流星のロックマン (ゲーム)
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ジャンル | ブラザーアクションRPG |
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対応機種 | ニンテンドーDS |
開発元 | カプコン |
発売元 | カプコン |
人数 | 1人~2人 |
メディア | 256MbitDSカード |
発売日 | 2006年12月14日 |
価格 | 5,040円 |
売上本数 | 約59万本(2007年11月現在) |
『流星のロックマン』(りゅうせいのろっくまん、SHOOTING STAR ROCKMAN)は、ロックマンシリーズ生誕20周年記念作品として製作されたゲーム。略称は「流星」または「流ロク」。海外のタイトルは「Mega Man Star Force(メガマン スターフォース)」。
目次 |
[編集] 概要
ニンテンドーDS専用ソフトとして「ペガサス」「レオ」「ドラゴン」の3シリーズを2006年12月14日に発売。ニンテンドーWi-Fiコネクション対応であるが、ブラザーバンドシステムに使うものであり、これを利用した通信対戦をすることはできない。
ロックマンエグゼシリーズの後継作にあたり、エグゼシリーズのシステムを受け継ぎつつも、新シリーズにふさわしく様々なリニューアルがなされている。
2007年11月22日に続編の流星のロックマン2が発売。 2シリーズ、「ベルセルク×ダイナソー」「ベルセルク×シノビ」で1シリーズに2つの変身が可能。
[編集] 各バージョンの違い
- スターフォースで変身できる能力が違う(別バージョンのプレイヤーとブラザーバンドを結めば、別バージョンの能力を使うことができる)。
- 中心となるサテライトの管理者が違う。
- 入手できる一部のメガカードと全種類のギガカードが違う。
[編集] ストーリー
220X年。地球上の全ての電子機器が電波で繋がれている時代。人々は携帯電話の進化した携帯端末「トランサー」を持つようになっていた。これは、電話やEメールはもちろん、教科書や新聞にもなる上、カードフォースと呼ばれるカード型プログラムを通すことにより、ナビと呼ばれる擬似人格プログラムや、武器プログラムを呼び出し、様々な行動を人間の代わりに行わせることができるという物であり、ほとんどのトランサーは、3機のサテライト(ペガサス・レオ・ドラゴン)のいずれかに所属し、管理されている。
そんな中、宇宙に地球外生命体を発見した「ニホン科学宇宙局NAXA(ナクサ)」は、未知なる生命体との友好関係「ブラザーバンド」を結ぼうと宇宙ステーション「きずな」を打ち上げた。 しかし、人類の夢を乗せたこの宇宙ステーションは原因不明の事故に遭遇し、その行方を絶ってしまった。必死の捜索にも関わらず、その宇宙ステーションが発見されることはなかった。
そして事故から数ヶ月後、ニホン海に「きずな」の一部と見られる機体の破片が落下した。これを機にNAXAは捜索を打ち切り、このプロジェクトを永久に凍結した。
それから3年後、コダマタウンに住む、3年前の事故で行方不明となった宇宙ステーション「きずな」の乗組員、星河大吾の息子、星河スバルは、父親を失ったショックから不登校となり、街の展望台で星空を眺める日々を送っていた。
スバルが小学5年生になった日、彼の自宅に大吾の後輩、天地守がやって来た。彼はスバルに、父が仕事に使っていたという不思議なメガネ、ビジライザーを渡し、帰っていった。その直後、今度はスバルのクラスメイトの3人組がやって来た。登校するように仕向けるクラスメイト達を避けるように、スバルは1人街の展望台へと向かった。
展望台に着いたスバルは、天地からもらったビジライザーを掛け、星空を見上げる。すると突然謎の光がスバルを直撃、彼は倒れ込んでしまった。意識を取り戻すと、目の前には猛獣のような顔をした、足の無い幽霊のような姿の電波宇宙人がいた。ビジライザーが謎の光の直撃を受けた事によって本来の能力が目覚め、電波宇宙人と電波の世界(ウェーブロード)が見えるようになったらしい。この宇宙人は「ウォーロック」と名乗り、自分がFMプラネットという星からやって来たFM星人であること、そして自分はスバルの父、大吾を知っているのだと言う。 スバルが父のことを聞こうとした瞬間、2人はウォーロックを追って同じくFMプラネットからやって来た電波ウィルスの襲撃に遭ってしまう。父のことを知りたいスバルは、ウォーロックの言うがままに融合、電波変換し、電波人間「ロックマン」として、電波ウィルスやFM星人達との戦いに巻き込まれて行くのだった。
[編集] ゲームシステム
基本的なシステムは流星のロックマンシリーズを参照。
- スターフォース
- ストーリー中で、サテライト管理者により「スターフォース」の力を授かる。
- 変身中はチャージショットが特殊攻撃に変化し、カウンターをとると必殺技・SFB(スターフォースビッグバン)を使うことができる。
- ただし、管理者と同じ属性になるため、弱点属性も継承することとなり、それぞれの弱点属性の攻撃を受けると、通常の2倍のダメージを受け、変身が解除される。一度でもこうなった場合、そのバトルが終了するまで再変身は不可能。
- スターフォースはバージョン毎に異なるが、ブラザーを結んだ相手が別バージョンならばそのバージョンのスターフォースにも変身可能。
- アイスペガサス 属性:水 弱点:電気
- ロックマンがペガサスのスターフォースを得て変身した姿。特殊攻撃(=チャージショット)で敵を凍らせられる。SFBは、魔法で敵を凍らせる「マジシャンズフリーズ」。威力は低めだが、敵を行動不能にできる。
- ファイアレオ 属性:炎 弱点:水
- ロックマンがレオのスターフォースを得て変身した姿。特殊攻撃の威力が高く、攻撃している時間が長い。SFBは、強力な火炎放射で攻撃する「アトミックブレイザー」。威力が高い。
- グリーンドラゴン 属性:木 弱点:炎
- ロックマンがドラゴンのスターフォースを得て変身した姿。特殊攻撃の範囲が広く、状態異常にならない(ステータスガード)。SFBは、木の葉の竜巻を起こして攻撃する「エレメンタルサイクロン」。多段ヒットする。
[編集] 登場人物
[編集] 地球人
- 星河 スバル(ほしかわ - )
- 本作の主人公。小学五年生の心優しき少年。将来の夢は父と同じ宇宙飛行士。父が行方不明になって以来、不登校になっていた。父親が持っていたビジライザーと言うゴーグルをかける事で電波を視覚できるようになる。近所の人曰く、変なゴーグルをかけた少年、イカしたメガネの少年らしい。名前は最初、「星河 スバル」になっているが、主人公の名前は自由に変更可能である。また、ウォーロックとスターフォース管理者につきまとわれている。
- この項目内では主人公=星河スバルを適用
- 白金 ルナ(しろがね - )
- 高飛車なお嬢様。コダマ小学校5年A組の委員長を務める。ロックマンに助けられて以来、ロックマンにメロメロである。両親はエリートになってもらいたいと考えているが、本人は普通の生活がしたいと思っている。
- 牛島 ゴン太(うしじま ごんた)
- 体が大きく力が自慢の乱暴者。委員長には頭が上がらない。がさつな性格だが自分の居場所を失うのが怖いと思っている。
- 最小院 キザマロ(さいしょういん - )
- 物知りで頭がキレる情報収集を得意とする委員長のご意見番。ロックマンに憧れているがそれと同時に正体が気になって仕方が無い。
- 響 ミソラ(ひびき - )
- 本作のヒロイン。同年代の少年達から絶大な人気を得ている天才少女シンガー。かつては母親と二人暮しだった(父親は不明)。元々病床の母親を励ます為に歌を始め、母親の勧めでオーデションを受けて見事に合格(彼女が持っているギターもオーデションの時に母親が買ってくれたもの)。その後も母親の為に歌い続けていたが、結局母親は他界し、歌う事に希望を見出せなくなり、さらに金のために歌えと言うマネージャーに嫌気がさしたため、歌手を辞めようと思っている。
- 双葉 ツカサ(ふたば - )
- スバルのクラスメイト。不思議な雰囲気を持つ少年。スバルが学校に通い始めたきっかけのひとつでもある。穏やかな性格だが、幼い頃にゴミ集積所に捨てられたという過去を持ち、自分を捨てた両親を憎む気持ちから多重人格になってしまった。
- 双葉 ヒカル(ふたば - )
- 両親を憎む気持ちから生まれた双葉ツカサのもう一つの人格。穏やかなツカサとは違い、口は悪く、乱暴で残酷な性格で絆(=ブラザーバンド)を激しく嫌っている。
- 星河 大吾(ほしかわ だいご)
- スバルの父親。3年前、宇宙ステーション「きずな」での事故で行方不明になる。
- 星河 あかね(ほしかわ - )
- スバルの母親。大吾が行方不明になってから、女手一つでスバルを育ててきた。スバルの前では気丈に振舞っているが、心の傷は未だ癒えていない。
- 天地 守(あまち まもる)
- 天地研究所所長。大吾の後輩であり、元NAXA職員。行方不明になっている大吾を探し続けている。スバルに度々大吾の理想や考えを教え諭す。
- 宇田海 深祐(うたがい しんすけ)
- 天地の部下で元NAXA職員。NAXA職員の時に上司から裏切られたことが原因で疑心暗鬼に陥ってしまう。フライングジャケットという発明品の開発に成功した。
- 育田 道徳(いくた みちのり)
- スバルの担任でありコダマ小学校の名物先生。生徒達からの人気が高い一方、学校の教育方針に反対しているため教師達の間では孤立している。
- 白金 ナルオ(しるがね なるお)
- ルナの父親で、103デパートのオーナー。娘であるルナにはエリートコースを歩んでほしい考えている。
- 白金 ユリ子(しるがね ゆりこ)
- ルナの母親。夫と同じく、ルナにはエリートになってほしい考えている。
- 挟見 千代吉(はさみ ちよきち)
- 小学三年生の少年。意地っ張りでケンカ好きのため友達が出来ず孤独を感じている。
- 尾上 十郎(おがみ じゅうろう)
- 無愛想な植木職人。満月の夜になると血が騒いでしまう。
- ジャン・クローヌ・ヴェルモンド・ジョルジョワーヌ14世
- 通称「クローヌ14世」。王冠に取り憑いた幽霊。生前は隆盛を極めていた貴族の当主だったらしい。
[編集] FM星人
- ウォーロック
- FM星人。通称「ロック」。星河スバルのトランサーに居候している。
- 電波兵器・アンドロメダを起動するために必要な、アンドロメダの鍵を持っているために他のFM星人から狙われており、スバルの父・星河大吾のことに関して何かを知っているようである。
- オックス
- おうし座のFM星人。強大な力を持っているが、頭はあまり良くないようである。
- ルナに見捨てられるのを恐れる牛島ゴン太と電波変換し、オックス・ファイアとなる。
- キグナス
- はくちょう座のFM星人。疑心暗鬼に陥っている宇田海に「裏切りこそがこの世の本質」と近づき、彼と電波変換してキグナス・ウィングとなる。
- ハープ
- こと座のFM星人。響ミソラと電波変換することでハープ・ノートへと変身する。
- マネージャーに嫌気が差したミソラの心に付け入り、音楽の力で地球を制圧しようとするが、ウォーロックに敗北後、スバル達の仲間となる。
- リブラ
- てんびん座のFM星人。
- 学校の教育方針に反対したがために解雇されそうになった育田道徳と電波変換し、リブラ・バランスとなる。
- オヒュカス
- へびつかい座のFM星人。
- 両親から無理矢理エリートの道を歩まされようとした白金ルナと電波変換し、オヒュカス・クイーンとなる。
- ジェミニ
- ふたご座のFM星人。雷神ジェミニと呼ばれるFM王の右腕。
- 自分を捨てた両親を憎む双葉ツカサと電波変換し、ジェミニ・スパークとなる。
- キャンサー
- かに座のFM星人。暴力的で友達の居なかった挟見千代吉と電波変換し、キャンサー・バブルとなる。本編では名前と電波変換した姿のみが登場し、本人は未登場。
- ウルフ
- おおかみ座のFM星人。植木職人の尾上十郎と電波変換し、ウルフ・フォレストとなる。本編では名前と電波変換した姿のみが登場し、本人は未登場。
- クラウン
- かんむり座のFM星人。ジャン・クローヌ・ヴェルモンド・ジョルジョワーヌ14世と電波変換し、クラウン・サンダーとなる。本編では名前と電波変換した姿のみが登場し、本人は未登場。
- FM王(ケフェウス)
- FMプラネットの王で、ケフェウス座のFM星人。過去に親族からさえも王位や命を狙われた。
- 疑心暗鬼に陥ったところをジェミニに利用され、FMプラネットと友好条約を結ぼうとしたAMプラネットを信用できずに、アンドロメダを送り込んで滅ぼし、ブラザーバンドを結ぼうとした地球も滅ぼそうとする。
[編集] サテライト管理者
- 世界の通信を管理する3つの衛星(サテライト)の管理者。FM王ケフェウスとアンドロメダによって滅ぼされたAMプラネットの生き残りであり、AMプラネットの三賢者と言われていた。
- ストーリー中で、ロックマンに絆を守るための力「スターフォース」を授ける。
- ペガサス・マジック
- ペガサス座のAM星人でサテライト・ペガサスの管理者。
- 魔法や氷による攻撃を行う。水属性。
- 必殺技は、魔法陣を出現させ、そこから生み出した巨大な氷柱で敵を凍らせる「ペガサスフリーズ」。
- レオ・キングダム
- しし座のAM星人でサテライト・レオの管理者。
- 口から出す炎や燃える尻尾で攻撃する。炎属性。
- 必殺技は、強力な炎を吐いて敵を焼き尽くす「レオブレイザー」。
- ドラゴン・スカイ
- りゅう座のAM星人でサテライト・ドラゴンの管理者。
- 風や植物による攻撃を行う。木属性。
- 必殺技は、とぐろを巻くように回転し、巨大な木の葉の竜巻を起こして攻撃する「ドラゴンサイクロン」。
[編集] 電波人間
- ロックマン
- スバルとウォーロックが電波変換した姿。左手にはウォーロックがついていて、ロックバスターによる攻撃を行える他、バトルカードによる様々な攻撃や、スターフォースによる変身が可能。
- オックス・ファイア
- ゴン太とオックスが電波変換した姿。赤い物を見ると破壊せずにはいられない。炎を使った攻撃を主とし、パンチやタックルなどの力技を得意とする。炎属性。
- キグナス・ウィング
- 宇田海とキグナスが電波変換した姿。白鳥の舞いを踊って相手に見せると、それを見た相手は勝手に踊りだしてしまう。「シタッパー」という子分を複数引き連れており、白鳥の舞いを踊りながらの体当たりや、羽根飛ばし、シタッパーを使った攻撃などをしてくる。
- ハープ・ノート
- ミソラとハープが電波変換した姿。音符や音波、音を操って戦う。マネージャーやファンを一度襲撃したが、ロックマン(=スバル)の説得により改心し仲間となる。これまでのロックマンシリーズにおける「ロール」のような存在。製作者曰く、「似せるつもりは無かったのに、似てしまった」らしい。
- リブラ・バランス
- 育田とリブラが電波変換した姿。両腕の天秤皿には炎と水がのっており、腕の炎、水とおもりで攻撃する。属性は右腕が傾けば水属性、左腕が傾けば炎属性になる。学習電波で生徒達を無理矢理勉強させる。
- オヒュカス・クイーン
- ルナとオヒュカスが電波変換した姿。上半身が人間の女性、下半身が蛇の姿をしている。蛇を自在に操り、蛇を使った攻撃や、体当たり、目からマヒ効果のある光線を放つ。木属性。
- ジェミニ・スパーク
- ツカサとジェミニが電波変換した姿。+電波と-電波を放出し、同じ極の電波を浴びた人間を争わせる。ジェミニ・スパーク_W(ホワイト)とジェミニ・スパーク_B(ブラック)に分かれ、連係攻撃や協力攻撃を得意とする。電気属性。
- Wはツカサ、Bはヒカルの人格が支配している。また、Bにしかダメージを与えることは出来ないが、Bを倒せばWも倒すことが出来る。
- キャンサー・バブル
- 挟見千代吉とキャンサーが電波変換した姿。蟹が人型になったような容姿で、ケンカ好きな性格をしている。泡や津波を使った攻撃が得意で、両腕の鋏を飛ばしたりもする。「チョキ」が口癖。水属性。
- ウルフ・フォレスト
- 尾上とウルフが電波変換した姿。鋭い爪や仲間の狼によって攻撃し、バトル中に満月が現れると体が赤くなりスピードアップする。木属性。
- クラウン・サンダー
- クローヌ14世(幽霊)とクラウンが電波変換した姿。白骨化した王のような姿をしている。周囲にボウガン、ハンマー、ドリルで攻撃をする3体のゴーストを連れており、本体は雷による攻撃を行う。また、雷にあたるとゴースト全員から袋叩きにされる。電気属性。
[編集] 最終ボス
- アンドロメダ
- FM星人達が造り上げた最強最悪の電波兵器。他の電波体を無差別に取り込み、過去にAMプラネットを滅ぼした。
- 最初は巨大な人の顔のような姿をしているが、HPが半分以下になると人型へと変形し、中央のコアが黄緑色になった時しかダメージを与えられなくなる。隕石やミサイル、衝撃波での攻撃の他、人型時は破壊光線も放つ。モデルはアンドロメダ座。
[編集] コラボレーション
- ボクらの太陽 Django&Sabataとの関連性
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- シナリオ
- ボクタイDS側のボスが流星のロックマンの世界に現れ、ボクタイDSの主人公サバタとジャンゴと協力してそのボスを倒すことになる。
- 通信
- ボクタイDSともブラザーバンドを結ぶことが出来る。これを、クロス・ブラザーバンドと呼ぶ。クロス・ブラザーバンドを結べば、メールによって、相手側でしか手に入らないようなレアアイテムを送ってもらうことができる。
- ロックマンエグゼシリーズとの関連性
- ロックマンエグゼシリーズをWスロットすることにより、ロックマンエグゼシリーズのロックマンが登場するサブイベントが発生する。
[編集] 購入特典
本作の購入特典として「流星のペンダント」が配布されたが、これが尖った形状だったため転んだ時などに刺し傷などの怪我をする危険性があるとして、2007年2月1日に回収の告知が出された。手持ちのペンダントをカプコンに送付すると、「流星のロックマン」特製クリアファイルセット4点セットが代替品として送り返される。