言葉
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言葉(ことば)は、話す・書くなどの行為をする事によって情報伝達手段となりうる、意味があるものの総称。心・気持ち・思い・考え等を表す手段の一つである。学術的分野では、「言語」とも称される。
ただし、日本語で「言葉」というと、言語の中で用いられる語を意味することも多い。
脳の意識が明確な状態で心に発生する感情・思考等は、言葉・映像・音声により想起されるが、これを自分以外の者に伝達する手段は、何等かの手段により音声化された言葉・音、筆記された文字、又は描かれた絵である。人が無意識の状態で思考している可能性は否定出来ないが、意識回復時に記憶に残る可能性が低いため断定する事は困難と考えられている。
全ての言葉には対応する概念が少なくとも一つ存在する。一方、概念の中には対応する言葉のないものがある。人は言葉によって認識を共有する事が容易となる。反対に、言葉に出来ない思考・概念は、伝達する事が困難である。
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[編集] 言葉の成り立ち
人間は社会を形成して生きている。社会は互いに自分の意志を相手に伝え、認識を共有する事で営まれている。この為、自分の意志を相手に伝えたいという人間の欲と社会習慣が言葉を生み出したのではないかと考えられている。人類が言語を獲得した時期については、まだ分かっていない。
言葉が無い時代の意思伝達は、人間の発声によって相手の注意を喚起し、身振り手振りのボディーランゲージや絵文字等を指し示すなどの行為によってなされていたと推定されている。このような行為を日常の社会習慣の中で何度も繰り返す内に一定の規則性が生じ、発声行為が規則性のある言葉となり、絵文字等が規則性のある文字へと変化していったと考えられており、より高度な言葉の文化を生み出したとされる。
[編集] 言葉による思考
意味を持った言葉の形成に伴い、人間は思考を言葉で行うようになったと考えられている。意志・感情を言葉で表現する事によって複雑な心理を明確にする。そして、この事によって自己理解が深まり、知能を発達させたと考えられている。
[編集] 言葉と概念
概念とは、明確に識別する事が困難な物・物質・集合体・動き・行為を始めとする全てのものを容易に認識し識別する事が出来るように、特定のものと見なす行為(抽象化)によって紡ぎだされたものである。現実に人は、全ての物は固有に存在するにも関わらず、個々の違いを無視して類似性でまとめて考えたり、同一の動きは存在しないにも関わらず同じ動きと見なしたりする。言葉は、これらの概念を示す手段であり、全ての言葉は概念であると見なす事が出来る。
[編集] 領域を示す概念
明確に特定できない領域・集合体を表す言葉
宇宙・世界・社会・国・国家・政府・会議・集落・世帯・上・下など
[編集] 共通な特性で識別する概念
個々の違いを無視して共通性で表す言葉
人・手・足・動物・植物・火・道具・自転車・友達など
[編集] 動きを表す概念
歩く、走る、跳ねる、止まる、起きる、寝るなど
[編集] 関係を表す概念
貴方・私・上・下・右・左・東・西・南・北など
[編集] 思考を表す概念
思う・考える・論じる・検討する・認識するなど
[編集] 言葉の種類
言葉には、通常の言語・手話・ボディーランゲージ等の他、特定の規則に則った音声符号・電気信号等がある。伝達者間に於ける取り決めに従うことによって伝達可能となる。
[編集] 言葉の変化
定義の無い言葉は、表現可能であるが、意味不明で伝達の役割を果たすことは出来ない。しかし、二人以上の人が定義する事により、言葉として成立するため、時間・地域により多数の言葉が存在する。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
[編集] 関連書
- マイケル・トマセロ 大堀壽夫、中澤恒子、西村義樹、本多啓 訳『心とことばの起源を探る』シリーズ 認知と文化 4 勁草書房 ISBN 4326199407
- 竹下秀子 『心とことばの初期発達』霊長類の比較行動発達学 東京大学出版会 ISBN 4130161067