曽我町子
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そが まちこ 曽我 町子 |
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生年月日 | 1938年3月18日 |
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没年月日 | 2006年5月7日(満68歳没) |
出生地 | 日本・東京都八王子市 |
民族 | 日本人 |
ジャンル | 俳優・声優 |
活動期間 | 1956年 - 2006年 |
曽我 町子(そが まちこ、1938年3月18日 - 2006年5月7日)は、日本の女優・声優。東京都八王子市出身。株式会社ステラ代表取締役。
目次 |
[編集] 来歴
東京都立南多摩高等学校を経て、東京アナウンスアカデミーを卒業。
1956年にNHKの児童番組『みんな一緒』でデビュー。本人曰く、このとき合格したオーディションは度胸試しで受けたものであったという。その後『チロリン村とくるみの木』のリップちゃんや『オバケのQ太郎』の初代Q太郎役など、声優としても活躍。
のちに声優だけでなく顔出しの女優としても舞台、テレビなどで活躍。『電子戦隊デンジマン』と『太陽戦隊サンバルカン』でへドリアン女王役、『恐竜戦隊ジュウレンジャー』で魔女バンドーラ役と戦隊シリーズの大悪役を3度も演じた他に『魔法戦隊マジレンジャー』まで数々の特撮に出演する等、特に特撮番組で悪の女王・魔女役を数多く演じ、この役柄で右に出る女優はいない「特撮俳優界の女王」と評される。彼女に会うことを『拝謁』と表現していたファンもいるほどであり、この世界における存在感の格別さが知れる。
なかでも『恐竜戦隊ジュウレンジャー』のバンドーラ役は自他共に認めるはまり役であり、ヒーローよりも敵役の方が人気(メイン視聴者層である子供たちですら)であるというほどの異常ぶりであった。この作品は後にアメリカでも放送されて大ヒットとなった。主人公たちの変身前など素顔の出演者はアメリカ人が演じて撮影しなおしたのだが(変身後は日本で撮影した画像をそのまま使用)、曽我が演じたパンドーラ(アメリカ版ではリタ・レパルサ)は、初期シリーズでは曽我の映像に現地の声優がアテレコする形でそのまま使用されていた(後に彼女に容姿の似た現地の女優に交代)。リタはアメリカでも大人気となり、曽我は一時アメリカの一般庶民が最もよく顔を知っている日本人女性だったと言われている。
一時「ステラ曽我」の芸名を名乗っていた時期がある。
晩年は俳優業の傍ら、趣味の古美術品収集を生かし国立市でアンティークショップ「ステラ」を経営。アクセサリーのデザインなど商品開発も手がけていた。ファンとの交流会なども開催。
2006年5月7日、膵臓癌のため自宅(ステラ併設)で急逝。享年68。訪れた知人が遺体を発見。前日もお茶会が行われたばかりだった。
遺作はプレイステーション2用ゲームソフト『宇宙刑事魂』(暗黒銀河女王役)。ただし、テレビおよび映画における最終出演作は『魔法戦隊マジレンジャー』であるため、メディアをゲーム以外に限定して話をする場合、そちらが遺作とされる事もある。
[編集] 逸話
- 声優としてデビューし、その後顔出しの女優業に転じたという珍しい例でもあるが、曽我本人はあまりにも「オバQ」のイメージが強くなり、同じような声を求められるオファーばかりに嫌気が差した事も転ずるきっかけになったと後に語っている(ただし、キャラクターとしての「オバQ」への愛着は終生持っていた)[要出典]。
- プロ意識が高く、仕事に対する姿勢が非常に厳しかった事で有名。台本・衣装等でスタッフが手を抜いたと思ったらすぐに注意を促し、用意された衣装に納得がいかないと自前で用意する程の徹底ぶりであったという。レギュラー出演した『恐竜戦隊ジュウレンジャー』では、台本に納得できずに一度は降板を申し出たこともあったとインタビュー記事で語っている[1](ただしこの件に関しては、『ジュウレンジャー』のプロデューサー・白倉伸一郎は「心当たりはない」と自身のブログに書いている[2])。また、後に『徹子の部屋』に出演した際に曽我はこれらの特撮系の仕事に触れ、「疲れるけど、楽しいわよ」と振り返っている。
- 仕事に対する厳しさの反面、生来明るい性格である彼女は、他の共演者達によく声をかけ積極的にコミュニケーションを取っていたという。『ジュウレンジャー』で共演した千葉麗子は、曽我の訃報の翌日に自身のホームページ上に「何も分からない新人の私にも話をして下さった」と哀悼の意を表すコメントを掲載[3]。また曽我の最後のテレビ出演となった『魔法戦隊マジレンジャー』の共演者たちも、曽我の死後に自身らのブログにそれぞれ追悼コメントを残している[4]。
- 曽我が亡くなった日、テレビ等のメディアは「初代オバQの声優が亡くなった」等でしか取り上げなかったが、特撮・戦隊のジャンルのホームページ、mixiなどのコミュニティではその早すぎる突然の死を悲しむ声が数多く投稿された。曽我が経営していた「ステラ」のホームページ上の掲示板にもファンからの何万件もの追悼のコメントが載せられ、ステラ側から献花等を辞退する旨の声明が出されている。
- 民放各局が「初代オバQの声優が亡くなった」でしか取り上げなかった一方、唯一NHKの『つながるテレビ@ヒューマン』ではインターネットの声を反映し、特撮の女王として番組コーナーで訃報を取り扱った(へドリアン女王等のスチール写真や『電子戦隊デンジマン』のBGMを流して紹介)。これは担当ディレクターが特撮に理解があったことによるものであった。
- 「魔女や女王役といえば曽我町子」というイメージについては、自身でもこれこそ自分の世界という自負を持っていたこと、シェイクスピア劇など舞台での経験を役作りに生かしたことなどをインタビューで語っている[要出典]。
- 『魔法戦隊マジレンジャー』で曽我が演じた「天空大聖者マジエル」の役は当初俳優の岡田眞澄が務める予定であったが、岡田が体調不良を理由に辞退したため竹本昇監督の推薦によりその代役として曽我に依頼されたものであったという[5]。しかしながら曽我自身もまたこの時既に病魔と闘いながらの撮影であった。また、曽我の死去から約3週間後の5月29日に岡田も癌によってこの世を去っている。
- 出生年月日がはっきりしていない。鯖を読んでいたとの見解から誤報・戸籍上の関係(数え年で数えるか満年齢で数えるか、旧暦で公開されているか否かなど)まで、議論が絶えず、異説が多い。
[編集] 出演作品
[編集] テレビ(レギュラー)
- 愛の戦士レインボーマン(ゴッドイグアナ)
- 5年3組魔法組(魔女ベルバラ)
- 透明ドリちゃん(白川菊子)
- 電子戦隊デンジマン(ヘドリアン女王)
- 太陽戦隊サンバルカン(ヘドリアン女王)
- 時空戦士スピルバン(女王パンドラ)
- 世界忍者戦ジライヤ(妖忍 クモ御前)
- 恐竜戦隊ジュウレンジャー(魔女バンドーラ)
- パワーレンジャー(魔女リタ・レパルサ)
- 「ジュウレンジャー」の海外リメイク版。他の役は現地の俳優が務める中、曽我と河合亞美だけは第1シリーズのみそのまま出演。
- 日本語吹き替え版では第1、第2シリーズのリタの声を担当している。
- 声優として
- 宇宙パトロール ホッパ(ジュン)
- オバケのQ太郎(Q太郎、1965年版)
- サイボーグ009(007 グレート・ブリテン、1966年 映画版、1967年 映画版&1968年 TV版)
- なお、彼女が声を当てた007は子供の様な姿をしている。この時の007は、原作通りのグレートが子供の姿をとっていたのか、或いは子供を改造したのかは不明。
- 花のピュンピュン丸(ケメ子)
- カバトット(トット)
- 珍豪ムチャ兵衛(ボケ丸)
- ミクロイドS(マメゾウ)
- バッテンロボ丸(バッテンロボ丸)
- 「劇場版 バッテンロボ丸」(バッテンロボ丸)
- 星雲仮面マシンマン(ボールボーイ)
[編集] テレビ(ゲスト出演)
- 第123話「夜の女」(1964年) - 犯人の幼馴染役
- 第764話「駄目な奴」(1976年)
- 泣いてたまるか 第2話「やじろべえ夫婦」(1966年、TBS / 国際放映) - 渥美清の妻役
- 河童の三平 妖怪大作戦 第2話「人喰いマンション 」(1968年、NET / 東映) - 死なず娘
- プレイガール 第13話「スリラー・女の魔性に火がつけば」(1969年、12ch / 東映)
- 素浪人 花山大吉(NET / 東映)
- 第25話「笑う機械がこわれていた」(1969年) - おきん
- 第34話「海にもぐれぬ海女もいた」(1969年) - おっかさん(娘役は柴田美保子)
- 第63話「火を噴く島に惚れていた」(1970年) - かあちゃん(夫役は茶川一郎)
- 第236話「喜劇・いらっしゃいませ集団万引様」(1969年)
- 第252話「俺の女房は悪魔のお使い」(1970年)
- 第280話「怪談・幽霊団地の吸血鬼」(1970年)
- 第307話「教育ママの裏口入学作戦」(1971年)
- キイハンター(TBS / 東映)
- 第93話「女王陛下オー! 発狂1分前」(1970年) - アルメリータ(テロリストに狙われるロマネシア王国の女王)
- 第166話「ヨーイ・ドン! 赤頭巾で殺人ごっこ」(1971年)
- 第194話「殺人コンピューター貸します」(1971年) - 松島ミチヨ(暴力団組長の妻)
- 日本沈没 第26話(最終話)「東京最後の日」(1975年、TBS / 東宝) - 妊婦(浅草の床屋夫婦の妻 / 夫役は小鹿番)
- バトルフィーバーJ 第3話「スパイを探せ! 」(1979年、ANB / 東映) - 東英社編集長(デスマスク怪人人間態)
- 西遊記II 第12話「術競べ 消えた悟空」(1980年、NTV / 国際放映)
- 宇宙刑事ギャバン 第21話「踊ってチクリ大ピンチ ハニー作戦よ! 」(1982年、ANB / 東映) - ハニー萬田(ミツバチダブラー人間態)
- 宇宙刑事シャリバン 第22話「テニスプレーヤーを襲う天国への誘惑」(1983年、ANB / 東映) - 女占い師(シニガミビースト人間態)
- 大奥 第46話「女盗賊の冒険」(1984年、KTV / 東映) - りく
- 光戦隊マスクマン 第30話「ママ!! バラバの絶叫! 」(1987年、ANB / 東映) - 地帝指令バラバの母ララバ
- ヴァーチャル戦士トゥルーパーズ 第88話「Despera Strikes Back」(1995年、FOX) - デスポンダ
- 魔法戦隊マジレンジャー 第48話「決戦」・最終話「伝説への帰還」(2006年、EX / 東映) - 天空大聖者マジエル ※テレビにおける遺作
- パワーレンジャー・ミスティックフォース 第31話・最終話「Mystic Fate」(2006年、Toon Disney) - ミスティック・マザー
- 声優として
- 仮面ライダーストロンガー(ドクターケイト)
- その他
- TVチャンピオン(悪役怪獣・怪人王選手権のクイズ出題者として)
[編集] テレビコマーシャル
- ジョンソン(防臭剤「シャット」)
- CMソング、「ニューシャット」「スーパーシャット」を含め20年近くに渡り使用された。
[編集] 映画
- 喜劇 駅前漫画
- とむらい師たち(アナウンサー)
- 座頭市喧嘩太鼓
- ミヨちゃんのためなら 全員集合!!
- 魔犬ライナー 0011変身せよ(ジョーカー)
- 宇宙からのメッセージ(ロボット・ベバの声)
- 東映まんがまつり 電子戦隊デンジマン(ヘドリアン女王)
- 東映まんがまつり 太陽戦隊サンバルカン(ヘドリアン女王)
- 魔法戦隊マジレンジャー THE MOVIE インフェルシアの花嫁(天空大聖者マジエル、映画における遺作)
[編集] オリジナルビデオ
- 侵略ちょ~美少女ミリ(ジョシー帝国皇帝・ステラジアン13世)
[編集] ゲーム
- 天外魔境 第四の黙示録(マダム・アペティ)
- 宇宙刑事魂(暗黒銀河女王)
- 2006年発売、最終的な遺作となった作品。
[編集] 吹き替え
- 刑事コロンボ(画廊のオーナー)
[編集] 音楽作品
- オバQ音頭(1966年5月発売。石川進と共演。『オバケのQ太郎』主題歌)
- オバQかぞえうた
- ぼくは正太だい(田上和枝と共演)
- オバQマーチ
- ジングルベル(企画盤・オバQクリスマス)
- 謎の女B(作詞・作曲:平岡精二、1967年発売)
- 魔女はいじわる(『5年3組魔法組』エンディング主題歌)
- 暗黒銀河女王のブルース(『宇宙刑事魂』挿入歌)
[編集] レコード
サウンドコミック曽我町ねえさんとピグモンの怪獣王国冒険(1971年8月25日)
[編集] 脚注
- ^ 関連する外部リンク:
- ^ 関連する外部リンク:
- ^ 関連する外部リンク:
- 株式会社チェリーベイブ ただし、当時のログは掲載されていない。
- ^ 関連する外部リンク:
- ^
- 『魔法戦隊マジレンジャー スーパーレジェンドブック』 ISBN 4575298921