中道左派
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
中道左派(ちゅうどうさは 英語:Centre-left)とは、政党あるいは政党グループの分類。穏健な左派のこと。
一般的に中道左派は国家共同体による富の再分配や福祉・社会保障を積極肯定する勢力とされている。近年ではクリントン政権やブレア政権に見られる様に中道右派政党の新自由主義・市場原理主義的経済政策をある程度取り入れ、積極的に民営化を行うなどかつての社民主義とは異なっている。現在は社会民主主義と言うよりもイギリス労働党のブレア政権の第三の道・またはそれに近いドイツ社会民主党のシュレーダー政権の様な中道路線(リベラリズム)を指す言葉となっている。近年の中道左派路線である第三の道は、市場万能主義(ニュー・ライト=サッチャリズム)と計画万能主義(オールド・レフト=)をアウフヘーベン(止揚:良いところどり)した新しい道、として旧来の社民主義を再編したものとしてアンソニー・ギデンズによってとなえられ、ブレア政権によってイギリスで実現して以来、90年代に欧州で多くの現代的意味での中道左派政権が誕生した。
アメリカでは左派という言葉に抵抗があるため、中道左派勢力(米民主党)はリベラルと呼ばれることが多い。またヨーロッパでは自由主義にルーツを置くリベラル系の中道左派は社会自由主義と呼ばれることが多い。なお共産主義はふつう左翼だと考えられ、中道左派には含まれない。
[編集] 「中道左派」とされている主な政党
- 日本 - 民主党 (日本 1998-) - 新党日本
- アメリカ合衆国 - 民主党
- イギリス - 労働党 - 自由民主党
- カナダ - カナダ自由党、新民主党
- フランス - 社会党 - 緑の党 (フランス)
- ドイツ - ドイツ社会民主党
- スペイン - スペイン社会労働党
- イタリア - 民主党ほか、ルニオーネ加盟各政党
- 韓国 - 統合民主党、創造韓国党
- ノルウェー - ノルウェー労働党 - 中央党 (ノルウェー) - 社会党 (ノルウェー)
- スウェーデン - スウェーデン社会民主労働党 - 緑の党 (スウェーデン)
- デンマーク - デンマーク社会民主党 - ラディケーリ - 社会党 (デンマーク)
- フィンランド - フィンランド社会民主党
- オーストリア - オーストリア社会民主党
- チェコ - チェコ社会民主党
- ハンガリー - ハンガリー社会党
- ギリシャ - 全ギリシャ社会主義運動
- トルコ - 共和人民党
- イスラエル - 労働党
- コスタリカ - 国民解放党
- メキシコ - 民主革命党
- チリ - チリ社会党(コンセルタシオン・デモクラシアを参照)
- オーストラリア - 労働党
- ニュージーランド - ニュージーランド労働党
- モンゴル - モンゴル人民革命党
- マレーシア - 民主行動党
- インド - インド国民会議 - ジャナタ・ダル
- ネパール - ネパール会議派
- 南アフリカ共和国 - アフリカ民族会議
[編集] 関連項目
- 極左 - 左翼 - 中道左派 - 中道 - 中道右派 - 右翼 - 極右
- 第三の道
- 福祉国家
- 社会主義インターナショナル
- 自由主義インターナショナル