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概念 - Wikipedia

概念

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

概念(がいねん)、コンセプトconcept)とは、物事の総括的・概括的な意味のこと。ある事柄に対して共通事項を包括し、抽象・普遍化してとらえた意味内容で、普通、思考活動の基盤となる基本的な形態として頭の中でとらえたもの。

その概念を言葉で表現されたものを「名辞」と呼び、言語の構成要素として、それを組み合わせ、述べ表し、判断・認識可能なものとして現実世界をとらえて表現する。人間はほぼこのような概念化した名辞によって、この世の中のあらゆることを理解したり、表現している。 また概念は、それを提議・提唱する者の心性、視点、立場、精神的なポジション・在り方を反映する。

コンセプトは、それらを敷衍し同様に扱うことによって、個々の物事・出来事の間の違いを省き、物事・出来事の間に共通する大要、要約、見解、イメージ、つまりは「普遍的概念」となる。 このコンセプトは、実在の出来事や事件、物事の関係を種類に分け、分類化し、カテゴライズし、クラス分けをするのに貢献する。 またコンセプトは、文脈の中の要素になっている場合「提案、提議、申し出、計画、命題」(の要素)を意味する。

概念は人間精神内部に存在する何かであり、抽象的、普遍的なものである。 精神外部の世界に存在するものや、出来事や、それらの関係について概念が存在する。ひとつの概念は個々の事物というよりも、事物の集合に対して存在する。

概念は、個々の物事の細かな相違点を無視して、それらが同一であるかのように扱うという意味で抽象的である。概念は、(それが表す)個々の事物すべてに当てはまるという点で普遍的である。

例として「犬」という概念を挙げる。概念としての犬は、個々の犬ではなく犬の集合に対して存在する。実際には白い犬もあれば黒い犬もあるが、それらの相違点を無視して同一であるかのように扱うので抽象的である。また、例えば4本足であり、尻尾があり、哺乳類であるといった概念としての犬に当てはまることは個々の犬すべてに当てはまるという意味で普遍的である。

概念は意味の担い手である。一つの概念は複数の言語で表現することができる。例えば、「犬」という概念はドイツ語では 'Hund' と、フランス語では 'chien' と、スペイン語では 'perro' と表現される。概念がある意味で言語とは独立したものであるということが、翻訳を可能にする。つまり、同一の概念を表す様々な言語の言葉は「同じことを意味する」。

目次

[編集] 名辞

言葉の要素であるように、概念は命題の要素である。概念が言葉で表現されたものを名辞(めいじ)という。ひとつの命題として

「AはBである」

とした場合に、「A」を主辞、「B」を賓辞という。

特に抽象名辞(抽象概念)は、言語や数字や記号で現実世界を表す。または現実にないものをあるものとして存在させるために 表現する手段である。

参照:言葉意味文化論理学

[編集] 作品の概念・コンセプト

人の手による絵画・書画・曲・文芸等の作品は、作者がその作品に込めた意図・意匠・目的・思い等の概念を有し、これを表現しており、「作品のコンセプト」等と言われている。又、受け手の感じ方によって新たな概念が付加される場合があり、作品に接する時代性や社会的価値観などの変化に伴って変わる。

芸術における概念(抽象概念)は、心で感じ取ったものを2次元(絵画)、3次元(立体彫刻など)で表現したものといえる。音楽も同様で、心で感じ取ったものを楽器の音、人間の声を構成して表現している。写真はそのときの作者(撮影者)の心情と場面をその瞬間の調和で作り上げる即興的芸術ともいわれる。

[編集] 言語概念と子供の発達

概念は、体内期から形成が始まるといわれている。まず、感覚的に世界を捉える「感覚概念」5感を複合的に利用して外界の物事を理解する。胎児期の5ヶ月目には、聴覚が働きはじめる。9ヶ月になると、大きな音がするとびくっと反応して、母親に驚いていることを伝えるようになる。繰り返し見ることができる、聞くことができる場面にまず音声として認識され、あとから言語として認識されていく。それを反復すると第1段階のコミュニケーションを始める。2歳前後から急速に他者とコミュニケーションをすることがさらに楽しくなり、意味を含んだ言語をまちがいながらも使うようになり、コミュニケーションの段階が進む。例えば、ある子供の例では「抱っこして」が「大きい抱っこして!」に変化する。立って抱っこして欲しいの意味であるが、5歳の兄弟から「タッチ抱っこやろ」と指摘されると、「立っち抱っこ?」(立つ意味)と半信半疑で使いはじめる。

認識した既存の言語を用いながら、形容詞をあれこれつないで積極的に使おうとする。通じることが少ないとかんしゃくを起こして、違うと訴える。疲れているとさらに泣き出す。こうした過程を通じて、子供は、自分の持つ言語体系を身近な世界で異化させていく。

数の概念は経験に比例する。小学校で算数セットが各家庭で購入されているか、学校のものとして使われているかで大きく概念形成がかわると思われる。前者の方が数の概念が身につきやすい。内語と外語の違いに似ている。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

執筆の途中です この「概念」は、哲学に関連した書きかけ項目です。この記事を加筆・訂正して下さる協力者を求めています。(Portal:哲学


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