NHK浜松支局
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放送対象地域 | 静岡県(遠州地域) |
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所在地 | 〒430-8691 浜松市中区下池川町35-28 |
(静岡局サイト) 公式サイト | |
総合テレビ | |
開局日 | 1959年11月20日 |
コールサイン | JODG-TV |
デジタル親局 | 浜松 20ch (キーID1) |
アナログ親局 | 浜松 4ch |
教育テレビ | |
コールサイン | JODC-TV |
デジタル親局 | 浜松 13ch (キーID 2) |
アナログ親局 | 浜松 8ch |
ラジオ第1 | |
開局日 | 1933年7月20日 |
コールサイン | JODG |
親局 | 浜松 576kHz |
ラジオ第2 | |
コールサイン | JODC |
親局 | 浜松 1521kHz |
FM | |
コールサイン | JODG-FM |
親局 | 浜松 82.1MHz |
特記事項 : FMとデジタルテレビは静岡局の中継局(コールサインなし)。アナログテレビとAMラジオも実質的には中継局である。 |
NHK浜松支局(エヌエイチケイはままつしきょく)は、静岡県浜松市中区にあるNHK静岡放送局の支局で、県内のうち遠州地域を管轄する。
目次 |
[編集] 概略
1933年に「浜松放送局」として開局。スタジオなど放送機能も持っていたが、1999年実施の放送局統廃合により静岡放送局の下部組織になる。現在は取材・受信料事務拠点としての「支局機能」と遠州地区への「放送分配機能」のみ。
支局化により発生した空き部屋などを利用した「放送素材ライブラリー」も局舎内にある。埼玉県川口市の「NHKアーカイブス」や東京の放送センターに収めきれないテープ・ディスク類などの一部を保管している。こうしたケースは鶴岡支局でも実施されている。
[編集] 沿革
- 1926年12月25日 - 大正天皇崩御。この日、高柳健次郎が、浜松高等工業学校(現・静岡大学工学部)で日本初のテレビジョン実験に成功。
- 1933年7月20日 - 社団法人日本放送協会浜松放送局開局。放送開始。(呼出符号:JODG)
- 1948年12月2日 - ラジオ第2放送開始。
- 1950年6月1日 - 放送法施行に伴い社団法人日本放送協会が解散。特殊法人としての日本放送協会が設立され一切の権利義務を継承
- 1959年11月20日 - アナログ総合テレビ放送開始。
- 1960年9月1日 - アナログ教育テレビ放送開始。名古屋局から受けていたため、静岡局よりも早く放送を開始した。
- 1999年4月1日 - NHKの放送局統廃合実施。浜松放送局から静岡放送局浜松支局に降格。
- 2005年6月1日 - 11:00(JST)、静岡局とともに地上デジタル放送開始。
- 2006年4月 - デジタル総合テレビのレギュラー編成としては全国初のマルチ編成を開始。(『ゆうどきネットワーク』(011)と『ゆうどきネットワーク東海・北陸』(012))
[編集] チャンネル・周波数
- デジタル総合テレビ - 20ch(リモコンキーIDは1。静岡親局と同一)
- デジタル教育テレビ - 13ch(リモコンキーIDは2。静岡親局と同一)
- 総合テレビ JODG-TV - 4ch
- 教育テレビ JODC-TV - 8ch
- ラジオ第1放送 JODG - 576kHz(以前は999kHz。外国波との混信対策により周波数変更)
- ラジオ第2放送 JODC - 1521kHz
- FMラジオ放送 - 82.1MHz
[編集] 備考
- アナログテレビ、AMラジオ放送には現在でもコールサインが割り当てられている。これは東海地震発生時に、静岡局からの放送が不可能になった場合の事態を考慮しているといわれている。(民放でも、静岡放送(アナログテレビ、AMラジオ)とテレビ静岡(アナログテレビ)に、浜松局独自のコールサインが割り当てられている)
- デジタルテレビ、FM放送は静岡局の中継局扱いで、コールサインが割り当てられていない。
- テレビとFMは敷地内の鉄塔から送信。この鉄塔には民放各社もデジタルテレビの送信アンテナを取り付けている。
[編集] 「浜松放送局」復活論について
2007年4月1日、浜松市は新潟市とともに「政令指定都市」に移行するが、これに関連して浜松市民や周辺視聴者の一部には、静岡局の現在の編成方針に対する不満がある。具体的な内容を以下にまとめる。
- 静岡県は大きく分けると「伊豆・駿東(伊豆・東部)」「県央(中部)」「遠州(西部)」の3地域に分けられる。
- 神奈川県と隣接する「伊豆・駿東」は以前から東京との結びつきが強かったが、近年は、県都・静岡市を中心とした「県央」地域も、東京志向を強めている。
- 一方、「遠州」は、県内他地域とは趣を異とする。浜松市を中心として工業が盛んで、「県央」地域と互いにライバル視し、地理的に近い名古屋志向が伝統的に強いとされる。静岡市が清水市との合併・政令市移行を急いだのも、「浜松市に負けられない」という意識も少なからず存在したのではないかという推測が一部ではなされている。
- NHK内部的にも、日本で最初にテレビジョンの実験が行われ成功した場所が浜松市であったことから、浜松市を無視することができなかったとされる。1999年、合理化で浜松放送局は支局化されたが、他の支局化された放送局が次々と独自コールサインを失う中で、浜松だけはアナログのみだが、コールサインをかろうじて維持してきた(番組の送出機能も維持している)。
- 2006年、名古屋局は管内のすべての放送局で17時台のローカル番組を終了させ、東京制作の『ゆうどきネットワーク』をネット受けすることとした。しかし番組後半はローカル編成枠となることから、新たに東海・北陸地域向けの「管中」番組として、後半部分を『ゆうどきネットワーク東海・北陸』に差し替えた。
- 本来、名古屋局管轄にある静岡局では、番組後半において名古屋発の『ゆうどきネットワーク東海・北陸』をネットすべきなのだが、「県央」「伊豆・駿東」地域における東京志向のニーズを無視することもできなかった。
- そこで、差し替え時間帯においては、デジタル総合のマルチ1chとアナログ総合は『ゆうどきネットワーク』を、デジタル総合のマルチ2chとワンセグは、『ゆうどきネットワーク東海・北陸』を放送するという、苦肉の策がとられた。なお、このマルチ編成は前述のとおり2007年3月9日で終了した。
- 福岡県の福岡局と北九州局のように、どちらも“放送局”の場合は、災害など緊急時においてもデジタルデータ放送を含めてそれぞれの地域に特化した放送を行うことができるが、浜松は“支局”であるため、独自の番組を編成・制作・放送することができない。静岡局としても、東京寄りの編成に一本化することができない。
以上のような背景や状況から、浜松支局が「独自放送機能の再開=放送局へ昇格」することは、静岡局エリアの視聴者にとっても、一定のメリットがあると考えられる。
しかし、これには2つの「障害」があり、どちらも取り除くことは容易なことではない。
- NHKは現在、大規模なリストラの最中であり、組織の肥大化につながることはできない。
- 同一県内を異なる管轄に振り分けた前例がないことから、本部と名古屋局双方が懸念を示すことが想像できる(静岡局がNHK発足当時、東京の管轄下にありながら後の機構改革で名古屋の管轄下に移管されたことも影響すると思われる)。
[編集] 隣接地域のNHK放送局
[編集] 静岡県内の民間放送局
NHK静岡放送局の項を参照。