男はつらいよ ぼくの伯父さん
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『男はつらいよ ぼくの伯父さん』(おとこはつらいよ ぼくのおじさん)は、1989年12月26日に公開された日本映画。男はつらいよシリーズの42作目。同時上映は『釣りバカ日誌2』。
目次 |
[編集] 寅次郎が脇役になったことについて
- この年から寅次郎が甥の満男の恋をコーチする役に回っているが理由は渥美の体調不良で派手な演技ができなくなったためである。そのため山田洋次は次作から年に2本作っていたシリーズを年一本に減らし、渥美の肩荷をへらすため満男の登場シーンを増やし、寅次郎の出番を最小限に減らす努力をしながら「男はついらよ」を続けていく事になった。また及川泉の登場も当初は予定されていなかった。
[編集] あらすじ
寅次郎が久々に柴又に帰ると、そこには大学受験に失敗して浪人中だった甥の満男(吉岡秀隆)の姿があった。さくらから人生に悩む満男の相談に乗って欲しいと頼まれた寅次郎は、早速近所の飲み屋に出かけ、満男にしこたま酒を飲ませた。そして、人生について語るのであった。帰宅後、未成年にも関わらず酒を飲ました事に激怒する博と大喧嘩した寅次郎は、怒って旅に出てしまう。一方満男も、さくら達と大喧嘩し、家出してしまう。行く場所の無い満男は、高校時代の初恋の相手泉(後藤久美子)がいる名古屋までオートバイで向かう。名古屋で泉の母親(夏木まり)に出会えた満男だったが、泉はここには居ないと告げる。泉が佐賀にいることを知った満男は、無謀にもオートバイで佐賀に向かったのであった。一方、旅に出た寅次郎も佐賀にいた。仕事を終えて宿に帰った寅次郎は、そこで一人の若者と相部屋になった。なんとそれは、佐賀に向かっていた満男であった。 満男の一途な恋に自分自身をダブらせ妙に納得した寅次郎は、恋の指南をすることを決心する。翌日、寅次郎と満男は早速、泉の家へ向かった。満男の出現にビックリしながらも感激する泉だった。郷土史研究家で人にに説明するのが大好きな祖父が寅次郎たちを迎え入れ、二人はすっかり気に入られてしまった。その晩はぜひ泊まってゆけという。母親の妹に当たる寿子(壇ふみ)も親切にしてくれた。夫の嘉一(尾藤イサオ)だけは人が家に泊まるのを嫌がっていたが、しぶしぶ了解する事になる。翌日は日曜日。寅次郎は、郷土史研究会の老人たちのお供をして吉野ヶ里遺跡巡りに出かける。満男も泉と連れだってバイクで散策を楽しんだ。二人は夕暮れには遅くなってしまい、嘉一から嫌みを言われる。満男は恐縮し謝るが、寅次郎は、謝らず満男をかばうどころか、満男を褒め称える。その言葉に、嘉一は面食らってしまう。そして、満男は泉に別れを告げて一路東京に帰ることになるのであった。
[編集] キャッチコピー
さくら、お前の息子が恋してるってよ。さすが俺の身内よ!
[編集] キャスト
- 車寅次郎:渥美清
- 諏訪さくら:倍賞千恵子
- 諏訪博:前田吟
- 諏訪満男:吉岡秀隆
- 及川泉:後藤久美子
- 及川礼子(泉の母):夏木マリ
- 車竜造(おいちゃん):下條正巳
- 車つね(おばちゃん):三崎千恵子
- 桂梅太郎(タコ社長):太宰久雄
- 御前様:笠智衆
- 源公:佐藤蛾次郎
- 奥村寿子:檀ふみ
- 奥村?之助:今福将雄
- 奥村嘉一:尾藤イサオ
- 三橋雪男:笹野高史
- ポンシュウ:関敬六
- こずえ:戸川純
- 淳平:石井均
- 老人:イッセー尾形
- 駅長:じん弘
[編集] ロケ地
- 佐賀県神埼郡吉野ヶ里町の吉野ヶ里遺跡(合併前当時:佐賀県神埼郡三田川町)
- 佐賀県佐賀市松原の松原神社東側(撮影時、「日峯さんまつり」開催中)
- 佐賀県佐賀市嘉瀬町の嘉瀬川河川敷(撮影時、「1989第9回熱気球世界選手権」開催中)
- 佐賀県佐賀市富士町の古湯温泉(合併前当時:佐賀県佐賀郡富士町)
- 佐賀県小城市小城町の小城駅(合併前当時:佐賀県小城郡小城町)
- 佐賀県小城市小城町の佐賀県立小城高等学校(合併前当時:佐賀県小城郡小城町)
- 茨城県久慈郡大子町の袋田の滝
[編集] スタッフ
[編集] 記録
- 観客動員:190万5千人
- 興行収入:14億円
- 上映時間:109分
|
|
---|---|
1〜12作 | 男はつらいよ - 続・男はつらいよ - フーテンの寅 - 新・男はつらいよ - 望郷篇 - 純情篇 - 奮闘篇 - 寅次郎恋歌 - 柴又慕情 - 寅次郎夢枕 - 寅次郎忘れな草 - 私の寅さん |
13〜24作 | 寅次郎恋やつれ - 寅次郎子守唄 - 寅次郎相合い傘 - 葛飾立志篇 - 寅次郎夕焼け小焼け - 寅次郎純情詩集 - 寅次郎と殿様 - 寅次郎頑張れ! - 寅次郎わが道をゆく - 噂の寅次郎 - 翔んでる寅次郎 - 寅次郎春の夢 |
25〜36作 | 寅次郎ハイビスカスの花 - 寅次郎かもめ歌 - 浪花の恋の寅次郎 - 寅次郎紙風船 - 寅次郎あじさいの恋 - 花も嵐も寅次郎 - 旅と女と寅次郎 - 口笛を吹く寅次郎 - 夜霧にむせぶ寅次郎 - 寅次郎真実一路 - 寅次郎恋愛塾 - 柴又より愛をこめて |
37〜48作・特別編 | 幸福の青い鳥 - 知床慕情 - 寅次郎物語 - 寅次郎サラダ記念日 - 寅次郎心の旅路 - ぼくの伯父さん - 寅次郎の休日 - 寅次郎の告白 - 寅次郎の青春 - 寅次郎の縁談 - 拝啓車寅次郎様 - 寅次郎紅の花 - ハイビスカスの花 特別篇 |
関連項目 | 松竹 - 渥美清 - 山田洋次 - 柴又 - 柴又帝釈天 |