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男どアホウ甲子園 - Wikipedia

男どアホウ甲子園

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

男どアホウ甲子園
ジャンル 野球漫画
漫画
原作・原案など 佐々木守
作画 水島新司
出版社 小学館
掲載誌 週刊少年サンデー
レーベル 単行本 / サンデーコミックス
文庫本 / 秋田文庫
発表期間 1970年2月15日 - 1975年3月2日
巻数 単行本 / 28巻
文庫本 / 18巻
テンプレート使用方法 ノート
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男どアホウ甲子園』(おとこどアホウこうしえん)は、原作:佐々木守、漫画:水島新司野球漫画、及びそれを原作としたテレビアニメ。『週刊少年サンデー』で連載されていた(1970年2月15日号-1975年3月2日号)。1970年~1971年にアニメ化。その後、1999年36・37合併号に読み切りで復活掲載された。

第19回(昭和48年度)小学館漫画賞受賞作品。

目次

[編集] 概要

ストレートしか投げない豪腕投手、「剛球一直線」藤村甲子園(ふじむら こうしえん)。甲子園球場の申し子である彼が、持ち前の超剛速球を武器として、女房役・豆タンらと共に甲子園大会優勝を、そして阪神タイガースを目指す。

続編的なものとして『一球さん』および『大甲子園』(『ドカベン』などと合流)がある。

なお本作品で、単に「甲子園」と呼ぶ時は主人公の藤村甲子園のことを指し、阪神甲子園球場は「甲子園球場」、選抜高等学校野球大会は「選抜」、全国高等学校野球選手権大会は「夏の甲子園」、あわせて「甲子園大会」と表記されて、主人公の名前と区別されるので注意されたい。

安恒理著『「巨人の星」から「ルパン三世」まで“アフターストーリー”全掲載!!』(辰巳出版ISBN 4-7778-0064-4では『男どアホウ甲子園』の後日談として『大甲子園』を取り上げているが、そこまでの過渡期にあたる『一球さん』については作者の調査が及ばなかったのか、全く触れられていない。



注意以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。


[編集] 主な登場人物

[編集] 藤村甲子園とその家族

藤村甲子園(主人公
投手。左投左打、背番号1(高校・大学時代)→背番号111(プロ時代)。1954年5月5日生まれ。口癖は「行くでぇ、豆タン!」
球威のある超速球「剛球」の持ち主で、変化球を毛嫌いする。高校時代、水泳にヒントを得た「クロール投法」と呼ばれる新しい剛球を会得する。高校時代はまともな変化球を投げることができなかったが、最終回直前、カーブナックルボールフォークボールと、数々の変化球を投げられる事を実演した。
本人が豪語するとおり投打にかけての天才で、打撃面でも強打ぶりを披露した。特にストレートにはめっぽう強い。
ただ試合中に怪我をすることが多く、高校時代に3回、大学時代に1回、大怪我をしている。いずれもボール、またはバット直撃が原因であった。
性格は短気でお調子ものだが、不思議と人を惹きつける魅力があり、また器も大きい(ジャック時田・談)。
その器を買われてか、三年夏の甲子園出場時には主将を任され、いかにも彼らしい選手宣誓を披露している。
なお投球が一直線なら恋愛感も一直線で、千曲ちあきの献身ぶりに心がグラついた事もあるものの、初恋の人のあゆみに最後まで惚れ抜いていた。
頭のデキは正直なところかなり悪いのだが、集団カンニングを駆使して東京大学に入学した。
高校二年の時に、ちょっとした行き違いから南波ナインと対立して岩風とともに南波野球部を退部。自称「高校野球ブローカー」の鮫島に誘われるまま、青辰高校→桜ヶ丘高校→青城高校に転校して各校野球部の練習に加わり、青城高では南波との練習試合にも参加している(試合中に誤解が解けて南波野球部に復帰するが)。いうまでもなくこの出来事は日本高等学校野球連盟の定めた憲章違反であり、この物語がフィクションでなければ甲子園、岩風、及び南波も含めた各高校には、日本学生野球協会審査室に諮られた上で、出場停止処分が下るものと思われる。
阪神では1年目32勝、2年目33勝の成績をあげる。3年目の開幕戦の初球、165kmの超速球を投げるが、それが原因で選手生命を絶たれ、引退。
大甲子園」では、祖父とともに甲子園球場の職員となっていた。
藤村球乃進(甲子園の祖父)
甲子園球場職員で、グラウンド整備の達人。熱狂的な阪神タイガースファンで家族に迷惑をかける。「球之進」と表記されていたこともあった。
孫の甲子園の出生届を出す際、婿の秀人から、名前は「甲子国(きねくに)」と伝えられるが、勝手に書き換え「甲子園」にしてしまった。
衛生観念がないのか、手術直後の甲子園の傷口に甲子園球場の土を塗る場面が存在する。
なお、あてヒモ無しでまっすぐにラインを引くのが特技。ただし「大甲子園」ではその腕もやや鈍った模様。
藤村秀人(甲子園の父親)
婿養子のサラリーマン。影が薄いが、東大卒業の秀才。趣味は入試問題予想。
藤村虎子(甲子園の母親)
家族に惜しみなく愛情を注ぐ母性愛の塊のような人。甲子園のことを「ボク」と呼ぶ。
藤村球子(甲子園の妹)
みつあみ姿の少女。普段はクールだが、兄弟思いの一面もある。
藤村球二(甲子園の弟で双子の兄)
楽天的な性格で、弟の球三と違い甲子園を励ますことが多い。
一球さん』および『大甲子園』では、南波高校の投手として球三と共に夏の甲子園に出場する。左投左打、背番号1。
藤村球三(甲子園の弟で双子の弟)
皮肉屋の秀才で、頭の悪い甲子園や家族(父親を除く)をバカにしているが、甲子園が東大に合格した時には相当ショックだったらしく寝込んでしまった。しかし、さすがに巨人戦で兄の甲子園が長嶋を打ち取って勝ったときは涙した。
後に南波高校の捕手として球二と双子バッテリーを組み、夏の甲子園に出場する。右投右打、背番号2。

[編集] 南波高校野球部

藤村兄弟を除く。

鬼頭哲(野球部初代監督
元プロ野球投手(サウスポー)で、本物の剛球の持ち主。八百長事件に巻き込まれ、プロ野球を永久追放されている。
南波の八百長試合が引き金となった暴動に巻き込まれた甲子園と岩風を投石で助け、以来その剛球に惚れた甲子園の師匠となり、次から次へと甲子園に試練を与え鍛え上げた。
初代監督として南波野球部の基礎を作るが失踪。後に「名無しの権兵衛」としてプロ入りした甲子園に助言を与える。
早乙女静(野球部部長)
南波高校の新任女性教師。気が弱く、神島に無理矢理部長にさせられた。しかし、出場停止処分を受けた野球部を支えた陰の功労者。神島に惚れている。
岩風五郎(捕手
通称・豆タン。右投右打、背番号2(高校時代)→100(大学時代)→222(プロ時代)。高校・大学・阪神(テスト入団)と、甲子園のボールを受け続ける。口癖は「はいな、あんさん!」「うちの人」。
自動車事故で失明しても、かすかな球音を頼りに捕手を続ける努力家。のちに剛球仮面の剛球に当たった拍子に視力が回復する。
最終回で、母親が倒れたために阪神を退団することを決意、甲子園に最後の勝負を挑み、見事にホームランを打つ。
後に『一球さん』で、主人公・真田一球が入学した巨人学園での教師・野球部監督としての姿が描かれる。同作品の中では、前述の失明時の事を自身であることを伏せて部員に話している。また、後述の松葉月夫の事についても話した。
丹波左文字(一塁手
背番号3、左投左打。極道・丹波組三代目で、幼少時に抗争相手の組長に右腕を切断されて隻腕となる。
一時右翼同盟を率いて南波高校支配を狙い、東海の竜率いる番長連合と抗争を起こすが、甲子園や結城が結成した南波高校全共闘との三者で野球対決になり、甲子園に負けて和解する。
隻腕のハンデを感じさせない「居合い抜き打法」や、ミットを持ち変えての守備で野球部を引っ張る。
高校卒業後は南波野球部三代目監督として夏の甲子園全国制覇に導く。
後に『一球さん』で、真田一球の義父(育ての親)としての後世が描かれる。
神島竜矢(遊撃手
通称・東海の竜。背番号6、右投右打。番長連合を率いて南波高校支配を狙い、丹波の右翼連合と抗争し、同様に甲子園に負けて和解する。空手の達人で、それを攻守に活かした。
かつては東海一帯を仕切っていた番長だったので「東海の竜」との仇名がついた。
野球部引退後はしばらく姿を消していたが、謎の人物(元プロ野球の大物監督)の片腕として、甲子園球場をフランチャイズとした新球団設立に画策(結局うやむやになったが)していた模様。
後に『大甲子園』で、南波高校野球部監督として球二・球三兄弟を夏の甲子園出場に導く。
結城翼(遊撃手二塁手
野球部二代目主将。背番号6→4、右投右打。右翼同盟と番長連合の抗争で荒れる南波高校を憂い、南波高校全共闘を結成して校門を封鎖、三者の野球対決に持ち込み、見事に抗争を解決する。以後は野球部主将としてチームを春の選抜制覇に導く。
南波野球部の中では一番の知性派、さらにピアノも嗜む。非力ではあるがミートが上手い。
大熊牛吉(投手三塁手
背番号1→10→5、右投右打。甲子園入学時の野球部初代主将。甲子園との野球勝負に負けて補欠になるが、神島の番長連合に参加。抗争終了後に美少女こと千曲の引退を受けて三塁手になる。卒業後に丹波組に入る。ランニングの掛け声は「わっせ、わっせ、ドバッドバッ!」
後に『一球さん』で京玉高校野球部監督として登場。巨人学園と戦うが3回コールド負けを喫した。
野球どアホウ伝」に掲載された「酔いどれ90番」にも登場し、商店街の服屋として、少年時代の景浦安武に出会っている。
千曲ちあき(三塁手
通称・美少女。背番号5、右投右打。甲子園を心から愛している。初登場時は男装をしており、そのため男子学生と間違えられ南波野球部に入部させられた。抗争が和解し野球部員が増えた後に引退し、甲子園を見守る。
東大2年秋に鬼塚のバットを胸に受けて入院した甲子園に、自分の肋骨を提供して失踪するが、最終回直前に姿を見せる。
松葉月夫(右翼手
背番号9、左投右打。生まれつき足が不自由で、松葉杖姿でプレーする。初期の名前は「松井」だった。
最初はイヤイヤ入部したものの、野球部が自分を常人と同じように扱ってくれることに感激し、野球にのめりこむようになった。
東城大武蔵戦で故意死球で倒れ、右翼に気を失ったまま寝かされていた事もあるが、気がついた後で意地のタイムリーヒットを打った。
知覧太郎(中堅手
背番号8、右投右打。丹波の率いる右翼同盟の一員として九州から南波に転向してくる。死球を恐れない特攻精神が持ち味。
ジャック時田(投手三塁手
背番号1→5、右投両打。父はGIハーフ
東城大武蔵から転校してきて、南波高校のエースの座を狙うが三塁手に転向。実は東城大武蔵のスパイだったが、春の選抜で藤村甲子園の器の大きさにうたれ、東城大武蔵を裏切る。以後は南波ナインと和解して南波の春・夏連覇に貢献する。
なお投手の時はホップボールを決め球としていた。
松下講平(一塁手
背番号3、右投右打。一時は主将も務める。目立つ事は少ないが野球センスは野球部随一。
南波野球部再建の際に、他校からスカウトされてきた選手のひとり。
大山風太郎(二塁手左翼手
背番号4→7、右投右打。大山もまた松下と同じく、おそらく他校からスカウトされてきたと思われる。長身と無精ひげがトレードマーク。投手としても甲子園をリリーフしたことがある。
甲子園の長嶋との対決前に、何故かライバルチームの一員として登場する。
ピノキオのような鼻のある丸顔と体格が、『ドカベン』の坂田三吉に酷似している。
福本(遊撃手
背番号6、右投右打。甲子園大会決勝戦で突如出現した選手で、それまで南波は9人のメンバーが固定されていたのかどうかも不明であった。甲子園が負傷してスタメン落ちした際に、福本とは違う名称不明の選手が二人存在するが、別の場面では南波は9人しか選手がいないとも言われている。
完全に数合わせの選手と思いきや、虚をついたサインプレーで活躍する場面もある。
長井高松(遊撃手
甲子園の1年次に数合わせとして入部させられた。その後一度だけ試合時に登場。
ボール恐怖症。
日の本一(左翼手
国尾守(中堅手
以上二名、左文字の手下。甲子園の1年次に数合わせとして入部させられたが、その後全く登場しない。

[編集] 東京大学野球部

甲子園と岩風を除く。

日ノ本政治(三塁手
野球部主将。右投右打、背番号10。
野呂間鹿之助(捕手左翼手
右投右打、背番号30。「まさかり打法」が得意。明るい性格で野球部のムードメーカーで、古風な言葉遣いが特徴。大柄な肥満体で、パワーある打力が持ち味だが、その弊害の鈍足も併せ持つ。
妻・小春と一子・菊乃介がいる妻帯者。
堀田(投手
甲子園と岩風入学前の東大野球部のエース。右投右打、背番号18。
  • そのほかの東大野球部員は全員メガネ使用者。

[編集] 藤村甲子園のライバル達

池畑三四郎(北城中→明和高校→東城大武蔵高校→早稲田大学
投手→捕手。右投右打、背番号1(高校時代)。中学時代、野球部で甲子園と喧嘩して以来、高校・大学を通じた甲子園の永遠のライバル。関西出身なのになぜか共通語を話す。
甲子園の剛球と対照的な軟投派で、「七色の変化球」と呼ばれる程多くの変化球を持つが、大阪大会で敗退。
東城大武蔵時代は、甲子園とほぼ互角の剛速球を「大回転投法」で投げる「剛球仮面」として登場、甲子園大会で南波高校を苦しめるが、足にケガを負ってからは、負担のかかる大回転投法で甲子園と投げ合うのは無理と判断して仮面を取り、再び七色の変化球の池畑三四郎に戻る。が、9回裏の岩風の打席では迷った揚げ句に大回転投法で投げるものの岩風に打たれ、打球を取ろうとして足を折ってしまいサヨナラ負けを喫してしまった。
春の選抜後に姿を消してから何故「剛球仮面」として東城大武蔵に入ったかは、池畑曰く「藤村と甲子園球場で投げ合いたかったから」、「頬に傷を付けた土方を憎むよりも、むしろ土方のいる東城大武蔵なら夏の甲子園に出場できるから」。
早大入学後、一年生で早くもベンチ入りを果たす。ただ、かつての大阪予選決勝での明け方までの大延長戦や、夏の甲子園決勝での二日連続18回完投した体力は既に無くなっていた様で、対東大戦では体力切れで打ち込まれ敗戦投手となった。
しかしその敗戦がきっかけで、鬼塚の球を受けるための捕手へと転向する決意がかたまったようだ。
天王寺三郎(阿倍野西高校)
投手。左投左打、背番号1。秘密兵器として育てられていた、阿倍野西高校のエース。剛球・巧打で知られる「大阪の手長ザル」。甲子園から大阪大会でホームランを打ったのは彼だけ。
岩風が自動車事故で手術を受けた時に献血した(岩風の珍しい血液型と同じだった)。
憎まれ口を叩く事が多いが、実は情に厚い人物。
川島(阿倍野西高校)
右翼手→捕手。右投右打。通称「大阪のベーブ・ルース」。天王寺登場後に捕手に転向。
人格者の主将(それゆえ、口の悪い天王寺をたしなめる事も多い)として阿倍野西高を引っ張ってゆく。
土方玄(東城大武蔵高校)
投手→捕手。右投右打、背番号1→2。センバツで南波と対戦した東城大武蔵の主将で、エースで4番。
夏の甲子園では、剛球仮面の大回転投法を受ける捕手に転向する。
抜群の野球センスと怪力を誇る。3年夏の甲子園の決勝戦で、本塁上のクロスプレーでジャック時田のサヨナラホームインを阻止した際に右腕に大怪我をし、その後も再試合も含めて出場を続けたのがたたったのか、高校で第一線から退いた。
三原武司(松山南海高校)
松山南海高校の主将。「策士」と呼ばれる捕手。春の選抜準決勝にて南波と対戦し、盲目の岩風の弱点をつく作戦を決行し南波を苦しめるが、敗退。
東城大武蔵の土方とともに夏の甲子園で南波にリベンジすることを誓うが、残念ながらその後の登場は無かった。
岐阜六商の山猿(岐阜第六商業)
本名不明、投手、右投右打。
藤村たち南波野球部が全国武者修行をしていたときに、関ヶ原古戦場のグランドにて対決。
試合途中からの登板だったが、リリーフ後は小柄ながらも手元で伸びる速球を武器に、南波を無得点に抑えた。
実は彼は中学生のころから中日ドラゴンズにて英才教育を受けていた練習生だった(それゆえ高校野球には出場出来なかった)。
伊賀蘭丸(明和高校)
投手、右投右打。超スローボールを駆使し、転校した池畑に代わり明和高校のエースとなる。
新一年生ながらも投打の主軸として明和を引っ張り、大阪大会決勝進出への原動力となった。
なお岐阜の山猿(中日ドラゴンズ練習生)と容姿・体型が似ているためか、終盤でのライバルチーム結成時には作者すら混同していた模様。
神宮響(慶應義塾大学
右翼手。右投右打、背番号5、一年生ながら慶大野球部の主砲で人格者。「神宮球場の申し子」と呼ばれる。
もともとはヤクルトに秘密兵器として育てられていたが、阪神に1位指名される。だがそれを不服とし、慶大へ入学した。
丸太を自分で削って作った「丸太ん棒バット」に甲子園の剛球を当ててから、フォロースルーだけでホームランにする腕力の持ち主。
しかし土壇場勝負における藤村甲子園の渾身の剛球の前に、前腕部粉砕骨折で再起不能となる。その後、藤村からホームランを打った気分になりたいから、シャドーピッチングで対決してくれと懇願し、「若き血」をバックに涙でダイヤモンドを一周する。
鬼塚幽次郎(早稲田大学
投手。両投右打、背番号1。早大野球部の切り札。暴力団・鬼塚組の跡取りで、丹波組と抗争中。
左手の中指と薬指が無いハンデを逆手に取った変化球と、右手の剛球の「陰陽球」を持つ両投げ投手(なお、初登場時は中指と薬指が無いのは右手だった)。東京六大学野球連盟の特別許可を得てグローブを持たないので、どちらで投げるか判らない。
東大戦では、自分の打席でバットを投げつけて甲子園の肋骨を折る(このプレーはルールブックによると明らかに守備妨害であるが、藤村はバットと一緒に飛んできたボールを捕った)。優勝が決まる早慶戦に登板拒否をするなど、自分勝手な性格。
風見天神丸(中日ドラゴンズ
外野手。左投左打、背番号90。
二軍落ちしていた藤村が、頭巾を被って夜な夜な強打者相手に辻斬りまがいの勝負を持ちかけているとの噂を聞きつけ、王貞治のユニフォームで夜道を歩いてまんまと対決に成功。藤村と小野田の投球を見事に打ち返す。
ウエスタンリーグも小野田、藤村と対決し、「バック打法」という回転力を利用した打法でホームランを放つ。藤村も小野田も、風見との対決の為に一軍復帰を拒絶する。
その後藤村とほぼ同時に一軍に昇格。一軍公式戦で甲子園に挑む。剛球を受けてやけどをした田淵のミットから球筋を読もうと怪我を装って救護室に行くが、「力と力の勝負に小細工は無用」とたしなめられる。田淵の言うとおりに自身の持つ力で藤村に挑むが、腕を骨折し、敗れる。
景浦安武南海ホークス
南海の代打の切り札。右投右打、背番号90。通称「あぶさん」。無類の酒好き。
阪神とのオープン戦にてルーキーの藤村からホームランを放ち、プロの洗礼を浴びせる。
男どアホウ甲子園連載当時は、パ・リーグに指名打者制導入前のため、代打とともに外野守備にもついていたシーンが、『あぶさん』で描かれている。

[編集] 藤村甲子園を取り巻くヒロイン達

千曲ちあきを除く。

朝野あゆみ(北城中→明和高校)
甲子園の永遠の憧れの女性。一時、実家の没落により金貸しの権藤金次郎と政略結婚するが、死別して朝野姓に戻る。「私は藤村君の剛球にほれているの。」という名言を残す。
なお連載当初から大柄な女性として描写(ちあきや早乙女先生が同じコマに居るとよく判る)されており、連載初期~中期までは明らかに甲子園より身長が高かった。
千代子(下宿の娘)
東大に入学した岩風の下宿先の娘。岩風を追って引っ越ししてきた甲子園を受け入れた。
東大の校歌代わりに『嗚呼玉杯』を甲子園や岩風に教えようとするが、この曲は旧制第一高等学校寮歌であり、東大の応援にはあまり使用されない。この場合は応援歌『ただ一つ』が最も適切な歌だと思われる。(東大には校歌が存在しないので,「ただ一つ」が校歌の代りになる。最もよく歌われる応援歌は,「闘魂はいまぞ極まる」「足音を高めよ」など)
なお東早戦で東大生達が歌っているのは、学生歌(学生が作った応援歌)と思われるが、詳細は不明。

[編集] 阪神タイガース

村山実
投手。ただし藤村入団前に登場し、入団時には解説者として登場する。
金田正泰
一軍監督。
小山正明
一軍投手コーチ。史実に当てはめると、大洋ホエールズで現役引退し、コーチとして古巣に復帰直後。
ことあるごとに藤村を挑発し、小野田とのライバル意識を掻き立てる。
江夏豊
阪神のエース。巨人戦を前に、ブルペンで「思い切り行け、ぶっ倒れたらわしが行くで!」と藤村に無言で声援を送る。
田淵幸一
捕手。4番打者。徹底した二枚目で、『がんばれ!!タブチくん!!』とは正反対のキャラクター。
遠井吾郎
一塁手。開幕戦で藤村をリリーフした小野田が「捕手を岩風に変えて欲しい」と要求したところ、「ブチを一塁に回したらええ。わしも下痢気味やし。」と機転を利かせる人格者。
  • 他にも連載当時の選手、コーチ、スタッフが多数実名で登場する。
小野田信長(架空の選手)
投手。右投右打、背番号87。岩風と共にテスト入団し、阪神のエース「虎の座」を狙う。
独特の剛球変化球の使い手。
貧しい家に育ち、実力を持ちながらも今まで日の目を見ることが無かったため、最初から大物スターとして入団した藤村を敵視していた。
そのためレギュラー捕手である田淵に接近する藤村を尻目に岩風に近付き、その後もことあるごとに藤村と対立。藤村が南海とのオープン戦で滅多打ちを食った日、岩風相手にピッチングをしていたところ、「剛球フォーク」を小山コーチに見出される。
二軍落ちした藤村のむこうを張って辻斬り投手を名乗ったこともある。終盤には登場しなくなってしまった。

[編集] 読売ジャイアンツ

王貞治
一塁手。球界屈指のホームランバッターだが、当時の作者の好みか、藤村の前にファーストゴロとセンターフライ(センターのエラーで三塁に進塁)に討ち取られ、いいところなし。
長嶋茂雄
三塁手。本作品では「長島」姓で登場する(当時の表記)。ルーキーの年(1958年)、甲子園球場への遠征の時に4歳の藤村甲子園に出会い、「お兄ちゃんをキリキリ舞いさせたんねん!!」と言われて発奮する。その後超一流の打者に成長したが、引退が近づいていた。
最終話において、成長して阪神に入団した藤村と甲子園球場で対決。1点勝負を予想して、長嶋は切り札としてベンチに待機する。そして1-0で阪神リードの9回表、2アウト3塁の場面で代打で登場。藤村の剛球を完璧にとらえるが、結果はバットを粉々に折られての三球三振。現役を引退する自分の代わりに「あとは頼むぞワンちゃん」と残し、笑顔で球場を去る。

[編集] テレビアニメ

タイトルは「男どアホウ!甲子園」。1970年9月28日から1971年3月27日まで日本テレビで放映。放送時間は毎週月曜~土曜、PM6:35~6:45。全156話。

[編集] キャスト

[編集] 主題歌

  • OP「男どアホウ!甲子園」(歌:フォー・スラッガーズ、作詞:佐々木守、作曲・編曲:土持城夫
  • ED「どアホウ賛歌」(歌:フォー・スラッガーズ、作詞:佐々木守、作曲・編曲:土持城夫)

[編集] 逸話

本来この漫画は関西の話であるが、日本テレビの関西出身の上層部が「声優の関西弁が聞くに堪えない」、と言い出したため、初期の話は標準語の台詞で放映された。それに反対した脚本の雪室俊一は「それならタイトルをいっそ「男大バカ後楽園」とでもしろ!」と怒り、脚本を降板したほどである。しかし、やはり違和感が大きかったため途中から関西弁の台詞に変更された。[1]

日本テレビ 月-土帯18:35-18:45枠
前番組 番組名 次番組
男一匹ガキ大将
(再放送)
男どアホウ甲子園
まんがジョッキー
※本作の再放送後に
小学館漫画賞
第18回 昭和47年度
『とうちゃんのかわいいおヨメさん』・『走れ!ボロ』
あすなひろし
第19回 昭和48年度
男どアホウ甲子園』・『出刃とバット』
水島新司
第20回 昭和49年度
漂流教室』ほか
楳図かずお

[編集] 脚注

  1. ^ アニメやぶにらみ 雪室俊一 第5回 業界のきらわれ者


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