サウンドトラック
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サウンドトラックは映画のフィルムにおける音声部分を指す映画音楽用語。映画用語から派生して、映画、テレビドラマ、テレビゲーム、アニメなどの音やそれらを収録したアルバムのことも指す。「サントラ」と略される。
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[編集] フィルム動画および映画におけるサウンドトラック
サウンドトラックは、元来はトーキーが実用化された際、フィルムの長手方向に画像コマとは独立に設けた音声用トラックを指した技術用語である。台詞・効果音・BGMなどが含まれ、上映に際して再生される。画像の赤い矢印がついている帯の部分がサウンドトラックである。この方式を使って公開された最初の映画は、ディズニー映画の『蒸気船ウィリー』である。
サウンドトラックには、「光学式・磁気式」があり、光学式の中にさらに「面積式・濃淡式」がある。また両方式を通じて「モノラル・ステレオ」の種別がある。
歴史的には、光学式の中では濃淡式が古く、面積式が新しい。光学式と磁気式では、光学式が古く、磁気式が新しい。また、もちろんモノラルが古く、ステレオは後に登場した。
業務用途では、ニュース取材を中心としたシングル方式同時録音(別の録音機を使用せずフィルムに録音する方法)で、磁気式が多く使われた(例、キヤノン製国産16mmスクーピック)。また、8mmフィルムのサウンドトラックは、一般的に使われていた物のほとんどは磁気式であった(注:市販用のプリント物では8mmでも光学録音は使われている。光学同時録音の機器も1機種存在するが、こちらはあまり一般的ではなかった)。
[編集] 光学式サウンドトラック
光学式サウンドトラックは、フィルムの画像部分の横に、光学的に作られる(フィルムの走行方向に、画像と同様の目視が可能な信号として焼き付けられる)。
様式としては、「濃淡式」と「面積式」がある。濃淡式は古い方法で、トラック幅を横断して濃い部分と薄い部分とが存在し、その濃さが信号となる。面積式は新しい方法で、トラック幅を分割して真っ黒な部分と真っ白な部分が存在し、その面積比が信号となる。
上映用プリントの作成に際しては、「画ネガ」のほかに「音ネガ」というものが作られ、その「音ネガ」から焼き付けられる。
[編集] 磁気式サウンドトラック
磁気式は、光学式サウンドトラックと同じ位置に帯状に磁気帯を設け、そこにテープレコーダーと同じ方法で録音するものである。コストが高いため、16mm以上では、少量のプリントを製造する際に使われた程度であり、主流とはならなかった。
[編集] 同期式サウンドトラック
フィルム上に設けられたサウンドトラックの音質は、光学式・磁気式を問わず、あまり良いものではなかった。また、マルチチャンネル化もせいぜいステレオが限界である。フィルム上に置かれるサウンドトラックは、後の高音質化の欲求に応えられるものではなかった。
そのため、高音質を求める場合には、「フィルム上にはサウンドトラックを設けず、他に音声媒体を設ける」という方法が開発された。最初は映写機とシンクロした別途用意された磁気テープなどから同期再生するという方法が採用され、70mm映画などではマルチチャンネルの磁気テープが標準化された。また、テレビ局でシネテープと呼ばれるフィルムと同じ形状の磁気テープを同期再生する事があった(シネテープは、送り穴があけられており、フィルムとの機械的同期を取ることができた。また、磁気テープであったため、テープレコーダーと同様に容易に録音・再生・編集ができた)。
その後更にサウンドトラックは発展した。音質面では、CD-ROMに記録された高音質の音源を同期するものも登場し、ドルビーデジタルやSDDSなどのデジタル音響システムを採用するものが多くなっている。また同期システムも、シネテープなどの機械的同期はすたれ、SMTPなどの電子的同期システムが導入されている。すでに「フィルム上のサウンド用のトラック(帯)」という意味は薄れており、サウンドトラックという言葉は「映像とシンクロする音」全般を指すものに転化している。
[編集] 映像作品に伴う音楽としてのサウンドトラック
本来のサウンドトラックから転じて、映像作品のバックグラウンドミュージックや挿入曲、あるいはそれらが収録されたアルバムの事もサウンドトラックと呼ばれるようになった。
アルバムのうち、映像作品とまったく同じ音源から起こされた作品を「オリジナル・モーション・ピクチャー・サウンドトラック」という。同じ総譜・同じ演奏者によるが映像作品とは別に演奏された音源による商品の事を「オリジナルサウンドスコア」と呼び、厳密には区別される。近年は映画作品の主題歌・挿入歌でなくとも、劇中にまったく使用されていない楽曲(この場合主に歌)を含めたアルバムを「オリジナル・サウンドトラック」とする場合もある。
[編集] 大ヒットした主なサウンドトラック
人気映画やテレビ番組・ゲームソフトのサウンドトラックは音楽チャートの上位にも上がる。
- サタデー・ナイト・フィーバー 約4,000万枚
- ボディガード 約3,700万枚
- ダーティー・ダンシング 約3,200万枚
- タイタニック 約2,900万枚
- グリース 約2,700万枚
- サウンド・オブ・ミュージック 約2,100万枚
- フォレスト・ガンプ/一期一会 約1,800万枚
- パープル・レイン 約1,500万枚
- フットルース 約1,500万枚
- ライオンキング 約1,200万枚
(売り上げ枚数は全世界)
[編集] 関連項目
- 映画用語
- 映画音楽
- オリジナル・サウンドトラック:10ccのアルバム。架空の映画のサウンドトラックという設定で作成された。
- 『Soundtrack』(サウンドトラック) - 2002年公開の日本映画。二階健監督、SUGIZO・柴咲コウらが出演。