・ウィットカム、ディビッド・J・ホルマン
- 監督:りんたろう
- 監督助手:吉沢孝男
- 原画:森利夫、野田卓雄、才田俊次、金田伊功、山口泰弘、後藤紀子、沼尻東、青鉢芳信、木下ゆうき、横山涼一、横山健次、白川忠志、鍋島修、的場茂夫、金山通弘、小川明弘、阿部隆、木野達児
- 製作:東映動画
- 配給:東映
[編集] 銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー
銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー | |
監督 | 宇田鋼之介 |
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製作 | 高岩淡 泊懋 |
脚本 | 武上純希 |
出演者 | 野沢雅子 池田昌子 肝付兼太 他 |
音楽 | 田中公平 |
主題歌 | THE ALFEE |
撮影監督 | 細田民男 |
撮影 | 石井吉忠 |
編集 | 西山茂 |
配給 | 東映 |
公開 | 1998年 |
上映時間 | 54分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
前作 | さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅 |
allcinema | |
Variety Japan | |
1996年より再開された新展開編の導入部のみを映画化した、プロモーションビデオ的要素が強い作品。1998年公開の春休み映画。リバイバルの『長靴をはいた猫』と同時上映の54分の中編で、999の年ということから翌年1999年に完結篇となる2時間超の長編が予定されていた。しかし配給収入7億円の東映側の期待に及ばず、約2億円と興行が振るわず中止になった[15]。脚本を担当した武上純希は、テレビ版の脚本の約半数を執筆した藤川桂介の弟子筋にあたる。
当作は「漫画版エターナル編」を下敷きにアニメ化しており、従ってテレビアニメ版とも映画前2作とも違った設定の部分が多々ある。部分的に前2作の映画版やアニメ版の設定がなされていることがあるが、基本的に「漫画版アンドロメダ編」の設定を引き継いでいるようだ。鉄郎の容姿が劇場版として、初めて原作とほぼ同じものになっている。テレビ版や初期映画2部作からスタッフはほぼ一新されたが、メーテル・鉄郎・車掌の3名はこれまでと同じ担当声優が17年振りに再登板している。クライマックスで鉄郎が対決するメタノイドの女戦士・ヘルマザリア(地獄の聖母騎士)は榊原良子。電子妖精カノンは戸田恵子。クレアは皆口裕子、ハーロックは山寺宏一に変更され、特にハーロックに関しては旧来のファンから不評を買った(ハーロック役の声優の項も参照のこと)。
999号はコンピュータグラフィックスで描かれている。
上映時間を短縮したため、漫画版のエピソードが削られたり、もっと後の物語が含まれたりしていた。また、回想シーンに出てくるプロメシュームの姿が、「漫画版アンドロメダ編」のものとなっている。
[編集] スタッフ
- 脚本:武上純希
- 監督:宇田鋼之介
- キャラクターデザイン・作画監督:加々美高浩
- 美術監督:行信三
- 主題歌:『Brave Love 〜Galaxy Express 999』
- 挿入歌 『Galaxy Express 999 MONTHER』
- 歌:吉岡小鼓音、作詞:冬杜花代子、作曲・編曲:田中公平
上記の作品はすべて東映動画製作。
[編集] その他の劇場公開作品
- 銀河鉄道999 ガラスのクレア
銀河鉄道999 ガラスのクレア | |
監督 | 西沢信孝(チーフディレクター) 井内秀治(演出) |
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製作 | 横山賢二(企画) 小湊洋市(企画) |
脚本 | 藤川桂介 |
出演者 | 野沢雅子 池田昌子 肝付兼太 高木均 他 |
音楽 | 青木望 |
撮影 | 武井利晴 |
編集 | 吉川泰弘 |
配給 | 東映 |
公開 | 1980年3月15日 |
上映時間 | 17分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
allcinema | |
Variety Japan | |
テレビシリーズ放映中、アニメ映画版の第1作と第2作の間にあたる1980年3月15日に、東映まんがまつりの1本として劇場公開された。17分の短編作品。テレビシリーズのスタッフにより製作された。当然アニメ映画版の流れからは外れる。
- 銀河鉄道999 虹の道標
北九州博覧祭2001にて公開された作品。内容は、北九州を舞台にしたオリジナル・ストーリー。
- 銀河鉄道999~夢と希望のステーション~
京都、東映太秦映画村にて上映された9分間の作品。内容はオリジナル・ストーリー。
[編集] プラネタリウム上映作品
[編集] 銀河鉄道999~消えた太陽系~
プラネタリウム番組として製作された作品。公開は「大阪府 / 堺市教育文化センター(2002年5月25日~)」「岡山県 / 岡山天文博物館(2002年6月8日~)」「熊本県人吉市/カルチャーパレス(2007年 冬の投影番組)」等。内容はオリジナル・ストーリー。
[編集] 銀河鉄道999 for PLANETARIUM
プラネタリウム番組として製作された作品。公開は「東京都 / 板橋区立教育科学館(2002年6月1日~)」「大阪府 / 豊中市青年の家 いぶきプラネタリウム館(2002年6月2日~)」等。内容は、惑星プリズナートを舞台にしたオリジナル・ストーリー。鉄郎が出会った少女ユマは宇宙船建造を夢見ていた。
[編集] 銀河鉄道999 星空はタイムマシーン
漫画の連載開始30周年記念作品としてプラネタリウム番組として制作された作品。全3部を予定しており、そのうち第1部『太陽系・恐竜絶滅編』が2007年7月14日より郡山市ふれあい科学館で公開された。2007年12月1日から、さいたま市宇宙劇場で公開されている。恐竜絶滅をテーマにしたオリジナルストーリー。全編3DCGで製作されている。
[編集] インターネットアニメーション 銀河鉄道999
東映アニメーションとコンテンツジャパンが製作し、インターネットで有料公開したリメイク作品。Adobe Flashを用いてインタラクティブ性が取り入れられている。999にちなんで、2002年9月9日9時から、全6話を配信。1話は15分で500円、2003年には2巻のDVDに収録されて発売された。監督はテレビシリーズの西沢信孝と新たに小坂春女が担当。主要なキャストは野沢雅子、池田昌子、肝付兼太と従来の配役を踏襲し、原作者の松本零士もメーテルに命令する謎の声として出演した。 ゲストキャラクターの声はテレビアニメ版から変更されており、鉄郎の母は坪井章子から滝沢久美子に、機械伯爵は柴田秀勝から中村秀利に変更されている。 東映アニメーションによる動画配信サイト東映アニメBBプレミアムにて配信中。
- 出発(たびだち)のバラード
- タイタンの眠れる戦士
- 蛍の街
- 白骨の歌
- サケザン大陸
- 嵐が丘のキラ
[編集] その他の作品
[編集] リニアエキスプレス999
1989年に開催された世界デザイン博覧会のJR東海リニアステーションで公開された10分間の3D立体映画。鉄郎とメーテルが鉄道の歴史を紹介する内容だった。
[編集] 花と緑の博覧会 銀河鉄道999
1990年に開催の国際花と緑の博覧会で公開。発注元はジャスコ。3分49秒の作品。
[編集] 銀河鉄道999~ガラスのクレア~
3D立体映画を目指して製作されたCG作品。公開は「東京会場 / 丸の内東映(2000年2月24日~)」等。内容はアンドロメダ編の中の一編「ガラスのクレア」を再構成したもの。細田守監督。音楽は東海林修、エンディング曲はゴダイゴ。15分12秒。
[編集] スピンオフ作品
[編集] メーテルレジェンド
OVA作品。『1000年女王』と『銀河鉄道999』を繋ぐストーリー。機械化人や機械の女王プロメシュームの誕生時エピソード、メーテルとエメラルダスの少女時代などが描かれている。
[編集] 宇宙交響詩メーテル 銀河鉄道999外伝
OVA作品。『メーテルレジェンド』の続編。『銀河鉄道999』(アンドロメダ編)の序章とも言える作品(ただし各作品との整合性に難がある表現もみられる)。人間と機械化人との抗争開始期のエピソードが描かれている。
[編集] 銀河鉄道物語
BSフジで2003年10月4日から放送された。『銀河鉄道999』の世界観で、銀河鉄道管理局とその職員を描いた作品、999号は初回に主人公:有紀学(ゆうき まなぶ)の兄:有紀護(ゆうき まもる)が故郷を旅立つ時のみ登場する。また、特別編「忘れられた時の惑星」は、999号を救出する話で、車掌はもちろんメーテルや鉄郎も登場する。
[編集] ユマの物語~シンフォニーNo.V~
WEB作品。画像付き音声ドラマ。『松本零士・ステーション零』より2004年3月26日~配信。『銀河鉄道999 for PLANETARIUM』から5年後のユマの物語。惑星ヘビーメルダーを舞台に、星野鉄郎が所有していた戦士の銃 (No.4) を受け継ぐことになる、少年ハンマー・レドリルが登場する。
[編集] 関連項目
[編集] 出典・脚注
- ^ NHK衛星第2テレビジョン『お宝TVデラックス』「宇宙へのロマン」(2007年10月13日放送)、西沢信孝インタビュー。
- ^ 例としては、漫画では鉄郎が母の仇討ちのあとに機械化人たちへの憎しみから「地球の機械人間どもを皆殺しにしてやる」と発言しているが、TVアニメではこうした過激なセリフはカットされている。
- ^ 内山まさゆきの別名義
- ^ a b c d e f g h 短編集『四次元世界』収録
- ^ a b c d 短編集『帰らざる時の物語』収録
- ^ りんたろうインタビュー、小出正志『アニメクリエータになるには』ぺりかん社、2003年、p17-18。
- ^ 野沢雅子『ボクは、声優。』オプトコミュニケーションズ、1995年、p84.
- ^ その後に描かれた漫画版・テレビ版の結末は、大筋の設定以外は展開が変更され、全く同じ轍を通る作りにはなっていない。
- ^ 津堅信之『日本アニメーションの力 85年の歴史を貫く2つの軸』NTT出版、2004年。
- ^ 日経産業新聞1982年1月18日付。 この記録は東映の映画作品としては、1982年の『セーラー服と機関銃』まで破られなかった。
- ^ 1996年の『新世紀エヴァンゲリオン』のサウンドトラック『NEON GENESIS EVANGELION III』まで、その後17年間オリコンチャートで1位を獲得するアニメ関連のアルバムはなかった(竹熊健太郎編『庵野秀明パラノ・エヴァンゲリオン』太田出版、1997年、p109)。
- ^ 森卓也『アラウンド・ザ・ムービー』平凡社、1989年、p37。
- ^ 板垣和明「銀河鉄道999」『アニメノベライズの世界』洋泉社、2006年、p80-81.
- ^ 漫画版の『時間城の海賊』のエピソードでは、劇場版のリューズに相当するキャラクター・レリューズがこの曲を惑星ヘビー・メルダーの酒場で歌っている(TV版は『想い出なみだ色』)。また、かおりくみこはTV版のレリューズの「歌」だけでなく、声優として「声」も担当している。
- ^ 「銀河鉄道999集大成版製作ピンチ!! 先月公開 エターナル・ファンタジー大赤字」『中日スポーツ』1998年4月5日号。
[編集] 外部リンク
- 東映アニメーションの公式サイト
- 車掌さんの銀河鉄道株式会社
- エイベックスの公式サイト
- 銀河鉄道999 - 東映アニメBBプレミアム
- 銀河鉄道999 君は戦士のように生きられるか!! - 東映アニメBBプレミアム
- 銀河鉄道999 永遠の旅人エメラルダス - 東映アニメBBプレミアム
- 銀河鉄道999 君は母のように愛せるか!! - 東映アニメBBプレミアム
- 銀河鉄道999 不滅の空間軌道 - 東映アニメBBプレミアム
フジテレビ系 木曜19:00枠 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
銀河鉄道999
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