東京都交通局5300形電車
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東京都交通局5300形電車 | |
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東京都交通局5300形電車 (2006年2月27日、北品川 - 新馬場間にて撮影) |
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編成 | 8両 |
起動加速度 | 3.3km/h/s |
営業最高速度 | 110km/h |
設計最高速度 | 110km/h ただし5327編成は120km/h |
減速度 | 4.0km/h/s(常用最大) 4.5km/h/s(非常) |
車両定員 | 先頭車119(座席42または39)人 中間車134(座席52または49)人 ・車椅子スペース設置車は定員が1人多い |
全長 | 18,000mm |
全幅 | 2,800mm |
全高 | 4,050mm |
編成重量 | 242t |
車両重量 | 26.0~34.5t |
軌間 | 1,435mm |
電気方式 | 直流1,500V (架空電車線方式) |
主電動機 | かご形三相誘導電動機 165kW ただし5327編成は180kW |
歯車比 | 97:16 (6.0625) |
駆動装置 | WN平行カルダン |
台車 | ボルスタ付空気バネ台車 KD-302・KD-302A形(都形式:T-1B・T-1C形) |
制御装置 | GTO-VVVFインバータ制御 |
ブレーキ方式 | 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ |
保安装置 | C-ATS |
製造メーカー | 川崎重工業・日立製作所 日本車輌製造・近畿車輛 |
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東京都交通局5300形電車(とうきょうとこうつうきょく5300がたでんしゃ)は、東京都交通局(都営地下鉄)浅草線用の通勤形電車。
目次 |
[編集] 概要
車両冷房化などによるサービス向上と老朽化した5000形の置き換えを目的に1991年(平成3年)3月31日から営業運転を開始した。
MT比4M(電動車)4T(付随車)構成の8両編成27本計216両が在籍する。
本形式の設計にあたっては、21世紀を目指して以下の項目をコンセプトにした。
- 都会的センスあふれる斬新なデザイン
- 明るくさわやかな車内
- サービス向上で利用しやすい車両
- 新技術の採用によるメンテナンスフリー化
[編集] 運用
2006年(平成18年)10月現在は、京成電鉄押上線・本線押上 - 京成成田間と北総鉄道北総線全線、また京浜急行電鉄本線・久里浜線泉岳寺 - 三崎口間および空港線・逗子線全線に乗り入れる幅広い運用がある。ただし、京急への乗り入れ運用の大部分は本線・空港線泉岳寺 - 羽田空港間であり、京急蒲田 - 三崎口間および逗子線は朝ラッシュ時および夜間に限定される。
なお、「エアポート快特」の運転開始時には、間合い運用で京成本線京成上野駅に乗り入れたこともあった。
[編集] 外観・性能など
前面は傾斜した流線型で、プラグドアの非常扉を採用した。ただし、左右で非対称である。また、行先表示器は都営地下鉄の車両で初めてLED式を採用した。
アルミニウム合金製車体であるが、大形押し出し形材を多く使用して、車両の軽量化を図っている。車体塗色は、白(浅草ホワイト)を基調に、赤(浅草レッド)と茶(浅草ブラウン)の帯が巻かれている。側面のLED式行先種別表示器と車側灯の周囲を黒く塗装して一体に見えるようにしている。
車体側面は客用ドアが片側3か所、側窓は扉間の2連窓が下降式、車端側は単窓で固定式である。
主電動機の1時間定格出力は165kW(5327編成は180kW)で、電動車1両に4基を装備している。主回路制御はGTO素子によるVVVFインバータを採用している。1基のインバータで4個の電動機を駆動する「1C4M」制御である。磁励音は一定の音階のまま起動前進するタイプである。
ブレーキ装置は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキで、遅れ込め制御を併用する。
台車は近畿車輛製の軸コイルばねの前後を筒型積層ゴムブッシュで支持したダイレクトマウント空気ばね台車(電動台車:T-1B (KD302) /付随台車:T-1C (KD302A))を装着している。ただし、ボルスタレス台車は採用していない。基礎ブレーキ装置は、電動車が片押し式踏面ブレーキ、付随車は片押し式踏面ブレーキ併用ディスクブレーキである。レール塗油装置は5310・5316・5326編成の7号車の京成成田側に取り付けられている。
都営地下鉄の車両で初めて客室内の主電動機点検蓋が省略された。
冷房装置は冷却能力42,000kcal/hの集中式を1基搭載している。
[編集] 内装
客室は握り棒や袖仕切りなど丸みのあるデザインを採り入れた。化粧板は白色を基調とした清潔感あるデザインである。
座席はバケット式ロングシートであり、表地の色は座面がグレー、背面がピンクである。優先席部分の表地は紫色とした。床面はピンクとベージュの2色である。
側窓の巻き上げカーテンは「隅田川のさざなみ」をイメージしたものとして車内全体を「浅草」のイメージで調和した。
連結面間の貫通路幅は1,100mmと広く、一部に設置されている貫通扉は両開き式でドアクローザ式である。
つり革は三角形である。後年に乗務員室後部を除きドア上部の線路方向にも増設された。また、優先席部は2006年初めからオレンジ色のものに交換されている。
天井は冷房ダクト方式を採用し、中央にラインデリア(先頭車5台・中間車6台)の収納された整風板、両端に冷房吹き出し口がある。
車内には車内案内表示器が千鳥配置で設置され、ドアチャイムも鳴動する(後述の記述も参照)。自動放送装置が搭載されているが、英語放送はなく、使用も浅草線内に限定している。合成音声で、当初は高音の女声だったが、「エアポート快特」の運転開始時に騒音下でより聴き取りやすい低音の女声に修正された。
[編集] 乗務員室
乗務員室は従来より広く線路方向に約1.9mある。運転台はグレーを基調とした色調である。
主幹制御器はワンハンドル式で、力行4段・ブレーキ5段+非常ブレーキ1段である。一部編成はデッドマン装置も装備されている。なお、同じワンハンドル式でも浅草線に乗り入れる他社形式は力行5段である。マスコンハンドルを力行4ノッチまたは3ノッチから2ノッチに入れると定速運転ができる。
計器盤右側に車両情報管理装置 (TIS) のモニター画面がある。落成当初はオレンジ色の単色モニターだったが、後述のC修繕の際にカラー液晶に交換している。TISでは機器の動作監視機能や自動放送・車内表示器・行先表示器の操作などサービス機器の制御機能がある。
運転室と客室の仕切りは客室から見て左から大窓・乗務員室扉窓の2か所である。遮光幕は両方の窓に設置してある。
[編集] 編成
直通先である京急に対応するため、制御電動車を先頭車に配した4M4T構成で、制御装置は各電動車に、補助電源用のDC-DCコンバータは付随車のT1とT4に、レシプロ式電動空気圧縮機 (CP) はT2とT3に、集電装置(菱形パンタグラフ)はM1とM2に各2基を搭載する。
←西馬込・三崎口/押上・京成成田→
5300-1 (M1c) - 5300-2 (T1) - 5300-3 (M1) - 5300-4 (T2) + 5300-5 (T3) - 5300-6 (M2) - 5300-7 (T4) - 5300-8 (M2c)(+のところで分割可能)
車両番号は、4桁の数字の後にハイフンを置き1桁の数字を配しており、4桁のうちの上2桁は形式を、下2桁は編成番号を、ハイフン以下の1桁は編成内の順位を表す。順位を表す数字は、西馬込方から1~8の順に付されており、現車の標記は小書きされている。例えば5307-3であれば第7編成の3号車を表す。
[編集] 次車分類
- 1次車・01~02編成(1990年度)/日立製作所製
- 2次車・03~06編成(1991年度)/川崎重工業製
- 3次車・07~10編成(1992年度)/日本車輌製造製
- 4次車・11~14編成(1993年度)/日立製作所製
- 5次車・15~21編成(1994年度)/日本車輌製造・近畿車輛製
- 6次車・22~26編成(1995年度)/日立製作所製
- 7次車・27編成(1996年度)/近畿車輛製
- 7次車は、5200形の6両編成2本から8両編成1本への変更に伴い、余剰となった1本を置き換える目的で新製された。
[編集] 変更点
車椅子スペースは、1・2次車は4・5号車に、3次車からは1・8号車の乗務員室後部に設置されている。
4次車からは東京都のシンボルマークである「いちょう」の位置を前面・側面ともに変更された。3次車以前の編成もほぼ同時期に変更されている。
5次車からは前面下部のスカート(排障器)形状を変更し、大型化された。
7次車の5327編成は落成当時、京急線内で都営車両の快特による120km/h運転が計画されていたために性能を変更した。在来車は性能上で120km/h運転は可能ではあるが、高速域での加速性能が低かったためである。これ以外の仕様は在来車と同じだが新製時より転落防止幌を設置した。主電動機は6300形と同じく180kWに増強。制御装置は同形式1・2次車と同じ制御容量の制御装置に変更し、120km/h運転が十分に可能な性能に向上させた。ただし、その後都営車による120km/h運転の快特の計画は見送られた。
2008年(平成20年)1月現在、ほとんどの編成の制御装置についてはソフトウェアの変更がなされており、変更前とは起動時のインバータ装置およびモーターからの音(磁励音)が多少異なる。変更されていないのは5311・5312編成のみである。
[編集] 動向
地図式とLED式の車内案内表示器がそれぞれドア上部に千鳥配置されていたが、1998年(平成10年)11月18日の京急空港線羽田空港駅開業に伴い設定された「エアポート快特」への対応が煩雑になることから、マップ式のものを撤去し、スクロール式のみとした。その後、京成新3000形のように紙製の路線図が設置されている。
2000年(平成12年)頃からC修繕工事により、座席モケット(優先席のみ交換した車両や一般席のみ交換した車両も存在している)やカーテンの交換のほか、一部のつり革高さを低くしたり、床敷物を水色1色+ラメ入りに交換するといった内装改善や、1・2次車を中心にLED式種別・行先表示器を新品に交換するなどの工事を行った2種類の更新車も登場している。また、C修繕実施時に再塗装を行っているが、塗料はフッ素樹脂系を使用している。なお、工事は京浜急行電鉄久里浜工場→京急ファインテックス久里浜事業所で実施されている。
2003年(平成15年)頃からドアチャイムの使用を開始した。ドアチャイム自体は新造時より装備し、運用開始当時は浅草線内でのみ約1年間使用していた。また、4次車以降の更新車では120km/h対応の5327編成と同じ仕様にしている編成がある。さらに2005年(平成17年)11月に出場した更新車からは車内LED案内表示器の案内文が浅草線内駅停車中の駅ナンバリング表記のみ変更されている。LED案内表示器の内容は、浅草線内は停車中が現在駅表示または自駅発・自駅終着の案内、走行中は次駅名・駅番号と乗り換え案内を流し、次駅を到着までスクロールする。京成線内においては京成3700形に類似した表示となり、停車中に種別行先を無限スクロール、発車後に種別行先次駅・乗り換え案内を1回ないし2回スクロールする(次停車駅までの距離により変動)。また、成田乗り入れ時は成田空港における下車駅注意の表示もスクロールされる。なお、北総鉄道と京急線では次駅案内表示は行わない。
[編集] 関連商品
イエロートレインより限定品でレジン製鉄道模型キットが商品化されていた。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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