TVブックメーカー
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TVブックメーカー(テレビ - )は、1991年4月8日から1992年3月23日までフジテレビの深夜帯(JOCX-TV+(プラス))で放送されていたクイズ番組。企画はホイチョイ・プロダクションズで、本番組と『カノッサの屈辱』『マーケティング天国』で「マーケティング三部作」とも言われる。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
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[編集] 概要
イギリスのギャンブルの胴元、ブックメーカーをヒントに立てられた企画で、毎週オッズメーカーと3人のベッター(賭ける人)との一進一退の攻防が展開される。
毎週、これから結果が出るニュース、イベント、雑誌の記事などから2つの題目を立て、それについて賭けを行う。賭け金には番組独自の硬貨「カノッサ」が使用され、ベッターの持ち金は100カノッサからスタート。3000カノッサ以上を獲得すると、フジテレビの正面玄関に自分の肖像画を展示することができた。逆に持ちカノッサが全て無くなると“破産”となるが、乗用車など自分の愛用の品をこのブックメーカーのクラブに預けて100カノッサと交換し再スタートすることもできた。なお、オッズメーカーは5万の持ちカノッサを全て失うとその職を解かれるということになっていた。
収録は通常は放送の数時間前に行われていたが、生放送だった回もあったらしく、当時真裏で放送されていたテレビ東京の『ザ・スターボウリング』まで対象にした賭けを行っていたこともあった。
途中から一般視聴者もFAXで参加することもできた。一般視聴者の場合も3000カノッサ以上を獲得したらクラブ内に肖像画を掲げることができた。
なお、最終回で前番組『カノッサの屈辱』で歴史学者を務めた仲谷昇が登場し「今度は未来の生まれる瞬間の研究をしてみたい」としてこのクラブを創設した、と告白している。
この番組はフジテレビのみならず各地で放送されたが、遅れてテープネットされるのが常の深夜番組の中でこの番組も例外でなかったため、放送される頃には賭けの答えが分かってしまい、面白みが半減するケースもあった。他番組なら遅れネットでも支障がないケースのほうが多いことを考えれば、本番組は史上最悪のテープネットに適さなかった番組といえよう。
[編集] 放送時間
毎週月曜日深夜 24:40~25:10(フジテレビにおいての放送時間)
- 1991年10月7日はスペシャルとして25:20~26:20の放送(この時は賭けの題目が3つ出た)
- 1991年12月30日もスペシャルとして23:55~25:25の放送(この時は生放送で、賭けの題目が4つ出た)
[編集] 出演者
(第1回目のベッター)
- 糸井重里(本番組では「糸井重里七( - セブン)」、のちに「糸井重里七七七( - スリーセブン)」という名前で出演していた。非常に倍率の高い当たりを何度か出したため、カノッサ数は他を圧倒していた)
- 青木謙知(データに基づく堅実な賭けを展開。出席回数はトップ。最終回では2位終了)
- 栗本慎一郎(末期には愛車のマセラティを売ってカノッサを増やした)
(第2回目以降)
- 秋元康(一時は1,000カノッサ(メンバー3位)まで上げたものの、末期には6カノッサにまで減少してしまった)
- 泉麻人(少量ベットで、最終回には総合3位にとどまっていた)
- 鴻上尚史(しばしば残りカノッサ数が一ケタ台(最小2枚)にまで減少したために、「血の1カノッサ」「魂の1カノッサ」と言って賭けていたこともあった。いよいよ破産間近となった時にはせんべいを賭けてまで続行した。そのため的中率はトップに。最終回では4位で終了。なお、事実上の後継番組である「デリバティブTV」にも出演していた。)
- 陣内孝則(破産により降板。最終回には登場している)
- えのきどいちろう(途中降板)
- 黒鉄ヒロシ(破産により降板)
(1回登場)
[編集] 番組スタッフ
- 構成:小山薫堂、山田美保子
- 演出:田中経一、杉本達
- スペシャルアドバイザー:糸井重里七(七七七)、松本方哉
- エグゼクティブ・プロデューサー:金光修(フジテレビ)
- プロデューサー:古賀憲一(日本テレワーク)、桜井郁子(フジテレビ)
- アートディレクター;対比地一正
- 企画:ホイチョイ・プロダクションズ
- 制作:日本テレワーク、フジテレビ
[編集] FAX会員(一般視聴者)への交換景品
- 外国産タバコ1箱=3カノッサ
- ビスケット1箱=6カノッサ
- ジョニーウォーカー(黒ラベル)1本=80カノッサ
- ドン・ペリニヨン1本=300カノッサ
※生放送スペシャルではスタッフによる交換業務も行われ、その場で持ち帰ることも出来た。
[編集] ベティング(賭け)の題目の一覧
- 記念すべき第1回は「サントリージャパンオープンテニス・男子シングルスの優勝者は誰か」と「TVブックメーカー第1回の視聴率は」であった。
- 1998年冬季オリンピック開催地に決まるのはどこか
- 6月20日発売の「ぴあ」の表紙は誰になるか
- 人気企業ランキング、男子文系の第1位はどこか
- 6月27日の株主総会で2時間を超える企業は何社か
- 「アンアン」で発表される「好きな男」1位は誰か
- ウィンブルドン選手権男子シングルス決勝でプレイ中、ボリス・ベッカー、ミヒャエル・シュティヒ両選手が何回転ぶか
- 今週始まるドラマの新番組(『101回目のプロポーズ』『ヴァンサンカン・結婚』(以上フジ)『結婚したい男たち』『デパート!夏物語』(以上TBS)『助教授一色麗子 法医学教室の女』(日テレ)で最も第1回目の視聴率が高いのは何か
- 7月13日、渋谷駅前で何リットルの献血が集まるか
- 当日ベッター糸井重里氏が自ら献血に行った事が発覚。しかし慈善行為だからという事で不正とはならなかった
- 7月15日のロンドンサミットの記念撮影で海部首相は左から何番目に並ぶか
- 夏休み映画の中で観客動員数1位はどれか
- 『24時間テレビ』の番組終了時に発表される募金総額
- 『カノッサの屈辱』単行本の発売2日間の実売率は何%か
- 『クイズダービー』ではらたいらは何問正解するか
- 中国を訪れた海部首相が人民日報の第一面で扱われる面積は何平方cmか
- 終戦記念日に首相と閣僚合わせて何人が靖国神社に参拝するか
- 米ソサミットの調印式で両大統領が使う万年筆のブランドは?
- 毎日新聞の題字が新しくなった最初の日の朝刊1面トップは何の記事か
- 9月3日の「ニュースステーション」で久米宏がサッチャー氏に聞く最初の質問は何か
- 9月4日、日本武道館の全日本プロレスタッグマッチでジャイアント馬場が使う決め技は何か
- 『水戸黄門』の中で由美かおるは8時何分に入浴するか
- 国連総会で北朝鮮の加盟が決定した翌日、労働新聞はこの記事をどう扱うか
- アントン・ウィッキーが『ズームイン!!朝!』のワンポイント英会話で最初の相手に質問するまでの時間は?
- 放送衛星BS-3bの打ち上げは成功するか
- ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルに何組のカップルがチェックインするか
- ロッテオリオンズの新しいチーム名は何に因んだものになるか (ベティングの選択肢は「動物」「自然現象」「伝説」など)
- NHKの『サンデースポーツ』でF1日本グランプリのコーナーの中で何個のフジサンケイグループの目玉マークが映るか
- 真珠湾攻撃50周年の式典の中でブッシュ大統領は「貿易摩擦」という言葉を使うか
- 『ごちそうさま』で味の素を何回使うか
- 『NHK紅白歌合戦』で歌われる曲の新曲率は何%か
- 「GORO」最終号の表紙を飾るのは誰か
- '91 - '92日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞する車は何か
- 10月31日に中間報告される、来年用アイドルカレンダーの中で、一番売れるのは誰か?
- 『男はつらいよ 寅次郎の告白』(第44作)で柴又に帰ってきた寅さんを最初に見つけるのは誰か
- 来日するブッシュ大統領を宮沢首相がどのように出迎えるか
- 今週(2/3~9)のTVショッピングで最もスポットCMの本数が多い商品は何か
- 1月1日、新年の「おめでとう」を言うのが最も遅いテレビ局はどこか
- 1月2日の箱根駅伝で、山梨学院大学(当時)のジョセフ・オツオリ選手は何人抜くか
- 東京23区の成人式で出席率の一番高い区はどこか
- NHKタレント好感度1位になる女性タレントは誰か
- エリツィン大統領は3日間の外遊(1月30日~2月1日)で何回ネクタイを取り替えるか
- 陣幕(現・九重)親方(元千代の富士)の断髪式後の髪型は
- 新宿小田急百貨店でバレンタインデーに一番売れるチョコレートのブランドは何か
- 2月18日、ニューハンプシャー州のアメリカ合衆国大統領予備選挙で1位になる民主党候補は誰か
- きんさんぎんさんのCDは3月2日のオリコンチャートに何位で登場するか
- 1992年度日本アカデミー賞最優秀作品は何か
- 今年の東京大学合格者の中で最も多い苗字は何か
- 今世紀で一番偉大な人物「パーソン・オブ・ザ・センチュリー」は誰になるか
- 最終回の題目であり、20世紀終了後に特別番組を行って結果発表すると言う構想であったが、企画を行っていたウォルト・ディズニー・カンパニーが途中で企画を中止したため、結果は出ることなく、特別番組は『カノッサの屈辱』の特別番組の形式で放送された。
[編集] 激動の最終月
1992年3月2日放送。この2つのベティングを行った。
- 「3月7日、神宮球場で行われるバルセロナオリンピック日本代表VSプロチームの野球交歓試合で、プロはいくつの三振を取られるか」(5個)
- 今放送中のテレビ東京『ザ・スターボウリング』で清水由貴子は何回「ナイスカン!」と言うか(1回)
結果は以下の通り。
ベッター
糸井重里七七七 22,984カノッサ→275,786カノッサ
青木謙知 4,280カノッサ→21,880カノッサ
秋元康 130カノッサ→6カノッサ
オッズメーカー
前田武彦 22,942カノッサ→-247,336カノッサ
この日、大胆な賭けを展開した糸井と青木に的中され、オッズメーカー・前田は5万カノッサを、大幅な負債を抱えながら全て失うことが確定し、規定によりその座を降りることが決まった。
3月9日放送分は、マスター牧原俊幸アナウンサー一人で務めることに(クラブ内は不在。主を失ったオッズメーカー専用の席とギャベル(小槌で鳴らす楽器)のアップ画像が寂しく映し出された。)。前回の結果を発表後、特別編成で「前田武彦オッズメーカー・一年間の功績」(事実上の総集編)を紹介。後半は、仲谷昇オーナーの決断により、後任オッズメーカーをFAX会員のFAX投票に委ねられる事となる。立候補したのは青木、泉、鴻上、そして前任者の前田(VTRでの出演だったが、いつにない正念場を迎えた)。
3月16日放送。「数多くの修羅場をくぐってきた」という理由で鴻上の支持も多かったが、その後前田への同情票などが伸びて、結局は前田の再任が決まり、再びオッズメーカーの椅子に就いた。
しかし翌週3月23日が最終回だったため、わずか2週の再任期間だった。
そのとき糸井は「(番組を終わらせたのは)俺のせいではない。俺は無実だ」とコメントしている。最終回にもギャベルのアップが映し出された。
[編集] 関連項目
フジテレビ 月曜24:40枠 | ||
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