執行官
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執行官(しっこうかん)とは、日本における単独制の司法機関で、地方裁判所に置かれる。民事執行手続において、自ら執行機関として、また執行裁判所の補助機関として業務を行ったり、訴状等の送達(執行官送達)を行ったりする。
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[編集] 地位
国家公務員で地方裁判所の監督下にあり、裁判所職員である(裁判所法62条)。
裁判所の管轄下にありながら、執行処分によって得る手数料による一種の独立採算制である。
慣例として裁判所書記官退官後の志願者が就任するケースが多い。定年は70歳とされている。
[編集] 職務
民事執行手続のうち、不動産執行においては、執行裁判所の命令を受けて現況調査を行ったり(民事執行法57条)、売却に際して入札・開札の手続を主宰したりする(民事執行規則38条以下)など、執行裁判所の補助機関として職務を行う。
動産執行や、物の引渡し・明渡しの強制執行においては、執行官が執行機関となる(民事執行法122条、168条、169条)。したがって、債務名義を取得し、執行文の付与を受けた債権者は、執行官に対して強制執行の申立てをすることとなる。
執行官は、民事執行法上の職務を執行する際に抵抗を受けるときは、その抵抗を排除するために、威力を用い、又は警察上の援助を求めることができる(民事執行法6条1項)。
その他、送達(民事訴訟法99条1項)など法令において執行官が取り扱うべきものとされている事務や、裁判所の裁判(執行官に建物を収去させることができる旨の授権決定など)により執行官が取り扱うべきものとされた事務を行う(執行官法1条)。
[編集] 沿革
[編集] 法の変遷
[編集] 執行官法への改正理由
執行官法が制定されるまでは、執務場所を設け(役場制)、債権者が任意に執行吏を選択でき(自由選択制)、執行後は手数料をもらう(手数料制)形態であった。しかし、執行吏の職務執行において、徴収の優秀な執行吏に依頼が集中し、特定の執行吏が過労ないし過酷な状態となる、債権者が常に同じ執行吏に依頼することにより癒着的になる、執行に際して手続の流れが分かりにくい(不明朗)などの問題があった。そのため、執行官法では、手数料制のみを残して、地方裁判所の庁舎内で執務するものとし(裁判所法62条)、同一裁判所に属する事務の分配は裁判所が決定するもの(執行官法2条2項)と定めた。