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除煙板 - Wikipedia

除煙板

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

除煙板(じょえんばん)とは、蒸気機関車の付属品の一部であり、機関車のボイラー前頭部ないし煙突を挟むように設置されている屏風のようなものを言う。デフレクター(略称デフ)・煙除け板とも言う。

目次

[編集] 構造

除煙板はボイラー前端または煙突の左右両側に設置され、走行時に車両前方に発生する空気圧力(空気抵抗)を上向きに導くことで、煙突から排出される煤煙を上へ流し、運転室からの前方視界を改善する効果を得る。

この種の誘導除煙板は第二次世界大戦前のドイツ帝国鉄道(DRG)で01形などの制式機関車にワグナー式と呼ばれる大形のものが標準装着されて普及し、日本でも燃焼効率の改善を兼ねて、様々な構造の風切り板や延長煙室、斜め煙突などの除煙装置をC51形C53形などで試験搭載して検討を重ねた末、このドイツ式の除煙板を模したものが簡単な構造で効果が高かったことから、C54以降のほとんどの大形機関車にはこれが新製時より標準的に採用され[1]、それ以前の機関車でも高速運転やトンネルの多い区間で運用される機会の多いものを中心に追加で装備された[2]

日本以外でもイギリス、フランス、ドイツ、ロシア、中国などでは大半に除煙板が装着されたが、その一方でアメリカでは除煙板の効果に懐疑的な鉄道会社が多く[3]、また前方視界を阻害する問題もあったためか、例えばユニオン・パシフィック鉄道は旅客用機関車に除煙板を装備した[4]が、ペンシルバニア鉄道などは最後まで除煙板未装着で通した。

ヴィッテ式除煙板装着車の例:LNERクラスA3
ヴィッテ式除煙板装着車の例:LNERクラスA3

前方視界、特に下方視界を阻害する問題は踏切事故対策の点からも無視できず、大形のワグナー式除煙板を制式採用していたドイツでは、戦後西ドイツのドイツ連邦鉄道(DB)ミンデン総局麾下の研究所で風洞実験を繰り返して空力の研究が進められ、ヴィッテ式と呼ばれる下半分を切り取った形状の除煙板を開発、これが急速に普及した。

この方式は軽量化や除煙板が障害となるシリンダのバイパス弁等の保守の観点からも望ましいものであり、ドイツ以外でも採用例が少なからず存在した。

また、日本でも門司鉄道管理局管内で同様の外観形状を備える門司鉄道管理局式デフレクター(後述)が採用されたほか、バイパス弁保守の便を図って除煙板下半分に開口部を設ける例が多数見られた。更に、北海道地区に配備された機関車については、前部デッキ部分に雪が溜まる等の問題があったため、大半が除煙板の前部を切り詰めた、いわゆる「北海道形切り詰めデフ」に改造されている。

[編集] 小倉工場式切取り除煙板

門鉄デフの例(8620形58654号)
門鉄デフの例(8620形58654号)

九州の国鉄小倉工場では、1945年以後に除煙板を上半分を残して切り取り、車体にパイプで取り付けた除煙板、いわゆる小工式デフレクターが登場した。これは、門司鉄道管理局式デフレクター、略して門鉄デフ門デフと呼ばれて親しまれた。これはドイツのヴィッテ式デフレクタを参考にしたという説があるが、ボイラーから左右に支持部材を水平に突き出して固定するヴィッテ式とは異なり、左右のランボード上から棒状の部材を突き出して支持するという、通常の除煙板に近い構造となっており、外観はともかく構造面では別物である。

その後、信越地区の長野工場で検修された機関車にも下縁が水平でなく後方に向かって切れ上がっている形状をもった類似の除煙板が取り付けられ、長工デフと称されている。

他に同じ九州の鹿児島工場、中国地区の後藤工場でも変形デフの取り付けが行なわれていた。

長工式デフの装備機が3機種(C57、D50、D51)、後工式デフが3機種(C51、C58、D51)、鹿工式デフが1機種(C61)と装備した機種が少ないのに対し、小工式デフ(門鉄デフ)を装備した機種は13機種(C59、C58、C57、C55、C51、C50、C11、D60、D52、D51、D50、9600、8620)と非常に多く、またデフ自体の形状も変形や亜種等を含めると10種類程度に分類されるほど多くのタイプがあり、当時九州で活躍したほとんどの機種に装備されたこともあって九州(特に北九州地区)の名物と言っていいほどであった。

この中には「金のかもめに銀の波頭」(C57 11。特急かもめ牽引機へ指定時に小倉工場で整備)や「波に千鳥」(C50 58。後に79668へ移設。現在は小倉工場で保管)など、固有の装飾を施したものも何例か存在した。

これらの門鉄デフは装備した機関車固有のものとは限らず、装備機が廃車になると他の機関車にデフが転用され引き継がれることも数多くあった。

現在、JR九州が保有している8620形58654号が門鉄デフを装着している。

[編集] 脚注

  1. ^ C12のように運転速度が比較的低速で、かつ逆向運転の多い小形機では新製時には省かれていたが、一部については追加装備された。
  2. ^ なお、東北地区では、同じ効果を狙って除煙板の他に煙突を小形の屏風状の板で挟んだような形の小型除煙板を装備した蒸気機関車も存在した。また、反対に操車場等での入れ替えに供された機関車では、入れ替え作業時の視界確保のため、標準装備の除煙板を取り外す例も少なからず存在した。
  3. ^ 例えば、ペンシルバニア鉄道で流線型蒸気機関車のデザインに携わったインダストリアルデザイナーのレイモンド・ロウイーは、その自著で小型の除煙板を煙突周辺に設けた南満州鉄道パシナ形の造形に対して疑義を呈している。
  4. ^ 単式マレー機の「チャレンジャー」形など。

[編集] 参考文献

  • 関 崇博「新編:門鉄デフ調査レポート」1~11、補遺
交友社『鉄道ファン』2004年2月号~12月号 No.514~No.524、2005年3月号 No.527


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