寝台券
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寝台券(しんだいけん)とは、交通機関等で寝台を利用する際に必要な切符。
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[編集] 交通機関
[編集] 概要
日本の交通機関の場合、寝台を備えるものとしては、鉄道車両における寝台車とフェリー等客船になる。
[編集] 鉄道
[編集] 日本
日本の鉄道の場合、夜行列車・寝台列車を運行するJRのみが寝台車を保有している。料金区分・寝台の質により、A寝台・B寝台とに分かれており、また車室内の配置により、開放式寝台と個室寝台に分かれる。個々の形態については、寝台車を参照されたい。
[編集] 概要
寝台は座席と同じ扱いであるため座席指定券と同様に扱い、特別急行列車の場合特別急行券より座席指定分に相当する額を減じて計算する。なお急行列車の場合、急行券それ自体に座席指定がなされていないため単純にこの料金を足して計算する。かつては、夜行普通列車の一部にも連結されており、その際でも乗車券の他にこの券を必要とした。
発売の際には開放式寝台と個室寝台とでは、扱いが若干異なる。個室寝台の場合、コンパートメント席と同様、定員分の料金をあらかじめ支払い、個室の定員まで使用が出来るが、開放式寝台の場合、1枚に付き1人が原則となっている。但し、小学生までの子供2人での使用と、子供連れの場合の大人1人につき小学生までの子供1人を付きそう形で使用することを認めている。
JRにおける料金の体系は1969年以降、従来の一等寝台・二等寝台とあったものをA寝台・B寝台と変更した事により生じている。その為、基本的には座席指定券と同様となるが、前者をグリーン席に相当する特別席の扱いとし、後者は横臥可能となる通常の座席すなわち寝台として扱ってきた。
その為、開放式では「(二段式ベッドで)ゆとりがあるA寝台」、「(三段式ベッドであるが故に窮屈ながら)横になれるB寝台」の差があったが、1980年代以降の寝台列車の退潮に伴いB寝台で二段式を採用したことや、両者で個室が採用されたことにより21世紀初頭の現代では付帯設備の有無で差がつく事になってきている。
[編集] 料金
以下の表に寝台料金を示す。JR東日本旅客営業規則による。大人・小児ともに同額。
- 開放式寝台の寝台料金
使用する段/寝台種別 | A寝台 客車・電車二段式 |
B寝台[1] | ||
---|---|---|---|---|
客車三段式 [2] | 電車三段式 | 客車二段式 | ||
上段 | 9,540 | 5,250 | 5,250 | 6,300 |
中段 | - | - | ||
下段 | 10,500 | 6,300 | 6,300 |
- 個室寝台の寝台料金
寝台種別 | 人数 | 時刻表等の 案内表記 |
愛称 | 1人当たりの料金 | 1部屋当たりの料金 | 補助ベッド利用時の 加算額 |
補助ベッド利用時の 1部屋当たりの料金 |
備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A寝台 | 2人用 | 「デラックス スリーパー」 |
エクセレントスイート | 33,640 | 67,280 | - | 2008年現在設定列車は無い。「夢空間」のみでの設定で、運用当時より臨時列車・団体専用列車でのみの設定。 | |
スーペリアツイン | 25,490 | 50,980 | - | |||||
SA2 | カシオペアスイート | 25,490 | 50,980 | 13,350 | 64,330 | E26系客車のみの設定 | ||
スイート | 25,490 | 50,980 | 9,540 | 60,520 | ||||
カシオペアデラックス | 17,180 | 34,360 | 9,540 | 43,900 | E26系客車のみの設定 | |||
A2 | カシオペアツイン | 13,350 | 26,700 | 9,540 | 36,240 | |||
カシオペアコンパート | 22,890 | - | ||||||
車椅子利用者とその同伴者の2名でのみ利用可能。 | ||||||||
ツインデラックス | 13,350 | 26,700 | - | |||||
1人用 | SA1 | ロイヤル | 17,180 | 17,180 | 9,540 | 26,720 | ||
A1 | シングルデラックス | 13,350 | 9,540 | 22,890 | 一部補助寝台の扱いが無い場合もあり。 | |||
B寝台 | 4人用 | B4 | カルテット | 6,300 | 25,200 | - | 2008年現在設定列車は無い。 登場時の表記は「★★★★」。 |
|
B | Bコンパート | 6,300 | 25,200 | - | 本来は開放式B寝台を簡易に個室にしたもの。 4人で1区画を同時利用の場合に個室となる。 |
|||
2人用 | B2 | ツイン | 8,690 | 16,230 | - | |||
サンライズツイン | 7,350 | 14,700 | - | 285系電車「サンライズエクスプレス」のみの設定。 | ||||
デュエット | 6,300 | 12,600 | - | |||||
1人用 | B1 | シングルツイン | 9,170 | 9,170 | 5,250 | 14,420 | ||
シングル | 7,350 | - | ||||||
ソロ | 6,300 | - |
「-」は存在しないことを示す。
[編集] 利用時間と利用時間外の特例について
かつて出発時間が早い事から寝台の設定が行えない長距離且つ長時間運行される列車が設定されていたときの名残で、寝台の利用は出発時にセットされていない場合「21時より翌6時まで」、出発時にセットされている場合には「出発時より翌6時まで」とされている。そのため、寝台車を連結した列車の運行不能・遅延時の払い戻しも翌6時以降まで使用した場合払い戻しをしない事になっている。その為、「はまなす」のように6時前に終着駅に到着する列車の場合は適用されない。
また、寝台を使用しない時間帯で昼行列車の補完を行うために区間を区切ってこの券を有さず乗車することが出来る制度があり、「ヒルネ」と呼ばれている。但し、この制度では利用できる区間のみを利用する場合、座席指定をした特別急行券ないしは立席特急券など列車種別により必要な料金を払う必要がある。
- ちなみに、周遊券など自由席特急券を有さずとも乗車できるトクトクきっぷについては使用できない場合もあったが、回数券形式の料金券での乗車を認めている事例もある。例えば、「はやぶさ」・「富士」では、JR九州管内で発行されている2枚きっぷ・4枚きっぷでも乗車できる(指定席用・自由席用共に可能)。ただし、乗車前に窓口にて立席特急券(0円券)の発行を受けなければならない。
- 詳細は、[1]下部の「ご利用になれる列車・座席タイプ」を参照されたい
なお、A寝台については、それらの他にグリーン券を必要とする。しかし、最後まで実施していた「さくら」が1999年にA寝台の連結を終了して以降、A寝台を座席として利用できる列車・区間は存在しない。
[編集] 寝台特急のB寝台を座席として利用できる列車・区間
2008年3月15日改正時点。
- 立席特急券で利用可能(指定された号車の空いている席であればどの席でも乗車可能)
- 指定席特急券で利用可能
- あけぼの 上り (青森駅→羽後本荘駅間)
- 日本海 上り (青森駅→秋田駅間)
[編集] 海外
ヨーロッパでは各国の国鉄またはその民営化された鉄道事業者の運行する夜行列車では、簡易寝台(クシェット)も含めて寝台利用には乗車券等とは別立ての寝台券を要する。しかし、シティナイトラインのような各国の国鉄等とは別の事業者による夜行列車では、寝台利用の運賃に寝台料金が包括された形であり、別立ての寝台券が存在しない。
[編集] 船舶
客船の場合、客室を区切った個室の場合が多く、それと一体の場合がある。一般に割高な運賃を設定されている場合が多い。また、鉄道の場合と同様に「寝台を利用する際に必要な料金」とする場合もある。
[編集] 脚注
- ^ 第60条の2 (特定のB寝台券の発売) 前条第1項第2号の規定によりB寝台券を発売する場合は、別に定めるところにより、区間及び期間を定めて、特定のB寝台料金によつてB寝台券を発売することがある(JR東日本旅客営業規則より)。例として、特急「まりも」は冬季の寝台料金を割り引いている。
- ^ 2008年現在設定列車・車両は無い。