男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日
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『男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日』(おとこはつらいよ とらじろうさらだきねんび)は、1988年12月24日に公開された日本映画。男はつらいよシリーズの40作目。同時上映は、後にシリーズ化される『釣りバカ日誌』の第1作。
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[編集] 作品概要
- 題名の由来は俵万智の歌集『サラダ記念日』から。寅次郎が早稲田大学で講義を受ける場面があるなど、『サラダ記念日』の世界を反映した内容となっている。俵万智の歌も随所に使われている。
- この作品から第45作まで御前様は座っているシーンが多く、最後のさくらと話をするシーンしか出番がない。(笠智衆が84歳と高齢になったことによる。)
- 上映中に元号が平成に変わったため、シリーズ中では昭和最後の作品ということになる。
[編集] あらすじ
初秋の信州は小諸を訪れた寅次郎は、そこで一人暮らしの老婆と知り合い、楽しい一時を過ごした。そこへ未亡人の女医真知子(三田佳子)が老婆を迎えに来ると、寅次郎は病身の老婆を励まして、何とか入院させる事に成功した。真知子とすっかり仲良くなった寅次郎は、またしても恋の虜になったのであった。そこへ、東京から姪である由紀(三田寛子)が訪ねてくる。由紀の趣味は短歌。柴又に帰った寅次郎は、由紀が通う早稲田大学へ出かける。そして、ひょんなことから講義を受ける事になるが、教授に対しおかしな質問をするなどして、講義を滅茶苦茶にしてしまい、ついには自分で講義を行ってしまうのであった。しばらくすると、小諸で出会った老婆が危篤だという連絡が入る。寅次郎は急いで小諸へ向かうが、一足遅く老婆は亡くなってしまっていた。老婆は終始、家で最期を迎えたいと望んでいたが、叶えられる事は無かった。病人の最期についてどう迎えさせていいのか悩む真知子は、寅次郎の胸で泣く。しかし、相変わらず寅次郎は受け止めてやれないのであった。寅次郎は一足先に小諸から去ることにする。それを知った由紀が、「叔母様を好きなのね」と呟く。すると寅は由紀が作ったばかりのサラダを一口食べて、「うん、いい味だ」とだけ答える。そして、由紀は寅次郎の一言に触発されて「サラダ記念日」という短歌を詠むのであった。そして、寅次郎は去っていくのであった。
とらやの従業員三平(北山雅康)が初登場。
[編集] キャッチコピー
「愛してる」なんてカンチューハイ2杯で言えるならこんなに苦労しねってことよ。
[編集] キャスト
- 車寅次郎:渥美清
- 諏訪さくら:倍賞千恵子
- 原田真知子:三田佳子
- 由紀:三田寛子
- 車竜造(おいちゃん):下條正巳
- 車つね(おばちゃん):三崎千恵子
- 桂梅太郎(社長):太宰久雄
- 諏訪満男:吉岡秀隆
- 諏訪博:前田吟
- 源公:佐藤蛾次郎
- 御前様:笠智衆
- 尾崎茂:尾美としのり
- 中込キクエ:鈴木光枝
- 富永教授:三國一朗
- 八重子:奈良岡朋子
- 院長:すまけい
- 靴泥棒:笹野高史
- ポンシュウ:関敬六
[編集] ロケ地
[編集] 挿入歌
[編集] スタッフ
[編集] 記録
- 観客動員:182万2千人
- 興行収入:12億3千円
- 上映時間:100分
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1〜12作 | 男はつらいよ - 続・男はつらいよ - フーテンの寅 - 新・男はつらいよ - 望郷篇 - 純情篇 - 奮闘篇 - 寅次郎恋歌 - 柴又慕情 - 寅次郎夢枕 - 寅次郎忘れな草 - 私の寅さん |
13〜24作 | 寅次郎恋やつれ - 寅次郎子守唄 - 寅次郎相合い傘 - 葛飾立志篇 - 寅次郎夕焼け小焼け - 寅次郎純情詩集 - 寅次郎と殿様 - 寅次郎頑張れ! - 寅次郎わが道をゆく - 噂の寅次郎 - 翔んでる寅次郎 - 寅次郎春の夢 |
25〜36作 | 寅次郎ハイビスカスの花 - 寅次郎かもめ歌 - 浪花の恋の寅次郎 - 寅次郎紙風船 - 寅次郎あじさいの恋 - 花も嵐も寅次郎 - 旅と女と寅次郎 - 口笛を吹く寅次郎 - 夜霧にむせぶ寅次郎 - 寅次郎真実一路 - 寅次郎恋愛塾 - 柴又より愛をこめて |
37〜48作・特別編 | 幸福の青い鳥 - 知床慕情 - 寅次郎物語 - 寅次郎サラダ記念日 - 寅次郎心の旅路 - ぼくの伯父さん - 寅次郎の休日 - 寅次郎の告白 - 寅次郎の青春 - 寅次郎の縁談 - 拝啓車寅次郎様 - 寅次郎紅の花 - ハイビスカスの花 特別篇 |
関連項目 | 松竹 - 渥美清 - 山田洋次 - 柴又 - 柴又帝釈天 |