近鉄6441系電車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
6441系電車（6441けいでんしゃ）は、近畿日本鉄道の電車の一系列。
[編集] 概要
大阪線1460系と同様の20m両開き片側3扉車の車体を採用したが、1460系は新製に対し、6441系の台車や電装機器は伊勢電気鉄道（伊勢電）が製造したモニ6231形などのものが流用され、旧車機器流用車として製造された。側窓位置が1460系やモ1421形よりも若干高かった。ヘッドライトは1460系と同様1灯式を採用し、登場時はベージュに青帯の塗装だった。連結器は自動連結器で取付け部分の車体裾が少し下がっていた。名古屋寄りからク6540（Tc、制御車）+モ6440（Mc、制御電動車）と2両編成を組んだ。基本的に他系列とは併結せず2連または4連で運用された。最高速度は100km/h。
登場時、名古屋線は狭軌であったため、本系列も狭軌用台車を装備して製造された。番号が特急車であった6421系、6431系と連番になっているが、本系列は登場時より通勤車である。新製の通勤車である1600系より登場が1年早かったため、名古屋線で初めて近代的な車体を持った車両となった。この後も名古屋線には1000系や旧1200系、2680系、2000系といった旧車機器流用車が投入されており、6441系はその嚆矢として考えられる。
[編集] 改造・転属
1959年、名古屋線改軌時に台車をD-16形からKD-31C・ND-10形のシュリーレン形に交換。主制御器も新製の日立製作所製MMC形に交換。しかし主電動機は吊掛駆動のままとした。1960年に登場時より標準軌台車を装備する車両として5編成が増備された。1968年にヘッドライトはシールドビーム2灯式に改造され、趣きが1460系と異なるようになった（1460系は外観は1灯式のまま）。またモ6301形の主電動機に交換して、電動機出力を104kWから112kWとしている。歯車比は3.44、ブレーキも自動ブレーキのままであった。
1979年から1983年にかけて、再度狭軌化し、養老線に転属。モ6446~モ6450を電装解除し、増結用Tcとし、ク6546~ク6550に運転台の向きを合わせるべく方向転換された。その後支線区車両番号の3桁化により440系に改番。その際Tc化されたク6446~ク6450はク550形556~560に改番されている。後に542，544，545，550は廃車となった南大阪線6800系の台車(KD-39)に交換された。1980年代中頃以降、通勤車のマルーンレッドとシルキーホワイトのツートンカラー化が行われたが、440系は支線区の車両という位置づけのためか廃車までマルーンレッド一色であった。また冷房改造は行われなかった。1994年までに養老線車両高性能化・冷房化を目的に、600系が転入してきたため、全車廃車となった。
