JR東海371系電車
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JR東海371系電車 | |
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JR東海371系電車…2007年1月5日 沼津駅 | |
起動加速度 | 2.0km/h/s |
営業最高速度 | 110km/h |
設計最高速度 | 120km/h |
減速度 | 4.0km/h/s(常用最大)
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車両定員 | 普60名(クモハ371形、モハ370形0番台) 普58名(モハ370形100番台) 普68名(モハ371形) 普18名+G32名(サロハ371形) |
編成定員 | 342名(普通席) 64名(グリーン席) |
全長 | 21,250mm(クモハ371形) 20,000mm(モハ370形、モハ371形) 20,500mm(サロハ371形)mm |
全幅 | 2,900mm |
全高 | 4,037mm(クモハ371形) 3,940mm(モハ370形 パンタグラフ折畳高さ) 4,023mm(モハ371形) 4,055mm(サロハ371形)mm |
車両重量 | 40.0t(クモハ371形) 39.0t(モハ370形、モハ371形) 38.0t(サロハ371形)※いずれも新造時 |
編成重量 | 273.0t(新造時) |
軌間 | 1067mm |
電気方式 | 直流1500V |
モーター出力 | C-MT61A (端子電圧375V時120kW) ×4=480kW(電動車1両あたり) C-MT64A(端子電圧750V時120KW)×4=480KW(モハ371形のみ) |
編成出力 | 480kW×5=2,400kW |
歯車比 | 19:80=1:4.21 |
制御装置 | 直並列組合せ抵抗制御、界磁添加励磁制御、回生ブレーキ付 |
ブレーキ方式 | 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(直通予備・抑速・勾配起動ブレーキ、応荷重装置付) |
保安装置 | ATS-ST・OM-ATS |
メーカー | 日本車輌製造・川崎重工業・日立製作所 |
371系電車(371けいでんしゃ)は、東海旅客鉄道(JR東海)の直流特急形車両。
1991年(平成3年)3月16日に営業運転を開始した。デザインはJR東海車両部とTDOの手銭正道、戸谷毅史、松本哲夫、木村一男らによる。1991年度通商産業省グッドデザイン商品(現・日本産業デザイン振興会グッドデザイン賞)商品デザイン部門に選定された。
7両編成1本(7両)のみが新製された。製造は、日本車輌製造、川崎重工業、日立製作所の3社が担当している。
目次 |
[編集] 登場の経緯
小田急電鉄は、3000形「SSE」を使用した、JR東海御殿場線に乗入れる連絡急行「あさぎり」を新宿~御殿場間に運行していたが、使用車両の老朽化にともない、1991年3月のダイヤ改正において特急に格上げし、運転区間を新宿~沼津間に拡大するとともに小田急、JR東海の共同運行とすることになった。そのためにJR東海が製造したのが371系である。同時に小田急が製造した20000形「RSE」とは、走行性能や定員等の基本仕様は合わせられているが、具体的な設計についてはそれぞれに任されたため、両社の設計思想の違いが見られ、興味深いものがある。
[編集] 編成・車体
中間に2階建のグリーン車(普通席との合造)2両を組込んだ7両編成で、下り(沼津)方の1号車からクモハ371形101 (Mc1) - モハ370形101 (M'1) - サロハ371形101 (Tsd1) - サロハ371形1 (Tsd) - モハ371形201 (M2) - モハ370形1 (M') - クモハ371形1 (Mc) である。
車体は、JR東海が新製した在来線特急用車両で唯一の普通鋼製であるが、同社の標準であるワイドビュー仕様で、座席の肘掛より低く・荷棚の下端まで拡大された[1]連続窓が特徴である。前頭部は、大形の曲面ガラスを使用し、スカート(排障器)まで一体化した三次曲面による流線型で、2階建車においては、2階から1階までを一体に繋いだ超大型の曲面ガラスを使用した大胆な構成となっている。新幹線100系電車を意識して設計されたといわれ、内装も当時の100系と同様で、車体塗色も白3号に青20号の帯を巻いている。
客用扉はプラグドアを採用した。なお、運行開始当初は小田急線内での乗車位置が編成中の一部の扉に限定されていたため、半自動扉となっている[2]。
2006年(平成18年)10月~11月の全般検査でパンタグラフが菱形のC-PS24A形から373系などで採用されているシングルアーム式C-PS27A形に交換された。この他に、ドアチャイムが設置されたほか、乗務員室のドアも交換された。また、ドア開閉スイッチも新しいものに変更されている。
小田急電鉄の他のロマンスカーにあわせて2007年3月18日からは全席禁煙となったため、車内の全ての灰皿が撤去された。
[編集] 性能
主回路制御は、当時新製されていた近郊形の211系5000・6000番台、213系5000番台、311系に準じた界磁添加励磁制御で、最高運転速度は120km/h(平坦均衡速度145km/h)である。本系列が運用される静岡支社エリアは最高速度が110km/hのため、性能には余裕のある運転となる。211系5000番台や311系と同様に、クモハ371形とモハ370形でユニットを組んでいるが、モハ371形は213系に準じた1M車で編成中の電動車は5両となっている。これにより、御殿場線内の急勾配 (25‰) においても均衡速度100km/hを発揮し、33‰勾配で1ユニットをカットした状態で起動可能な性能を確保している。歯車比は4.21で小田急20000形に合わせているが、これは165系等の急行形電車が採用していた数値でもある。
ブレーキシステムは回生ブレーキ併用の電気指令式空気ブレーキで、JR東海の車両としては初めて運転台のマスター・コントローラーにワンハンドル式を採用している。小田急電鉄の方式に合わせているため、JRグループの在来線では唯一右手でマスター・コントローラーを操作する電車であり、乗務に当たっては指導操縦者と共に最低一度は見習として乗務が必要となる。
保安設備はJR東海用のATS-STと小田急用のOM-ATSを搭載する。
[編集] 形式紹介
1編成しかないため、各形式(番台)とも1両ずつのみの存在である。2002年(平成14年)に連結面間の転落防止幌の設置が行われている。
- クモハ371形
- 0番台
- 100番台
- 制御電動車で沼津方先頭車の1号車。向きは0番台と逆であり、モハ370-101とユニットを組む。基本構成は0番台と同じ。
- モハ370形
- 0番台
- 100番台
- モハ371形 200番台
- 中間電動車で5号車。パンタグラフ付き。インバータ方式の補助電源と空気圧縮機を搭載する。座席数は68席。
- サロハ371形
- 0番台
- 2階がグリーン車、1階が普通車構造のダブルデッカー式の付随車で4号車。売店が設置されている。かつてはテレホンカード式の公衆電話が設置されていたが、2007年3月17日限りで使用停止ののち撤去された。このため小田急線内で唯一公衆電話の設置がないロマンスカーとなっている。小田急20000形との相違点が最も多いのが本車両で、階下普通席が、小田急20000形では4人向い合せのセミコンパートメント席が3区画(12席)となっているのに対し、本車両では1+2配列のリクライニングシート18席となっている。この設計思想は、新幹線100系車両に相通じるものがある。グリーン席の設備には読書灯、スポット空調吹出口、オーディオコントロールパネル、係員呼出ボタンがある。かつては液晶モニタが各座席に設置され、衛星放送等を放送するサービスも行われていたが、現在は中止されており、液晶モニタも撤去している。
- 階下席の側窓の日除けは横引きプリーツカーテンでなくフリーストップ式のロールカーテンになっている。
- 100番台
- 2階がグリーン車、1階が普通車構造のダブルデッカー式の付随車で3号車。車両の向きは0番台と逆であるが、座席の配列は0番台とともに海側が1人掛席である。3号車と4号車の間は2階フロアレベルでの移動となり、階下席の奥は行き止まりになっている。突当りは非常用の避難口になっていて、ホームレベルで外に出られる緊急用扉が0番台とともに海側に設けられている。そのため2階客席に避難口のスペースが出っ張ってしまい、海側1人掛席が1席少なくなっている。階上・階下席とも、座席間隔は1,100mmとなっておりグリーン席は一般的な特急用車両(1,160mm)よりも狭い値となっている。しかし普通席は他車より広い(他車は1,000mm)。
- 階下席の側窓の日除けがロールカーテンになっているのは0番台と同様である。
[編集] 車内案内
- 号車番号/設備他
- 1/運転席・禁煙席(60席)
- 2/禁煙席(58席)・便所・洗面所
- 3(1階)/禁煙席(18席)・車内販売カウンター
- 3(2階)/グリーン禁煙席(32席)
- 4(1階)/禁煙席(18席)・車内販売カウンター
- 4(2階)/グリーン禁煙席(32席)
- 5/禁煙席(68席)
- 6/禁煙席(60席)・便所・洗面所
- 7/運転席・禁煙席(60席)
[編集] 運用
本系列の運用は次の通り。ただし、1編成のみであることから、検査時等は「あさぎり」は小田急20000形が、「ホームライナー」は373系または乗車整理料金不要の快速列車に振り替えて313系や211系が代走するが、最近では、代走日が1日のみの時は、「ホームライナー沼津」2号に使用後に静岡車両区へ戻して検査を実施し、終了後の夜に三島へ回送して「ホームライナー浜松」3号から運用に復帰というパターンとなっている。なお、「ホームライナー」では3・4号車(2階グリーン席・1階普通席)の2階は通路としての利用はできるが、着席はできない(1階は着席可能)。
- 平日
- 「ホームライナー沼津」2号~「あさぎり」2号~「あさぎり」3号~「あさぎり」6号~「あさぎり」7号~「ホームライナー浜松」5号~「ホームライナー静岡」6号
- 休日
- 「ホームライナー沼津」2号~「あさぎり」2号~「あさぎり」3号~「あさぎり」6号~「あさぎり」7号~「ホームライナー静岡」3号
- なお、「ホームライナー浜松」5号(土休日は静岡3号)は三島始発のため、「あさぎり」7号の沼津到着後に、三島まで回送列車を運転している。
- 運転士の担当
- 「ホームライナー沼津」2号・「ホームライナー浜松」3号(土休日は「ホームライナー静岡」3号)の三島・沼津~静岡間と「あさぎり」のJR線内は沼津運輸区の担当。「ホームライナー浜松」3号と「ホームライナー静岡」4号の静岡~浜松間は静岡運輸区が担当する。
- 車掌の担当
- 「あさぎり」のJR線内は全て沼津運輸区が担当。「ホームライナー」は静岡運輸区が編成後部とドア扱いを担当し、編成前部は浜松運輸区が担当している。
[編集] 付記
3・4号車の階下席は、座席自由の「ホームライナー」使用時には座席間隔が広く、1人掛席があることから人気が集中する。また「ホームライナー浜松」は三島→浜松間136.4kmと「ホームライナー」としては長距離を走行する列車であり、全区間乗車であっても乗車整理料金は310円である。
[編集] 関連商品
Nゲージ鉄道模型が2005年にマイクロエースから発売された。最初の発売後しばらく品切れとなっていたが、2008年に再販された。シングルアームパンタグラフの取り付けられた現在の仕様も同時に発売されている。
また、タカラトミーのプラレールやトランスフォーマー、バンダイのBトレイン(ダイキャストモデル)が販売されていたが、現在は全て絶版となっている。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
- JR東海の在来線車両 (■国鉄引継車を含む全一覧 / ■カテゴリ) ■Template ■ノート
- 小田急ロマンスカー
- 小田急20000形電車