日韓問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日韓問題(にっかんもんだい)とは日本と韓国との間で起きている問題のこと。歴史的・政治的背景から解決が困難なものが多い。なお、韓国側は「韓日問題」と表現している。
日本がかつて朝鮮半島を併合・統治していた時期(1910-1945年)があり、韓国側はこの日韓併合を違法・無効として、賠償金や謝罪などで未解決の問題と認識しているため、日本と韓国の間では国際交流上の争点が多発している。問題は、漫画やアニメ、音楽等、両国文化の流通、開放問題などから、高度な政治・軍事的問題にまで多岐にわたる。これらの問題は相手国・国民に対する嫌悪・憎悪の感情(嫌韓・反日感情)をかきたて、感情的な対立となることもある。
以下に主な諸問題を挙げるが、両国の一般市民からは問題視されておらず、むしろ事を煽ろうとする極端な嫌韓、反日主義者が騒ぎ立てていると思われる問題も多い。
目次 |
[編集] アルファベット表記問題
- 極一部の韓国人が「Korea」という英語名称を日本の植民地政策によるものとして「Corea」をアルファベットにおける標準表記に変更すべきだとしている問題。
- 日本と韓国が併記される際にアルファベット順からKoreaよりJapanが先になる(のを韓国人は嫌っているらしい)が、日韓共催イベントなどで自らの表記をCoreaとすることがよくある。
- 「19世紀末まで韓国のアルファベット呼称はCoreaであったが、日本は大韓帝国を植民地にする際に韓国(Corea)がアルファベット順で日本(Japan)の前に来る事を嫌い、アルファベット表記をKoreaに変更させた」という主張がなされている。しかし、日本が朝鮮半島に影響力を行使するようになる以前からKorea表記が一般的であったこと、また日本がCoreaをKoreaに変更させたという証拠は見つかっていない。
- なお、フランス語・イタリア語・スペイン語等では後舌母音字の続く /k/ 音は C-から書き始めるのが(綴字法則上)普通である。サッカーワールドカップでも、フランス語("Corée")などを使った例がある。また、当時の国際公文書にはフランス語を使うのが通例であり、英語が併用され始めたのは1919年のヴェルサイユ条約以降とされ、主流を占めるようになったのは第二次世界大戦以降とされる。日露戦争後のポーツマス条約(1905年)においては英語、フランス語で条文が作成されたが差異がある場合はフランス語条文を優先すると記述されている。
[編集] 領土問題
詳細は竹島を参照
- 日本と韓国が互いに領有権を主張している竹島(韓国名:獨島)の領土問題。1905年の日本領への編入以降は日本が領有していたが、第二次世界大戦終戦後の1952年1月18日、韓国の李承晩大統領の海洋主権宣言以降は韓国が実効支配し、日本はこれを不法占拠として非難している。
- 2004年1月に獨島切手を日本の抗議を無視して発売、さらなる問題を呼んでいる。
- 日本政府は1954年、国際司法裁判所に裁定を求めたが韓国政府はこれに応じず、警備隊を常駐させたり、500t級船舶が利用できる接岸施設を作るなどしている。
- 2005年3月には島根県議会が竹島の日条例を成立させた。同年6月9日には慶尚北道議会が毎年10月を独島の月とし、日本との交流を制限する条例を制定。
[編集] 日本海呼称問題
詳細は日本海呼称問題を参照
[編集] 韓国政府の対日政策
- 韓国政府が、自国文化の保護のため、また日本の植民地支配の影響で国民感情を害するとして、日本の漫画や映画、音楽など大衆文化を規制している問題。規制法的根拠は、植民地支配を想起させることが「公序良俗に反する」というもの。
- 20世紀末からいくつかの段階に分けて日本文化規制を開放する計画が立てられたものの、まだ全面開放に至ってない。
- 2005年初めからアニメなどごく一部を除き、日本大衆文化はほぼ全面的に開放されている。
- 2004年に日帝強占下反民族行為真相究明特別法が制定された。この法律は韓国内における歴史的な対日協力派を究明するためのものである。事後法ではないかとの説があるが厳密には事後法にあたらない(日帝強占下反民族行為真相究明特別法参照)。しかし、慎重な運用が求められていることには変わりはない。韓国における国内問題であるため、日本政府が反対しているわけではない。
[編集] 歴史教科書問題
詳細は、歴史教科書問題を参照。
- 扶桑社の歴史教科書の内容について、大韓民国・北朝鮮や中国が批判する問題。両国のからむ歴史において最も批判が集中し、刀伊の入寇・元寇・応永の外寇・文禄・慶長の役など前近代における日朝間の軍事的衝突から、近代以降の日韓併合、第二次世界大戦などの解釈、教え方をめぐって激烈な論争となっている。
- これらの歴史教科書批判を教科用図書検定に反映させ、ドイツの近隣諸国条項にあたる「教科書執筆制度」を日本にも定着させようという意見がある。しかし、中国や韓国の立場が正しいとは限らないことも否定出来ない。
- こうした批判が教科用図書検定において影響をもたらすことも多く、「内政干渉だ」「自国の歴史を正しく学べない」と反発する声が高まっている。一方で、韓国や中国では歴史教育に国定教科書を用いている。教科書の検定は行われていない(ただし1900年以降の近代史に関する高等学校の教科書は検定教科書)。歴史教科書記述が1種類であることが自国に都合の良い歴史教育をもたらしていると批判されている。
[編集] 文化の起源問題
詳細は韓国起源説を参照。 日本の文化は全て韓国が起源であると言う主張が、歴史的資料や物証等も無い状態で、主にインターネットを通じてなされ問題となっている。その例は武術・武道・茶道・侍・天皇・日本刀・染井吉野など多岐におよび、国際的に日本文化が取り上げられると、それらの起源は韓国であると主張をする傾向がある。 そもそも、建国が西暦1948年である国家が、日本文化の起源であるはずも無く理解に苦しむとの意見などがある。
[編集] 韓流批判
詳細は、韓流を参照。
- 日本においてはBoAなどが歌謡界で活躍するほか、韓国ドラマや映画が盛んに公開されるようになった。特に、1960年代~70年代の日本のTVドラマを彷彿させる内容の韓国TVドラマ「冬のソナタ」がNHKで放送され、40~50歳台の女性を中心に一大ブームになったという報道が日本のマスコミからなされた。これらの文化現象を「韓流」ブームとマスコミは呼んだ。
- その一方で、日本国内において、韓国や韓国人を主題に扱ったドラマや映画などが製作されることは少なく、また韓国国内では、日本や日本人を一方的に悪役として描くドラマや映画などが製作され続けているとする声もある。しかし実際には近年の韓国では戦時下の日本人と韓国人の恋愛を描いたドラマや、植民地時代においても韓国人に人間として接した日本人達を顕彰するドラマが光復節に流されることも多く、印象批判の感はぬぐえない。
- 「冬のソナタ」以外に日本で放送された韓国ドラマの視聴率はその多くが数%程度の低調なものであり、しかも大ブームになったとされる「冬のソナタ」にしても、日本で放送された全話中、最も視聴率が高い最終回でも関東地区20.6%、関西地区23.8%(ビデオリサーチ社調査)と、極めて高いとは言い難い数値である事、音楽にしても、BoA以外の韓国人歌手がほとんどヒットせず売れていない事などから、ブームと呼ぶほどのものではないとする見方が、インターネットの掲示板やブログ、一部の雑誌や書籍などのメディアなどからなされている。その中には、韓流ブームとはマスメディアによって日本国民を韓国好きにさせようという政治的な意図を伏せて流布されたプロパガンダの一種ではないかという見方を示す者もいる。
[編集] 知的財産権侵害問題
- 韓国は中国とならび、日本の知的財産権の侵害が深刻化しており、知財紛争が頻発している。
- 韓国では、以前からTV番組・歌謡曲などの日本が著作権を所有する著作物の不正コピー・盗用等が横行しており、近年は改善の傾向にあるもののなおその件数は多い。詳細は日韓の著作権問題を参照のこと
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 日本と朝鮮半島資料集(東京大学東洋文化研究所)
- 特許庁-知的財産権侵害事例・判例集