文藝賞
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文藝賞(ぶんげいしょう)は、河出書房新社が設立した文学賞。以降年一回発表されている。受賞は選考委員の合議によって決定され、受賞者には正賞として記念品、副賞として50万円が授与される。受賞作は同社が発刊している文学雑誌『文藝』に掲載されるほか、単行本としても刊行される。
河出書房新社は同賞を小説ジャンルにおける「新人の登竜門」と位置づけて未発表の小説原稿を募集している。第42回には三並夏が中学3年生(発表時15歳)で受賞し、それまでで最年少の受賞者として話題をよんだ。2000年頃から中高校生の受賞が顕著になり、近年の低年齢作家ブームの先駆けとされる。
第2回までは「長編部門」、「中・短編部門」、「戯曲部門」の3部門制をとっていた。また、1967年度には「河出長編小説賞」が存在した。
目次 |
[編集] 受賞作一覧
[編集] 第1回から第10回
- 第1回 (1962年)
- 第2回 (1963年)
- 第3回 (1964年) 受賞作なし(佳作:北小路功光 「ミクロコスモス」)
- 第4回 (1966年) 金鶴泳 「凍える口」(佳作:加藤敦美 「大山兵曹」)
- 第5回 (1967年) 受賞作なし
- 第6回 (1969年) 受賞作なし(野中周平が受賞辞退)
- 第7回 (1970年) 黒羽英二 「目的補語」、小野木朝子 「クリスマスの旅」
- 第8回 (1971年) 本田元弥 「家のなか・なかの家」後藤みな子 「刻を曳く」
- 第9回 (1972年) 尾高修也 「危うい歳月」
- 第10回 (1973年) 受賞作なし(佳作:北澤輝明 「あわいの構図」、赤坂清一 「帰らざる道」)
[編集] 第11回から第20回
- 第11回 (1974年) 小沢冬雄 「鬼のいる杜で」
- 第12回 (1975年) 阿嘉誠一郎 「世の中や」
- 第13回 (1976年) 外岡秀俊 「北帰行」
- 第14回 (1977年) 星野光徳 「おれたちの熱い季節」、松崎陽平 「狂いだすのは三月」
- 第15回 (1978年) 黒田宏治郎 「鳥たちの闇のみち」(佳作:小林景子 「回帰点」)
- 第16回 (1979年) 冥王まさ子 「ある女のクリンプス」、宮内勝典 「南風」
- 第17回 (1980年) 青山健司 「囚人のうた」、田中康夫 「なんとなく、クリスタル」、中平マミ 「ストレイ・シープ」
- 第18回 (1981年) 堀田あけみ 「1980アイコ十六才」、ふくださち 「百色メガネ」、山本三鈴 「みのむし」
- 第19回 (1982年) 柳川春町 「日曜日には愛の胡瓜を」
- 第20回 (1983年) 若一光司 「海に夜を重ねて」、山本昌代(東斎屋金魚から改名) 「応為坦坦録」
[編集] 第21回から第30回
- 第21回 (1984年) 平中悠一 「She's rain」、渥美饒兒 「ミッドナイト・ホモサピエンス」
- 第22回 (1985年) 山田詠美 「ベッドタイムアイズ」
- 第23回 (1986年) 岡本澄子 「零れた言葉」
- 第24回 (1987年) 笹山久三 「四万十川1 あつよしの夏」(佳作:久間十義 「マネーゲーム」)
- 第25回 (1988年) 長野まゆみ 「少年アリス」、飯嶋和一 「汝ふたたび故郷へ帰れず」
- 第26回 (1989年) 比留間久夫 「YES・YES・YES」、 結城真子 「ハッピーハウス」
- 第27回 (1990年) 芦原すなお 「青春デンデケデケデケ」
- 第28回 (1991年) 川本俊二 「Rose」、吉野光 「撃壌歌」
- 第29回 (1992年) 三浦恵 「音符」(佳作:真木健一 「白い血」)
- 第30回 (1993年) 受賞作なし(佳作:大石圭「履き忘れたもう片方の靴」、小竹陽一朗 「DMAC」)
[編集] 第31回から第40回
- 第31回 (1994年) 雨森零 「首飾り」
- 第32回 (1995年) 伊藤たかみ 「助手席にて、グルグル・ダンスを踊って」(優秀作:池内広明 「ノックする人びと」、金真須美 「メソッド」)
- 第33回 (1996年) 受賞作なし(優秀作:大鋸一正 「フレア」、佐藤亜有子 「ボディ・レンタル」)
- 第34回 (1997年) 鈴木清剛 「ラジオデイズ」、星野智幸 「最後の吐息」
- 第35回 (1998年) 鹿島田真希 「二匹」
- 第36回 (1999年) 濱田順子 「Tiny,tiny」
- 第37回 (2000年) 黒田晶 「メイドインジャパン」(優秀作:佐藤智加 「肉触」)
- 第38回 (2001年) 綿矢りさ 「インストール」
- 第39回 (2002年) 中村航 「リレキショ」、岡田智彦 「キッズ アー オールライト」
- 第40回 (2003年) 羽田圭介 「黒冷水」、生田紗代 「オアシス」、伏見憲明 「魔女の息子」
[編集] 第41回から第44回
- 第41回 (2004年) 白岩玄 「野ブタ。をプロデュース」、山崎ナオコーラ 「人のセックスを笑うな」
- 第42回 (2005年) 青山七恵 「窓の灯(あかり)」、三並夏 「平成マシンガンズ」
- 第43回 (2006年) 荻世いをら 「公園」、中山咲 「ヘンリエッタ」
- 第44回 (2007年) 磯﨑憲一郎 「肝心の子供」、丹下健太 「青色讃歌」
[編集] 選考委員
- 第1回から第2回(中・短編部門) - 寺田透、中村真一郎、野間宏、埴谷雄高、福田恆存
- 第3回 - 椎名麟三、本多秋五、松本清張、三島由紀夫、山本健吉
- 第4回から第5回 - 安部公房、江藤淳、小島信夫、武田泰淳、吉行淳之介
- 第10回から第21回 - 江藤淳、小島信夫、島尾敏雄、野間宏
- 第22回から第25回 - 江藤淳、河野多恵子、小島信夫、野間宏
- 第26回から第29回 - 江藤淳、大庭みな子、河野多恵子、小島信夫
- 第30回から第32回 - 江藤淳、大庭みな子、小島信夫、瀬戸内寂聴
- 第33回 - (江藤淳[1])、金井美恵子、島田雅彦、田中康夫、橋本治
- 第34回 - 金井美恵子、島田雅彦、田中康夫、橋本治
- 第35回から第36回 - 笙野頼子、長野まゆみ、久間十義、松浦理英子
- 第37回から第38回 - 石川忠司、多和田葉子、藤沢周、保坂和志
- 第39回から第40回 - 斎藤美奈子、田中康夫、藤沢周、保坂和志
- 第41回から第42回 - 角田光代、斎藤美奈子、高橋源一郎、田中康夫
- 第43回から第44回 - 角田光代、高橋源一郎、藤沢周、保坂和志
- 第45回 - 斎藤美奈子、田中康夫、藤沢周、保坂和志
[編集] 外部リンク
- ^ 江藤は第33回の選考会直前に「此度の候補作四篇を通読して、自分が新人の未発表作品の審査選考に当る時期が、とうに過ぎ去っていることを改めて痛感し」たと述べて選考委員を辞任した。そのため実際にはこの回の選考に関わっていない。