やまぐち (列車)
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やまぐちとは、西日本旅客鉄道(JR西日本)が新山口駅~津和野駅間を山口線経由で運行している臨時快速列車の名称。
旧国鉄・JRが運行する蒸気機関車保存及び観光のための蒸気機関車牽引による列車の緒である。また、一般に「SLやまぐち号」とも言われる。
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[編集] 運転概況
- 3月から11月の週末及び夏休み・ゴールデンウイークなど繁忙期と正月三が日に運行される。
- 東京駅発着のブルートレイン「はやぶさ・富士」の寝台券と同時に購入するか、寝台券を提示すると、1ヶ月1日前から座席指定券を購入出来る特例がある(通常は1ヶ月前から発売)。
[編集] 使用車両
- 本列車専用の12系客車が用いられる。沿革にあるとおり、「レトロ車両」と称し、1両ずつ内装を各時代の客車を模したデザインに変更している。編成内容は以下の通り。新山口方が1号車。
- 1号車:オハフ13 701 - 展望車
- 2号車:オハ12 701 - 欧風
- 3号車:オハ12 702 - 昭和風
- 4号車:スハフ12 702 - 明治風
- 5号車:オハ12 703 - 大正風
- 6号車:マイテ49 2 ※夏期のみ増結
- 全車座席指定席制を採っている。なお、夏期に増結されるマイテ49 2はフリースペースとされていて、本列車の指定席券を持っていれば誰でも乗車可能となっている。
- 過去に旧型客車を使用して運行されたことが何度かある。最初は山陰本線で現役だった車両を使用して運行したもので、後にはJR西日本が所有する保存車両での運行であった。
- 本車はSL列車のほかにも臨時列車にも使用されることがある。
[編集] 牽引機関車
- 客車の牽引には、通常C57形蒸気機関車(C571)が使用される。また夏季の運転時にはC56形蒸気機関車(C56160)と重連で運転され、そのときに限り宮原総合運転所所属のマイテ49形客車が増結される。
- C57形が故障や検査などで使用できないときは、通常期間・夏期の増結期間を問わずC56形とDD51形ディーゼル機関車との重連で運転される。
- 2005年秋にC57形が故障した際にはC56形の手配が付かず、DD51形単機の牽引で『DLやまぐち号』として運転された。
- 1980年から1984年までの間、C56形が入線する前まではC58形蒸気機関車(C581)も使用され、C57形との重連運転も実施された。1984年にボイラーを傷め、静態保存へと戻されて梅小路蒸気機関車館でお召し仕様で保存展示されている。
- 蒸機現役時代はC57形は山口線で使用されておらずD51形が使用されていた。
[編集] ヘッドマーク
- 基本ヘッドマークは、丸型の黄色地に、山口県周南市内八代地区で越冬のために飛来する鳥で、同県県鳥にも選定されているナベヅル(鍋鶴 学名 Grus Monacha)を象ったものである。1979年の運行開始以来、記念運転時の特製ヘッドマーク使用例を除き、変更されていない。ちなみに木彫り彫刻式。
- 1997年の運転時には、牽引機C57 1号機の竣工60周年と、同年のNHK大河ドラマ『毛利元就』放映を記念し、丸型の赤枠黄色地の上に、ステンレスで作られた三本の矢を象ったヘッドマークが用意された。C57 1号機の除煙板にも同様のデザインのエンブレムが取り付けられた。
- 2007年3月21日には牽引機C57 1号機の竣工70周年を記念する(C57 1号機は1937年3月22日竣工)ヘッドマークが掲出された。デザインは公募で選ばれた7歳の男の子のもの、次点に選ばれた70歳の男性のデザインのものが除煙板にサイドマークとして掲出された。なお、同じく70周年記念として同年8月より車内で販売されている「SL弁当」の掛け紙が1万枚限定で変更されている。
- 2007年4月29日には山口市出身の詩人中原中也の生誕百年(1907年4月29日生まれ)を記念し、中也をイメージしたヘッドマークを掲出して運転された。
[編集] 停車駅
新山口駅 - 湯田温泉駅 - 山口駅 - (仁保駅) - 篠目駅 - 長門峡駅 - (地福駅) - 鍋倉駅 - 徳佐駅 - 津和野駅
※()内の駅には下り(津和野行き)のみ停車
[編集] 沿革
- 1979年8月1日 C57形蒸気機関車による牽引で運行開始。
- 1980年 C58形が牽引機に加わる。
- 1984年1月 C58形引退。以後予備機なしでC57形のみでの牽引となる。
- 1987年4月1日 国鉄分割民営化。運行主体がJR西日本に移行。
- 1987年6月27日 C56形との重連開始。
- 1988年 旧型展望客車「マイテ49形客車」を連結開始。
- 1988年 12系客車1編成の内装、外装を改造。「レトロ客車」として運行開始。
- 2005年3月 「レトロ客車」リニューアル、外装統一および荷物室新設。
- 2007年8月1日 C57形製造70周年企画イベントとして、新山口行きに限りC56形と初のプッシュプル運転を実施。同様のプッシュプル運行が同月15・19日にも実現。
[編集] 参考文献
- 結城重也・伊藤久巳「“SLやまぐち”を走らせて」
- 交友社『鉄道ファン』1997年10月号 No.438 p8~p17
- 斉宮則仁「JR西日本 例年とはひと味違う“SLやまぐち号”」
- 交友社『鉄道ファン』2003年10月号 No.510 p140~p143
- 斉宮則仁「煙を護(まも)る ~“SLやまぐち号”・激闘の25年~」
- 交友社『鉄道ファン』2004年11月号 No.523 p110~p117
- 斉宮則仁「編成刷新! “SLやまぐち号”」
- 交友社『鉄道ファン』2005年9月号 No.533 p158~p163