必殺仕事人・激突!
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『必殺仕事人・激突!』(ひっさつしごとにん・げきとつ)は、必殺シリーズの第30弾として朝日放送(ABCテレビ)と松竹(京都映画撮影所、現・松竹京都映画株式会社)が制作し、1991年10月8日から1992年3月24日にかけてテレビ朝日系列火曜夜9時からの1時間枠で放映された時代劇。全21回。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] 作品内容
江戸城大奥の中臈(ちゅうろう)・初瀬は、仕事人の元締という裏の顔を持っていた。彼女の配下には、時計師の夢次、お面売りのお歌、鎌使いの紋太(甲斐道夫)、そしてあの中村主水がいた。毎月五の日と十の日に、上野東照宮で初瀬が頼み人から依頼と金を受け取るシステムで、主水はその繋ぎ役であった。
ある日の仕事の際、初瀬配下の仕事人たちは南町奉行所が極秘で結成した仕事人狩り部隊「覆面組」の襲撃を受け、紋太が瀕死の重傷を負う。紋太はかねてからの知人である秀に、自分の死骸が残ると妻・さだと一人娘・おみよに奉行所の手がかかると言い残し、秀に後事を託し喉を鎌で掻っ切って川面に飛び込み自害した。秀は紋太の恨みを晴らすべく主水と再会、そして公儀の御試御用首切り役人・山田朝右衛門を迎え、新たな仕事人チームが誕生。覆面組の恐怖と闘いながら、極悪人を闇に葬っていく。
[編集] 概要
『必殺仕事人』シリーズ第9作目であり、必殺シリーズのテレビシリーズとしては最後の作品である(劇場作品はこの作品の世界を映画化した『黄金の血』を初め、以後も制作されている)。
裏番組にフジテレビ系の『なるほど!ザ・ワールド』や日本テレビ系の『火曜サスペンス劇場』などと重なり、苦戦を強いられた。番組スポンサーは複数社提供(30秒CM企業12社。この中には腸捻転解消前に必殺シリーズのスポンサーであった企業も含まれていた)。
本作はオープニング・エンディングのみビデオ撮影になっていた。エンディングは登場人物の各話中のワンシーンの写真が使われ、『仕置屋稼業』までのシリーズと近い雰囲気である。また、必殺シリーズの連続テレビシリーズで初めて(そして唯一)、CM入り前に画面右下に番組タイトルが表示されていた。
本作では出撃のテーマ曲は新しく作られたものの、本作オリジナルの殺しのテーマ曲は作られず、『必殺!』が用いられた。主水の殺しのシーンでは以前の仕事人シリーズ同様中村主水のテーマが用いられている。
[編集] 殺し技
- 中村主水…太刀・脇差で、悪人を斬る、刺す(第1~6話)。
- 途中より『仕事人』~『必殺仕事人V・風雲竜虎編』同様、悪人を油断させながら、一瞬の隙を突いて、脇差を相手の急所に刺す技を使用した(第7~21話)。
- 夢次…特殊な火鉄砲を使用し、煙管を煙草入れに差し込み、相手に向けた時点で真っ赤なゼンマイを雁首から発射する構造になっており、これで悪人の急所を撃ち抜く(柱などにゼンマイが刺さる描写もある)。時計屋廃業後も一貫してこれを使っていた。尚構造上単発で、分解しない限り再度の射撃は不可能であった為、護身用に短刀も携帯していた。
- お歌…表稼業(お面売り)で使うお面の裏に糊を塗り、その面を投げ、相手の顔に貼り付く、あるいは油断させた所を狙い、匕首で斬る、刺す。
- 山田朝右衛門…斬首用の刀で悪人を斬り倒す、あるいは突き刺す。レギュラーの殺し屋としては『五十三次殺し旅』の蘭兵衛=高野長英に次いで2人目となる実在した人物である(主水シリーズには実在人物の仕事師はスペシャルで何度も登場しているが、レギュラーのシリーズでは最初で最後)。公式な立場は浪人であったものの、代々奉行所での首切りを同心から代行していた。
- 初瀬…直接、悪人に対して殺しをする事は少ないが、一度だけ女物の懐剣を使い、悪人を仕置した事があった(第21話=最終回)。
- 秀…金属製の房が付いた銀色の簪(かんざし)で、悪人の首筋を刺す。
[編集] キャスト
- 中村主水 … 藤田まこと
- 夢次 … 中村橋之助(第1~16、21話)
- せん … 菅井きん
- りつ … 白木万理
- お歌 … 光本幸子
- さだ … 麻丘めぐみ(第1、3~7、9、19、21話)
- 同心・成川 … 目黒祐樹
- 覆面組幹部 … 中西宣夫(第1~5話)
- おみよ … 田中亜衣(第1、3~6話)
- 辻占売りの少年 … 谷口公洋(第1、3、8話)
- 山田そで … 中條郷子(第3、7、9話)
- 山田吉亮 … 竹内良輔(第3話)
- 山田在吉 … 久保田潤(第3話)
- 山田吉豊 … 岡田一恭(第3話)
- 秀 … 三田村邦彦
- オープニングナレーション
[編集] 主題歌
- 「月が笑ってらぁ」
- 作詞:荒木とよひさ 作曲:堀内孝雄 編曲:水谷竜緒 歌:藤田まこと
- 発売:ポリスター(原盤権は作曲した堀内孝雄が所属するアップフロントグループが所持しているため、現在はアップフロントワークス・ライスミュージックから発売)
- 藤田まことが初めて「必殺」の主題歌を歌った。「必殺」で馴染み深い平尾作品ではなく、当時、藤田まことのもう1つの代表作だった『はぐれ刑事純情派』の主題歌を多く担当した堀内孝雄の作曲。『はぐれ刑事』のエンディングに流れても番組に合う曲調である。
- 挿入歌
- 「やさしくしないで」
[編集] スタッフ
- 制作:山内久司(ABC)、櫻井洋三(松竹)
- プロデューサー:福永喜夫(ABC)、高橋信仁(松竹)、武田功(京都映画撮影所)
- 脚本:吉田剛、中村勝行、篠崎好、高山由紀子、保利吉紀、田上雄、いずみ玲、鴨井達比古、中原朗、佐藤五月
- 監督:原田雄一、石原興、松野宏軌、吉田啓一郎、津島勝
- 音楽:平尾昌晃
- 編曲:竜崎孝路
- 協力:エクラン演技集団、新演技座
- 製作協力:京都映画撮影所(現:松竹京都映画)
- 製作:ABC、松竹株式会社
[編集] 放映リスト(サブタイトルリスト)
9話までと10話以降では大きくサブタイトルの雰囲気が変わっている。
- ねずみ小僧の恋人 - 平泉成がゲスト出演。
- 大久保彦左衛門のたらい - 織本順吉、中丸新将、神津はづきがゲスト出演。
- 水戸黄門の印籠 - 久富惟晴がゲスト出演。
- 八百屋お七の振袖 - 杉浦幸、中田博久、鶴田さやかがゲスト出演。
- 弁天小僧のかんざし - 高潮巴、上野山功一、岩尾正隆がゲスト出演。
- 徳川家康のキセル - この話で覆面組が全滅し退場。菅貫太郎がゲスト出演。
- 江戸繁盛の裏の顔 - 畠山久、大林丈史がゲスト出演。
- 新門辰五郎のまとい - 加納竜、守谷佳央理、山本紀彦、西山辰夫がゲスト出演。
- 対決! 邪剣VS剛剣 - 高沢順子が悪女役でゲスト出演。
- 主水、出勤日数をごまかす
- 主水、阿片戦争に気をもむ - 宮口二郎が悪役でゲスト出演。
- 霊感少年を操る極悪人
- 夢次、見合いする!? - 高島礼子が被害者役でゲスト出演。
- 主水一家のバブル- 浅見美那が悪女役でゲスト出演。
- 夢次、女盗賊にほれる- 西沢利明・朝比奈順子が悪役でゲスト出演。
- 夢次、江戸のテレクラでバイトする
- 主水、江戸のクーデターにまきこまれる - 小林昭二が被害者役でゲスト出演。
- 主水、釣り友だちの恨みを晴らす - 島田順司が被害者役でゲスト出演。
- 秀、女絵師のモデルになる - 吉川(現・君島)十和子が被害者役、佐川満男が悪役でゲスト出演。
- 主水、京に上がる - 綿引勝彦が悪役でゲスト出演。
- 最後の大仕事 - 清水章吾が被害者役でゲスト出演。
[編集] 放映ネット局
- 近畿広域圏:ABC朝日放送
- 関東広域圏:ANB(現:EX)テレビ朝日
- 北海道:HTB北海道テレビ
- 青森県:ABA青森朝日放送
- 岩手県:TVIテレビ岩手
- 宮城県:KHB東日本放送
- 秋田県:AKT秋田テレビ
- 山形県:YBC山形放送
- 福島県:KFB福島放送
- 新潟県:NT21(現:UX)新潟テレビ21
- 長野県:abn長野朝日放送
- 山梨県:UTYテレビ山梨
- 富山県:T34(現:BBT)富山テレビ
- 石川県:HAB北陸朝日放送
- 福井県:FBC福井放送
- 静岡県:SKT静岡けんみんテレビ(現:SATV静岡朝日テレビ)
- 中京広域圏:NBN名古屋テレビ
- 鳥取県・島根県:BSS山陰放送
- 岡山県・香川県:KSB瀬戸内海放送
- 広島県:HOME広島ホームテレビ
- 山口県:KRY山口放送
- 徳島県:JRT四国放送
- 愛媛県:RNB南海放送
- 高知県:KUTVテレビ高知
- 福岡県・佐賀県:KBC九州朝日放送
- 長崎県:NCC長崎文化放送
- 熊本県:KAB熊本朝日放送
- 大分県:OBS大分放送
- 宮崎県:MRT宮崎放送
- 鹿児島県:KKB鹿児島放送
- 沖縄県:RBC琉球放送
[編集] 関連項目
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必殺シリーズの映像作品 | |||||||||
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映像以外の必殺シリーズ作品 | |||||||||
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必殺シリーズの関連項目 | |||||||||
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テレビ朝日系 火曜21時台(当時はABCの制作枠) | ||
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