E.T.
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E.T. E.T. The Extra Terrestrial |
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監督 | スティーブン・スピルバーグ |
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製作 | スティーブン・スピルバーグ キャスリーン・ケネディ |
脚本 | メリッサ・マシスン |
出演者 | ヘンリー・トーマス ドリュー・バリモア ピーター・コヨーテ ディー・ウォーレス・ストーン ロバート・マクノートン |
音楽 | ジョン・ウィリアムズ |
撮影 | アレン・ダヴィオー |
編集 | キャロル・リトルトン |
配給 | ユニバーサル映画 CIC |
公開 | 1982年6月11日 1982年12月 |
上映時間 | 115分(オリジナル版) 120分(20周年記念特別版) |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
制作費 | 1050万$ |
興行収入 | 4億3500万ドル 米国外:3億5780万ドル 全世界:8億ドル |
allcinema | |
Variety Japan | |
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IMDb | |
『E.T.』(イーティー、E.T. The Extra Terrestrial ) は、1982年公開のアメリカのSF映画。ならびに、同作品に登場する、架空の地球外生命体(Exra=外の、Terre=地球、strial>stella(星)の者)の名称である。
製作会社はユニヴァーサル映画で、監督・製作はスティーブン・スピルバーグ。第40回ゴールデングローブ賞 ドラマ部門作品賞受賞作品。また、1994年に米国連邦議会図書館がアメリカ国立フィルム登録簿に新規登録した作品の1つである。
目次 |
[編集] 概要
- 興行収入
- 約1000万ドルという予算で製作されたが、公開と同時に、アメリカ国内だけでおよそ3億ドルという当時の映画史上、最大の興行収入を記録する。日本国内では1997年公開の『もののけ姫』に抜かれるまで、邦画と洋画の配給収入の歴代一位の座を護っていた。
- ビデオソフト売り上げ
- 1988年に本作のビデオソフトが発売。アメリカでは24.95ドル(当時、通常の人気映画作品は50~80ドル程度)、日本では10500円(当時、通常洋画作品は15000円~16000円程度)という低価格での販売となった。アメリカでは予約注文だけで1100万本を記録し、同年11月までに1200万本を販売した。それまでの米国記録であった『シンデレラ』の530万本を大きく上回る記録となった。日本でも同年11月までに17万本を売り、劇場映画としてはそれまでの日本記録であった『トップガン』の14万本を上回った[1]。
- 20周年アニバーサリー特別版
- 公開から20年を経た2002年、人形(パペットや着ぐるみ)で作られたE.T.を最新技術のCGで作り直し幾つかの場面を修正および追加(詳細は下部に記述)した、『E.T. 20周年アニバーサリー特別版』が公開され約7億ドルの興行収入を記録。オリジナル版との総計で『タイタニック』『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』『シュレック2』に続く、歴代4位となる約43億ドルの興行記録を樹立している。
- 受賞
- 第55回アカデミー賞では音響効果賞、視覚効果賞、音響賞、作曲賞を受賞した。
- また、作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、編集賞にもノミネートされた。
[編集] E.T.アドベンチャー
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンにはこの映画を題材にしたアトラクション「E.T.アドベンチャー」がある。ゲストは冒険者となり、森を抜けE.T.の故郷グリーンプラネットを救う冒険に出発する。待ち列には映画に登場した無線機などの小道具が展示されているほか、名シーンである月に自転車の陰が映るシーンも再現されている。
[編集] ストーリー
母親、兄、妹と暮らす少年エリオットが地球に取り残されてしまった異星人と出会い、心を通わせる。「E.T」と名づけたその異星人を、兄妹は大人たちの目から隠し、庇う。そして彼を故郷の星へ帰してあげようとする。
[編集] スタッフ/キャスト
※日本語名は日本語版製作スタッフならびに日本語吹き替えを担当した声優である。
[編集] スタッフ
- 監督/製作:スティーヴン・スピルバーグ
- 製作:キャスリーン・ケネディ
- 脚本:メリッサ・マシスン
- 編集:キャロル・リトルトン
- 撮影:アレン・ダヴィオー
- SFX/20周年記念特別版公開時の修復:ILM/デニス・ミューレン
- アニメーション監督:コリン・ブレイディ
- 特殊効果:カルロ・ランバルディ
- パントマイム:カプリース・ローズ
- 音楽:ジョン・ウィリアムズ
- 字幕翻訳:戸田奈津子
- 演出:小山悟(オリジナル版)/山田智明(20周年記念特別版)
- 調整:小野敦志
- 録音:東北新社
[編集] キャスト
- エリオット:ヘンリー・トーマス(浪川大輔/村上想太)
- ガーティ:ドリュー・バリモア(藤枝成子/松野瞳)
- マイケル:ロバート・マクノートン(鳥海勝美/林勇)
- メアリー:ディー・ウォレス・ストーン(駒塚由衣/藤生聖子)
- キーズ:ピーター・コヨーテ(/牛山茂)
- E.T.の声(パット・ウェルシュ):(高橋和枝/真山亜子)
[編集] 『20周年記念特別版』における変更点
先述のとおり2002年に公開20周年を記念して『E.T. 20周年記念特別版』が公開されたが、最新技術による修正や、世相を反映したセリフなどの変更がなされている。具体的な変更点は以下のとおりである。
- オリジナル版でSFXを担当したILMが再び編集を担当。背景に雲を流し、樹木や登場人物の衣装が風に靡くようになった。
- オリジナル版ではカットされていた「バスタブでのシーン」や「ハロウィンのシーン」が、最新技術での編集により公開可能な水準に達し20年を経て初めて追加された。
- 主人公たちを追いかける警察官の手から拳銃とショットガンが取り除かれた。ショットガンのクロースアップも削除された。父親になって以降のスピルバーグが常に変更を望んでいたシーンである。また、劇中における「テロリスト」という台詞が「ヒッピー」に変更された。公開前年の2001年に発生したアメリカ同時多発テロ事件の影響を考慮したものと推測される。
[編集] 豆知識・エピソード
- ハロウィンでE.T.がヨーダの仮装をした人を追いかける場面では、さりげなくヨーダのテーマ曲が流れている(これはE.T.の音楽、スター・ウォーズの音楽ともに担当したジョン・ウィリアムズによるジョークである。)
- 当初予定されていた台本は「グレムリンのような地球外生命体が、とある農家を恐怖に陥れる」というものであった。
- 脚本を担当したメリッサ・マシスンは『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』でスピルバーグがインディ・ジョーンズ役として起用したハリソン・フォードの当時の妻である。(なお本編ではカットされているが校長役でハリソンフォードもE.T.に出演している)
- 地球に迷い込んだ地球外生命体という設定であるE.T.は「甲羅のない亀のような姿」で、アルバート・アインシュタイン、アーネスト・ヘミングウェイ、カール・サンドバーグらの晩年の写真に見られる「落ち着きのない目」というコンセプトを元に製作された。
- この映画の着想の一つは、監督が来日した際に見た映画『ドラえもん のび太の恐竜』だと言われている。詳しくは該当項目を参照。
- この映画で空を飛んだ自転車はKUWAHARA BIKEWORKS(映画公開当時は桑原商会)という大阪は今里に会社がある日本製である。自転車のカラーリングはデザイナーとスピルバーグにより当時では珍しい白赤2色のグラデーション(レジェンドカラー)のデザインになった。映画公開当時にはE.T.自転車として全世界で売れたヒット商品となり、日本ではレプリカが39800円。競技用が69800円と子供が乗るには高価な自転車だった。E.T.公開20周年の2002年には特別編公開を記念して限定300台が49800円で復刻され話題を呼んだ(オプションでE.T.を乗せるカゴが4500円で販売された)
- 英ロックバンド、カサビアンのボーカル、トム・ミーガンが大のE.T.ファンで映画で実際使用されたBMXを1万ポンド(約231万円)で購入した(2007年)。
- エリオットがE.T.を探す為に森に蒔いたチョコレートはハーシー社製の物だが、当初はM&M's社のチョコレートを使おうとしていた。だが、M&M's社に断られ、代りにハーシー社の物を使用した。尚、映画のヒットによりハーシー社のチョコレートは大ヒットし、自社のチョコの使用を断ったM&M's社の責任者は、解雇されたとも言われている。
- 家庭用ゲーム機のAtari 2600にもゲームとして移植されたが、このゲームは大変出来が悪い、いわゆるクソゲーの評価を受ける結果となり、有名なアタリショックを起こす原因となった。詳しくは「E.T. (アタリ2600)」を参照。
[編集] デディケイト
監督のスピルバーグは、アクターズスタジオのインタビューで、本作をフランスの映画監督フランソワ・トリュフォーに捧げたと公言している。『未知との遭遇』でトリュフォーを出演者としてアメリカに招いた際、撮影時に「これから、あなたは子供達に向けた映画を創りなさい」と、クリエイターとしての将来の助言を受けたことが本作を作る強いモチベーションになったと述懐している。
[編集] 受賞/ノミネート
- 第55回アカデミー賞
- 受賞・・・作曲賞/視覚効果賞/音響賞/音響効果編集賞
- ノミネート・・・作品賞/監督賞/脚本賞/撮影賞/編集賞
- 第36回英国アカデミー賞
- 受賞・・・作曲賞
- ノミネート・・・作品賞/監督賞/脚本賞/撮影賞
- 第40回 ゴールデングローブ賞 ドラマ部門作品賞/音楽賞
- 第17回 全米批評家協会賞 監督賞
- 第8回 LA批評家協会賞 作品賞/監督賞
- 第25回 ブルーリボン賞 外国作品賞
- 第56回 キネマ旬報ベスト・テン 委員選出外国語映画第1位/読者選出外国語映画第1位
- 第6回 日本アカデミー賞 最優秀外国作品賞
[編集] 脚注
[編集] 外部リンク