バック・トゥ・ザ・フューチャー
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バック・トゥ・ザ・フューチャー ''Back to the Future'' |
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監督 | ロバート・ゼメキス |
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製作総指揮 | スティーヴン・スピルバーグ キャスリーン・ケネディ フランク・マーシャル |
製作 | ボブ・ゲイル ニール・カントン |
脚本 | ロバート・ゼメキス ボブ・ゲイル |
出演者 | マイケル・J・フォックス クリストファー・ロイド |
音楽 | アラン・シルヴェストリ |
撮影 | ディーン・カンディ |
編集 | ハリー・ケラミダス アーサー・シュミット |
配給 | ユニバーサルスタジオ(北米) UIP(北米以外) |
公開 | 1985年7月3日 1985年12月7日 |
上映時間 | 116分 |
製作国 | アメリカ |
言語 | 英語 |
制作費 | $19,000,000 |
興行収入 | $200,785,744 |
次作 | バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 |
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Variety Japan | |
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IMDb | |
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』 (Back to the Future) は、1985年のアメリカ映画。SF映画。
略して『BTTF』『BTF』とも呼ばれる。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズの一作目で、続編に『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(1989年)、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』(1990年)がある。
公開当時全米に『フューチャー現象』と呼ばれるほどの大ヒットを飛ばした。
第一作は日本での評価が目立って高く、どの映画レビューサイトでも必ずと言っても良いほど1位にランクインされている。
また、本作は後の実写タイムトラベルSF作品に一定の方向性を示し、現在においてもタイムマシン映画の代名詞としてパロディやオマージュ作品が数多く製作されている。
目次 |
[編集] あらすじ
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
1985年。カリフォルニア州の町、ヒルバレーに住む、ロック好きの高校生マーティ・マクフライは、深夜のショッピングモール「ツイン・パインズ・モール」の駐車場で、親友である科学者エメット・ブラウン博士(通称ドク)が開発したタイムマシン実験を手伝う。その時、ドクが燃料のプルトニウム獲得のために騙したリビアの過激派が現れ、ドクは機関銃で撃ち殺されてしまう。過激派から逃げるマーティはタイムマシン・デロリアンに乗り込みカーチェイスの末、30年前の1955年にタイムスリップしてしまう。
1955年のヒルバレーにタイムスリップしてしまったマーティは再び元の時代へ戻ろうとするも、燃料切れで帰れなくなってしまう。燃料のプルトニウムを手に入れるべく、まず、若きドクを探す。しかし、1955年のヒルバレーを訪れたマーティは、途中自分の両親に出会ってしまい、以前より母親から散々聞かされていた父親との出会いのきっかけを邪魔しただけでなく、更に若い頃の母親に一目惚れされてしまう。
なんとかドクを発見したマーティは状況を説明し、デロリアンを修理して未来へ帰る為、ドクにタイムマシンの実験を撮影したビデオを見せる。しかしドクは、タイムマシンを稼動させるプルトニウムなど手に入らない、そのような膨大なエネルギーは雷でも利用しない限り無理だ、と言う。愕然とするマーティ。
その時、ポケットにある紙切れに気付く。1985年の昼間受け取った、落雷によって故障した時計台の修理費用の寄付を募るチラシであった。落雷の起こる日時はちょうど1週間後の夜10時4分、二人はこの機会を利用するしかないと考える。
未来へ帰る目処は立ったものの、マーティが両親に出会ってしまった為に歴史を変えてしまい、このままでは自分が消えてしまうと知る。マーティは自分の存在を確実にするために、両親をくっつけなければいけないのだった。
一方、別の問題もあった。過激派に撃たれてしまうドクを助ける為、1955年のドクにその事実を伝えようとするが、当のドク本人は未来を知って歴史を変えるのは危険だとして聞くのを頑なに拒む。
落雷のタイムリミットが迫る中、なんとか母ロレインと父ジョージをくっつけたマーティは、時計台へ落ちる雷を利用して1985年へ戻ろうとするが、未来の事実を書いたドク宛ての手紙がドク自身に発見されてしまい、破かれてしまう。
タイムマシンを利用し元の時間より少し早く1985年へ帰って来たマーティは、ドクに事実を伝えて警告しようとするが、デロリアンが故障してエンジンがかからない。そうこうしているうちに過激派がショッピングモールの駐車場へ到着してしまい、マーティの目の前で悲劇は繰り返されてしまった。
横たわるドクの傍らで力なく咽び泣くマーティだったが、突如ドクが起き上がる。驚くマーティに、ドクは防弾チョッキと、テープで修復した手紙を見せるのだった。
改めて時間旅行に出かけるドクを見送り、家へ戻ったマーティは、状況が少し変化しているのに気付く。マーティの介入で、弱虫だった父のジョージは自分に自信を持ち、立派な小説家になっていたのだ。恋人ジェニファーとの仲を認めなかった堅物の母も、二人の仲を認めていた。
両親に買ってもらった車に乗って、ジェニファーとドライブへ行こうとするマーティだっだが、そこにデロリアンに乗ったドクが現われる。ドクはマーティらの未来の子供が窮地に陥っていると告げる。しぶしぶ従うマーティとジェニファーを乗せ、デロリアンは未来へと消えて行った。
[編集] 概要
[編集] 続編
- 『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(1989年)パート1のヒットにより製作された続編。パート1を超えるシリーズ最大のヒットとなった。
- 『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』(1990年)パート2と同時に撮影された最終作。
元々は第1作のみで完結するものとして製作されたが、TV放映の際、ラストシーンに「TO BE CONTINUED...(つづく)」という劇場公開時にはなかったテロップをジョークで入れたところ、これを見た人達(マイケル・J・フォックスもその1人)による続編製作希望の問い合わせが殺到した為、急遽シリーズ化された。尚、パート2の最後のテロップはパート1と似ているが「TO BE CONCLUDED...(次回完結)」となっている。尚、DVD版のパート1では、「映画公開時そのままの状態で」という監督の意向から「TO BE CONTINUED...(つづく)」が挿入されてない。
続編の製作が決まった当初、続編は1作だけ製作する予定だった。しかし、いろいろと良いアイデアが出てきた為、それを約2時間の枠に収めると内容が半減してしまう事から、続編を2作にする事に変更された。
[編集] 出演者
- 序盤のオーディションのシーンに主題歌『The Power of Love』を歌うヒューイ・ルイスがカメオ出演している。拡声器を持って「もういい、音が大きすぎる」と言っているのが彼。
- マーティ役はエリック・ストルツが演じていたが、ドクとの掛け合いでの違和感などの理由から、撮影開始から6週間で降板させられ、代わりに元々の第一候補だったマイケル・J・フォックスが起用された。候補に挙げられた時は、テレビドラマ『ファミリータイズ』のレギュラーを持っていた為、スケジュールが取れず一度は断っていた。しかし、最終的には出演する事となり、当時のマイケルは朝6時に起きてドラマの撮影、夜は映画の撮影で自宅に戻れたのは深夜2時を回っているのがザラだったという。
- 1955年のドクに出会ったマーティが、1985年のアメリカ大統領が「ロナルド・レーガン」だと言ったのを、ドクが「俳優の? じゃあ副大統領はジェリー・ルイスで、ファーストレディはジェーン・ワイマン(女優。レーガンの最初の妻で1955年当時には既に離婚している)か?」などと馬鹿にして信じない場面がある。これは映画の公開当初、アメリカ国内の共和党支持者の一部から現職の大統領に対して失礼ではないかと批判されたが、当のレーガンはこの場面をとても気に入り、ホワイトハウス内の上映室で何度かこの映画を鑑賞し、この場面を巻き戻させたというエピソードもある。また、1986年年頭の一般教書演説ではパート1のドクのラストのセリフを引用して次のように述べている。
さて、今夜、私はアメリカのより若い世代の皆さんに率直に申し上げたい、なぜなら、あなたがたこそ我々の合衆国の将来を担っているからです。(中略)映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で述べられているように、我々がこれから行こうとする場所には、道など必要ないのです("Where we're going, we don't need roads.")。 - ロナルド・レーガンは大統領の任期を終えた後、パート3に1885年のヒルバレー市長として出演するオファーを受け検討したものの、結局辞退している。
- クリスピン・グローヴァーは本作でマイケル・J・フォックスの父親役で出演しているが、実際にはマイケルのほうが3歳年上である。
- シリーズ通してエメット博士は「Doc」と呼ばれ、多くの日本語翻訳でも「ドク」としているが、英語において“Doc”は“Doctor”を省略した呼び名で、病院の医師や科学者などに対する敬称である。日本語でいえば、「博士」や「先生」に当たる。しかしニックネーム的に用いられているので「ドク」という翻訳のほうが自然であるといえる。
[編集] 資金
- 当初のクライマックスは、核実験場に行き、そこでタイムスリップをする予定であったが、予算の都合から変更された。結果的にはその方が良かったと関係者は語っている。
- 資金集めの為、企業とのタイアップが行われた。ガソリンスタンドの「テキサコ」と「カリフォルニアレーズン」である。ところが、劇中にレーズンの出てくるシーンはなく、マーティが1985年に戻った際、ホームレスのレッドが寝ていたベンチの背にカリフォルニアレーズンの名が書かれていただけだった。このため訴訟沙汰になりかけ、全額返還する事で事態を収拾した。
[編集] その他
[編集] ストーリー関連
(ストーリー順に列挙)
- 本作のオープニングの時計コレクションが並ぶシーンの中で、ドクをイメージしたと思われる人形が針にぶら下がってる時計があり、後のシーンを暗示している。
- マーティの部屋に貼ってあるポスターは、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースが1983年に発表したアルバム『スポーツ』である。
- 1985年にドクとマーティがデロリアンの実験をしたのは「TWIN PINES MALL(ツイン・パインズ・モール/二本松商店街)」の駐車場だったが、1955年にタイムスリップしたマーティが、当時その場所に家と農場「TWIN PINES RANCH(ツイン・パインズ・ランチ)」を構えていたピーボディ氏の栽培する松(二本松)の内の一本を倒してしまった為、1985年に戻ってきた時には「LONE PINE MALL(ローン・パイン・モール/一本松商店街)」に看板が変わっている。代表的なタイムパラドックスの例をさりげなく表現している。
- ドクは愛犬アインシュタインを乗せたデロリアンを1分先の未来に送るが、実際には1分20秒経過している。
- マーティがリビア人に発砲を受け、デロリアンに飛び乗るシーンはエリック・ストルツの映像を使用している。
- 1955年にタイムスリップした後、建造中のリヨン団地を発見し車を停めるが、このシーンのカットで日の出から一瞬で昼になる。
- マーティが1955年の建造中のリヨン団地を発見した後に、老夫婦が乗った車が通り掛るが、これはスピルバーグ監督の『激突!』のオマージュである。
- タイムスリップに必要な電力は1.21ジゴワットと言っているが、これは共同脚本家のBob Galeのミス。本来"gigawatt"(ギガワット)と書くべきこの単語の綴りを、Bob Galeは"jigowatt"だと信じ込んでおり脚本にもそう書いてしまった、とDVDのコメンタリで認めている。尚、1.21ギガワットは121万キロワットであり、これは本作品が公開された1980年代以降に建設された国内の原子力発電所の発電用原子炉1機分の電力とほぼ同じである。ちなみに落雷一回の電力量は平均で900ギガワット程度。
- マーティが1955年のジョージの家に忍び込み、宇宙人に成り済ましてジョージを脅迫するシーンでは、『スター・ウォーズ』でお馴染みのダース・ベイダーや、『スタートレック』でのバルカン星の名が登場する。またこの時、マーティは自らを「宇宙人」という意味で「extraterrestrial(『E.T.』)」と自称している。
- その脅迫にマーティが使用した”拷問器具”のウォークマン(アイワのカセットボーイ)とヴァン・ヘイレンのカセットテープは、84年にロレイン役のリー・トンプソンも出演していた映画『ワイルド・ライフ』(日本未公開)の為にエディーに書き起こされた曲からの抜粋。現在までにアルバム等に収録されておらず日本で聞く事は不可能といっていい。ちなみにヴァン・ヘイレンは続編のパート2でサントラを提供している。
- マーティが1955年のステージで演奏するギターはギブソン社のES-345である。このギターは1959年に発売されたもので当然1955年には存在しない。ちなみにこのギターはジョニー・B・グッドの実際の奏者チャック・ベリーが使っているモデルであり、そこに由来する。
- マーティがラストのダンスパーティで演奏するジョニー・B・グッドはチャック・ベリーの曲である。この曲は近代ロックンロールの原点とされており、そのためもあって「早かった」というセリフにつながる。演奏中にバンドのボーカルのマービン・ベリーが曲を紹介する為に電話をかけた相手が「従兄弟のチャックという事になっており、チャック・ベリーはこの電話で曲を聞いてジョニー・B・グッドを作ったというネタになっている。
- 1955年で両親と別れる際、母親のロレインが「マーティって良い名前ね」と言っていたが、実際には次男にマーティという名がついてる。これは1981年にできた当時の脚本では子供はマーティ一人だった。しかし実際に公開できたのは85年でマーティと親の年齢が離れすぎた為に三兄弟の末っ子という設定が新たに付け加えられた。ロレインのこのセリフはその名残だと思われる。
- 1955年から1985年に戻るシーンで、マーティが「タイムマシンで10分前に戻せば知らせられる」という台詞があるが、実際には11分戻している。しかも、キーパッドは全く別の場所を押している。
- ドク役のクリストファー・ロイドが時計台の長針にぶらさがるという、ハロルド・ロイドの『要人無用』のオマージュらしきシーンがある。
[編集] ストーリー以外
- 元々1作品で完結するものとして作られたものだが、3部作を通して見れば「タイムマシンの使用による希望」が描かれている。また、予め結末を知った上で都合のいいように歴史を変える事は結局は更なる不幸を呼ぶと言う事も暗喩するようになっている(最終的にマーティは自分の力だけで未来を変えている)。
- 時間旅行に関する考察が多く、「歴史改変をしたのであれば何故改変前の事実の記憶を主人公たちが持っているのか?」や「1885年の歴史を改変したのでは1955年から1885年に行くきっかけが消滅してしまうのではないか?」といった議論は未だに繰り広げられている。ただし、2作目の作中でのタイムパラドックスの説明からすれば、基本的にはパラレルワールド説を取っていると思われる。この場合、映画の視点は常にマーティのそれであると仮定し、タイムトラベルするたびに、マーティが別の歴史の時間軸(≒パラレルワールド)に乗り換えているだけである。
- マイケル・J・フォックスが出演していたテレビドラマ『スピン・シティ』の第3シーズン第18話(1999年2月23日放送)の題が「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART4?」 (Back to the Future IV - Judgment Day) であったが、これは単にゲストとしてクリストファー・ロイドが出演しただけである。
- 各地のユニバーサル・スタジオには、映画をもとにした『バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド』というアトラクションがある。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで使用されている映像は日本のイマジカが制作。これは当時全天周映画をオプチカル合成できる設備が同社にしかなかった為。但し、本国アメリカのユニバーサル・スタジオでは2007年3月限りで営業を終了している。
- 2002年にはDVDが初回限定生産としてBOX発売され、2005年には20周年アニバーサリーボックスが「OUTATIME」のナンバープレートの復刻版などを特典封入して発売された。
- 2002年に初回限定で発売されたDVDBOXはしばらくして再販された。初回限定版はパッケージ素材に虹色の光沢がかかっているのに対し、再販されたパッケージには光沢はついていない。DVD作製発表時には3部作の単品発売も発表されていたが後に中止。またBOXも初回生産のみとの発表であったた為、品薄状態となったが上記のように後に再販され、更には3部作の単品発売もされる事となった。また、20周年アニバーサリーボックスのパート2とパート3は画面サイズがオリジナルバージョンで収録されている。また新たに4枚目の特典ディスクが追加された(各作品の映像特典はそのまま)。
- アメリカでは2006年に『Looking Back At The Future』という関連作品が公開された。これは関係者のインタビューを集めたもの。
- 台湾輸出時には、主人公が出会い恋に落ちるのは主人公の母ではなく姉に設定が変更になっている。近親姦とみなされた事や、台湾で根強い儒教倫理において母子の恋愛は不孝であるとの価値観故とされた為である。[要出典]
- VFXの登場前に作られた作品である為CGは全く使われておらず、特殊撮影には光学合成や模型などが使われている。
[編集] デロリアン
- 車型タイムマシンはDMC社のDMC-12・通称デロリアンを改造したもの。マーティを演じたマイケル・J・フォックスは公開前特番でマーティに扮し、この車型タイムマシンと映画『タイムマシン』に登場したタイムマシンを並べて「いまどきのタイムマシン」と紹介した。
- スピードメーター(市販車のデロリアンはメーターが85マイルしかない。その為、特注で95マイルまでのメーターを作ったと言われている)やドア開閉時の動作音など、タイムマシン関連の機能以外にも市販のデロリアンと違っている点がいくつかある。
- 劇中でデロリアンの不調が目立っているが、これは実際のデロリアンでも起こる不調である。「この作品はデロリアンがいかにヘボ車であるかを世に知らしめた」と皮肉が飛んだ。
- デロリアンはリッター4~7kmという燃費の非常に悪い車である。
- 最初タイムマシンは冷蔵庫にする予定だったが、子供が真似をする(中に入って出られなくなる)可能性があるという懸念から中止になった。その後、監督がデロリアンのガルウイングドアを見て車型タイムマシンを思いついたという。
- 劇中でのデロリアン・タイムマシンのテスト時に使ったプロポ(ラジコン用無線操縦装置)は、日本の双葉電子工業製。撮影しているビデオカメラは日本ビクター製で「JVC」の文字が確認できる。
- マシンの欠陥として、「何故シフトレバーの手前にタイムサーキットのスイッチを置いているのか」という指摘をされる事がある。事実1955年へのタイムトラベルは、マーティが2速へのシフトチェンジの際に偶然スイッチが入ってしまったために起こっており、当の発明者であるドクも同じ事をして1885年へ飛ばされている。
[編集] 小説版との相違
- シリーズ3作ともノベライゼーションがでている(日本語版は新潮社からでていた)が、パート1のものだけ50ページ程長く、映画版に無いシーンも多く、映画版にあっても大幅に違うシーンがある。これは映画化される一つ前の段階の脚本を下敷きにしている事や、映画は撮影中にも次々と変わり、「最新の脚本なんて無い(ジャック・ニコルソン談)」からだと考えられる。
[編集] 映画版になかったエピソード
- ジョージはデール・カーネギーの『人を動かす』を読んで一代奮起して明るく振る舞おうとしたが、その結果はビフからサブマリン・サンドウィッチを顔にぶつけられただけだったし、女の子達からは余計に気持ち悪がられた。
[編集] 映画版との差異
- 冒頭、ドクの研究所に行き、そこで夜の実験の電話をもらうが、小説版ではマーティの学校にドクから電話が来る。
- マーティが遅刻するシーンはなく、上述のドクからの電話の時、ストリックランド教頭先生が電話の内容を盗み聞きしていて私用の電話だった事からマーティを問いつめていると、持ってきてはいけないウォークマンが見つかり、居残りを命じられる。居残りの部屋ではウォークマンがストリックランド先生によって万力で締め付けられ壊される。その際、映写機のレンズ、マッチ、ガムを利用して煙を起こし、スプリンクラーを作動させ、誰かのスケボーを奪いオーディション会場に行く。
- 映画では、マーティは1955年のドクに「便器で頭を打った時に次元転移装置を思いついた」という話をして信じてもらうが、小説版では信じてもらえず追い出されてしまう。その後真夜中まで待ち、直接研究所にデロリアンを持って行き実物を見せてやっと信じてもらう。その為、1955年のドクと「リヨン団地建設現場」(マーティがデロリアンを隠した場所)に行くシーンはない。映画では、この後いきなりマーティが録画したタイムマシンの実験のビデオを見るシーンとなるが、小説版ではマーティがビデオカメラとテレビを接続している間、ドクが1985年の自分の持ち物(ヘアドライヤー、木綿の下着、雑誌の「プレイボーイ」)をチェックするシーンがある(このシーンは実際に撮影されたが公開時にはカットされており、DVDの特典で未公開シーンとして見る事が出来る)。また、マーティは夜まで映画館で時間をつぶしていたため、ドクがタイムパラドックスの説明をする際、「もし本来この時代にいないはずのマーティが映画館に行ったために、その映画館の売り上げに変化が生じ、存続するか否かで本来は存続しなかったのに、マーティ分の売り上げで存続になったとしたら、更にもしその映画館が火災にでもなって、逃げ遅れた人の中に将来の合衆国大統領になるべく運命づけられている若者がいて、もしその火事で死んだとしたら、思い切り歴史を改変することになる。」と言っている。
- 魅惑の深海パーティーのジョージがビフを殴り倒すシーン。映画では、飲み物を飲んでいたジョージが時計を見て慌ててマーティの所に行っているが、小説版では、トイレに行ったらディクソンらが煙草を吸っており、入ってきたジョージをストリクランドと勘違いし、慌てて吸っていた煙草を捨てる。そのため、トイレの個室にしばらく閉じこめられる羽目になり、20分後にストリクランドがやってきて解放される。その後、慌ててマーディの所に向かうと、ビフがロレインに乱暴しているシーンとつながる。
- 1985年に戻ったシーンで映画では、「ローンパインショッピングモール」の看板が写るのみだが、小説版では、マーティが最初にいた1985年では、「トゥウィンパインズショッピングモール」だったのだが、1955年に松を一本倒したため、名前が変わったとドクに説明していた。また、過激派の襲撃の後、マーティとドクが動かなくなった(エンジンがかからなくなった)デロリアンの元に行くシーンがあり、ドクがダッシュボードの下にある隠しスイッチをパチンと入れると、デロリアンは何事もなかったかのように息を吹き返している。
[編集] スタッフ
- 監督:ロバート・ゼメキス
- 製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、キャスリーン・ケネディ、フランク・マーシャル
- 製作:ボブ・ゲイル、ニール・カントン
- 脚本:ロバート・ゼメキス、ボブ・ゲイル
- 音楽:アラン・シルヴェストリ
- 撮影:ディーン・カンディ
- 編集:ハリー・ケラミダス、アーサー・シュミット
- 主題歌:ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース「パワー・オブ・ラヴ」
[編集] キャスト
詳細はバック・トゥ・ザ・フューチャー・トリロジーの登場人物を参照
- マーティ・マクフライ (Marty McFly):マイケル・J・フォックス(吹き替え:山寺宏一(ソフト版)/三ツ矢雄二(テレビ朝日版)/織田裕二(フジテレビ版))
- エメット・ブラウン博士(ドク)(Dr. Emmett "Doc" L. Brown):クリストファー・ロイド(吹き替え:青野武(ソフト・USJアトラクション版)/穂積隆信/三宅裕司)
- ビフ・タネン (Biff Tannen):トーマス・F・ウィルソン(吹き替え:谷口節/玄田哲章/島香裕)
- ロレイン・ベインズ・マクフライ (Lorraine Baines McFly):リー・トンプソン(吹き替え:佐々木優子/高島雅羅/佐々木優子)
- ジョージ・マクフライ (George McFly):クリスピン・グローヴァー(吹き替え:富山敬/古川登志夫/富山敬)
- ジェニファー・パーカー (Jennifer Parker):クローディア・ウェルズ(吹き替え:勝生真沙子/佐々木優子/坂本千夏)
[編集] 吹き替え
日本語吹替版は映画本編だけで少なくとも3種類作られている。
- 地上波初放送の1989年2月5日のテレビ朝日版はマーティが三ツ矢雄二、ドクを穂積隆信、タネン一族を玄田哲章。現在でもこの組み合わせはベストとの声が多く、実際に放送時の視聴率も高く、再放送率が一番高い為にこの組み合わせでのソフト化を希望する声は多い。なお、初放送はテレビ朝日30周年記念として放送されていた。
- フジテレビ版はマーティが織田裕二、ドクを三宅裕司。主演二人が洋画吹替に不慣れで非常に視聴者の評判が悪く、今日でも良くない例として引き合いに出される程である。翻訳は『刑事コロンボ』などで知られる額田やえ子。実はこのフジテレビ版は1997年9月20日に一度だけ再放送されており、その時はゴールデン洋画劇場枠で2週連続放送(パート1と2)のうちパート1のみ吹き替えが違うという事態が発生した。
- 日本テレビ、テレビ東京ではテレビ朝日版を再放送。パート3のみ日本テレビがテレ朝版放送するも、2回目には独自製作版を放送するが他の声優は完全入替の中、マーティだけは三ツ矢雄二が行っていた。
- 販売用ビデオやDVDの吹き替えはマーティが山寺宏一、ドクを青野武。
- ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでのアトラクションでは、マーティは未登場、ドクを青野武。
- 権利上の関係で吹き替え音声が使用できない衛星放送などでは字幕放送となる事がある。字幕も訳者やスポンサーの関係により複数のバージョンが存在している。
- このように多数の声優、俳優が吹き替えを行っている中で、意外にも多くのマイケル・J・フォックス映画や米ドラマ「ファミリー・タイズ」などを吹き替えている宮川一朗太は本作で一度も吹き替え担当になった事がない。これについて宮川は自身のブログで「ノーギャラでいいから一度マーティの吹き替えをやらせてほしい」と告白している。
[編集] 関連項目
- バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド ユニバーサル・スタジオのアトラクション
- ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース 主題歌「パワー・オブ・ラヴ」を演奏したバンド。
- クリス・ヘイズ 「パワー・オブ・ラヴ」の作曲・作詞者(ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのギタリスト)。
[編集] 受賞歴
[編集] 仕様
[編集] 外部リンク
- バック・トゥ・ザ・フューチャー ファンサイト(日本語)
- BTTF RISER's ROOM ファンサイト(日本語)
- BACK TO THE FUTURE DVD公式サイト(英語)
- BTTF.com 巨大サイト(英語)
- Looking Back At The Future 公式サイト(英語)
- Box Office Mojo(英語)
星雲賞メディア部門 |
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登場人物 | バック・トゥ・ザ・フューチャー・トリロジーの登場人物 |
その他 | デロリアン · バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライド |