仙山線
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仙山線(せんざんせん)は、宮城県仙台市青葉区の仙台駅から山形県山形市の羽前千歳駅を結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(幹線)である。
運転系統としての仙山線は奥羽本線羽前千歳~山形間を含む。軌間の異なる山形新幹線/山形線(軌間1,435mm)用とは別に独立した単線が仙山線用に敷設されている(北山形~山形間は左沢線と共用)。
名称は、運転系統上の起・終点である仙台と山形から頭文字を1字ずつとって付けられた。
目次 |
[編集] 路線データ
- 管轄(事業種別):東日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 区間・路線距離(営業キロ):仙台~羽前千歳 58.0km
- 軌間:1067mm
- 駅数:20駅(臨時駅を含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:全線(交流20000V・50Hz)
- 閉塞方式:特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
- 保安装置:ATS-Ps・ATS-SN
- 公式発表では仙台~愛子でATS-Psが導入とされているが、陸前白沢~楯山でも稼働しているのが確認されている。
- 運転指令所:仙台輸送指令室
- Suica利用可能区間:仙台~愛子
- 仙台まるごとパス利用可能区間:仙台~山寺
[編集] 概要
全線が仙台市内と山形市内にあり、駅などの施設は仙台市青葉区内と山形市内にある(奥新川~仙山トンネルの間は一部仙台市太白区を通るが、駅や信号場などの施設はない)。途中で他の市町村を通ることなく県庁所在地同士を直接結び、かつその両都市のみで完結する鉄道路線は日本全国でも仙山線のみである(軌道路線も含めれば他に同様の路線として京阪電気鉄道京津線がある)。
県境付近は勾配のきつい山岳区間で、秋季には車窓から美しい紅葉を楽しめる反面、落葉によって車輪の空転が引き起こされ、ダイヤが乱れやすい。車輪が空転する状況が予想される場合は機関車が「落ち葉掃き列車」として走行することがある。この「落ち葉掃き列車」には、以前は仙台車両センター所属のED78形が使用されていたが、同型式の全廃後はED75形に変更された。近年は郡山総合車両センター所属のDE10形が使用されている。
仙台駅~愛子駅間で、Suica、PASMO、JR西日本のICOCAおよびJR東海のTOICAが利用できる。
仙山線の各種案内サインなどに用いられるラインカラーは、黄緑色に設定されている。
1937年の全線開通日の一番列車では、上りが山形発5:25~仙台着7:57で所要2時間32分、下りが仙台発5:58~山形着8:34で所要2時間36分であったが、両都市間の移動では当時最速であった。その後、技術革新によって1990年代には快速で1時間を切る列車の運行がなされるようになったものの、更なる高速化を望む声が各界から度々上がっている。ただし、費用対効果の見地や高速バス仙台 - 山形線との競争激化により、見通しは立っていない。
[編集] 沿線風景
仙山線は、愛子を境に路線の持つ性格が大きく変わる。仙台から愛子まで(旧仙山東線)は沿線に住宅地が多い事から都市近郊輸送路線としての性格が強く、愛子の先は田園地帯や景勝地が広がるローカル線色が濃い。
仙山線の列車は仙台駅の7・8番線から発車する。線路はしばらく東北本線に並行するが、キッツスポーツスクエア(旧キリンスポーツクラブ)の辺り(新駅構想が出ては消えている場所)から急勾配・急カーブで東北本線を一気に跨ぎ西側へ進路を変え(このとき梅田川の右岸から左岸に渡る)、建設当時の仙台の外縁部を走る。仙台東照宮前を過ぎると、梅田川および台原段丘の段丘崖との並走区間に入り、崖の斜面や土盛りの上を通りながら、北仙台付近で再び梅田川右岸となる。北仙台では高層マンションが立ち並び、都市部の風景が広がる。北仙台を過ぎるとすぐ旧奥州街道と交差し、以後、梅田川と並走しながら北山丘陵北斜面を走る。北山を過ぎると北山丘陵南斜面-国見丘陵南斜面を走り、梅田川流域から広瀬川流域にかわる。丘陵地はマイホーム用の住宅地として開発されているが、東北福祉大前および国見の駅前には大学があり、通勤客と通学客の行き先は反対になる。国見を過ぎると、仙台市が国見丘陵南斜面に大規模につくった墓苑や火葬場がある葛岡地区となり、住宅開発はあまり見られなくなる。ここを過ぎると丘陵地から平地に降りて愛子盆地に入り、陸前落合、愛子と続く。愛子盆地は開発抑制がなされていたが、道路交通の要衝であることから市街化区域に用途地域が変更され、人口が急増している地区である。
愛子からは広瀬川と並走し、山と田園の風景が広がる。なお、陸前白沢~熊ヶ根間にある熊ヶ根鉄橋は深い峡谷に架かるものであり、絶景である。そして、温泉地である作並を過ぎると山を越えて広瀬川支流の新川流域に入り、奥羽山脈の山岳風景一色となる。なお、八ツ森(臨時駅)は秘境駅としてファンに認識されている。奥新川駅も深い山の中に存在するが、こちらは定期列車が停車する。奥新川駅付近にはブナの森や渓流があり、行楽客が利用する。
奥新川を過ぎると、奥羽山脈を貫く「仙山トンネル」に入る。トンネルを抜けると山形市に入り、面白山高原に着く。当駅は、鉄道でしか訪れることができないスキー場であるスノーパーク面白山のゲレンデの中にあり、駅構内からスキーリフトに乗れる。そのため、冬季には当駅で降りてすぐスキーやスノーボードが出来るよう、仙台や山形の市街地の駅から、まるでゲレンデ内にいるようにスキーウェアを着、スキー靴を履いたまま仙山線に乗り込む者がよく見られる。冬場以外では面白山への登山客が当駅を利用する。また、この付近を始め、作並~山寺間などで、秋は紅葉によって車窓が華やかに彩られる。
山寺(立石寺)付近は観光地であるため旅館や土産屋が目立つ。山寺を過ぎるとのどかな田園風景が広がる。高瀬付近はスタジオジブリの映画『おもひでぽろぽろ』の舞台であり、今でもそれとほぼ変わらぬ風景が広がる。
羽前千歳から先は、正式には奥羽本線だが、山形新幹線や山形線とは別の狭軌線路を走る。羽前千歳のすぐ先で山形新幹線・山形線の標準軌線路と平面交差して右側に移り、北山形を過ぎると左沢線と合流し、まもなく「山形」に到着する。
[編集] 歴史
改正鉄道敷設法別表第20号前段に規定する仙台と山形を短絡する鉄道である。1929年(昭和4年)に仙台側の仙山東線(せんざんとうせん)が開業し、続いて山形側からも仙山西線(せんざんさいせん)が延伸、1937年(昭和12年)に全通し仙山線と改称された。
宮城県と山形県の県境区間には、全長5,361mの仙山トンネルがあり、この長大トンネルを克服するため作並~山寺間は開業当初から直流電化されていたが、1955年(昭和30年)に日本初の交流電化が行われ、各種の試験が実施された(詳細は後述)。1960年(昭和35年)に山形県側の直流電化区間が山形まで延長されたが、1968年(昭和43年)に作並~山形間も交流電化に切り替えられている。
当初より、仙台~山形間の都市間連絡を目的とした幹線鉄道であったため、駅間が長かった。1980年代中頃から、地域輸送の充実を目的として仙台~愛子間を中心に新駅が設置されている。これは、仙台市都心部の交通渋滞悪化などにより、定時性のある鉄道での通勤通学需要が起こり、また沿線の宅地化で新駅設置してもペイするようになったためである。2004年から、東北・山形自動車道経由で仙山間を結ぶ高速バス・仙台 - 山形線の増発により旅客争奪戦を強いられ、全線を通して乗車する利用客は減少した。他方、愛子盆地の人口増加と仙台西道路のラッシュ時の混雑により、愛子盆地住民の都心部への自動車・バスによるアクセス時間が延長してきたため、定時性のある仙山線通勤の需要が高まり、愛子や陸前落合などの旧来からの駅の利用客も増えている。また、両駅の駅前広場は整備され、仙山線は仙台~愛子間の近郊輸送に重点を置いたダイヤが組まれている。ただ、両都市間の輸送はもとより、途中駅から仙台・山形両方面へ向かう乗客もおり、引き続き都市間連絡路線としての役割を担い続けている。
休日は主に山寺駅や作並駅を利用する客が多く見られ、また冬季はスキー場へのアクセスとして面白山高原駅の利用も多く見られる。
[編集] 年表
- 1929年(昭和4年)9月29日 - 【開業】仙山東線仙台~愛子間(15.2km) 【駅新設】北仙台、陸前落合、愛子
- 1931年(昭和6年)8月30日 - 【延伸開業】愛子~作並間(13.5km) 【駅新設】陸前白沢、熊ヶ根、作並
- 1933年(昭和8年)10月17日 - 【開業】仙山西線羽前千歳~山寺間(9.3km) 【駅新設】山寺
- 1936年(昭和11年)1月28日 - 山寺~面白山高原間の森岡鉄橋付近で発生した雪崩の影響で橋桁崩落、猛吹雪のため見通しが悪く仙山線建設作業員(62名)を乗せた列車が川に転落した(死亡1名。負傷者多数)。
- 1937年(昭和12年)11月10日 - 【延伸開業・全通】作並~山寺間(20.0km) 【線名改称】仙山線仙台~羽前千歳間 【電化】作並~山寺間(直流1500V) 【駅新設】奥新川 【信号場新設】面白山 【仮乗降場新設】八ツ森、面白山
- 1950年(昭和25年)7月1日 - 【駅新設】高瀬
- 1955年(昭和30年)8月10日 - 【電化】陸前落合~熊ヶ根間(交流20kV・50Hz。交流電化試験線)
- 1957年(昭和32年)9月5日 - 【電化】仙台~陸前落合間、熊ヶ根~作並間(交流20kV・50Hz。仙台~作並間交流電化の営業運転開始)ED45(ED91)型機関車運転開始
- 1960年(昭和35年)11月1日 - 【電化】山寺~羽前千歳(~山形)間(直流1500V) 準急「あさひ」「月山」運転開始
- 1963年(昭和38年)10月1日 - 準急「仙山」運転開始
- 1966年(昭和41年)3月5日 - 準急「あさひ」「月山」を急行化。
- 1968年(昭和43年)9月8日 - 【電化方式変更】作並~羽前千歳(~山形)間(→交流20kV・50Hz)ED78型機関車運転開始
- 1968年(昭和43年)10月1日 - 準急「仙山」を急行化
- 1971年(昭和46年) - 熊ヶ根駅無人化、交換設備撤去
- 1973年(昭和48年)9月8日 - 愛子駅~陸前白沢駅間の無人踏切で、動けなくなったトラックに急行「仙山1号」が衝突。列車は5両が脱線、うち1両が転覆。
- 1978年(昭和53年)10月2日 - ダイヤ改正、愛子に急行「仙山」停車
- 1982年(昭和57年)5月1日 - 急行「あさひ」を「べにばな」に改称。
- 1982年(昭和57年)11月15日 - 急行「仙山」を快速化。急行「月山」仙山線内廃止
- 1984年(昭和59年)2月1日 - 【駅新設】北山、国見。愛子に3番線ホーム設置
- 1985年(昭和60年)3月14日 - CTC化。陸前落合、陸前白沢、作並、奥新川、楯山無人化(陸前落合、作並、奥新川はそれ以前から出改札中止)、急行「べにばな」仙山線内廃止、全列車電車化
- 1987年(昭和62年)3月1日 - 北山、陸前落合に仙台駅から職員派遣(事実上の有人化)
- 1987年(昭和62年)3月20日 - 国見に仙台駅から職員派遣
- 1987年(昭和62年)3月21日 - 【臨時乗降場新設】西仙台ハイランド
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 【承継】東日本旅客鉄道(第一種)・日本貨物鉄道(第二種) 【臨時乗降場→臨時駅】西仙台ハイランド 【仮乗降場→臨時駅】八ツ森、面白山
- 1987年(昭和62年)6月20日 - 国見、列車交換設備供用開始
- 1988年(昭和63年)3月13日 - 【臨時駅→駅・駅名改称】面白山→面白山高原
- 1988年(昭和63年)11月18日 - 【駅新設】東照宮
- 1990年(平成2年)3月10日 - 719系運用開始
- 1990年(平成2年)9月1日 - 急行「津軽」を山形新幹線工事に伴い仙山線経由に変更
- 1991年(平成3年)3月16日 - 【駅新設】葛岡
- 1991年(平成3年)8月27日 - 特急「つばさ」、山形新幹線工事に伴い迂回運転開始
- 1992年(平成4年)7月1日 - 山形新幹線開業により、特急「つばさ」迂回運転終了
- 1993年(平成5年)12月1日 - 急行「津軽」廃止
- 1994年(平成6年)9月30日 - 豪雨(大雨)により、奥新川駅~面白山信号所間の盛土が約100mにわたり流出したため、長期運休。
- 1994年(平成6年)11月28日 - 9月30日に発生した盛土流出の復旧工事が終了、運転再開した。
- 1996年(平成8年)3月16日 - 高速貨物列車(仙台~山形)運行休止
- 1998年(平成10年)10月 - 専用貨物列車(仙台~蔵王、漆山)運行休止
- 1999年(平成11年)12月 - 山形新幹線新庄延伸。羽前千歳までの複線区間が標準軌と狭軌が併走することになる
- 2001年(平成13年)4月1日 - 休日の快速「仙山」を「ホリデー仙山」とする
- これまで仙台~山形間で快速列車として運用されていた455系が朝のラッシュなどの対応のため撤退し、これまで主に東北本線で運用されてきた719系へ切り替えられ、ほぼ全ダイヤで719系が運用されるようになる
- 2001年(平成13年)12月1日 - 日本全国で初めてATS-SNの拡張版であるATS-Psが仙台~愛子間で使用開始
- 2002年(平成14年)4月1日 - 【第二種鉄道事業廃止】全線(日本貨物鉄道)
- 2004年(平成16年)3月13日 - すべての快速列車が面白山高原停車となる
- 2004年10月16日 - 快速「仙山」「ホリデー仙山」の愛称廃止。この改正で快速列車の停車駅に新たに国見・陸前落合・羽前千歳が加わる
- 2007年(平成19年)3月18日 - 【駅新設】東北福祉大前(北山駅~国見駅間)。同日のダイヤ改正で2本あった東北本線の直通列車は消滅(全て仙台発着)
- 2007年4月23日 - 仙山線の一部列車にE721系導入
[編集] 交流電化発祥の地
1955年(昭和30年)8月10日、商用周波数による交流電化の試験のため、陸前落合~熊ヶ根間に日本初の交流電化が実施された。当初は、世界で初めて交流電化を実用化したフランスからの試作機導入を目論んだが不調に終わり、交流で直接交流モーターを駆動する方式(直接式)と、交流を直流に整流して直流モーターを駆動する方式(間接式)の2方式の交流用電気機関車(ED44形・ED45形)や電車(クモヤ790形)を日本国内で試作し、各種の試験に供した。1957年(昭和32年)9月5日、試験区間は仙台~作並間に拡大され、同時に交流電化区間における営業運転が開始された。
作並~山寺間はすでに直流電化されていたので、作並駅は日本初の交直流接続駅となり、交直流地上切り替えのための設備が設けられた。日本初の交直流両用電車(491系)が試作され、車上切り替えの試験も実施された。
ここで得られたデータや技術は、以後の幹線交流電化やそこで運転される車両にもに活かされ、さらには新幹線の成功にもつながっていくことになる。
1968年(昭和43年)9月8日、奥羽本線の交流電化延伸により、作並~山形間の電化方式は直流から交流に切り替えられ、作並駅の交直流地上切り替え設備も役目を終えたが、同駅ホームには日本初の交流電化を記念する「交流電化発祥地」の碑が建てられている。
[編集] 駅一覧
*印の駅・信号場は列車の交換不能。その他の駅は列車の交換可能。
路線名 | 駅名 | よみがな | 駅間キロ | 営業キロ | A快速 | B快速 | C快速 | D快速 | 接続路線 | 所在地 |
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仙山線 | 仙台駅 | せんだい | km - |
km 0.0 |
● | ● | ● | ● | 東北新幹線、東北本線、仙石線、常磐線、仙台市営地下鉄南北線、仙台空港アクセス線。 | 宮城県 仙台市 青葉区 |
東照宮駅* | とうしょうぐう | 3.2 | 3.2 | | | | | ● | ● | |||
北仙台駅 | きたせんだい | 1.6 | 4.8 | ● | ● | ● | ● | 仙台市営地下鉄南北線 | ||
北山駅* | きたやま | 1.7 | 6.5 | | | | | ● | ● | |||
東北福祉大前駅* | とうほくふくしだいまえ | 1.0 | 7.5 | | | | | ● | ● | |||
国見駅 | くにみ | 1.1 | 8.6 | ● | ● | ● | ● | |||
葛岡駅* | くずおか | 1.5 | 10.1 | | | | | ● | ● | |||
陸前落合駅 | りくぜんおちあい | 2.6 | 12.7 | ● | ● | ● | ● | |||
愛子駅 | あやし | 2.5 | 15.2 | ● | ● | ● | ● | |||
陸前白沢駅 | りくぜんしらさわ | 5.4 | 20.6 | | | | | | | ↑ | |||
熊ヶ根駅* | くまがね | 3.1 | 23.7 | | | | | | | ↑ | |||
(臨)西仙台ハイランド駅* | にしせんだいはいらんど | 1.6 | 25.3 | | | | | | | ↑ | |||
作並駅 | さくなみ | 3.4 | 28.7 | ● | ● | ● | ● | |||
(臨)八ツ森駅* | やつもり | 2.1 | 30.8 | | | | | | | ↑ | |||
奥新川駅 | おくにっかわ | 3.0 | 33.8 | | | ● | | | ● | |||
この間、奥新川駅の少し先からトンネル内の県境まで仙台市太白区を通るが、太白区内に駅はない。 | ||||||||||
(面白山信号場) | おもしろやま | 7.7 | 41.5 | | | | | | | ↑ | 山形県 山形市 |
||
面白山高原駅* | おもしろやまこうげん | 1.5 | 42.5 | ● | ● | ● | ● | |||
山寺駅 | やまでら | 6.2 | 48.7 | ● | ● | ● | ● | |||
高瀬駅* | たかせ | 3.7 | 52.4 | | | ● | | | ↑ | |||
楯山駅 | たてやま | 2.5 | 54.9 | | | ● | | | ↑ | |||
羽前千歳駅* | うぜんちとせ | 3.1 | 58.0 | ● | ● | ● | ● | 奥羽本線(山形線)新庄方面 | ||
奥羽本線 | ||||||||||
北山形駅 | きたやまがた | 2.9 | 60.9 | ● | ● | ● | ● | 奥羽本線(山形線)、左沢線 | ||
山形駅 | やまがた | 1.9 | 62.8 | ● | ● | ● | ● | 山形新幹線、奥羽本線(山形線)米沢方面、左沢線 |
- D快速は上り(山形→仙台)のみの運行。
[編集] 運行形態
運転系統としては、仙台~山形間であり、羽前千歳~山形間で奥羽本線に乗り入れる形をとるが、この区間は仙山線の専用狭軌線(北山形~山形間は左沢線も合流する)で、実質的には全線で独立した単線を持つ路線である。仙台に近づくほど、日中でも利用者が多いため、列車は終日にわたり4両または6両(朝の701系運用のみ2両)編成で運転される。
[編集] 快速列車
全線を通して運転される都市間連絡列車として快速列車が、朝ラッシュ時から夜ラッシュ時にかけて、1~2時間に1本の割合で運転されている。全区間で快速運転を行う速達列車(A快速)と奥新川~山形間、仙台~愛子間、陸前落合~作並間が各駅停車となる列車(左から順にB, C, D快速)の4種がある。この快速は、2004年10月15日までは「仙山」(土曜・休日は快速「ホリデー仙山」)の愛称が与えられていた。
現在最速の快速列車<A快速>の停車パターンは仙台・北仙台・国見・陸前落合・愛子・作並・面白山高原・山寺・羽前千歳・北山形・山形である。
最も多い停車駅パターンの種類があった時期には「G快速」などもあった。このため乗客からのわかりづらいという意見や、停車駅の誤通過も相次いだことから基本的に普通列車を増発することで、停車駅のパターンを大幅に減少することとなった。ところが、その後はダイヤ改正の度に停車駅パターンを頻繁に変更している。2004年の改正前までは「C快速」までの3種類であったが、改正時点で「E快速」までの5種類に増加し、2005年の改正ではE快速が廃止され、「D快速」の4種類になっている。
2003年9月30日までは、土曜・休日に途中停車駅を山寺と北仙台に限定した特別快速「ホリデー仙山」があったが、廃止された。また、1999年3月11日までは仙台と山形をノンストップで結ぶ特快「仙山」があった。奥羽本線福島~山形間改軌工事の折、当該区間で列車運行が不可能であったことから、輸送力不足を補うために、455系電車9両編成によるノンストップの特快「仙山」の運転も見られた。
天候不良やダイヤの遅れなどにより普通列車の一部が運休になった場合、快速列車の種別に関わらず仙台~愛子間各駅停車となることがある。
[編集] 普通列車
現在、普通列車はすべての列車が仙台発着である。快速列車の運転されない時間帯に仙台~山形間通しの列車があるほか、仙台~愛子・作並間の区間運転もある。
[編集] 仙台駅~愛子駅
毎時2~4本の列車が運行されている。仙台の近郊区間であり、通勤・通学において利用客が多い。全線開業以来、愛子折り返しの列車は多くはなかったが、1980年代以降の住宅地拡大により、ダイヤ改正ごとに本数が増えている。しかしこの区間は単線である上、交換可能駅が北仙台、国見、陸前落合のみであるため増発は困難になっている。このような過密ダイヤのため、時折設定される臨時快速列車(「ゲレンデ蔵王」「ゴロンとさくらんぼ山形」など)は定期快速列車と比較して停車駅が大幅に少ないにもかかわらず普通列車よりも時間がかかる。根本的な増発対策として、仙台~北仙台間の高架複線化の構想があるが、東照宮付近の景観悪化が課題となって、実現には至っていない。
[編集] 愛子駅~山形駅
快速列車の合間をぬうように普通列車が運行されている。毎時1~2本程度の運行頻度である。かつては仙台~作並間の区間列車が多数設定されていたが、愛子折り返しに変更され、現在(2007年3月)は3往復のみの運行となっている。近年は高速バスの台頭により仙台~山形の通しの客は減少傾向であるが、それほど利用が少ないわけではない。この区間は作並温泉や松尾芭蕉の奥の細道でも有名な「山寺」、スキー場のある「面白山」などの観光地、行楽地があるため、観光、行楽シーズンは混雑する。
この区間には臨時駅が2つあるが、西仙台ハイランド駅は2004年10月以来、八ツ森駅は2003年6月以来、停車する列車が1本も設定されていない、事実上の長期休止駅となっている。西仙台ハイランド駅については、2004年10月以前には土曜・休日に快速列車を含む一部の列車が定期的に停車していた。
[編集] 他の路線への直通運転
東北本線直通列車は以前は福島、松島、小牛田などあらゆる方向へ乗り入れていたが、2001年以降本数が少しずつ減り、2007年3月18日のダイヤ改正で2本あった東北本線の直通列車は消滅した(全て仙台発着)。
山形新幹線開業以前は奥羽本線の山形以南や羽前千歳以北への直通運転も行われていたが、山形新幹線の開業に伴い山形以南への直通が不可能となり、奥羽本線への乗り入れは新庄方面のみとなった。しかしその後、山形新幹線が新庄まで延伸すると、奥羽本線とは完全に分離した状態となり、山形口での直通運転が事実上不可能になった。
また、以前より仙山線の列車が仙台空港線仙台空港駅まで乗り入れ、山形と仙台空港を結ぶ構想がある。しかし、2005年12月に行われた宮城・山形両県知事とJR東日本との会談で、採算性等の面から開業と同時に直通運転するのは困難との見解がJRから示された。この後、この件は長期的な課題として引き続き検討されることとなり、2007年4月、5月には団体専用臨時列車として山形・仙台空港間を直通する列車が走った。
[編集] 運行車両
仙台車両センター所属車が運用されている。
- 719系電車:仙山線の主力である。過去には2両編成も存在していたが、現在は4~6両編成で運転される。
- 701系電車:仙山線での運用は仙台~愛子間のみでラッシュ時の2往復、2両編成で運転される。
- E721系電車:2007年4月23日から一部列車(12往復)に投入。4~6両編成で運転される。
- 583系電車:過去に急行「津軽」(福島~山形の改軌工事に伴う迂回運転)として入線実績があるほか、2003年より臨時列車「ゲレンデ蔵王」「仙山もみじ」として稀に入線している。2007年11月11日に運転された「仙山全線開通70周年号」もこの車両を使用した。
- キハ48形気動車:臨時列車としてびゅうコースター風っこを使用した「風っこ山寺芭蕉号」「風っこ仙山もみじ号」として入線している。なお、勾配区間を走行するため、通常はキハ58形気動車を連結して運転される。
[編集] 新駅構想
仙山線の仙台駅~愛子駅(Suica利用可能区間)は、開業当初から1980年代までは仙台・北仙台・陸前落合・愛子の4駅のみであった。当時の仙山線沿線の住宅地は現在からは想定できないほど少なく、北仙台~陸前落合までは山の間を走る路線であった。しかし1980年代のニュータウンブームによって、山であった仙山線沿線も急速に宅地化が進み、住民から新駅を設置してほしいという要望が相次いだ。このため、請願駅として1984年に北山と国見、1988年に東照宮、1991年に葛岡駅(簡易駅)が相次いで開業し、新駅ブームとなった(この頃には小田原3丁目~4丁目のキリンビールの敷地(仙台駅~東照宮間)に新駅を設置する案が何度か出て、1986年12月には市議会に仮称小田原駅が請願されたが、今のところ実現には至っていない)。
2000年代に入ると再び幾つかの新駅構想が浮かび上がった。まず、沿線の東北福祉大学が北山駅と国見駅の中間地点の新駅設置に動き出し、JRや仙台市との間で協議した結果、東北福祉大学が建設費を全額負担することで設置が決定、東北福祉大前駅との名称に決まった。隣接地の仙台市青葉区国見1丁目に東北福祉大学の福祉大ビルが2006年12月に完成した。駅舎自体は2006年3月から工事が進められ、2007年3月18日に供用を開始した。
また、青葉区中江付近から北仙台駅までを高架化し、新石巻街道踏切付近に新駅(中江駅)を設ける構想もある。高架化案に対しては東照宮駅付近の景観を害するものだとして、地元住民から反発の声も上がっている。市議会の議事録における議員や市当局の発言をまとめると、中江付近の立体交差についてはJRも同意しているので、時期は未定だが建設される見込みである。一方で、複線化は難しいとのことである。
Suica利用可能区間外では、愛子駅と陸前白沢駅の間に松原駅(仮)を、楯山駅と羽前千歳駅の間に流通センター駅(仮)を地元請願駅として設置する構想があるが、利用者数や採算などの面でJRが難色を示している。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 全線開通70周年~仙山線の歩み(山形新聞 2007年)
東日本旅客鉄道仙台支社 |
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