日本の裁判所
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日本の裁判所(にほんのさいばんしょ)は、日本の裁判所[1]に関して解説する。
目次 |
[編集] 概説
[編集] 最高裁判所と下級裁判所
日本においては、日本国憲法第76条で「すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。」と定め、裁判所が司法権を行使する国家機関とされ、裁判所の構成は裁判所法(昭和22年法律第59号)に定められる。
裁判所法によれば、裁判所は、全国に一つの最高裁判所(最高裁)と下級裁判所からなる。最高裁判所は、最高裁判所長官(1名)と最高裁判所判事(14名)の計15名の裁判官により構成される(5条)。下級裁判所には、高等裁判所(高裁)、地方裁判所(地裁)、家庭裁判所(家裁)、簡易裁判所(簡裁)がある。下級裁判所の裁判官は、高等裁判所の長たる裁判官を高等裁判所長官とし、その他の裁判官を判事、判事補及び簡易裁判所判事とする(同条)。
高等裁判所には支部を置くことができ(裁判所法22条)、地方裁判所・家庭裁判所には支部または出張所を置くことができる(同31条、31条の5)。2005年(平成17年)4月には、知的財産権に関する事件を専門的に取り扱う裁判所として知的財産高等裁判所(知財高裁)が、東京高等裁判所の「特別の支部」として設置された。
2006年(平成18年)4月現在のそれぞれの数は以下の通り。
- 最高裁判所:1庁
- 高等裁判所:8庁(支部:6庁、知的財産高等裁判所:1庁)
- 地方裁判所:50庁(支部:203庁)
- 家庭裁判所:50庁(支部:203庁、出張所:77庁)
- 簡易裁判所:438庁
- 高等裁判所:8庁(支部:6庁、知的財産高等裁判所:1庁)
[編集] 司法行政
詳細は司法行政権を参照
裁判所を設営・管理する行政作用を司法行政という。日本国憲法の下では、最高裁判所規則の制定をはじめとする司法行政を行う権限(司法行政権)の多くは、最高裁判所以下の裁判所に帰属する(憲法77条1項、80条、78条後段。裁判所法64条、83条1項。)。司法行政事務は、裁判官会議の議によって行われるのが原則である。
司法行政の監督については、最高裁判所が最高監督権者とされる(裁判所法80条1項)。この監督権は、裁判権に影響を及ぼしたり、制限することはできないと解されている。もっとも、司法行政の実権を握る最高裁判所事務総局は、裁判官の人事・処遇を通じて、裁判の内容に影響を与えているとする見方もある[2]。
大日本帝国憲法の下では、司法行政権は、行政権の一部門である司法大臣の監督下にあった。日本国憲法の下では、司法権の独立を確立・強化するため、裁判所に司法行政権も帰属することとした。
[編集] 特別裁判所と行政審判
詳細は特別裁判所を参照
日本国憲法では、特別の事件や人を裁判の対象とする特別裁判所は、設置することができないと定める(憲法76条2項)。この規定は、平等原則や司法の民主化、法の解釈の統一などを、その趣旨とする。なお、家庭裁判所のように、特定の種類の事件を扱う裁判所であっても、通常の裁判所の系列に属する下級裁判所として設置される裁判所は、特別裁判所にあたらないと解されている[3]。
また、憲法は「行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。」とも定めた(同条項)。この規定の趣旨も、特別裁判所の設置禁止と同様である。この点、終審としてではなく前審として行うのであれば、行政機関が裁判(行政審判)を行うこともできると解釈されている。独占禁止法に基づく公正取引委員会の審決、国家公務員法に基づく人事院の裁定、行政不服審査法に基づく行政機関の裁決などは、この例である。
特別裁判所の設置と行政機関による終審は、いずれも大日本帝国憲法の下では禁止されていなかった。そのため、外地の法院、軍法会議、皇室裁判所などの特別裁判所が存在し、行政事件を専門に扱う行政裁判所が、特別裁判所あるいは一種の行政機関として設置されていた。しかし、日本国憲法の施行により、すべて廃止されている。
[編集] 最高裁判所
詳細は最高裁判所 (日本)を参照
最高裁判所は、全国にただ1ヶ所、東京都に設置される(裁判所法6条)。
[編集] 下級裁判所
詳細は下級裁判所を参照
下級裁判所は、法律によって設置された裁判所で、審級関係ならびに司法行政上の関係において、最高裁判所の下位にある裁判所の総称である。
高裁には支部を置くことができ、地裁・家裁には支部または出張所を置くことができる。なお、現在置かれている地裁・家裁の支部はすべて地家裁支部とされ、出張所は家裁出張所とされている。
[編集] 東京高等裁判所管内
高等裁判所1(知財高裁1)、地方裁判所・家庭裁判所11(地家裁支部45、執行センター1、家裁出張所16)、簡易裁判所107(分室1)
高等裁判所 | 地方裁判所・家庭裁判所 | 簡易裁判所 |
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[編集] 大阪高等裁判所管内
高等裁判所1、地方裁判所・家庭裁判所6(地家裁支部22、地裁執行部1、家裁出張所4)、簡易裁判所57(分室1)
高等裁判所 | 地方裁判所・家庭裁判所 | 簡易裁判所 |
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[編集] 名古屋高等裁判所管内
高等裁判所1(高裁支部1)、地方裁判所・家庭裁判所6(地家裁支部20、執行センター1、家裁出張所6)、簡易裁判所42
高等裁判所 | 地方裁判所・家庭裁判所 | 簡易裁判所 |
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[編集] 広島高等裁判所管内
高等裁判所1(高裁支部2)、地方裁判所・家庭裁判所5(地家裁支部18、家裁出張所8)、簡易裁判所41
高等裁判所 | 地方裁判所・家庭裁判所 | 簡易裁判所 |
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[編集] 福岡高等裁判所管内
高等裁判所1(高裁支部2)、地方裁判所・家庭裁判所8(地家裁支部42、家裁出張所17)、簡易裁判所82
高等裁判所 | 地方裁判所・家庭裁判所 | 簡易裁判所 |
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[編集] 仙台高等裁判所管内
高等裁判所1(高裁支部1)、地方裁判所・家庭裁判所6(地家裁支部29、家裁出張所10)、簡易裁判所51
高等裁判所 | 地方裁判所・家庭裁判所 | 簡易裁判所 |
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[編集] 札幌高等裁判所管内
高等裁判所1、地方裁判所・家庭裁判所4(地家裁支部16、家裁出張所12)、簡易裁判所33
高等裁判所 | 地方裁判所・家庭裁判所 | 簡易裁判所 |
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[編集] 高松高等裁判所管内
高等裁判所1、地方裁判所・家庭裁判所4(地家裁支部11、家裁出張所4)、簡易裁判所25
高等裁判所 | 地方裁判所・家庭裁判所 | 簡易裁判所 |
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[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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最高裁判所 | 最高裁判所 |
高等裁判所 | 札幌・仙台(秋田支部)・東京(知財)・名古屋(金沢支部)・大阪・広島(岡山支部・松江支部)・高松・福岡(宮崎支部・那覇支部) |
地方裁判所 | 札幌・函館・旭川・釧路・青森・盛岡・仙台・秋田・山形・福島・水戸・宇都宮・前橋・さいたま・千葉・東京・横浜・新潟・富山・金沢・福井・甲府・長野・岐阜・静岡・名古屋・津・大津・京都・大阪・神戸・奈良・和歌山・鳥取・松江・岡山・広島・山口・徳島・高松・松山・高知・福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・那覇 |
家庭裁判所 | 札幌・函館・旭川・釧路・青森・盛岡・仙台・秋田・山形・福島・水戸・宇都宮・前橋・さいたま・千葉・東京・横浜・新潟・富山・金沢・福井・甲府・長野・岐阜・静岡・名古屋・津・大津・京都・大阪・神戸・奈良・和歌山・鳥取・松江・岡山・広島・山口・徳島・高松・松山・高知・福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・那覇 |
簡易裁判所 | 札幌・仙台・さいたま・千葉・東京・横浜・新潟・静岡・名古屋・京都・大阪・神戸・広島・福岡(他437庁あるため省略) |
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