東京タムレ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
東京タムレ | ||
---|---|---|
原由子 の アルバム | ||
リリース | 2002年3月23日 | |
録音 | VICTOR STUDIO 猫に小判STUDIO |
|
ジャンル | J-POP | |
時間 | Disc1 48分14秒 Disc2 16分47秒 (初回盤のみ) Total 65分1秒 (初回盤) Total 48分14秒 (通常盤) |
|
レーベル | ビクタータイシタ | |
プロデュース | 斎藤誠 & 片山敦夫 | |
チャート最高順位 | ||
|
||
ゴールド等認定 | ||
|
||
原由子 年表 | ||
Loving You (1998年) |
東京タムレ (2002年) |
『東京タムレ』(とうきょうタムレ)は、原由子のカヴァーアルバム。2002年3月13日発売。発売元はビクターTAISHITAレーベル。
目次 |
[編集] 解説
ベストアルバム『Loving You』から約4年8ヶ月ぶりの発売となったアルバム。この間シングルも発表されていないため、ソロワークとしてもそれ以来となる。
前年サザンのベーシスト関口和之が“関口和之&砂山オールスターズ”としてカバーアルバム『World Hits!? of Southern All Stars』を発売しているため、サザンのメンバーとして初のカバーアルバムではないが、この作品はサザンオールスターズとしての楽曲を別プロジェクトとしてカバーしているもののため、厳密な他アーティストをカバーしたアルバムとしては、サザンのメンバーの中で初めての試みである。また、本作はカバー以外にもボーナストラックとして1991年の自身の楽曲「花咲く旅路」も収録された。この楽曲が収録されたのは、前年から桑田佳祐から続く(桑田のタイアップも2002年秋ごろまで続く)コカ・コーラCMソングとして使用されたことが関係している。
本作は初回盤としてのみ、Disc2に「歌ってタムレ」と題した所謂カラオケバージョンの楽曲が収録された特典ディスクが付属されている。桑田とのデュエットで収録された「いつでも夢を」のそれぞれのボーカルを抜いたバージョンなども収録された、珍しい試みである。ジャケットやCD表面ではレコードディスクを模したデザインになっており、ここでも懐かしさを感じさせている。特典ディスクは8cmであり、12cmCDが一般的になったJ-POPのCDとしては、1990年代に流通した8cmCDはまだ懐かしいとまでは言えないものの、大変珍しいものである。
本作はこれまでの原のソロアルバムと違い、プロデューサーとして斎藤誠と片山敦夫が迎えられている。両者はサザンや桑田の楽曲やライブなどでも参加しており、この後も編曲やサポートメンバーとしてサザンのアルバム『キラーストリート』のレコーディングなどにも参加している。これまでのソロ作品では、夫であり、サザンのボーカルでもある桑田佳祐がプロデューサーとして大きく関わっていたが、今回はデュエットやコーラスで参加したのみである。同年は桑田佳祐も前年から続いて本格的ソロ活動を行い、この年の9月にはアルバム『ROCK AND ROLL HERO』、11月にはベストアルバム『TOP OF THE POPS』の発売が迫っており、その活動に専念するため裏方に廻っていると推測される。その為桑田のクレジットはプロデュースでは無く、 “Otetsudised”(お手伝い)と表記されている。
また、ビクターエンタテインメントからリリースされるCDには、親会社の日本ビクターのロゴマークである蓄音機を覗き込む犬「ニッパー君」が片隅に載るのだが、本作は犬ではなく"豚"が蓄音機を覗き込むイラストに「Her Master's Voice」と書かれたロゴマークになっている。“お手伝い”と共に、桑田の遊び心、そして桑田と原との信頼関係が垣間見える。
約4年ぶりのリリースとなり、前作がベストアルバムであるためアルバムとしてでも1991年の『MOTHER』以来のリリースとなるが、年末まで続いたサザンのソロ活動はこの年で一段落となった。桑田の『TOP OF THE POPS』の発売によってサザンのソロ活動が全て一段落した形であり、翌2003年の上半期は充電期間として活動を休止。7月の「涙の海で抱かれたい ~SEA OF LOVE~」で約2年半ぶりに活動を再開させた。その後メンバーの際立ったソロ活動は行われておらず、原由子としてもこの作品が現時点で最後のソロワークとなっている。
本作リリースに合わせて解説された特設サイト東京タムレでは、それぞれの楽曲の解説や、発売された年のヒット曲など背景を詳しく説明している。タイトルになった「東京タムレ」は収録曲であり、1963年の渚エリの同名楽曲から。
主に1960年代の楽曲をカバーしており、この当時の楽曲の演奏時間はどれも2~3分と現在では短いものである。そのため、カバーしたバージョンでも楽曲がオリジナルに沿って比較的短めになっており、15曲入りでも収録時間が50分未満と短いものになっている。楽曲自体は曲の懐かしさを際立てたオリジナルに近いアレンジのものから、大幅なアレンジやロック調になったものまで様々であり、ライブを模したものもある。単なるカバーアルバムとは言い切れない個性豊かな作品であり、フォークやニューミュージックを聴いていたオールディーズ世代の人々には、懐かしい作品である。
本作でもそれまでの原のソロ作品同様、サザンではボーカル曲でも務めている担当楽器であるキーボードの演奏は少なく、ボーカルに専念している。今回も一部の楽曲ではピアノなども演奏している。
[編集] 収録曲
[編集] 初回盤 Disc 1
(※通常盤ではこのディスクのみ)
- 太陽は泣いている
(作詞:橋本淳 作曲:筒美京平 編曲:片山敦夫)
原曲はいしだあゆみの1968年の作品。
昭和40年代を思わせるPVも制作され、発売当時に放送された原自身の特別番組でもオープニングを飾るナンバーとしてOAされた。 - 愛のさざなみ
(作詞:なかにし礼 作曲:浜口庫之助 編曲:斎藤誠)
島倉千代子の1968年の作品。 - 私と私
(作詞:永六輔 作曲:中村八大 編曲:斎藤誠)
ザ・ピーナッツの1962年の作品。 - 東京タムレ
(作詞:山上路夫 作曲:鈴木庸一 編曲:片山敦夫)
本アルバム表題曲。渚エリの1963年の作品。アニメーションと実写のPVが制作された。PVにはサザンのメンバーの他、三宅裕司もゲスト出演している。レコーディングでは関口和之がウクレレで参加。 - 夏の日の思い出
(作詞・作曲:鈴木道明 編曲:斎藤誠 弦編曲:村山達哉)
日野てる子の1965年の作品。
元BLANKEY JET CITYの中村達也がドラムスで参加。中村の参加は桑田たっての希望で、このレコーディングでも桑田は中村の演奏を絶賛したという。 - 生きがい
(作詞:山上路夫 作曲:渋谷毅 編曲:斎藤誠 弦編曲:島健)
由紀さおりの1970年の作品。 - 夜霧のわかれ道
(作詞:中山大三郎 作曲:新井利昌 編曲:片山敦夫)
ザ・キューピッツ/ブルージーンズの1968年の作品。 - 学生時代
(作詞・作曲:平岡精二 編曲:斎藤誠)
ペギー葉山の1964年の作品。 - 花のように
(作詞:北山修 作曲:加藤和彦 編曲:斎藤誠)
ベッツィ&クリスの1970年の作品。 - いつでも夢を
(作詞:佐伯孝夫 作曲:吉田正 編曲:片山敦夫 管編曲:山本拓夫)
橋幸夫・吉永小百合のデュエットによるヒット曲として知られる。桑田佳祐がデュエットで参加し、原曲とは逆で、原曲の女性パートを桑田が、男性パートを原が歌い夫婦デュエットを披露している。橋幸夫を意識した、サザン・桑田のオリジナル曲には無い桑田の歌声も聴きどころである。
曲中には2人によるドラマ撮影風のセリフの掛け合いと、サザンのマネージャーの掛け声も収録され、クレジットに記載されている。
シャープ液晶テレビ「AQUOS」CMソング。CMには原曲を唄っていた吉永小百合が出演し、一種のコラボレーションとも言えるCMであった。
なお、アルバム発売に先駆け、2002年1月1日~15日までの期間限定でプロモーションとしてラジオでオンエアされた。 - 川は流れる
(作詞:横井弘 作曲:桜田誠一 編曲:斎藤誠)
仲宗根美樹の1961年の作品。曲中には当時、関口が凝っていたテルミンが使用され、レコーディングでは関口に教わりながら原が自ら弾いたという。 - 天使の誘惑
(作詞:なかにし礼 作曲:鈴木邦彦 編曲:片山敦夫 編曲:山本拓夫)
黛ジュンの1968年の作品。
オープニングの「こんばんは~」という原の声は過去のライブをサンプリングしたものである。因みにこれを使うアイデアと音源を出したのはサザンの応援団のメンバーと言われている。なお、ラストの「ありがとう」はサンプリングではなく新たに録音しているもの。往年のアイドルのコンサートをイメージしている。 - 今日の日はさようなら
(作詞・作曲:金子詔一 編曲:片山敦夫 管編曲:山本拓夫 コーラス編曲:島健)
森山良子の1967年の楽曲。本作で最も著名であり、現在は合唱曲などとして広い世代に浸透している楽曲である。JR西日本「ひかりレールスター」CMソング。 - もいちどタムレ
(作曲:鈴木庸一 編曲:片山敦夫)
4曲目の「東京タムレ」がインストとして収録されたもの。
似たような例にサザンの『綺麗』に収録された「ALLSTARS' JUNGO (Instrumental)」がある。こちらも同じように「ALLSTARS' JUNGO」という楽曲の一部をインストで収録したものである。 - 花咲く旅路
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:小林武史 & 桑田佳祐)
唯一のオリジナル曲。
もともとアルバム『MOTHER』に収録された楽曲であり、別アレンジやリテイクではなく、オリジナルバージョンのまま収録された。
また同年には「まろ茶」CMソングに起用された。1991年のオリジナル発売時にはJR東海「日本を休もう」キャンペーンのCMソングに使用されており、更に11年越しのCM再起用と今回のアルバム収録で知名度を更に上げた。ちなみに桑田佳祐のタイアップは製品ではなくコカ・コーラボトーラーズのキャンペーン『No Reason!』として大々的に起用されたものである。CMでもオリジナルバージョンがそのまま使用された。
[編集] Disc 2 『歌ってタムレ』
(※初回盤のみ付属)
- 太陽は泣いている
(作曲:筒美京平 編曲:片山敦夫) - いつでも夢を (原坊と歌おう! Version)
(作詞:佐伯孝夫 作曲:吉田正 編曲:片山敦夫)
Disc1に収録された同曲の、桑田ボーカルを抜いたバージョン。 - いつでも夢を (けいちゃんと歌おう! Version)
(作詞:佐伯孝夫 作曲:吉田正 編曲:片山敦夫)
同じくこちらは原のボーカルを抜いたバージョン。 - いつでも夢を (一緒に歌おう!! Version)
(作曲:吉田正 編曲:片山敦夫)
2人分のボーカルを抜いたバージョン。要は厳密なるカラオケバージョンである。 - 東京タムレ
(作曲:鈴木庸一 編曲:片山敦夫)
[編集] 参加ミュージシャン
[編集] Disc 1
- 太陽は泣いている
- 成田昭彦:Drums & Percussions
- 角田俊介:Bass
- 荒木敏男:Trumpet
- 弦一徹:Violin
- 片山敦夫:Keyboards & Programming
- 斎藤誠:Guitars
- 高安錬太郎:Computer Operation
- 原由子:Vocal
- 愛のさざなみ
- 私は私
- 鎌田清:Drums
- 沖山優司:Bass
- 成田昭彦:Percussions
- 斎藤誠:Guitars & Programming
- 片山敦夫:Keyboards
- 高安錬太郎:Computer Operation
- 桑田佳祐:Chorus
- 原由子:Vocal
- 東京タムレ
- 夏の日の思い出
- 生きがい
- 鎌田清:Drums
- 沖山優司:Bass
- 成田昭彦:Percussions
- 荒木敏男:Flugel Horn
- 西村浩二:Flugel Horn
- 高桑英世:Flute
- 大澤明子:Flute
- 金原千恵子ストリングス:Strings
- 斎藤誠:Guitars & Programming
- 片山敦夫:Keyboards
- 高安錬太郎:Computer Operation
- 原由子:Vocal
- 夜霧のわかれ道
- 成田昭彦:Drums & Percussions
- 角田俊介:Bass
- 鈴木正則:Trumpet
- 片山敦夫:Keyboards & Programming
- 斎藤誠:Guitars
- 高安錬太郎:Computer Operation
- 原由子:Vocal
- 学生時代
- 花のように
- 岡沢章:Bass
- 成田昭彦:Percussions
- 斎藤誠:Guitars
- 片山敦夫:Keyboards
- 高安錬太郎:Computer Operation
- 原由子:Vocal & Electric Piano
- いつでも夢を
- 川は流れる
- 天使の誘惑
- 鎌田清:Drums
- 角田俊介:Bass
- 成田昭彦:Percussions
- 西村浩二:Trumpet
- 菅坡雅彦:Trumpet
- 村田陽一:Trombone
- 山本拓夫:Tenor Sax
- 藤原正剛:親衛隊長&声援指導
- 親衛隊:Chorus
- 中西正樹
- 佐藤宏
- YUKI
- 片山敦夫:Keyboards, Percussions & Programming
- 斎藤誠:Guitars
- 高安錬太郎:Computer Operation
- 原由子:Vocal
- 今日の日はさようなら
- 山木秀夫:Drums & Add. Symbals
- 高水健司:Wood Bass
- 小倉博和:Guitar
- 西村浩二:Trumpet
- 菅坡雅彦:Trumpet
- 奥村晶:Trumpet
- 広原正典:Trombone
- 山本拓夫:Clarinet, Bass Clarinet, Flute
- 片山敦夫:Keyboards & Programming
- 高安錬太郎:Computer Operation
- 桑田佳祐:Chorus
- 原由子:Vocal
- もいちどタムレ
- 片山敦夫:Add. Chorus
- 斎藤誠:Add. Chorus
- 桑田佳祐:Add. Chorus
- 花咲く旅路
[編集] Disc 2
- 太陽は泣いている
- 成田昭彦:Drums & Percussions
- 角田俊介:Bass
- 荒木敏男:Trumpet
- 弦一徹:Violin
- 片山敦夫:Keyboards & Programming
- 斎藤誠:Guitars
- 高安錬太郎:Computer Operation
- いつでも夢を (原坊と歌おう! Version)
- 渡辺香津美:Guitars
- 西村浩二:Trumpet
- 菅坡雅彦:Trumpet
- 広原正典:Trombone
- 吉田治:Alto Sax
- 近藤和彦:Alto Sax
- 山本拓夫:Tenor Sax
- 弦一徹:Violin
- 清水美恵:Chorus
- 片山敦夫:Keyboards & Add.Drums & Programming, 監督
- 中西正樹:助監督
- 高安錬太郎:Computer Operation
- 原由子:Vocal, ぴかちゃん
- いつでも夢を (けいちゃんと歌おう! Version)
- 渡辺香津美:Guitars
- 西村浩二:Trumpet
- 菅坡雅彦:Trumpet
- 広原正典:Trombone
- 吉田治:Alto Sax
- 近藤和彦:Alto Sax
- 山本拓夫:Tenor Sax
- 弦一徹:Violin
- 清水美恵:Chorus
- 片山敦夫:Keyboards & Add.Drums & Programming, 監督
- 中西正樹:助監督
- 高安錬太郎:Computer Operation
- 桑田佳祐:Vocal, かっちゃん
- いつでも夢を (一緒に歌おう!! Version)
- 渡辺香津美:Guitars
- 西村浩二:Trumpet
- 菅坡雅彦:Trumpet
- 広原正典:Trombone
- 吉田治:Alto Sax
- 近藤和彦:Alto Sax
- 山本拓夫:Tenor Sax
- 弦一徹:Violin
- 清水美恵:Chorus
- 片山敦夫:Keyboards & Add.Drums & Programming, 監督
- 中西正樹:助監督
- 高安錬太郎:Computer Operation
- 東京タムレ
- 成田昭彦:Percussions
- 関口和之:Ukulele
- 包国充:Sax
- てなもんやコーラス隊
- 清水美恵:Chorus
- 佐々木コウ:Chorus
- 斎藤誠:Chorus
- 片山敦夫:Chorus, Keyboards & Programming
- 高安錬太郎:Computer Operation
前作 | 原由子の企画盤アルバム | 次作 |
---|---|---|
Loving You | - |
[編集] 外部リンク
シングル(原由子) |
---|
I Love You はひとりごと - うさぎの唄 - 誕生日の夜 - 恋は、ご多忙申し上げます - 横浜Lady Blues - あじさいのうた - ガール (GIRL) - かいじゅうのうた - ためいきのベルが鳴るとき - ハートせつなく - じんじん - 負けるな女の子! - 涙の天使に微笑みを |
シングル(その他) |
原由子&稲村オーケストラ「愛して愛して愛しちゃったのよ」 - 香取慎吾&原由子「みんないい子」 - ハラフウミ (原由子×風味堂)「夢を誓った木の下で」 |
オリジナルアルバム |
はらゆうこが語るひととき - Miss YOKOHAMADULT YUKO HARA 2nd. - MOTHER |
カヴァーアルバム |
東京タムレ |
ベストアルバム |
Loving You |
関連項目 |
サザンオールスターズ - 桑田佳祐 - アミューズ - ビクターエンタテインメント - ビクタータイシタ |
この「東京タムレ」は、アルバムに関連した書きかけ項目です。加筆、訂正などして下さる協力者を求めています。(P:音楽/PJアルバム) |